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高知県議会議員  
  
坂本 茂雄


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2024年11月22日更新

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今後の予定

予 定 県政かわら版74号  10月2日仮議事録 
 11 23  土  やえもん防災訓練   
      平和運動センター・ピースセミナー講演   
  24  日  マンション防災訓練   
  25  月  昭和小防災オープンDAY打合せ   
  26  火  図南病院検診   
  27  水  議会会派説明   

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11月22日「台湾有事と向き合う石垣の特定利用空港・港湾施設でも国の対応は」


 11月18日から、県民の会で2泊3日の行政視察に行ってきました。

 今回の調査目的としては、台湾有事と向き合わざるをえない沖縄県、八重山諸島に位置する石垣市、竹富町で、本県でも受け入れた特定利用港湾指定の位置づけなどについて、聞き取りをすることでした。

 初日は石垣市にある沖縄県庁八重山合同庁舎で、沖縄本島の県庁港湾課・空港課、基地対策課・防災危機管理課とオンラインによって特定利用空港・港湾、台湾有事等々の意見交換を行わせて頂きました。

 二日目の午前中は、石垣市役所で、建設部港湾課から台湾有事等を想定した特定利用港湾対応など、観光文化課から国際観光(クルーズ船・台湾定期船)やオーバーツーリズム、ユニバーサルツーリズム対応などについて聞かせて頂くとともに、特定利用港湾指定で整備を期待されている石垣港を見学させて頂きました。

 昼食もそこそこに、昨年整備されたばかりの陸上自衛隊石垣駐屯地周辺まで行き、午後には石垣市内の竹富町役場で、防災危機管理課から地域防災計画・特定利用港湾の対応などについて意見交換をさせて頂きました。

 また、最終日は、僅かな時間にも関わらず石垣市議の砥板芳行氏、大道夏代氏、井上美智子氏、田盛英伸氏にお集まりいただき、意見交換をさせて頂きました。

 詳細は、改めて報告させて頂きますが、県・市・町の立場や市議会議員さんの率直なご意見を聞かせて頂き、台湾有事と向き合わざるをえない石垣における特定利用空港・港湾への国の対応を知ることができるなど大変有意義な調査となりました。

 ご協力いただいた皆様に感謝しかありません。

11月17日「パレスチナ連帯凧あげ」


 2023年10月7日以降、ガザへのイスラエルの軍事侵攻とジェノサイドは、停戦を求める国際的な世論に反して、「民族絶滅」政策の様相を示しています。

 パレスチナの平和を願う国民有志は、イスラエルによるガザ軍事侵攻とジェノサイドに反対する、日本、そして世界のすべての人々に、ガザ、そして占領下パレスチナで、自由と平等と、尊厳ある生を求めて闘っているパレスチナの人々に対する連帯の思いを込めた、全国一斉凧揚げアクションに賛同して、高知でも今日の午後3時~「パレスチナ連帯凧あげ」が行われました。

 バレスチナの人々は凧あげをする伝統があるとのことで、「天井のない監獄」というか今では「天井のない地獄」にいる人々にとっては、平和と自由への希望の象徴なのかもしれないとの主催者の皆さんの思いをのせて老若男女で凧揚げに息を切らしていました。

 全国一斉アクションを通して、イスラエルによるジェノサイド下のガザの人々に対する連帯の意志を表明するとともに、イスラエルに即時停戦と、12カ月以内にガザ、東エルサレム、西岸から軍および入植地を撤退させるという国連総会決議の速やかな履行を要求し、そして、日本政府に対しては、日本国憲法の理念に則り、パレスチナの国家承認と平和的解決に尽力するよう求めています。

 バレスチナの人々は凧あげをする伝統があるとのことで、「天井のない監獄」というか今では「天井のない地獄」にいる人々にとっては、平和と自由への希望の象徴なのかもしれないとの主催者の皆さんの思いをのせて老若男女で凧揚げに息を切らしていました。

11月15日「12月以降も国民の医療を受ける権利が奪われないよう」

 来月2日から、現行の健康保険証の新規発行がなくなり、マイナンバーカードを使う「マイナ保険証」への移行が進められています。

 ただ、最近の政府広報は、トーンが変わって「マイナ保険証がなくても医療が受けられる」というメッセージが前面に出ています。

 変更の背景には、首相が代わり、マイナ保険証の旗を振っていた河野太郎デジタル相が閣外に去ったことがあると言われるが、それなら始めからそう言えよと言いたくなります。

 これまで、マイナ保険証に別人の情報がひもづいたり、病院の窓口で負担割合が誤って表示されたりする事態も重なり、期限を切った「廃止」という強い言葉が、多くの国民に「不安」と「不信」を増幅させ、直近でも、受診者に占めるマイナ保険証の利用率は「13・87%」(9月末現在)に留まっています。

 毎日新聞によると、情報システムの専門家でつくる一般社団法人「情報システム学会」の元常務理事で博士(情報管理学)の八木晃二さんは、DXを積極的に推進する立場だが、「マイナ保険証は危険すぎる」と指摘されています。

 そして、「国民がマイナ保険証の導入に反対しているのは、今のマイナンバー制度にセキュリティー上の抜け穴があることに多くの国民が気付き許容できないと思っている」からだと言い、加えて、「マイナカードは国民視点、ユーザー視点からの運用設計が欠如している。」とも指摘しています。

 結局政府は、つぎはぎの修正を迫られ、12月以降は、現行保険証とほぼ同じ機能の「資格確認書」を発行し、マイナ保険証を持たない人に加え、健康保険証が失効する75歳以上には当面、全員に送るとのことです。

 現行保険証の併用に比べ複雑さが増え、新たなトラブルも心配されますが、何より国民の医療を受ける権利が損なわれる事態だけは回避するよう政府は責任ある対応をとらなければなりません。

11月13日「『ドン・キホーテ』24時間営業は断念、交通事情はさらに改善を」


 これまでも、機会あるごとに県内初進出のドン・キホーテの地元説明会の課題などについて、お知らせしてきたところですが、昨日、県大規模小売店舗立地審議会で、新店舗「ドン・キホーテ高知店」(仮称)の説明、審査が行われました。

 傍聴はしていませんが、報道などによると次の点が明らかになったようです。

 計画によると、駐車場243台と駐輪場108台を設けるが、新店舗のオープン日や営業形態について同社広報室は、現時点で開示できる情報はないなどとしており、審議会では営業時間についても審議されなかったようです。

 ただし、現状、営業時間を「24時間」で届け出ていますが、審議会後に「24時間営業はしない」方針を明らかにしたようです。

 また、店舗用地は国道32号沿いにあり、審議会には地域住民から「大渋滞になり交通事故がおきる危険度が高くなる」などの懸念が寄せられていたことから、委員からは、南側出入口に面する国道の交通量に関して本線を利用する車の列が長くなる可能性が高く、店から1度に出す車の台数を決めたり、公共交通機関を利用して店に来る人を増やすなどの施策を積極的に検討してほしいといった意見も出るなど、交通量や周辺住民の生活に配慮を求める意見が相次いだとのことです。

 これに対しドン・キホーテ側の担当者は近隣施設の協力のもと臨時駐車場を設けるほか、看板や路面標示の設置、誘導員による車両誘導を行い混雑解消につとめる予定であると述べ、審議会としては、開店後も検証など行うよう、但し書きをつけた上で県に答申するとのことです。

 私たちが、小学校関係者や交通安全関係者とともに、これまでに提出した大規模店舗立地法に基づく意見書の内容を踏まえた対応されている面もありますが、まだ対応して頂きたい面については地域の皆さんとともに、注視していきたいものです。

11月12日「災害時、支援制度の知識が住まい再建の希望に」


 11月9日は、全国各地で講演中のお忙しい中、永野海弁護士に下知にお越しいただき「被災後の生活再建に必要な支援制度を事前に知る」とのテーマで、事前復興講演会を開催しました。

 ケーススタディの事例が、偶然にも昭和小近辺にお住いの二人暮らしの高齢夫婦が、被災したことを想定した生活再建支援でしたので、参加者の皆さんも身近に感じながらお話しを聞かせて頂きました。

 6段階の罹災証明で、どの判定を貰うかによって天国と地獄の差になることもある中で、事例の世帯が「半壊」であることを前提に、当事者がどのように生活再建をするのか、相談され支援するとしたら、仮設住宅に入る段階で、どのような支援があるか、その支援金や最終的な住まいの選択に当たっての支援制度は何があるのかなど、グループごとに話し合いながら、住まいカードやライフスタイルカードを貼って、支援金額などを記入していきます。

 そのことによって、一定の金額が手元に構えられるとしたら、生活再建への希望が持てるのではと思えることを実感されたようです。

 50代の方からは、「ワークショップ形式でシュミレーションしたら「自分事」になりやすいことが分かりました。難解な制度を知ること、使いこなせることで、その後の人生も変わってくることがよく分かりました。『知識が会ったら希望が持てる』という言葉がとても大切に聞こえました。」との感想もありました。

 「支援制度の組み合わせによっては貯金が少なくても住宅再建できる」とのアドバイスに、参加者からは、被害に会わないのが一番良いが、どうせあうなら何としても「半壊」の判定を勝ち取らなければとの声もあがっていました。

 被災地での相談会でも、質問が出されることで、他の人の質問を通して、共有化できるとのお話しがありましたが、この講演会でも今までにはないほどの質問が制限時間一杯出されました。

 詳しい内容やこの支援制度のカードなどは、永野弁護士の「ひさぽ」(被災者支援情報さぽーとぺーじ)というHPからご覧いただけますので、ご紹介しておきます。

11月11日「「特定利用港湾」の指定受け入れの撤回を求める請願署名にご協力を」

 12月議会に提出すべく取り組んでいる「「特定利用港湾」の指定受け入れの撤回を求める請願署名」を郷土の軍事化に反対する高知県連絡会で取り組んでいますが、今日は中央公園北口で署名行動を行いました。

 国は、自衛隊等が「有事」を見据え、自治体管理の港湾を整備活用する「特定利用港湾」に高知港(高知新港含む)、須崎港及び宿毛湾港を指定し、濵田高知県知事は3月に受け入れを表明しました。

 多くの県民に十分な理解を求めることもなく、議会での議決もなしに、知事が受け入れたことを、私たちは容認できません。

 街頭でお声をかけてくれた県民からも、「私たちもあまり知らない中で、そんな大事なことが議会の議決なしに決められるなんておかしい」との声を頂きました。

 「高知県議会として「特定利用港湾」の指定受け入れの撤回を高知県に求めること。」の一点での請願にどうぞ、ご署名下さい。

 請願署名用紙はこちらからダウンロードできますので、どうぞご活用ください。

11月8日「滅多に聴けない事前復興防災講演会にお越しを」

 4日に、輪島市を訪ね、門前総合支所でJOCAの山中弓子さんに、お話を伺った際に、その前日に永野海弁護士が同会場で被災者の説明相談会を開催されていたとのことで、会場一杯の参加者が熱心に相談をされていたとのことでした。

 永野弁護士は、参加者が多かったのは、「いままでは死なないこと、生き抜くことで精一杯で、お金のことや支援制度のことなど考えられなかった。仮設に入れたことでようやく少しそういうことが考えられるようになった。」ことなどが影響されていたのではと、FBに書かれています。

 能登半島地震での支援活動など被災地での被災者支援に尽力されている永野弁護士は、被災前から支援制度を知っておくことが、行政にとっても市民にとっても生活再建の多様な選択肢を活用し、諦めることなく復興に向けて歩み出すことにつながるお話を聞かせて頂く下知地区での講演会が、明日に迫ってきました。

 身近に聞かせて頂く機会は、滅多にありません。

 どうぞ、ご参加ください。

 予約なしで結構ですが、ご一報頂ければ有難い限りです。

 なお、駐車場はありませんので、公共交通機関か隣の有料パーキングをご利用ください。


日 時:11月9日(土)18時~20時

場 所:下知コミュニティセンター・4階多目的ホール

テーマ: 「被災後の生活再建に必要な支援制度を事前に知る」

11月7日「困難極める輪島の被災者支援、復興まちづくり」

 能登視察の最終日に訪ねた輪島市での調査内容について、報告します。

【11月4日 輪島市】

10時15分~
 輪島市役所門前総合支所にあるJOCA(青年海外協力協会)では、門町地区で仮設住宅を訪問し、被災者の支援を行われている「親子支援・災害看護支援*てとめっと」代表の山中弓子さんから、門前地区での仮設住宅や被災者の状況についてお話しを伺いました。

 11カ所の仮設住宅に500前後の世帯があり、水害の被害も大きく支援者も足りない状況だと言われていましたが、門前地区でも支援者は3名とかで、その負担量は大変だと思わざるをえませんでした。
 
 輪島の方は、大きな家に住んでいた方が多く、土間ほどの広さの間取りで、2人で暮らすことにストレスを感じられている方もいるし、仮設浦上団地では4月に入居して、9月に浸水で、入居者は疲弊しており、メンタル面での支援が必要であるとのことでした。しかし、集会所もなく、今後サロン活動を充実させていくことが課題となっているそうです。

 当日は、支所の駐車場にバスが2台止まり、若い方たちが周辺に多くいましたが、水害復旧のボランティアバスが出されており、ボランティアの受け入れ体制も調整されているとのことでした。

 訪問した前日には、永野海弁護士が開催された被災者の相談会では、春先より質問も増え、具体的になったと仰られていましたが、永野弁護士のFBでは、「いままでは死なないこと、生き抜くことで精一杯で、お金のことや支援制度のことなど考えられなかった。仮設に入れたことでようやく少しそういうことが考えられるようになった。」ことなどが影響されていたのではと書かれていました。

 避難所は、8月に一旦閉鎖されていたが、水害で再開されているとのことです。

 買い物難民に対しては移動販売もあるが、通院難民は深刻な問題であるとのことでしたし、これまで支所で公費解体の申請受付をしていたのが、11月からは輪島市役所に一本化されたということで、こちらも車の運転ができない高齢者には、大変な負担になることだと思いました。

 これから仮設への支援活動に出られる前に時間を取って頂いた山中さんに、感謝し、総合支所を後にしました。

11時~

 能登半島のいわゆる外浦と呼ばれる沿岸部で、最大4mを超える地盤隆起があると言われていたが、支所から10数分のところにある門前町黒島の地盤隆起の現場を見てきました。

 今は、砂浜となっている中に波消しブロックが多く見受けられ、港から堤防までがずっと陸上になってしまっており、このような地形変化は「数千年に一度」と言われているとのことでした。

 また、伝統的建造物群保存地区の黒島地区も、中まで入り込む時間はありませんでしたが、道路側から写真だけは撮影してきました。

 高知県でも、今後は室戸吉良川地区や安芸市土居廓中での備えの教訓とすべきことだと思う次第です。

12時15分
 大地震発生後およそ1時間10分後に火災発生の一報に始まり、地震による断水や津波への恐れで海へも近づけず、消火活動が遅れる中、火は燃え広がり、朝市通りと呼ばれる本町商店街周辺を焼きながら拡大しました。2日7時半ごろ火災を鎮圧、6日午後5時10分鎮火したとの記録があります。


 消失面積は約49000㎡、焼損棟数約240棟に上ったと言われています。

 そして、象徴的建物だった倒壊ビルの公費解体も始まったばかりの街並みをどのように復興させていくのか、これからの課題であることを突きつけられた輪島市内の火災跡でした。

11月6日「珠洲市でのある避難所運営が参考に」

 能登半島地震被災地視察を終えて、報告をしたいのですが、一度には無理なので、まず、3日の珠洲市について報告させて頂きます。

【11月3日 珠洲市】

10時~ 
 今は、生活家電支援でお忙しいPWJ珠洲事務所を訪ねて、木下看護師から早速ということで、移動しながら当日の打合せをし、まずは神戸大学建築学槻橋先生とその学生たちによる「記憶の街」ワークショップin珠洲・寺家の展示を案内頂きました。

 この「記憶の街」ワークショップは、槻橋先生のお話をZOOM会議で聞かせて頂いたこともありましたし、京都大学牧紀男先生の事前復興講演会で、兵庫県南あわじ市福良地区の「失われない街」プロジェクトの話として紹介頂いていたので、絶好の機会でした。

 会場は、最終日ということもあって、たくさんの方が駆けつけており、地元でそのジオラマづくりに関わられていた方々とお手伝いをされた学生さんたちの間で話が弾まれていました。

 私も槻橋先生にご挨拶をさせて頂いて、今後下知地区の事前復興に関わって頂きたい旨のお願いもさせて頂きました。

 これまで下知地区で取り組んできたワークショップを、さらに「可視化」していくことにも通ずるのではないかと思ったところです。

11時30分~
 会場を後にして、営業が再開されている道の駅狼煙で昼食をとった後、岬自然歩道を登って禄剛崎灯台から隆起している海岸線も一望しました。

 道の駅の敷地内も液状化部分があり、浮き上がっている施設などもありました。

 また、隣接地には、トレーラー型仮設住宅も設置されていましたが、PWJ木下さんの話では、表札がかからず、番号表示のみなのでコミュニティが形成しにくい感じがするとのことで、高知での活用の際にも検討しておかなければならないことだと考えさせられました。

13時~

 正院公民館長の小町さんから、発災時の避難所運営について、お話を伺ために向かう途中にあった解体工事の廃棄物の仮置き場は満杯状態で、一時解体工事が中断するとの話もありました。

 出迎えてくれた小町公民館長が、まず敷地内の断層について説明頂き、施設そのものも傾いており、現在活用されてはいるが、現地修復ではなく移転も視野に入れた検討がされているとの話でした。

 事務所や集会室に入って驚かされたのは、正院小学校で避難所開設をしてからの日毎の推移を記録したものや子どもたちが作成した「正院小ひなんしょ新聞」が丁寧に掲示されていたことでした。

 このような形で記録されているものを、ぜひ未災地で教訓化して頂きたいとの思いがしました。

 お話の中での印象に残った部分を下記に記しておきます。

▼正院地区では震度4以上で公民館長は避難所に駆けつけることになっていて、情報収集・避難所開設を行うこととなっている。

▼避難されていた方々の中で、対策本部を設置して、名簿作りを先ず行ったが、485人+車中泊で約700人だったが、車中泊まで手は回らなかった。正月だったので、帰省客なども多かったので、県外の方も多くいた。

▼消防団員が中心になって、仮設トイレを校庭につくったりしながら、避難所開設を行ったが、その後プッシュ型で仮設トイレや凝固剤が届いた。

▼避難所スタッフで仕事に復帰する方などもいたので、長期の避難所体制に備えるため、10日に班体制などを見直し・再編成をした。

▼1日~15日まではミーティングを朝晩と2回行っていたが、16日からは夕方のみ1回にした。

▼消防団は、見回りを行い、在宅の方の安否確認などにも回ってくれたし、リヤカーでの水の運搬など193日間の避難所運営に23人の団員が、ずっと関わってくれて、八面六臂の活躍だった。また、団員2名が避難者として過ごされていたので、避難者も安心感を持たれていた。

▼避難所としての学校を子どもたちが使えるようにする準備もしていった

▼感染症が出始める中で、運営の当番には「オールキャスト」で臨んだ。

▼小中学生が作成した「正院小ひなんしょ新聞」にも、その対応が呼びかけられるなどした。ひなんしょ新聞は「ケセラセラ」と名付けて、子どもたちが、希望を持たせてくれた。

▼支援物資も届き体育館で管理したが、子どもたちに体育館を使ってもらうために、支援物資を整理して、体育館をできるだけ使ってもらうようにし、卒業式も行えた。避難所と学校の共存をめざした。

▼昨年の5月の地震の際に、ボランティアで来てくれた縁で富山の方が炊き出しも行ってくれた。

▼運営のポイント
 ①県内外の支援チームの力を借りる。受け入れ体制を整えてその専門知識や知恵を活かす。
 ②運営が円滑に行くよう班構成を工夫する。避難所の変化に伴って班構成を見直す。
 ③避難者、スタッフ、県内外の支援チームが運営方針を共有できるようにミーティングを重ねる。
 ➃一人に負担が集中しないよう各班で連携を深める。順番に休息が取れるように体制を工夫する。

▼今後の課題
 ①指定避難所の想定避難者数に見合う備品(水、食料、簡易トイレ、毛布、個別テント、段ボールベッド、マット、パーテーションなど)の充実を図る。定期的な点検を怠らない。
 ②「自分たちのまちは自分たちで守る」ことを念頭に、公民館や自主防災組織などを中心に置きながら、地域住民が協力できる体制を作り上げていく。

▼避難所運営については、避難者の多くが、地域の中で顔の見える関係があったことが、うまくいったことにもつなかったと思う。いずれにしても性善説にたって避難所運営にあたるという心持が大事だと思う。

▼150年以上続くお祭り「奴振(やっこふり)」があるし、運動会もあるが、コロナで中断していたものの昨年再開した矢先だった。公民館事業もできるだけ早く復活したい。

15時~
 若山公民館では、PWJ珠洲事務所の木下さんの案内で9月23日の大水害によって避難されたお二人の方とお話しする機会を頂きました。

 気づいた時には、浸水が始まっており、やっとの思いで避難したとのことで、私たちに「とにかく避難袋を持って逃げるのではなく、身一つで命だけ持って逃げた方がよい」とのメッセージを頂きました。

 今度の日曜日には、避難所の集約によって、今の避難所から引っ越さなければならないとのことで、PWJの木下さんと相談をされていましたが、地震・水害という二度の災害が大きくダメージを与えている被災者の気持ちを考えた時、我々も「複合災害」への向き合い方を考えておかなければならないことを痛感させられました。

16時30分~
 津波被害の大きかった宝立地区では、液状化によるマンホールなどもそのまま放置されていたり、ほとんど手のついてない沿岸部の復興は見通せない状況です。

 一方で、世界的建築家がデザインした、木造2階建て仮設住宅6棟90戸が完成しており、接着剤を使わず接合した集成材「DLT」で作った箱型ユニットを積み重ね、仮設住宅では初の木造2階建てを実現し、県内産の杉が使われているとのことです。

 仮設住宅用地が、大幅に不足している本県においても、2階建て仮設住宅の参考となるのか、検討が必要となります。

 4日早朝には、宿泊させて頂いたPWJ珠洲事務所の周辺を見て回ったが、公費解体工事が7時から始められていると状況を目の当たりにしたが、やっと公費解体が進み始めたということだと感じる街並みでした。

11月5日「能登半島地震被災地を訪ねて」


 3日間の連休を利用して、下知消防分団の国見団長らとともに、能登半島地震の被災地を訪ね、現地を視察の上、支援団体や地域の公民館長などから当時のお話を聞くなどしてきました。

 初日は、豪雨の中を北上していった関係で、金沢市内の高台団地崩落現場は時間的に視察できませんでしたが、11月3日の珠洲市~4日の輪島市にかけては、何とか予定通り視察・ヒアリングを行わせて頂きました。

 日頃からご指導いただいているPWJさんの事務所に宿泊させて頂くとともに、正院公民館さんをアテンド頂くとともに、被災地を順次案内頂きました。

 また、輪島では門町地区で仮設住宅を訪問し、被災者の支援を行われているJOCAの山中弓子さんから門前地区での仮設住宅や被災者の状況についてお話しを伺いました。

 お世話になった皆さんに感謝する次第です。

 しかし、調査内容が多岐にわたりますので、後日改めて報告させて頂くこととします。

11月1日「学校に行きづらい児童生徒と寄り添える体制の拡充を」

 年30日以上登校せず、「不登校」とされた小中学生が、昨年度は過去最多の34万6482人に上ったことが文部科学省の調査で明らかになりました。

 前年度より4万7434人増加し、30万人超は初めてで、11年連続の増加で、特に20年度以降に約15万人増えています。

 文科省によると、「不登校」は、病気や経済的理由を除き、心理・社会的な要因などで登校できない状況を指しており、不登校の子は小学校13万370人(前年度比2万5258人増)、中学21万6112人(同2万2176人増)で、小中学生全体の3.7%(同0.5ポイント増)をしめているとのことです。

 文科省は不登校の子の前年度からの増加率は、今回は15.9%で22年度の22.1%から下がり、増加の勢いは鈍っており、23年から不登校対策プランを打ち出し、居場所づくりや相談体制の充実などを進めており、効果が出始めているともみています。

 県内における小中学校の不登校の児童・生徒は1604人で千人当たりでは過去最多の34.3人となり、全国で15番目の少なさとなっており、登校しづらい児童生徒の早期支援や校内サポートルームなど現場の取り組みも全国より増加率を抑えていることにつながっている面もあるのではないかと、言われています。

 不登校の子が急増した理由について、文科省は、「コロナ下の生活リズムの乱れ」「コロナ下の行事縮減などで登校意欲が減退」「障害などの理由で配慮が必要な子への適切な指導・支援が不足」などを挙げています。

 朝日新聞記事の中で、東京大先端科学技術研究センターの近藤武夫教授は教員の気づきと配慮を挙げ、立命館大大学院の伊田勝憲教授(教育心理学)、教員らの増員や職員研修の充実が必要と説き、大阪公立大の山野則子教授(子ども家庭福祉)は、学校と関係機関の間に立つスクールソーシャルワーカー(SSW)を軸にした早期の対応の必要性を指摘されています。

 いずれにしても、児童生徒と向き合う教職員や学校組織のあり方が問われているが、そのように児童生徒と寄り添える体制の拡充なしに、求めても限界はあると思われます。

 日頃、地域活動を通じて、学校現場を見せて頂く機会も多いですが、先生方は手一杯であることを目の当たりにします。

 教職員を増員し、児童生徒たちとしっかりと向き合い、寄り添えて、早期支援に取りかかれる体制がどうしても必要なのではないでしょうか。

10月31日「能登半島地震からの警告を受け止めない女川原発再稼働」

 東北電力女川原発2号機は、10月29日に再稼働しました。
 
 2011年3月11日に地震と津波に被災し、電源設備に甚大な被害を受けて火災を発生させた女川原発だが、再び原子炉災害を起こせば避難も困難な原発の再稼働に抗議せざるをえません。

 女川原発2号機は、東日本大震災後、被災地では初の再稼働であり、沸騰水型軽水炉の82.5万キロワットで、建設時期が異なるものの震災でメルトダウンした福島第一原発2、3号機と同型炉であります。

 東北電は約5700億円を投じて、海面からの高さ29m、延長800mの防潮堤や、海水の浸入を防ぐ厚さ30~40㎝の防潮壁を築くなどの対策を実施し、6年にわたる長期審査を経て、新規制基準に「適合」となりはしたものの、無論「安全のお墨付き」ではなく、住民の不安は残ったままです。

 地元紙の河北新報が3月、県内有権者を対象に実施したインターネット調査で、女川再稼働に「反対」と答えた人が44%と「賛成」の41%を上回っている中で、原子炉に再び火を入れた東北電の責任は極めて重大であると言えます。

 牡鹿半島の真ん中あたりに立地する女川原発は、避難上の制約が強く、地震や津波に原発事故が重なる「複合災害」のリスクも計り知れません。

 原発30㎞圏内の3市4町には約19万人が暮らしており、そのうち半島先端部から陸路で避難する人々は、事故を起こした原発に向かって逃げることになるし、その陸路が断たれる可能性もあります。

 東日本大震災時には、女川1号機タービン建屋で火災が発生したが、地震で道路が寸断されて消防車が出動できず、所員が粉末消火器で消し止める事態も起きています。

 能登半島地震で避難道路がほぼ使えない状態になったことを教訓とするならば、こうした場所に原発は建てられないはずであるし、建っている以上再稼働ではなく、廃炉を急ぐべきではないのでしょうか。

 能登地震からの警告を真摯に受け止めるべきです。

10月30日「自転車の危険運転の厳罰化」

 改正道路交通法が11月1日に施行され、酒気帯び運転が罰則付きの違反となり、スマートフォンを使いながら運転する「ながら運転」の罰則は強化されるなど、自転車の危険な行為が厳罰化されます。

 酒気帯び運転は、これまでも禁止されていたが、正常に運転ができないおそれのある「酒酔い状態」のみが罰則の対象でした。
 
 これからは、酒気帯び運転の基準は車と同じで、呼気1リットルあたり0.15ミリグラム以上のアルコールを含んだ状態についても、3年以下の懲役または50万円以下の罰金で、酒気帯び運転になると知りつつ酒を提供するなどした人も罰則の対象になります。

 また、自転車を運転中に携帯電話やスマートフォンを使う「ながら運転(ながらスマホ)」の厳罰化は、違反した場合は最大で1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられることになります。

 自動車は2019年に厳罰化され、ながらスマホによる事故は一時減少しましたが、ここ数年は再び増加に転じているとのことです。

 警察庁によると、今年上半期(1~6月)に全国であった自転車のながらスマホによる死亡・重傷事故は、前年同期比約2.3倍の18件で、統計が残る07年以降で最多となっています。

 自動車のながらスマホは、19年12月にも罰則が強化され、死亡・重傷事故は19年の105件から20年は66件に約半減しましたが、その後再び増加に転じ、23年は厳罰化前を上回る122件に上っています。

 ながら運転の罰則強化について、専門家は「危険性が十分認識されなければ、厳罰化しても事故は再び増加しかねない。取り締まり一辺倒になれば、不満だけが残ってしまう。法律とともに、危険性をよく知ってもらうような地道な活動が必要ではないか」と話されています。

 私たちも、早朝や夜間に交通安全の街頭指導を行いますが、厳罰化されるこの「飲酒」と「ながら」運転以外にも、ヒヤリとさせられるのが、右側運転の多さです。

 これも、いつ事故につながるか分かりません。

 「自分は大丈夫」と思っている方は多いかも知れませんが、災害と同じで、「正常性バイアス」を働かせるのではなく、我が事として、安全運転に注意することこそが、求められています。

10月28日「自公の過半数割れで政治の変化を注視して」

 石破自民党総裁は、首相就任から8日という「戦後最短」の解散に打って出て、衆院選では自らが目標とした自公与党で過半数を割り込みました。

 立憲民主党をはじめ野党議席の増加、自公の敗北という全国的な傾向の中で、高知で見える政治の景色が、大きく変わることはなかったことは、残念な結果でありました。

 全国的な傾向は、「政治とカネ」の問題にけじめをつけられない自民党に「ノー」を突きつける有権者の審判であり、変革を望む国民の期待を裏切る形となった石破茂首相への失望感の表れでもあると言えます。

 自民の最大の敗因は、第2次安倍政権以降に深刻化した政治のゆがみやおごりを、根本から正そうとしなかったことで、森友・加計両学園問題などの疑惑が表面化し、安倍氏の死去後には、旧統一教会との組織的な深い関わりも明るみに出、裏金問題もウミを出し切ることができなかったことによると思われます。

 石破新体制になっても、裏金議員は、最終的に一部を非公認としたものの、当初は裏金議員も「原則公認」としようとしたし、選挙戦後半には、非公認が代表を務める政党支部にも、税金が原資の政党交付金から2千万円の活動費を支給していたことも明らかになるなど、「反省」は口ばかりであることが白日のもとに晒されました。

 もっと政策論争をするべきだったという声もあるが、それこそ石破氏が当初言っていたせめて予算委員会での議論がされていたら論争すべき政策も明らかになっていたでしょうが、それを避けてボロが出る前の短期解散総選挙に打って出たのは、ブレブレの石破首相自身でした。

 今回の結果を受けて、早速「ねじれて決まることも決まらなくなる」という人もいますが、これまで数の力を頼みとして異論に耳を傾けず、国論を二分するような課題でも、国会を軽視して自公の閣議決定のみで決めていくという独善的な政権運営が、せめて国会の場で議論されて国民の目に明らかになることが余程大事だと思って頂きたいものです。

 今回の過半数割れを起こした自公が野党にどのような懐柔策を講じてくるのか。また、野党もそのことと、しっかりと対峙していくよう、そして、我々は本来の国民のための政治が行われることを求めて注視していかなければなりません。

10月26日「投票に行って、政治を変えよう」

 今朝の高知新聞に、明日に投票日を迎えた衆院選において、近年50%台に低迷している県内投票率の行方について取り上げた記事がありました。

 1996年に小選挙区制が導入されて以降の投票率で、最も高かったのは旧民主党に政権交代した2009年の67.64%で、自民党が政権復帰した12年に53.89%と下がり、14年は戦後最低の50.98%を記録しました。

 前回21年の投票率は57.34%と前々回からは5.47ポイント上昇したものの、近年は50%台に低迷しています。

 昨日付け高知新聞「決戦の視角」で、「教育、仕事、家族にもきしみ」と題して東大本田由紀教授は「総選挙を目前にして、見えるのは亀裂や機能不全、聞こえるのはきしみや悲鳴である。」と嘆き、「「自己責任」や家族内での相互扶助が当然視されているため、個人や家族が抱えるさまざまな困難は個々の世帯に抱え込まれ、孤独死や、親子間・夫婦間の凄惨な暴力に至る場合も少なくない。困窮する個人や世帯が増加しているにもかかわらず、セーフティーネットは希薄なままである。」と指摘しています。

 こうした全ての亀裂や悲鳴を生み出し、あるいは放置してきたのが、これまでの日本の政治であり、政権党たる自民党の裏金政治、旧統一教会との癒着によって権力の座を維持することによって行われてきた政治を批判し、次の言葉で結んでいます。

 「いま求められる施策は、教育・保育に投入する公的資源の拡大と改善、賃金水準の向上、そして個人を対象とする生活保障の拡充である。政治は人々の命と暮らし、尊厳を支えるためにこそあるはずだ。諦め続けていてはならず、票という形で選択を突き付けなければならない。」と「諦めずに投票へ」と呼びかけています。

 投票率があがれば、2009年のような状況を作り出すことが期待されます。

 「投票に行って、政治を変えよう」、残された時間で武内のりお候補と一緒に、金権裏金政治を「生活が第一、まっとうな政治」に変えるため、もう一回り働きかけていきましょう。

10月25日「高知のバリアフリー観光もこれからもっと前進を」


 昨日は、9月定例会でも取り上げさせて頂いたバリアフリー観光の推進についてのセミナーが、県観光政策課おもてなし室主催、県旅館ホテル生活衛生同業組合協力で開催されていましたので、参加させて頂きました。

 参加対象として、観光・宿泊施設や観光案内業務に従事する方など観光関連事業者の方々で、会場参加・Zoom参加あわせて50名ほどの方が参加されていたようです。

 基調講演で「バリアフリー・ユニバーサルデザインがもたらす旅館のビジネス価値」について有限会社なにわ旅館代表取締役社長勝谷有史氏からは、2006年から段階的にフロアごとに全面改修を行い、露天風呂付バリアフリールームをオープンするなど「商売としても、従業員にとっても、十分な合理性があり、将来に向け重要な取り組みである。」をモットーに、お客様に一つバリアフリーを提供するときは、従業員にも一つ改善点を提供するなどソフト面の強化も図りつつ、旅館のバリアフリー化を進めてこられた経緯などのお話は、貴重な内容で、誰もが宿泊したくなるコンセプトの旅館であることを痛感させられました。

 障がい者を取り巻く社会的障壁として「物理的バリア」「文化・情報面でのバリア」「制度的バリア」「心理的バリア」を解消してきたが、これに加えて食元「食のバリアフリー」にも取り組まれていることの紹介もあり、宿泊施設における合理的配慮について具体的に学ばせて頂きました。 そして、この取り組みが、収益の向上にも繋がっていることも披露して頂きました。

 また、トークセッションでは、「高知県が目指すバリアフリー・ユニバーサルデザインの推進について」ということで、講師の勝谷有史氏をはじめ山本祥平氏 (ネスト・ウエストガーデン土佐 代表取締役、有瀬智寛氏(県観光政策課おもてなし室チーフ)らによって、「車椅子ユーザーにとってのシャワーの位置の配慮」だとか、「旅館・ホテルは部屋ばかりでなく浴室・トイレの様子などの写真も紹介して欲しい」、黒潮町の海辺のホテルでは、「自然の恵みと災いのつながり、避難へのバリアフリーの課題」などの意見が出されました。

 勝谷社長からは、「『逃げるバリアフリー』は簡単なマップや障がいごとのチャートが必要。避難弱者を迎え入れられるようにクラファンで段ボールベッドを購入した。伸びていく分野なので、成功体験つくって欲しい。」とのアドバイスも頂きました。

 また、勝谷社長は、困った時のバリアフリーツアーセンター頼みと言われていましたが、高知でも行政と県バリアフリー観光相談窓口と観光施設・旅館・ホテルがさらに連携できるしくみが築いていけることを願っています。

 セミナーが終わってから勝谷社長と名刺交換をしながら話していると、「高知のバリアフリー観光相談窓口も随分と情報やスキルを蓄積されているので、県内のホテルなどはもっと活用すれば良い」と話されていました。

 また、県観光政策課おもてなし室有瀬チーフが、「県としては、これからはバリアフリー観光×防災の対応などにも取り組み、高知県のバリアフリー観光も進んでいるねと言われるようになりたい」との思いを述べられていましたが、一歩ずつ進んでいくことを期待しています。

 最後の事例報告として県子ども・福祉政策部 障害福祉課前島チーフから「障害者差別解消法改正後の高知県の現状について ~合理的配慮とは~」、 県バリアフリー観光相談窓口で奮闘されているNPO法人福祉住環境ネットワークこうちの笹岡和泉理事長から、「今すぐ書ける!心のバリアフリー認定制度の申請の仕方について」の紹介がありました。

 いずれにしても、ソフトから入りつつも、遅れることなくハードも整備するバリアフリー化が観光や防災分野などあらゆる分野で当たり前になっていくことを共に取り組んでいきたいと感じさせられるセミナーでした。

10月24日「『裏金候補』に『裏公認料』」

 今朝の新聞報道で、目に入った見出「裏金非公認側に2000万円 自民党本部から支部へ 公認候補と同額」には、驚くばかりです。

 自民党の派閥裏金問題で、非公認になった候補にも、党本部から各候補が代表を務める政党支部へ2千万円の活動費が支出されていたことが明らかになりました。
 
 自民党森山幹事長は「候補者に支給したものではなく、党勢拡大のため」とし、個人の選挙目的ではないと言い訳していますが、公認候補へも同時期に公認料と活動費をあわせた計2千万円が支給されており、非公認候補への「裏公認料」ではないかとの批判が高まっています。

公認候補には衆院解散の9日、政党交付金から公認料500万円と活動費1500万円の計2千万円をそれぞれの政党支部へ振り込まれており、非公認や不出馬になった人が代表を務める政党支部に対しても、活動費として2千万円が支給されたと言われています。

これでは、公認候補がいる支部の活動費は1500万円なのに、非公認候補の支部の活動費は2000万円と500万円も多いこととなり、説明がつかないのではないでしょうか。

 いずれにしても、こんなやり方では、裏金問題の責任を取らせる形で公認しなかったという説明と矛盾するし、このような自民党が責任をとり、今後の政治とカネの問題で国民の信頼を取り戻すことはできないと明らかにしているようなものです。

 残された期間はわずかとなりましたが、自公の過半数割れを現実のものとするため、全力で闘い抜きましょう。

10月23日「若者の将来不安に応える政治を」

 衆院選も終盤という中で、県内若者100人に尋ねた「将来の不安・政治に臨むこと」の一位は、「南海トラフ」で、次いで、「仕事」「結婚」だったと今朝の高知新聞一面の記事にありました。

 不安の選択肢「仕事」「ワークライフバランスの充実」「車を買う」「家を建てる」「結婚」「子育て」「親の介護」「南海トラフ地震」「高知で一生を過ごす」「老後の生活」「その他」の中からも1~3位を選び、得点づけをして、146点で1位となったのが、「南海トラフ地震」で31人がトップに挙げたということでした。

 「高台に引っ越したいがお金がない。」「生き延びても、その後どうなるか。助けが来るのは最後になりそう。」「復旧は高知も相当後回しにされるだろう。見捨てられないようにして。」などといった声とあわせて、男女を問わず「避難所では、プライバシーが守られるようにして。」との声が目立ったとのことでした。

 記事では「一位は当然というべきか、南海トラフ地震」と書いてあったが、そうであれば、日頃からその不安を自分事にできているのだろうかと思わざるをえませんでした。

 政治に臨むこととともに、不安を平時から解消するために、今の若者が何ができるのか、共助の担い手が高齢化して、手薄になっている中で、若者が少しでも担ってくれたら、そこの中での課題を含めて、南海トラフ地震への公助を政治に求める声にも迫力と説得力がもたらされるのではないかと思ったりします。

 いずれにしても、今回のアンケート結果を、総選挙の結果を踏まえた政治の場でしっかりと受け止めた政策の具体化を図って頂きたいものですし、県政の場でも、我々はしっかり受け止めなければと思ったところです。

10月22日「二重被災に苦しむ被災地に寄り添っているのか」


 10月8日に参加した日弁連主催オンラインシンポジウム「能登半島地震 二人三脚の復興を目指す~罹災証明問題を考える~」でも、「罹災証明」問題を勉強させて頂きましたが、9月の豪雨災害から一か月経った今、改めて二重被災した被災者の罹災証明が着目されています。

 1月の能登半島地震の被災地では、住宅の被害認定が実態に即しておらず、再建のための支援金も不十分と指摘されている中、今回の豪雨災害で二重被災した方への生活や住まいの再建を後押しする仕組みが求められています。

 これまでの災害では、判定は災害ごとに実施されていましたが、9月の豪雨による被害は、元日の地震の影響で拡大した可能性があり、個別に判定すると、一部損壊などの判定を受けた世帯が、十分な支援を受けられないおそれがあることから、地震で一度判定を受けていても、修理前に豪雨で再び被災すれば、豪雨後の調査をもとに新たな判定を受けられるようになりました。

 例えば、従来の判定なら地震で準半壊、豪雨で一部損壊となる場合でも、豪雨後の被災状況を一体的に調査し、半壊の認定を受けられる可能性があり、半壊以上と認定されれば、今回の災害では仮設住宅に入居できたり、住まいへの支援など、受けられる支援が手厚くなります。

 11月9日に、私たちの下知地区でも講演をお願いしている日弁連災害復興支援委員会副委員長、永野海弁護士は「認定結果が半壊未満だと、受け取れるお金は大きく減る。罹災証明書が小切手のようになっており、(被害を)きちんと見てもらいたい」と述べられています。

 地震と豪雨の「二重被災」に苦しむ能登半島でも、解散総選挙が始まりました。

 「選挙どころじゃないのに」との声があがる中、住民基本台帳の住所へ送られる投票所の入場券は、有権者の手元に届いているのでしょうか。

 避難所や仮設住宅で暮らす住民が転送手続きはどのくらいしているのか、被災者の皆さんの投票する権利さえ奪われかねない今、なぜここまで急いで解散総選挙をしなければならなかったのか。

 防災省を検討するという石破首相のもとで、被災者に寄り添い、被災者と向き合う本気度を伺うことはできません。

10月21日「自公過半数割れを現実のものとするために」

 昨日は、朝から衆院選高知一区の武内のりお候補の応援のため、候補者カーに同乗し、街頭からのお願いに回りました。

 行き交う車や通行人の方からの反応は3年前より、手応えは良くなっているという感じを受けました。

 それを「感じ」ではなく、確実なものにしていくためさらなる支援の輪を広げて頂くよう訴えていきたいと思います。

 市役所近くで声をかけられた知人は、職業柄明らかに自民党を支援する団体に所属されていると思われる方でしたが「もう自民党はいかん、坂本さんが応援しよう人に今期日前で入れてきたき」と仰ってました。

 今朝のマスコミ報道でも、「自公過半数、微妙な情勢」とあり、自民は単独過半数割れの公算が大きくなっているようですが、その結果を確かなものにするには、これからの闘い次第です。

 朝日新聞社の情勢調査では、現時点では、①自民党、公明党の与党は過半数(233議席)を維持できるか微妙な情勢で、自民は公示前の247議席から50議席程度減る見通し②立憲民主党は公示前の98議席から大幅増③国民民主党、れいわ新選組に勢いなどの情勢となっているそうです。

 また、投票先を決めるとき、自民党の裏金問題を「重視する」が54%で、「重視しない」の38%より多かった一方で、裏金問題に関与し、今回の衆院選に立候補した46人のうち半数が当選をうかがっているということが残念でなりません。

 なんとしても、自民党の金権腐敗の権力による暴走をこれ以上許さないために、最後までの闘いを強化していきたいと思います。

10月19日「自民党による権力の腐敗・暴走に歯止めを」

 今回の解散総選挙の引き金となったきっかけは、誰もが「裏金問題」と「旧統一協会問題」が大きいと思われているのではないでしょうか。

 まさに、この課題は、長期的で絶対的な権力が腐敗して暴走したことによってもたらされたものと言わざるをえません。

 自民党は、1955年の結党から現在に至るまで行われた22回の総選挙において、21回第一党の位置を占めてきました。

 下野したのは2回、4年間だけで残り65年間は、自民党は常に日本の権力中枢に居続けています。

 普通選挙が実施される民主国家において、これだけの期間一党独裁の状態にあるのは異常と言えるのではないかと指摘されることもあります。

 国民に対して十分な説明もしない、国会審議もしないで閣議決定によって、憲法違反の国の方針・路線をいとも簡単に転換してしまう暴走を止めることができなかった責任を感じつつ、今回ばかりは腐敗した権力によるこれ以上の暴走に歯止めをかけたいものです。
 
 高知一区では、立憲民主党武内のりお氏の勝利に向けて、県民に訴える機会をつくるために明日は候補者に同行してともに訴えていきたいと思います。

10月16日「忘れたらいけないことを刻んで衆院選と向き合う」

 衆院選公示後の今朝の朝日新聞の一面(天声人語)「まだ覚えていますか」と34面の「私らは枝っこの枝っこ」の記事が、私らに、忘れたらいけないことがあるとのメッセージを突きつけています。

 天声人語は、「人間は忘れる生き物である。」ということで、19世紀のドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスの有名な実験にもとづいて、「忘却は急速に進むが、その速度は徐々に落ちていくこと。一定の期間を経ても覚えていることは、長く記憶に刻まれるらしいこと。」だそうです。

 今回の衆院選は、「目の前の石破政権を問う選挙であると同時に、この3年間の岸田政権への審判である。さて、と自戒を込めて考える。前回の総選挙からの政治を、いったい私たちはどれだけ覚えているか」と振り返られています。

 お互い、しっかりと振り返り、裏金や旧統一教会の問題だけではなく、納得できな買ったことと向き合って、審判を下すべきではないでしょうか。

 私たち以上に「記憶にない」を常套句を口にする政治家を国会の場に送ることのないようにしなければと思います。

 そして、34面には、余りにも次々と迫りくる自然災害の中で、忘れられてはならない地域のことが取り上げられていました。

 東日本大震災の復興過程で人口が1/4になってしまった石巻市雄勝町は、小選挙区が1減となった全国10県のうちの一つで、仙台市に近い内陸部の都市などと共に宮城4区になりました。

 被災地の雄勝の声は、今まで以上に届かなくなるのではとの有権者の声が、「私らは枝っこの枝っこ」に表れています。

 そして、記事には、雄勝町の復興の課題について、ずっと教えて頂いてきた阿部晃成さんのコメントが掲載されていました。

 「雄勝町で生まれ育った阿部晃成さん(36)は語る。慶応大大学院を経て、宮城大と金沢大で災害社会学を研究しながら、能登半島にも通う。ふたつの被災地で目にしたのは、「効率の悪い地方は捨てる」という集落再編の議論だった。災害が多発し、過疎が進み、議員が減る。この構図が進めば、「日本中のまちが取捨選択の対象となりかねない」と語る。」とあります。

 そんなこの国の構図をつくってきたのが、自民党の政策による、地方の「選択と集中」だったのではないでしょうか。

 今回も自民党は「日本創生」というが、また切り捨てられるのではないかと不安にさいなまれている能登半島を中心とした被災地の皆さんがいることを忘れてはなりません。

10月13日「再審法改正意見書、自民党らの反対で否決」

 県議会9月定例会閉会日に、日本共産党会派と県民の会で提出した「刑事訴訟法の再審規定(再審法)」の改正を求める意見書議案について、県民の会を代表して、賛成の立場から討論させて頂きました。

 9月26日、静岡地方裁判所は、1966年強盗殺人罪などに問われ、1968年に死刑判決を受けた袴田巌さんに再審無罪の判決を言い渡され、逮捕から58年、死刑判決が確定してから44年、2023年10月の再審開始から15回の審理を経て出されたこの判決に対して、10月8日に検察当局が、控訴を断念し、88歳の袴田巖さんの無罪が確定しました。

 しかし、逮捕と死刑判決によって袴田さんが失った膨大な時間を取り戻すことはできず、拘置所で長年自由を奪われたことによって引き起こされた拘禁症とは今後も闘い続けなければなりません。

 今も、狭山差別事件をはじめ多くの冤罪事件で、再審が求められている中で、このような過ちが繰り返されないためにも、無実の者を冤罪から迅速に救済するためにも、「刑事訴訟法の再審規定(再審法)」の改正を行うことが求められているのです。

 本意見書は、総務委員会では、不一致となりましたが、その後、検察当局が、控訴を断念し、袴田巌さんの無実が確定し、再審に関する法整備を求める世論が高まり、最高検も今回の再審請求の長期化について検証するといわれている中、多くのマスコミが、制度改正への歩みを進めるべきではないかと問うている中での本会議再提出でした。

 常任委員会では、賛成できなかった議員の皆さんも、この間多くの報道や識者のコメントを目にする中で、しかも国会では、自民党をはじめとした各党首が名を連ねた超党派で308名に上る「えん罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟」が、改正を求めている中で、賛成してくれるのではないかとの思いで討論を行いました。

 しかし、「再審に際し捜査で集めた検察官の手持ち証拠を全面開示すること。」と「再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(上訴)を禁止すること。」を求めた本意見書は、自民党、公明党、一燈立志の会、自由の風の反対で、否決されてしまいました。

 地方議会では、今回のような再審法改正を求める意見書が、8月20日現在で、12道府県議会と323市町村議会で採択されている中、高知県議会の多数会派の皆さんの人権意識に疑問を持たざるをえません。

10月12日「被団協へのノーベル平和賞を各国指導者は真摯に受け止めよ」

 昨夕のニュース速報には、驚き・喜びと同時に、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞受賞の持つ意味の大きさを世界の核保有国のリーダーと核兵器禁止条約に署名しない我が国のリーダーがしっかりと受け止めて欲しいと思ったところです。

 ノーベル委員会は授賞理由に、二つの要素を挙げており、一つは、「核兵器のない世界の実現に尽力してきたこと。」そして、もう一つは、「核兵器が二度と使われてはならないと証言してきたことだ。」として、被爆者の存在を「唯一無二」と讃えています。

 そして、ノーベル委員会のヨルゲン・ワトネ・フリドネス委員長は、取材に対して、「被爆者とその証言が、いかにして世界的な広がりを持ったか。いかにして世界的な規範を確立し、核兵器に『二度と、決して使ってはならない兵器』という汚名を着せたか。それこそが、この賞の本質なのです」とも答えています。

 「核兵器の使用を二度と認めてはならない。そうした国際的な規範を意味する。」ことは、被爆者が戦後80年近く、証言に証言を重ね、その意義を固め、訴え、日本国内外でコツコツと築き上げてきたものとしての被爆者への敬意が、フリドネス委員長の発言からは、滲んでいます。

 「核兵器の全廃は非現実的だ」との声にどう反論するかと問われた委員長は「核兵器に安全保障を依存する世界でも文明が生き残ることができると考える方が、よほど非現実的ですよ」と即答されたそうです。

 さらに、フリドネス委員長の「被爆者の体験談、証言は、核兵器の使用はどれほど受け入れられないものかを思い起こさせてくれる重要なものです。彼らの声を聞くべきです。そして、すべての指導者が、痛ましく、強烈な被爆者の話に耳を傾け、核兵器が決して使われてはならないと思い起こしてほしいと願っています。」との言葉を、肝に銘じて欲しいものです。

 そして、何よりも「広島と長崎への原爆投下後、過去80年近く戦争で核兵器が使われなかったことも、被爆者一人ひとりの尽力があったからだ」との言葉こそ被団協、被爆者のへの感謝の言葉だと思います。

 私たちも、常にその声に耳を傾けながら被爆者の「理解できないほどの痛みや苦悩」を理解しようと努力し、繰り返さないための警鐘を世界に発し続けていきたいものです。

10月10日「二人三脚の復興を目指す~罹災証明問題を考える~」


 10月8日は、常任委員会審査が休会だったので、オンラインで日弁連主催のシンポジウム「能登半島地震 二人三脚の復興を目指す~罹災証明問題を考える~」に参加できました。

 早川潤弁護士(金沢弁護士会元副会長)の「金沢弁護士会の活動報告」、江﨑太郎氏(特定非営利活動法人YNF代表)の「復興支援『ミツバチ隊士業派遣プロジェクト』で見えてきた現状」についての報告の後に、「二人三脚の復興を目指す ~罹災証明問題を考える~」をテーマにパネルディスカッションが行われました。

 パネリストには、報告に引き続き江﨑太郎氏をはじめ、林正人氏(一級建築士、能登復興建築人会議)、お隣徳島県の堀井秀知弁護士(日本弁護士連合会災害復興支援委員会副委員長)、今度下知で講演頂く永野海弁護士(日本弁護士連合会災害復興支援委員会副委員長)が並び、いつもご指導いただく津久井進弁護士(日本弁護士連合会災害復興支援委員会元委員長)が、コーディネーターを務められました。

 罹災証明書による認定によって、いかなる支援が受けられるのかが決まり、被災者の将来が決まってしまいます。

 しかし、災害が発生するたびに、罹災証明書をめぐる課題が指摘されています。
罹災証明書による認定によって、いかなる支援が受けられるのかが決まり、被災者の将来が決まってしまいます。

 被災者と行政が対立するのではなく、復興という方向に向いて、被災者と、自治体、支援専門家等の二人三脚、三人四脚による生活再建、地域の復興を実現するために大切になる視点や問題点等のお話を聞かせて頂きました。

 被災地で誰に聞いても、罹災証明のことを十分に知らないのに、申請期限を設けて打ち切るなどということがあってはならない。

 被災者が罹災証明の申請の窓口を怖がらないように、「一緒に頑張りましょう」の一言で受付が始まると随分違う。

 被災地、被災住民のための復興であり、そのための罹災証明であって欲しいとの思いの伝わるメッセージをありがとうございました。

 また、昨日7日付けで石川県から発出された地震と豪雨の二重被災での罹災証明の判定方法についても、情報提供いただきありがとうございました。

10月9日「袴田さん無罪確定、次は狭山事件の再審の扉を開ける」

 58年前の一家4人殺害事件で死刑が確定していた袴田巌さん(88歳)の再審で、静岡地裁が言い渡した無罪判決に対して、検察側が昨日、控訴しないこと明らかにし、無罪が確定しました。

 しかし、袴田さんは、誤った判決によって半世紀近く自由を奪われ、死刑執行を恐れて心を病み「拘禁症」と向き合い続けています。

 この人権侵害を起こした関係機関の責任は問われ続けるのではないでしょうか。

 本来なら、誤判をなくすことがまず求められるが、人間が担う裁判に完璧はなく、再審はその非常救済手続きとして認められる制度です。

 しかし、再審の可否を決める再審請求審の進行が見通せない上、再審開始決定が出ても検察官の上訴でさらに年月がたつうちに、関係者が高齢になって実質的な救済をなしていない実態が突きつけられているのです。

 袴田さんは、その象徴的な実例でもあり、袴田さん以外の再審請求にも、私たちが支援して闘い続ける狭山差別事件の石川一雄さんにも言えることです。

 このような事態を招く最大の原因は、刑事訴訟法に再審手続きについての規定がほとんどなく、進行が担当裁判官次第となっていることにあると言われます。

 だからこそ、このようなことを繰り返さないために、今9月定例会に、国に対して「再審に際し捜査で集めた検察官の手持ち証拠 を全面開示すること。」と「再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(上訴)を禁止すること。」を求める「刑事訴訟法の再審規定(再審法)」の改正を求める意見書議案を提出しました。

 総務委員会では、全会一致とならず、本会議に再提出をして、私が賛成討論をすることとなっています。

 この機会を逃さず、再審法制の不備を改めるための闘いと狭山事件の再審の扉をあけるための闘いを、前進させていきたいと思います。

10月8日「解散総選挙で『変われない自民党』に鉄槌を」

 高知新聞社県民電話調査などによると、県民の76%が自民党の「裏金対応に納得せず」と回答しています。

 総裁選でこそ威勢の良かった石破新首相は、解散総選挙での裏金議員の公認・非公認では、右往左往し、安倍派幹部ら一部を、小選挙区で公認しない方針や公認する場合も、比例区への重複立候補を認めないとかの判断はしました。

 しかし、首相が判断基準とした党の処分自体が、真相究明を置き去りに、形だけのけじめを急いだものであり、真相究明を求める声は止まらないことを忘れてはなりません。

 昨日からの、首相の所信表明演説に対する各党の代表質問でも、首相の答弁は総じて、過去の政府の説明をなぞるもので、総裁選で導入に前向きな姿勢だった選択的夫婦別姓については、「国民各層の意見や国会における議論の動向などを踏まえ、さらなる検討をする必要がある」というものでした。

 金融所得課税の強化についても、総裁選では「実行したい」としていたが、昨日は「貯蓄から投資への流れを推進していくことが重要で、現時点で強化について具体的に検討することは考えていない」と否定的な考えを示しています。

 そして、マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」への移行時期の見直しについても、総裁選では延期を含めた見直しに言及していたが、これまでの政府決定を踏襲し、今年12月で現行の保険証を廃止する意向を示しました。

 また、石破内閣の副大臣と大臣政務官計54人の中で旧統一教会との接点がこれまでに確認されているのは24人であり、「新たな接点が判明した場合には速やかに報告、説明し、未来に向かって関係を持たないよう徹底することが大切だ」と述べるに留まっています。

 その後退姿勢は、首相だけでなく重要閣僚にも共通しており、何よりも首相は衆院解散前の国会論戦の重要性を再三指摘しておきながら、総裁になるや「最速」での選挙実施を表明し、明日には党首討論を行った後解散することを表明しています。

 こんな「変われない」自民党を変えるためには、我々がその権利を行使できる総選挙で、まっとうな政治を取り戻すための一票を投じるしかありません。

10月7日「化学物質過敏症の理解から、子どもの学ぶ権利、他者理解の大切さを」


 昨日、「化学物質過敏症・ゆるゆる仲間」の会の皆さんの主催で「講演会~化学物質過敏症、成人と小児の現状から子ども達の未来を考える~」が開催され、参加してきました。

 まだまだ、あまり認知されていない成人と小児の化学物質過敏症(以下 CS)について周知し、CS 患者の現状を通して、子ども達の未来のためにできることを県民の皆さんとともに考えたいとの思いで開催された会場には、当事者家族や教育関係者なとがたくさん参加されて、積極的に学ぼうとされていました。

 講師は、県内でCS について詳しく、診療もされている医療法人高幡会大西病院、国立病院機構高知病院小児科小倉英郎先生で、詳細にお話し頂きました。

 また、後援して頂いているコープ自然派しこくやNPO 法人土といのちの方による無添加のハンドソープや石鹸、洗濯用洗剤等の商品展示もされていました。

 私自身、2017年4月のアースデーで初めて「化学物質過敏症・ゆるゆる仲間」の会の皆さんからお話を伺い、9月定例会で「化学物質過敏症」の方の相談窓口や子どもの学びの場である学校での対策などについて質問したことが、きっかけでこれまでにもいろいろとともに取り組ませて頂きました。

 農薬散布や啓発の問題、避難所での対応などもありましたが、やはり一番多かったのが、子どもさんたちの学びの場の確保の問題でした。

 昨日も、CSの子どもたちと向き合っている学校の先生方とお話しする機会もありましたし、ミニシンポジウム(体験談から見える、必要な対応と対策とは)では、学校での課題が多く事例報告として出されていました。

 子どもたちが、安心して学べる場の保障として、学校施設の改善だけでなく、先生方の協力、同級生やそのご家族などの協力が必要になっていることの意見交換がされていました。

 まさに、それは他者のことについて相互に理解しあうことの大切さであり、この社会で生きづらさを感じる方だけでなく、誰もが生きやすくなる地域や社会を築いていくことだと改めて考えさせられました。

10月6日「一問一答の仮の議事録ができました」

 10月2日の一問一答による質疑の答弁のテープ起こしができましたので、掲載しておきます。

 質問項目に対する、答弁のみですので、詳細の議事録(仮)は、リンクを貼っておきますので、関心ある方は、こちらからご覧いただけたらと思います。

 とくに、「消防広域化」の課題については、翌日にも慎重な検討を求める自民党議員の質問もあり、今後の検討状況を注視していくことが求められています。


1 仮設住宅用地の災害リスクについて
(1)仮設住宅用地の選定における自然災害リスクの想定について 
【土木部長】災害後の仮設住宅につきましては、南海トラフで想定される最大クラスの地震や津波被害に対し、7万7,000戸が必要となりますため、既存住宅の借り上げを見込んでおります戸数を除きました6万9,000戸分の用地、すなわち690ヘクタールの確保が必要でございまして、そのうち、現在、公有地で230ヘクタール、これを確保しているというところでございます。で、残る460ヘクタールにつきましては、民有地の活用を考えておりまして、現在、その土地情報の抽出につきまして、市町村と連携して取り組んでいるところでございます。
 この民有地の抽出に当たりましては、洪水浸水や土砂災害等のリスクの有無、あるいは、道路への接道状況、こういった情報も含めて、リストアップしているところでございます。
 把握した民有地情報につきましては、今後、災害リスク等の情報の精度を高めまして、土地の安全性を確認してまいりたいと考えております。

(2)仮設住宅用地の安全性確保について              
【知事】御指摘ございましたように、今回の石川県輪島市及び珠洲市におかれましては、能登半島地震後に建設された仮設住宅が、豪雨により浸水するという被害に見舞われております。
 本県に置き換えて考えました場合、南海トラフ地震発災後におきましても、低地では台風などの豪雨により浸水するおそれがございますので、安全性の高い仮設住宅用地の確保は重要な課題であるというふうに考えております。
 この用地の確保に関しましては、先ほど土木部長も答弁いたしましたように、残る460ヘクタールの民有地のリストアップが、なお途上にあるということでありまして、そうした中で、安全性の高い用地を候補地として選定できますように、市町村と連携して取り組んでいく考えであります。
 一方で、南海トラフ地震の被害想定自身が、ここ向こう一、二年の間の見直しを、今、予定しているところでございまして、これ、予断を許しませんけれども、10年前に比べますと、例えば、堤防などのインフラ整備は一定進んでおるわけでございますので、ある程度、想定される被害の規模は減少の方向になるのではないかと。そうでありますと、この460ヘクタールという数字も軽減の方向になるのではないかというような期待も、持つことは持っているところでございます。
 今後につきましては、こうした取り組みを総合的に進めます中で、来年度からの次期南海トラフ地震対策行動計画の期間内には、浸水などに対しましても安全性の高い候補用地が選定できますように、最大限努めてまいるということを、まず取り組んでまいりたいと思っております。

2 災害中間支援組織について
(1)本県における災害中間支援組織の現状について
【子ども・福祉政策部長】災害中間支援組織は、被災者や被災地の多様なニーズに対応するために、県内外の専門性を有するボランティア団体、NPO等と連携して支援をつなぐ組織でございますが、現在のところ、本県では設置までに至っていない状況であります。
 このため、本県での体制構築に向けまして、内閣府のモデル事業を活用し、検討を進めているところであります。現段階としましては、先進県や過去の被災県における体制の情報を収集し、内閣府から助言を受けながら、災害中間支援組織のあり方の検討を開始したところでございます。

(2)今後の進め方について
【子ども・福祉政策部長】徳島県では、平時からNPOの活動を支援する団体が中心的な役割を担っておりまして、取り組みが進んだと伺っているところでございます。
 本県では、これまで、高知県社会福祉協議会が、NPOに対する相談支援や研修、交流、ネットワークづくりなどの支援に取り組んでいるところです。こうしたことも踏まえまして、県社協とも連携しながら、災害中間支援組織の立ち上げに向けて、一つ一つ課題を整理しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
 今後、検討を進めるに当たりましては、内閣府のモデル事業を活用して、有識者の意見を伺う検討会を立ち上げるということも、選択肢の一つとして考えてまいりたいと思います。

3 消防の広域化について     
(1)広域化に関する各消防本部との「共通の理解」について
【知事】この消防の広域化に関しましては、昨年11月に、県と全ての消防本部の長の間で構成をいたします消防広域化検討会を設置いたしまして、3回にわたり協議を行ってまいりました。
 この現場要員の増強などの広域化のメリットを期待する意見があった一方で、ただいま議員からも、るる、お話ございました、今後、消防の装備や施設の充実を図る場合のスケジュールをどうするのか、あるいは、財政負担はどう分担し合うということにするのか、こういったあり方などにつきましては、今後、より具体的な検討が必要だというような意見もあったところであります。
 このように、広域化後の、いわば各論の部分については、さまざまな御意見はありましたけれども、人口減少が進む中で必要な消防力を確保していくという方向のためには、広域化の議論を避けては通れないという大きな方向性に関しましては、全消防本部の長が共通の理解に達したというふうに理解いたしております。

(2)基本構想策定過程における関係者からの意見聴取の必要性について
【知事】まず、この消防広域化の基本構想を県において策定して、それに基づきまして議論を進めていくという手法をとりたいと思っています。
 この基本構想におきましては、広域化の趣旨や新たな組織の骨格、さらには、新体制への移行スケジュールにつきまして、県としての試案をお示しするものという形でつくっていきたいと思います。これ、議論のスタートということだと思います。
 なお、その構想をつくります際も、まず、この骨子案を年内には公表いたしまして、市町村や消防本部の意見を聞きたいというふうに思っておりますし、担当者会等のさまざまな機会を通じて、消防職員、団員を含みます関係者の御意見もお聞きする、さらには、広く県民の皆さんからも御意見を伺うような進め方を考えているところでございます。
【知事】結論から申しますと、この基本構想の策定過程でも、市町村、消防本部の意見もお聞きし、消防団員、あるいは、消防職員を含む消防関係者の御意見、さらに、広く県民の皆さんからの御意見も募った上で、この基本構想を検討して、お示しするという段取りを考えております。
 今までところは、メリット・デメリットという議論はされておりますけれども、それでは、具体的にどんな組織をつくっていくか、そして、どんな活動を目指していくか、スケジュールはどうするか、こういったところの具体論というのが、今、議論のベースがないわけでありますから、それを基本構想として、県の試案としてお示しする。その過程でも、御意見は幅広くお聞きした上で、年度内には、県としての試案としての基本構想を策定し、お示しするということにしたいと思います。これが議論のベース、スタートになるということだと、私は理解しておりますので、来年度に入りましたら、また、新しい有識者なども交えた検討組織を設置いたしまして、その場で、より具体化に向けました議論を、さらに関係者に深めていただくというような段取りで進めていくべきだと考えております。

4 バリアフリー観光と観光・福祉防災の連携について
(1) 県バリアフリー観光相談窓口の機能充実について
ア 防災に関する情報発信について
【観光振興スポーツ部長】災害時に、障害のある方を含め、本県を訪れた全ての方が円滑に避難できるよう、平時から発信していくことが重要です。
 このため、県バリアフリー観光サイトにおいても、高知県防災アプリや防災啓発冊子のリンク先を掲載し、平時から周知を図っているところです。また、県バリアフリー観光相談窓口では、コミュニケーション支援アプリを活用し、障害のある方や外国人の方にもスタッフが直接、防災情報などを案内しております。
 加えまして、県内の宿泊や観光施設などにおいても、観光客への防災アプリの活用を促していきたいと考えております。

イ 地域の防災ツーリズム主催団体等とのつなぎ役を担うことについて
【観光振興スポーツ部長】例えば、黒潮町では、津波避難タワーの見学や夜間の避難訓練など、命を守る知識を学ぶとともに、地域ならではの観光体験も行える防災ツーリズムを推進しております。
 県バリアフリー観光相談窓口がつなぎ役となり、こうした防災ツーリズムに福祉防災の視点をつけ加えていくことは、防災ツーリズムの魅力向上にもつながっていくものだと考えております。また、観光客や主催団体のバリアフリーに関する学びが深まりますとともに、発災時の対応力の強化にもつながっていくものだと考えております。
 こうした取り組みを県内外に情報発信することで、防災ツーリズムの誘客の拡大や県全域でのバリアフリー観光を推進していきたいと考えております。

ウ 機能を充実させる上で必要となる施設の拡充に向けた取り組みについて
【観光振興スポーツ部長】防災情報をまとめた新たな特設ページの作成や障害のある方と一緒に避難するといった実践的なバリアフリー防災セミナーなどを開催することで、バリアフリー相談窓口の機能の充実を図ってまいりたいと考えております。
 施設面につきましては、現在の相談窓口は、高齢の方や障害のある方の街歩きを支援する高知市の事業と同じフロアを共有しております。
 こうしたことから、まずは、両事業のお客様の利用の状況の推移とか、フロアの有効活用などを検証した上で、相談窓口業務を運営いただいている団体や高知市と検討していきたいと考えております。

(2) 帯屋町筋東部への多目的トイレ整備について
【観光振興スポーツ部長】帯屋町筋の東部には、はりまや橋ターミナルがございまして、クルーズ船の外国の方も含め、多くの観光客が訪れております。相談窓口では、障害のある方や車いすを利用される方から、トイレのお問い合わせがあった場合には、現在、中央公園の多目的トイレやはりまや橋地下駐車場のトイレを案内させていただいております。
 新たなトイレの整備につきましては、候補となる適地や費用面からも、すぐに整備することは難しく、一定の時間を要すると考えております。
 まずは、民間事業者への協力も呼びかけながら、高知市中心商店街のトイレマップを作成し、相談窓口やはりまや橋バスターミナルなどで配布していきたいと考えております。
 さらには、お客様の声なども丁寧にお聞きしながら、公共トイレの整備につきましても、地元の高知市にも相談していきたいと考えております。

5 暑熱適応への多様な支援策について

(1) 暑さ指数が31以上となった場合における対応の実態について
ア 体育の授業や運動部活動等、学校現場での対応について      
【教育長】各学校では、体育授業や運動部活動を実施する際、まず、活動場所の暑さ指数の計測を行い、暑さ指数が31以上の場合には、適切な水分・塩分の補給や休憩を小まめにとるなどの熱中症対策を行っております。その上で、学校によっては、児童生徒の状況に応じて、運動強度の軽減や活動の時間帯、場所を変更するなどの対応をとっております。
 また、本県の中学校及び高等学校の体育連盟が主催するスポーツ大会におきましては、暑さ指数の計測に加えまして、給水タイムの設定など、競技ごとに必要な熱中症対策を講じた上で、大会運営を行っている状況でございます。

イ 学校以外でのスポーツ大会における対応について
【観光振興スポーツ部長】一部の競技で、夏場は大会の開催を避けたり、暑さの状況により中止したケースがございます。多くは、熱中症対策を講じて、開催している状況です。
 主な対策としまして、定期的な水分補給や換気、休憩時間の確保のほか、暑さのピークを避けた試合時間の設定などを行っております。また一部の競技団体では、暑さ指数を計測した上で、大会を実施しているといった事例もございます。

(2) 百歳体操などで高齢者が集う場への冷房設置に対する公的支援について
【観光振興スポーツ部長】こうした、いきいき百歳体操などの施設に対する冷房機器の設置については、住宅改造支援事業費補助金という県単独の制度を設けております。この制度は、地域住民の生きがい活動や防災活動の拠点となっている施設の改修や改築への支援を行うものでございまして、空調設備での活用は、過去5年間で4市町、9件となってございます。

(3) 暑熱適応の街づくりについて   
【知事】熱中症対策につきましては、御指摘ございましたように、国において法律改正も行われまして、熱中症対策実行計画も策定されております。地球温暖化が進行する中で、熱中症の発生リスクを抑制しながら、社会経済活動の継続、街のにぎわい創出などを図るためには、街中の公共の場などにおける暑さ対策は不可避だと考えております。
 国の計画も踏まえまして、まちづくりに関するさまざまな分野で、暑さへの対応を念頭においた施策を講じていく必要があるというふうに考えております。

10月5日「何よりも『言ったことは守れ』」

 自民党総裁選で、最後は、「高市よりましな石破」という選択肢が、解散総選挙を見据えた自民党内で幅を利かせて、石破総裁が誕生し、首相となりました。

 そして、新内閣の布陣などから、アベ政治からの転換かと思われたが、昨日の所信表明を聞く限り、肝心なところは、そうでないことも明らかになったと思います。

 総裁選の出馬会見で「リクルート事件のとき以上に国民の怒り、不信が高まっている。自民党は変わる。それを実現できるのは自分だ」と語り、同じ日には「全閣僚出席型の予算委員会というものを一通りやり、この政権は何を考えているのか、何を目指そうとしているのかということが、国民に示せた段階で可能な限り早く信は問いたい」と言われた方が、首相になったのですから、多くの国民は、当然そうなるだろうと思っていたにちがいありません。

 蓋をあければ、裏金事件をめぐっては、新事実が判明していない現段階での再調査を否定し、「必要があればそういうことも行いますが、現在そういう状況にあるというふうには承知をしていない」と言い、旧統一教会と自民党との関係について、演説では素通りで、予算委員会もなしに、早々と解散総選挙の日程だけは決めてしまいました。

 沖縄の戦中戦後の苦難の歴史に言及しながらも、米軍普天間飛行場の辺野古移設は推進、期待を持たせた日米地位協定の改定に触れることもありませんでした。

 石破内閣は基本方針として、「ルールを守る」「日本を守る」「国民を守る」「地方を守る」「若者、女性の機会を守る」という「五つの守る」を掲げていたが、「言ったことを守る」ことのない限り、国民の納得と共感は得られるはずはありません。

10月3日「仮設住宅用地の安全性確認へ」


 昨日の一問一答形式の質問が終わり、今朝の新聞には「仮設住宅候補地選定 災害考慮しているか」との見出しで一問が取り上げられていましたが、他の質問も含めて、テープ起こし中です。
 テープ起こしができ次第、アップしたいと思いますので、今しばらくお待ちください。
 
―高知新聞引用―
【質問】能登半島地震の被災地では先月の豪雨で仮設住宅が浸水した。南海トラフ地震に向け、今回の事例を教訓にしたい。県内では災害リスクを考慮した選定をしているか。

【横地和彦土木部長】最大クラスの地震(L2)では7万7千戸が必要になる。確保できていない4万6千戸分の用地は洪水浸水や土砂災害のリスク、道路の状況などの情報も含めてリストアップしている。把握した情報の精度を高め、土地の安全性を確認していく。

【浜田知事】能登の事例を高知に置き換えると、低地では台風などの豪雨で浸水する恐れがあり、用地の確保は重要な課題だ。市町村と連携して、安全性の高い候補地を選定できるように取り組む。

10月1日「明日、一問一答で登壇」

 県議会9月定例会も、一括質問は本日終了し、明日からは一問一答による質問戦が始まります。
 
 私は、明日2日(水)午後1時からの登壇となります。
 
 下記の質問項目を予定していますが、持ち時間は答弁を含めて35分間ですので、掘り下げた質疑ができそうにありません。

 しかし、どれも重要な課題ですので、頑張りたいと思います。

 おかまいない方は、議場またはネット中継での傍聴を、よろしくお願いします。

1 仮設住宅用地の災害リスクについて
(1) 仮設住宅用地の選定における自然災害リスクの配慮について(土木部長)
(2) 仮設住宅用地の安全性確保について(知 事)

2 災害中間支援組織について(子ども・福祉政策部長)
(1) 本県における災害中間支援組織の現状について
(2) 今後の進め方について

3 消防の広域化について(知 事)
(1) 広域化に関する各消防本部との「共通の理解」について
(2) 基本構想策定過程における関係者からの意見聴取の必要性について

4 バリアフリー観光と観光・福祉防災の連携について(観光振興スポーツ部長)
(1) 県バリアフリー観光相談窓口の機能充実について
ア 防災に関する情報発信について
イ 地域の防災ツーリズム主催団体等とのつなぎ役を担うことについて
ウ 機能を充実させる上で必要となる施設の拡充に向けた取り組みについて
(2) 帯屋町筋東部への多目的トイレ整備について

5 暑熱適応への多様な支援策について
(1) 暑さ指数が31以上となった場合における対応の実態について
ア 体育の授業や運動部活動等、学校現場での対応について(教育長)
イ 学校以外でのスポーツ大会における対応について(観光振興スポーツ部長)
(2) 百歳体操などで高齢者が集う場への冷房設置に対する公的支援について(子ども・福祉政策部長)
(3) 暑熱適応の街づくりについて(知 事)

9月29日「袴田さん無罪判決、次は、再審への法改正を」

 9月26日、静岡県の強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さんに静岡地裁の再審公判で「無罪」が言い渡されました。

 無実の訴えから半世紀余、早く真に自由の身とするためにも、検察は控訴してはなりません。

 最高裁は1975年、「疑わしきは被告人の利益に」との刑事裁判の原則が再審制度にも適用されるという決定を出しており、この原則に立てば、もっと早く袴田さんに無罪が届けられたはずです。

 死刑確定の翌年に第1次の再審請求がされたが、再審が確定するまで実に42年もかかりました。
 
 事件から、58年もたって、やっと「無罪」の声を聞いたが、袴田さんの姿を見た時、刑事司法関係者は深刻な人権問題だと受け止めるべきではないでしょうか。

 これを契機に、「開かずの扉」と評される再審制度も根本的に問い直されなければなりません。

 袴田さんの無罪はゴールではなく、刑事訴訟法の再審規定(再審法)を改正するためのスタートとも言えます。

 いったん再審が決まれば、検察官の不服申し立ては禁止する法規定が必要だし、今回の無罪判決についても、検察は控訴せずに無罪を確定させるべきです。

 さらに、無罪に結びつく、すべての証拠を検察側に開示させる法規定を設けるなど再審法の改正は喫緊の課題です。

 現在、超党派の国会議員による「再審法改正を早期に実現する議員連盟」ができているが、私たち県議会でも、今定例会において「刑事訴訟法の再審規定」の改正を求める意見書を提出予定です。

 いよいよ、次は狭山事件の再審の扉を開けるときです。

9月28日「自民党新総裁は、まずは国会で説明責任を果たせ」

 昨日の自民党総裁選は、9名の候補者という多数乱立・乱戦の結果、石破氏と高市氏の決選投票で石破氏が5度目の挑戦で自民党総裁となりました。

 国会議員の支持はほぼ二分されたことからも、石破氏が党をまとめつつ、過去の膿を出し切り、国民の信を取り戻すという道のりは、けして容易ではないでしょう。

 総裁選では、最初威勢の良かった各候補のトーンも、投票日が近づくにしたがってトーンダウンし、裏金問題で処分された議員への責任追及や旧統一教会との組織的関係の真相究明も新総裁には期待できないと思う国民が多くいるのではないでしょうか。

 石破新総裁が、裏金議員や、教団との接点があった議員に対して、厳しい対応が取れないのなら、国民が断罪するしかありません。

 安倍政権以降続く、国会での説明軽視の自民党政権の姿勢が変わったのかを見極めるためにも、所信表明演説に対する代表質問だけではなく、最低限、一問一答形式の予算委員会や党首討論を行い、与野党の対立軸を示した後で、国民に判断を求めて頂きたい。

9月27日「県、精神障害医療費助成に本格的検討」


 高知県の精神障害者に対する医療費助成は、精神疾患を原因とする通院のみで、他の疾患や入院は自己負担で、当事者や家族の不安の解消の求めに応えて、まずは6月定例会で県民の会の同僚議員の岡田議員がその対象拡大を求める質問をしてきました。

 そして、県内の精神障害者の親でつくる「高知はっさくの会」(東岡美佳会長)の皆さんとともに、今年6~8月に署名活動を行い、県に対しては約1万3千筆の署名を子ども福祉政策部長に提出し、助成創設を求めてきました。

 その際に、6月定例会でも岡田議員の質問に答えて「県内の精神障害のある方の実態や、市町村の意向、また、既に補助金の対象に含めている他県の状況などの情報収集・把握を行っていく」との姿勢を示していましたが、現時点での取り組み状況についても聞かせて頂きました。

 そのうえで、「皆さんからの訴えを聞く中で、改めてご苦労なさっていることが分かった。先行事例としての他県の深堀把握や市町村の意向確認も進めながら合意形成も図っていきたい。」と述べられ、最後には「知事とも話して判断したい」と踏み込んだ考えも示されていましたが、昨日の自民党議員の質問に、知事が「対象とする障害の程度や財政負担の規模などを、1年程度かけて検討を深める」と答弁しました。

 知事の背中を後押しした1万3086人の県民の皆さんに感謝したいと思います。

 「親が亡くなったらどうなるか不安でいっぱい。経済的にも親の年齢的にも余裕はない。できるだけ多くの当事者が助成対象としてほしい」との当事者や家族の皆さんの思いに答えるためにも、一年と言わず一日も早く実現させてほしいものです。

9月26日「一問一答形式で10月2日に登壇」

 本日から、9月定例会の質問戦が始まりました。
 
 今回の私の登壇機会は、10月2日からの一問一答による質問になります。

 10月2日の13時から答弁時間も含めて35分間ですので、多くの質問はできないかと思いますが、現在作成中です。

 決まれば、質問項目などを、皆さんにお知らせしたいと思いますので、議場やWeb上での傍聴をよろしくお願いします。

9月24日「常に存在する複合災害のリスク」


 昨年5月の震度6強の珠洲市を中心とした地震、元旦の震度7の能登半島地震、そし今回の豪雨被害と、なぜこれだけ試練を与えるのだと心が折れかかっている方がたくさんおられます。

 8月、9月に入ってようやく避難所から仮設住宅に入居した方も多く、まさに「これから、少しずつ」復興に向けて一歩を踏み出していこうとする矢先の今回の豪雨被害です。

 奥能登を襲った記録的豪雨によって、23日時点で、死者は7人、安否の分からない人は行方不明者を含めて計6人、輪島、珠洲、能登3市町の5千戸で断水しています。

 能登では元日の地震で広範囲が長期間断水し、やっと解消したばかりだったというのに、また断水です。

 集落の孤立は前日から半減したものの依然3市町の56カ所で続いており、県などが復旧を急いでいるといいます。

 「心は折れても生きるしかない」との思いの方々に、頑張れではなくて、「支援し続けているよ」との思いと行動を届けていくしかありません。

 高知でも南海トラフ地震の後に、集中豪雨や台風襲撃など複合災害のリスクは今まで以上に高まっています。

 能登の皆さんの気持ちを自分事として捉えていきましょう。

9月23日「沖縄戦の遺骨が語る」


 今朝の高知新聞でも記事になっていた昨日の平和運動センター記念講演「ぼくが遺骨を掘る人(ガマフヤー)になったわけ」は、大変貴重なお話ばかりでした。

 沖縄のガマ(自然の洞窟)などで遺骨収集を続けるガマフヤー(ガマを掘る人)の具志堅隆松さんは、09年に那覇市中心部に近い真嘉比地区での遺骨等の収集品を示しながら、静かな口調で話されていましたが、その遺品や遺骨が何を私たちに教えているかとなると力も入られました。

 政府・首相は「戦没者の御霊に哀悼の意を捧げる」と言いながら、やっていることは、戦没者の遺骨を海に投げ捨て、戦没者にさせられた敵国の基地づくりに利用することなのかと怒りが湧くいうことを我が事にする必要があります。

 「戦時中は、戦死した家族が人前で泣くことすらできなかったし、モノが言えなかった。今、我々はまだモノが言える。」「日本に戦争をさせないことが、全国でやらなければならないこと。何で日本がアメリカのために中国と戦争しなければならないのか。」と、 主権者として、声をあげなければならないとの訴えに、会場からも「そうだ!」の声があがっていました。

 また、お話の中で、長崎県の小学生の体験学習として、遺骨収集の現場で体験してもらったことを紹介し、遺骨を目の当たりにして事実を確認した証言者になれるということも、非常に大事な平和学習の一環だと考えさせられました。

 掘り出した遺骨を遺族のもとに戻す、遺族が無理でも縁故者のもとにとの思いで、DNA鑑定を求め続けながら掘り続ける具志堅さんの姿を描いた映画「骨を掘る男」上映会が、県下で開催されます。

 当面の予定は、9月29日(日)高知市自由民権記念館13時30分、16時、18時30分、 10月6日(日)南国市後免町防災コミュニティセンター14時、17時です。

 ぜひ、ご来場ください。

9月22日「奥能登の被災地で仮設住宅も浸水」

 復興への厳しい道のりを歩まれている能登半島地震の被災地が昨日、記録的な豪雨に見舞われ、珠洲市で1人が亡くなり、同市と輪島市、能登町でも行方不明者が相次いでいます。

 大雨特別警報が発令された輪島、珠洲両市の雨量は観測史上最大を記録し、各地で道路が土砂崩れで寸断され、県災害対策本部会議によると、床上、床下の浸水は多数で、珠洲市4地区、能登町2地区が孤立したり、停電、断水の地区もあるそうです。

 多くの皆さんが、奥能登の皆さんに、何故こんなにも試練を与えるのかとの思いを強くしています。

 さらにつらいのは、仮設住宅が浸水し、仮設住宅から避難しなければならない避難者の皆さんがおられるということです。

 石川県によると、今回の大雨で輪島市と珠洲市の8カ所の仮設住宅が浸水したそうです。

 朝日新聞の調べでは、少なくとも輪島市の4カ所のうち3カ所(宅田町の仮設を含む)はハザードマップで洪水による浸水リスクがあると示された場所であり、県や輪島市は、洪水や土砂災害、津波といったハザードリスクを「織り込み済み」として、海沿いや川沿いなどに建設していました。

 「リスクを承知の上」とする代わりに、県は、災害の危険があった際は「警戒、避難態勢をしっかりする」としてきたが、そのような対応がされたのか、今後の検証が必要です。

 いずれにしても、災害の仮設住宅は、被災地のなかでも残された少ない平地に建てらるため、そこがこれまで人が住んでいなかった、河川氾濫リスクや、土砂災害リスクのある地域に建てられるという問題があり、今回の能登半島でも同じ現象が発生したと言われています。

 それでなくても、本県において仮設住宅用地が確保されていない中で、限られた用地や候補地が総合的な自然災害リスクを想定した場所の選定がされているのか、仮設住宅用地の安全性の調査と分析が求められるのではと考えさせられました。

9月21日「改憲議論は急ぐべきではない」

 自民党総裁選では、国民が裏金問題や旧統一教会との組織的関係の真相究明については、言及しないものの、それぞれに支持層でも半数が「急ぐ必要はない」と回答しているのに自衛隊の明記など改憲を打ち出しています。

 9候補の間では、改憲に取り組むスピード感として、賛否を問う国民投票に向け「首相在任中の発議を実現する」と訴えたり、「3年以内に改憲を実現」と打ち出したりする候補がいる一方で、そうした「期限」はあいまいなまま「できるだけ早く」といった言い方の候補もいます。

 しかし、この改憲議論をめぐるスピード感を世論はどう見ているのか、9月14、15日に朝日新聞が実施した全国世論調査では、次の首相のもとで、「憲法改正の議論を急ぐべきだと思いますか。急ぐ必要はないと思いますか」という問いに対して、「急ぐべきだ」の34%に対して、「急ぐ必要はない」の方が55%と多い結果となっています。

 自民支持層でも、「急ぐ必要はない」が52%と過半数で、「急ぐべきだ」という回答40%を上回っています。

 自民党では、改憲をめぐって、退陣を表明した岸田文雄首相が遺言を残すかのように、党内に「論点整理」を急がせていますが、国民の思いとは乖離があることを認識しておかなければなりません。

9月20日「9月定例会開会」

 県議会9月定例会が昨日開会し、執行部は24年度一般会計補正予算案49億3800万円など50議案を提出ました。

 浜田知事は、提案説明で、「県政運営の基本姿勢」「人口減少対策」「いきいきと仕事ができる高知」「地産外商の取り組み」「イノベーションの取り組み」「いきいきと生活ができる高知」「日本一の健康長寿県づくり」「教育の充実」「安全・安心な高知」などについての考え方を示されました。

 能登半島地震や8月の南海トラフ地震臨時情報発表に触れ、これらの教訓を踏まえ、備えを再点検し、強化することの必要性に加えて、県内15の消防本部を一つに統合し、広域化を進める方針に言及しました。

 その内容は、以下の通りでした。

  「今後、人口減少が進行する中にあっても、高齢化に伴う救急需要の増大や、大規模災害などへの対応に必要となる消防力を将来にわたって確保していかなければなりません。そのためには、現在15の消防本部に分立している常備消防組織を一本化することで、人事管理や通信指令業務などの間接部門をスリム化し、そこから生じた余力を現場要員の配置に振り向けることが最も有効な手法だと考えます。本県では、このような考え方に立ち、昨年度から各消防本部との間で消防の広域化に関する協議を進めており、概ね共通の理解に達しています。今後は、県において、広域化を担う新たな組織の設置に向けた基本構想を年度内に策定した上で、市町村や消防本部を交えてさらに具体的な協議を進めます。」

 しかし、現在15の消防本部に分立している常備消防組織を一本化することについて、「概ね共通の理解に達している」と本当に言えるのか、私自身は疑問を抱いています。

 9月26、27日、10月1日に一般質問、2、3日に一問一答形式の一般質問が行われますが、私は2日に、一問一答式による質問を行うこととなっていますが、持ち時間が答弁も含めて35分間となっていますので、多くの質問ができないかとは思いますが、近づきましたら、その内容などについてお知らせしていきますので、傍聴して頂ければ幸いです。

9月19日「沖縄戦を考える講演と映画」

 今日から、県議会9月定例会が開会します。

 10月3日に質問予定の私にとって、その前段で欠かせないいくつかの取り組みがあって、バタバタしています。

 特に、皆さんにもぜひ聞いていただきたいお話と、ご覧になって頂きたい映画があります。

 まず、40年以上、沖縄戦の遺骨収集ボランティアを続けてきた具志堅隆松さんのお話です。

 「戦没者の遺骨には家族のもとに帰る権利がある。長く遺骨収集をやってきてわかったことは、人を殺してはいけない。殺されることを認めてはいけない。自分を殺してはいけない。」という具志堅さんは、この国の現状に対し、さらに次のように訴えます。

 「沖縄にいると、本当に戦争の足音が聞こえる。今、本土の沖縄化が進んでいることに気付いてほしい。不条理のそばを通り過ぎてはいけない。」と。

 そんな訴えに9月22日(日)14時30分~県民文化ホール4階多目的室で耳を傾けて欲しいと思います。

 そして、その具志堅さんの姿を描いたドキュメンタリー映画「骨を掘る男」の上映会を自由民権記念館で開催します。

 上映時間は、13:30~(開場:13:00)、16:00~(開場:15:30)、18:30~(開場:18:00)となっていますので、ぜひご覧ください。


 講演会は無料ですが、映画は参加費1000円です。

 問合せは、平和運動センターまで(TEL. 088-875-7274/E-mail. heiwa-st@ninus.ocn.ne.jp)

9月18日「自民党の旧統一教会との新たな組織的関係発覚」

 自民党総裁選挙で裏金問題こそ、真相究明ではないが、今になって「政治改革」などと言って触れられてはいるが、旧統一教会との関係について言及する候補者は誰一人いません。

 そんな最中、昨日朝日新聞は、旧統一教会との「組織的な関係」を否定してきた自民党の説明に疑義を突き付ける、新たな疑惑を明らかにするような写真と記事を報じました。

 自民党が政権復帰した翌13年の参院選の公示直前に、当時の安倍首相が教団トップの会長らと、自民党本部の総裁応接室で面談していたことを写真とともに報じたもので、教団側による自民党の比例区候補の選挙支援を確認する場だったとされています。

 岸田首相が「退陣」を表明した記者会見で、「旧統一教会をめぐる問題や派閥の政治資金パーティーをめぐる政治とカネの問題など、国民の政治不信を招く事態が相次いで生じた。」と述べたが、裏金と並んで国民の政治不信を招いた原因に挙げた「旧統一教会」問題も、実態解明は不十分なままでした。

 今回の新たな疑惑の解明こそは、新総裁の責務であり、そのことに向き合うことなしに、自民党政権への信頼回復はありえません。

 昨日の那覇市で演説会に臨んだ総裁選候補の中で、教団問題に触れた者は一人もいなかったというが、安倍氏が首相の立場にあった2013年の参院選直前に旧統一教会の会長らと総裁応接室で面談していた事実が明らかになった以上、次の総裁候補者は、この問題とどう向き合うのかを示さない限り、さらに国民の信頼を失うことになるのではないでしょうか。

9月16日「敬老の日に考える『支え・支えられる』側」

 今日は、「敬老の日」です。

 総務省が推計した65歳以上の高齢者は3625万人で、総人口に占める割合は29.3%にのぼり、人口10万以上の国・地域としては世界最高とのことです。

 年齢を重ねても働き続ける人は増え、今や65~69歳では半数を超え、就業者の7人に1人は65歳以上だとされています。

 人手不足が顕在化する中で、高齢者の活躍無しに社会を維持できない状況となっています。

 今のご時世、一定の年齢以上なら一律に「支えられる側」とはなりませんが、誰でもいつか必ず「支えられる側」になるし、その時のセーフティーネット、つまり「支える力」や「支えるしくみ」を強くすることは、避けて通れなくなっています。

 しかも、高齢になっても、それまでと同じような働きや活躍を求めるのは無理で、その人にあった多様な働き方や役割の選択肢があるような社会が求められることになると思います。

 また、高知県では、2021年度の県民世論調査で、4割が「医療や介護が必要になっても自宅で生活したい」と希望されている中で、高齢者が住み慣れた地域で暮らしながら医療や介護などのサービスを一体的に受けられる仕組みは、けして十分とはいえません。

 加えて、高知新聞で連載されていた「ヘルパー消滅、高知の介護危機」にあるような実態が、今後も続けば「介護難民」が生じて、「支える側」の脆弱性が浮き彫りとなることが懸念されます。

 そのような中で、「医療や介護が必要になっても自宅で生活したい」方が、多ければ多いほど、やがて来る南海トラフ地震で誰一人取り残さない地域の「支える」仕組みも強化しておかなければならないことも考えさせられます。

 昨日は、奇数月の第3日曜日ということで、小倉町町内会とアルファスティツ知寄Ⅱ防災会共催の恒例の「おしゃべりカフェ」が開催されました。

 お湯を入れて出来上がりを待つ間に、地域包括支援センターの職員さんから、地域ぐるみの支えあいについてお話を頂いた後に、ドライカレーや五目御飯やひじきご飯の防災非常食をおいしくランチとして頂きました。

 平時からの、語らいの場としての「おしゃべりカフェ」で顔見知りの関係や地域の支えあいの関係を築き、いざという時には津波避難ビルに避難したり迎え入れたりできる関係が築かれることも、「支える」地域力づくりにもつながっていると考えさせられた敬老の日の前日でした。

9月15日「国民の信頼回復を図る本気度が見えない自民党総裁選」 

 岸田首相が自民党総裁選の不出馬を表明して以降、総裁選は過去最多の9人が立候補する多数乱戦が展開されています。

 しかし、総裁選だからのリップサービスかのように、今まではどれだけ求められてもやらなかったことを「私がなったら」と言わんばかりに口にしている総裁選で、国民の信頼が回復できるのだろうか。

 裏金問題への対応では、党が幹部らに渡す政策活動費の廃止や、政治資金収支報告書への不記載相当額の国庫への返納などを主張する候補者がいる一方、中途半端に終わった実態解明には、全員が後ろ向きです。

 企業・団体献金や政治資金パーティーは現状のまま放置するのか、「カネをかけない政治」を実現するには何が必要か本気度は伺えません。

 派閥の裏金事件を受けて「政治とカネ」の問題などについて、新首相が野党との国会論戦を通じて有権者に説明する機会が、衆院選前にあるかどうかが焦点になっている中で、それをやろうとしたら党内での混乱が生じかねないし、国民の信頼も回復できない。

 そんな議論もしないまま、直ちに解散するという「時期」も争点化しています。

 自民党の都合による解散総選挙で振り回される国民不在の政治にさらに不信感は高まってい行くことになると思わざるをえません。

9月13日「虐待で亡くなる子どもを救うために」

 こども家庭庁が昨日、2022年度に虐待を受けて亡くなった子どもは72人だったとする検証結果を発表しました。

 前年度から2人減ったものの、近年は横ばいが続いており、同庁の担当者は「本来はゼロであるべき虐待死が72人いることは非常に大きい課題だ」と話されています。

 無理心中16人を除いた虐待死は、56人で死亡時の年齢別でみると、0歳の25人(44.6%)が最も多く、2歳が9人(16.1%)、1歳が5人(8.9%)で続いており、3歳未満だけで全体の約7割を占めています。

 死因となった虐待の類型別では、多かったのはネグレクト(育児放棄)24人(42.9%)、身体的虐待17人(30.4%)で、主たる加害者は実母23人、実母と実父7人、実父6人だったとのことです。

 専門委員会は11~21年度の虐待死事例について、児童相談所などの対応過程を分析し、短期間で転居を繰り返す世帯は、自治体間で十分な引き継ぎが行われず、状況が悪化するケースがあったとして、早期に情報共有する必要性を訴えられています。

 また、国は虐待を防ぐため、望まぬ妊娠や貧困など産前からサポートが必要とされる「特定妊婦」の支援に取り組むが、出生日に亡くなる子どもの数は、年度によって増減はあるものの著しい減少には至っておらず、養育者の心理的・精神的問題(複数回答)としては「養育能力の低さ」(15人)、「育児不安」(11人)が挙げられています。

 朝日新聞によれば、「人吉こころのホスピタル」(熊本県人吉市)の興野康也医師は、孤立出産の末に、実子を殺害したり遺棄したりしたとして罪に問われた女性たちの精神鑑定や支援をしてくる中で、女性たちは日常生活や社会生活への適応能力が平均よりやや低い「境界知能」の状態にあるなど精神面での課題があったり、家族や行政などにつながれず孤立したりしていたことを指摘されています。

 助けを求めることもできず、また助けを求めたとしてもその声が届くべきところに届かなかったりして、孤立を深める母親たちが多く想定されます。

 あらためて、孤立を深めがちな妊産婦さんへの産前から産後、自立までを一貫して支えるきめ細かな取り組みが求められています。

9月11日「原発事故避難計画を見直さない30キロ圏自治体」

 今朝の朝日新聞に、全国の16原発30キロ圏の156自治体の首長に行ったアンケート結果が記事になっていました。

 原発事故に備えた避難ルートの寸断が相次いだ元日の能登半島地震を見るにつけ、避難計画の見直しを真剣に考えているかと思いきや、各自治体の避難計画の見直しについて「必要」「どちらかと言えば必要」と回答したのは、3割に留まっていると感じました。

 能登半島地震は原発廃止への最後の警告だとも言われる中、地震や津波などの自然災害と原発事故が同時に起きる「複合災害」への危機感がもっと高まっているかと思っていたのですが、30キロ圏自治体は、そうでもないように考えさせられました。

 原発の30キロ圏の自治体は、原子力規制委員会の「原子力災害対策指針」などに基づき、住民の避難や屋内退避の計画を定め、必要があれば修正することが法律で義務づけられている中、避難計画の基礎となる指針の見直しに規制委が消極的な一方で、一定数の首長が計画見直しの必要性に踏み込んだが、要否を明確にしない「その他」も5割余りに上っています。

 避難計画見直しの必要性を認めたのは41自治体(28%)で、政府が再稼働に注力する柏崎刈羽原発(新潟県)、南海トラフ巨大地震の想定震源域にある浜岡原発(静岡県)では、それぞれ5割の自治体が必要性を認めています。

 一方、いずれも今年中の再稼働が見込まれる東北電力女川原発(宮城県)は1割余り、中国電力島根原発(島根県)はゼロだったとのことですが、女川原発のある女川町は、「その他」で(能登半島地震を受けての原子力防災上の検証・検討は国及び関係機関にて行われ、見直しが必要な場合はこの結果を踏まえて各級計画に反映されていくこととなる。本町の地域防災計画(原子力災害対策編)は国・県の防災計画とリンクするもので、見直す場合は国・県の計画とともに行うべきものであるため、現時点で単独での計画見直しは行っていない。なお、立地自治体として考える見直し等に係る観点は当然にあり、必要性について考えていない、ということでないことを付言する。)と答え、宮城県も「その他」で、(避難計画は各市町で作成しているため)と答えています。

 このような、県と当該自治体の姿勢に、改めて危機感を感じるとともに、福島原発事故や能登半島地震の警告・教訓は、生かされないのかと情けなくさえ感じます。

9月10日「現行保険証の廃止扱い自民党総裁選で異議」

 マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」への本格移行、現行保険証の廃止が12月2日に迫ってきました。

 以降、現行保険証が新規発行されなくなるが、その後も最長1年間は現行の保険証を利用でき、マイナ保険証を持たない人には当面、代わりに「資格確認書」が交付されることになっています。

 マイナ保険証の利用率は7月時点で11.13%と、相変わらずの低調で、現行保険証の存続を求める声が高まっているのに、廃止が強行されようとしています。

 そんな中で、自民党総裁選で林芳正官房長官が「まだまだ国民の間にいろんな不安がある。不安を解消するために、見直しを含めて適切に対応していきたい。」と現行保険証の廃止時期を巡って言及し、閣内不一致を露呈することとなりました。

 さらに、石破氏も賛同し、舌戦が激化しつつあると言います。

 医療の現場では、受付で保険証を渡して診察を待つだけだったものが、マイナ保険証では、カードリーダーで認識させる際に手間がかかり、しかも受診・受付をする場合、初診も再診も関係なく、毎回本人確認が必要となるなど、患者さんに負担をかけています。

 また、あるシンポジウムで全国保険医団体連合会副会長の橋本政宏医師は、カードリーダーの読み取りで、トラブルが起きたために、その日の受付をあきらめて帰宅し、急性心筋梗塞のため死亡した事例も紹介されています。

 まさに、こういった命に関わる最悪の事態が今後も予想されます。

 東京新聞などの地方紙18紙の合同アンケートでは、マイナ保険証を使わない人や、マイナカード自体を持っていない人は、マイナ保険証の導入中止を求める人が多く、マイナ保険証を使う人は、導入中止を望む割合は少なかったとのことです。

 ただ、現行の紙の保険証の廃止には否定的な人が多く、47.8%はマイナ保険証と現行の保険証の選択制を望んでいます。

 いずれにしても、閣内不一致で推し進めていく現行保険証の廃止は、絶対とどまるべきです。

9月9日「誰もが"This Is Me"と言えるように」

 昨日の午後は、丸亀市の就労継続支援B型事業所たんぽぽに通う方々の人生について話を聞き、その実体験をもとに苦労や生きづらさをテーマに創作された作品の演劇公演を鑑賞してきました。

 香川で好評を博した作品「ダンデライオンズ」が、ミニシアター蛸蔵にて再演されるもので、上演作品は四国学院大学学生と就労継続支援B型事業所のみなさんがつくりあげたストーリーで、出演したのは学生と、障害があり就労支援施設を利用している方たちもおられました。

 三人の主人公のそれぞれのこれまでの人生・生き方そして病んでいく過程の背景が、誰にも共通することで、出演者の一人がアフタートークで仰っていた「事業所たんぽぽの利用当事者と話す中で、皆一緒だから大丈夫と言われ、病気になるのは特別ということではない」ということが、この演劇を共同作業として完成させたベースではないかと思いました。

 エンディンクで出演者全員の思いがこもった"This Is Me"の圧倒的な迫力素晴らしかったです。

 今の4回生も出演した上演は最後かもしれませんが、できる限り各地で公演会が開催されたらと感じたところです。

 (舞台の写真撮影は禁じられていましたので、ポスターとパンフレットの写真にさせて頂きました。)

9月8日「男女共同参画の防災視点で」


 これまで告知してきた下知地区減災連絡会の女性部会発足に向けたキックオフ講演会が、昨日無事開催されました。

 講師の西村浩代さんからは「生活者の視点を活かす避難所運営」ということで、 男女共同参画の視点を防災に生かすためのお話を頂きました。

 避難所にはいろんな方が、来られる中で、避難所で必要な「もの」や「こと」が、避難者毎によって違うということを理解して対応することの必要性。

 過去の事例から、避難所で困ったことについて、具体的な事例をあげて、どう捉えて対応するのかなどを考えさせられました。

 多様な困りごとを想像して、多様性に配慮し避難所運営について考えるためにも、多様な生活者の視点で運営にあたることの大切さについて強調して頂きました。

 下知地区減災連絡会も12年前の発足当初から、男性中心の運営になりがちな防災組織で、女性枠役員を選任して、女性の視点を大事にするなど工夫をしてきましたが、年度内に女性部会を発足させることで、さらに男女共同参画の避難所運営や防災活動の実践につながればと思います。

 今朝の高知新聞でも、記事で具体的に取り上げて頂いていますので、参考にして頂きたいと思います。

9月6日「精神に障がいのある方への医療費助成の実現を」


 昨日は、精神に障害がある人の家族でつくる団体「高知はっさくの会」の皆さんとともに、「精神障がい者保健福祉手帳所持者に対する精神科医療費及び一般医療費への助成制度(重度心身障害者医療費助成制度)の創設」を求められた「精神障がい者に対する医療費助成制度の創設を求める署名」1万3086筆を県西森子ども・福祉政策部長に手交しました。

 会の皆さんのご尽力で、集められた署名に対して部長も「この署名の重みをしっかりと受け止める」と仰っていました。

 県内では、今年3月末現在で7659人が精神障がい者保健福祉手帳を持っていて、年々増加傾向にありますが、県内の医療制度については精神障がいのある人への医療費の助成は一部あるものの、長期的な治療で費用ががかさむだけでなく仕事が限られるため収入が減少し生活が困窮してしまうことが課題となっています。

特徴的には、精神障がいをもつ当事者たちは、発症して10~30年も精神科に通い、多量の薬を服用し、また、その障がいゆえに社会参加の機会に十分恵まれないことや生活習慣病など精神疾患以外の病気も発症する人が増加傾向にあり、家計の負担がそれだけ大きくなっています。

 収入の柱である障害基礎年金 (ほとんどの場合2級月68,000円 )では、日々の生活維持すらままならず、就労も困難な状況にある当事者が多く、ともすれば病院にかかることさえ控えられている方も少なくないそうです。

 当事者とその家族にとって、精神科 (通院・入院)に加えて、精神科以外の一般医療費 (通院・入院)の負担が重なり、それらの医療費の家計負担が重くのしかかっている中で、医療費に対する助成制度の創設は、精神障がいを持つ当事者とその家族にとって最も切実な願いであるのです。
 昨日も、参加したメンバーから当事者自身の生きづらさや家族としての悩みなどが個別具体的に部長に訴えられていました。

 精神科医療 (通院・入院)費および精神科以外の一般医療 (通院・入院)費に対する助成制度(重度心身障害者医療費助成制度)が一切実施されていない都道府県は、現在高知県を含む6県に留まっています。

 県は、6月定例会でも県民の会の岡田議員の質問に答えて、「県内の精神障害のある方の実態や、市町村の意向、また、既に補助金の対象に含めている他県の状況などの情報収集・把握を行っていく」との姿勢を示していましたが、現時点での取り組み状況についても聞かせて頂きました。

 部長も、「皆さんからの訴えを聞く中で、改めてご苦労なさっていることが分かった。先行事例としての他県の深堀把握や市町村の意向確認も進めながら合意形成も図っていきたい。」と述べられ、最後には「知事とも話して判断したい」と踏み込んだ考えも示されました。

 当事者や家族にとって、経済的にも年齢的にも余裕がないことから、一刻も早い判断を求めて、今後も県の取り組みを注視していきたいと思います。

9月4日「沈み続ける関空の島」

 9月1日夜のNHKスペシャル「巨大地震“軟弱地盤”新たな脅威」で、活断層の地震として過去最大規模だった能登半島地震における木造や鉄筋コンクリート造の建物が数多く倒壊したことの背景として、科学者は“軟弱地盤”によって揺れが何倍にも増幅された可能性を指摘されていました。

 現地での液状化の被害状況などもそのことを如実に表していたが、番組を見ると改めて、“軟弱地盤”について考えさせられました。

 そんな矢先、「30年間沈み続ける関空の島」の毎日新聞の見出し記事で、航空機の騒音対策と24時間運用のため、大阪湾の海上5キロ沖の水深20メートルを埋め立てて造られた開港から30年を迎えた関西国際空港は沈み続けるため、護岸をおおむね20年に1度、かさ上げする必要があるとのことを知りました。

 そのことが、2018年の台風の高波による浸水で大きな被害をもたらしたということを考えれば、改めて全国の軟弱地盤の密集地には、土地の成り立ちや災害リスクなどよりも利便性や経済活動を優先した街づくりを容認してきた今に暮らす人々の責任も大きいと思わざるをえません。

 首都直下地震や南海トラフ地震という巨大地震がいつ起きても不思議ではなく、気候変動による自然災害のリスクの増大も日々実感する中で、人工島での万博・カジノに奔走している時ではないのではと思わざるをえません。

9月2日「問われる新聞と私たちの姿勢」

 高知新聞は、昨日9月1日、創刊120年を迎えました。

 いろいろな特集も組まれていますが、一面の「小社会」は、次のような文章で結ばれています。

 ―作家の半藤一利さんは晩年、「昭和史をだめにしたのは言論の自由を失ったこと。国民がものを言わなくなった時、国家は何をしでかすか分からない」。肝に銘じたい。本紙はきょうで創刊120年。―

 そして、15面の中平社長は「取材に基づき裏付けの取れた事実を伝える新聞は必ずしも刺激的ではなく、むしろ退屈かもしれません。しかし、自分とは異なる意見にも耳を傾け熟考することが、民主主義社会には必要です。」と、「創刊120周年に寄せて」います。

 今、求められる貴重な姿勢ではないかと思います。

 そして、これらのことを考えながら朝日新聞8月2日付けの「折々のことば」で紹介されていた歌人の永田和宏さんの著書『知の体力』から「みんなが正しいと言いはじめたら、一回はそれを疑ってみること。一度だけでいいから左を見てみること。」との言葉も改めて考えさせられます。

 『知の体力』では、この言葉の少し後に、「『一億玉砕』などという言葉が声高に叫ばれ、国民が雪崩を打つように戦争に突き進んでいった歴史は、まだ70年、80年前のことでしかないのである。」と続いています。

 新聞の報道姿勢とともに、誰かの強いメッセージに靡かされることのない私たち自身の主体性も問われていることも肝に銘じておかなければなりません。

9月1日「『防災の日』に多様な備えに着手を」

 今日9月1日は、101年前の関東大震災にちなんだ「防災の日」です。

 地震や風水害など自然災害多発列島に住む私たちは、命や暮らしを守るために防災・減災への備えを忘れてはならないことを毎年改めて肝に命ずる日でもあります。

 しかも、今年は元旦の能登半島や8月8日の宮崎県沖日向灘などで大きな地震が相次ぎ、日向灘地震の震源地は南海トラフ地震の想定震源域内だったことから、政府は運用開始後初となる「巨大地震注意」の臨時情報を発表しました。

 さらに、近年、地震以上に身近な脅威となっている水害は、山形県や秋田県では7月、記録的な大雨で河川氾濫や浸水の被害が発生し、死傷者が出た上に、今現在も台風10号が九州などで暴風雨をもたらし、大きな爪痕を残して迷走し、本日熱帯低気圧になりました。

 そのような自然災害に対して、対策として講じられた「南海トラフ地震臨時情報」は周知が不十分だったという指摘を4割の知事が回答しており、高知県知事は「住民の認知度が低かったことは否めない」と回答しています。

 また、台風接近について、自治体は早めに避難所を設け、住民に安全確保を促さねばならないし、住民の側も、自宅や周辺の浸水域や水深を予想するハザードマップを確認するなど、自治体による事前情報の丁寧な発信と、住民の命を守ることを最優先にした備えと向き合い方が求められていると思われます。

 リスクを引き起こす自然の加害力が凶暴化・常襲化し、お互いを守り・支えあう社会のしくみが脆弱化している中で、平時からの備えにつながる取り組みに着手する契機となる「防災の日」になってもらいたいものです。

8月31日「台風一過」

 台風10号の通過に伴う下知コミュニティセンターの避難所開設も今朝終了し、市役所の職員さん、センター長とともに最終の確認をさせていただきました。

 ピーク時で8名の避難者で、昨夜は7名が宿泊されていました。

 29日16時~31日7時までの開設期間でしたが、また新たな学びもありました。

 今回の台風は、高知県にとっては、最悪のコースで大きな被害をもたらすかもしれないと言われ、なおかつ極めてゆっくりとした速度で移動していたため大変心配されましたが、今のところ特に大きな被害はなかったものと思われます。

 しかし、通過後明らかになる被害もあろうかと思います。

 市内東部を自転車で少し回ってみましたが、結構きつい風が吹くこともありますので、皆さんまだまだお気をつけ下さい。

 避難所として二日間過ごした下知コミュニティセンターが、今はいつもの「涼みどころ」として地域の皆さんをお迎えしております。

 また、この台風のゆっくりとした速度や定まらないコースのために、週末の多くのイベントや行事が中止にならざるを得なかったところも多くあろうかと思います。

 とりわけ、私たち下知地区の二葉町自主防災会を中心にした仁淀川町での広域避難防災キャンプは避難先での受け入れが困難なため中止せざるをえなくなりました。

 現地との打合せなど準備に尽力された方々をはじめ、私たち参加予定していたものには残念なことですが、今回の準備が次回の開催に必ずつながるよう取り組んでいきたいものです。

 当面は、9月7日(土)14時~16時に、下知コミュニティセンターで予定している下知地区減災連絡会が、女性部会発足に向けた「女性リーダーキックオフ講演会」に多くの皆さんの参加を呼びかける取り組みを進めていきます。

8月30日「子どもが追い込まれる前の『逃げる』選択肢」

 毎年のように、夏休み明けを前にしたこの時期、子ども・若者への自殺防止の呼びかけがいろいろな形で行われているが、今年は長引く台風10号騒動の中で、そんな声かけが届いてないのではないかと心配します。

 特に、今年は、子どもの自殺が増加傾向にあり、小中高生はコロナ下の2022年に過去最多の514人を数え、23年は513人に上り、今年の上半期も249人と、昨年同期を上回っている時期でもあることから深刻であると言えます。

 日本財団の22年の若者調査では、約半数が「死にたい」と思ったことがあり、うち4割は準備したり実際に行動に移したりしていたとのことで、10~20代の死因の1位が自殺なのは、主要7カ国では日本だけだと言われています。

 その背景には、国のさまざまな意識調査から浮かぶのは、自尊心の低さや、家庭の経済状態も子どもの精神面に影響を与えていたこともあると思われます。

 子どもの9人に1人が貧困状態にあるとされ、子育て世帯の収入格差は拡大傾向にあり、学習、習い事、夏休みの体験などを十分にさせてあげられず、子どものやる気の喪失を心配する親は多いと言います。

 苦境にある子どもたちのSOSに耳を傾け、支援につなげなければならないが、そのつながりが築けているかというとけしてそうではないかもしれません。

 国の指定法人「いのち支える自殺対策推進センター」は今月、「死にたいほど追い込まれる前に『逃げる』選択肢があるよ」と呼び掛け、「#逃げ活」と題する啓発活動を始めています。

 子どもが追い詰められた時、安心して過ごせる場所や寄り添ってくれるおとながいる場所に逃げ込める環境があることや、きっかけや選択肢の提供ができることが求められているのではないでしょうか。

8月29日「高知市高齢者等避難・避難所開設」


 台風10号は今日午前8時ごろ、鹿児島県に上陸しました。

 現在、九州をゆっくりした速度で北上中で、高知県内には30日夕方から31日にかけて接近する見込みと言われています。

 また、気象庁は29日から30日夜にかけて、県内で線状降水帯が発生する可能性があるとし、うねりを伴う高波や暴風、土砂災害、河川増水などに警戒を呼びかけています。

 そのような中で、16時に「高齢者等避難」が発令され、優先開設避難場所23か所が開設されました。

 下知コミュニティセンターには、すでにお一人避難されていますが、これから明るいうちにということで、避難者が増えてくるのではないかと思われます。

 今回の台風10号には三つの特徴があって、一つ目は、台風から離れた地域でも広範囲で大雨が降る「遠隔大雨」のリスクがあることです。

 二つ目は、極めて「遅いスピード」で、「ゆっくり」進んでおり暴風豪雨の時間が長時間に及んでいることです。

 そして、三つ目が「最強に近い」(気象庁)とも言われる勢力の強さです。

 上陸してから、少し衰えてはいるが、それでも965ヘクトパスカルです。

 この三つの特徴が、災害リスクを大きくしていると思われます。

 「遅いスピード」での移動ですので、しっかりと備えていきましょう。

8月28日「『対馬丸事件』の教訓に学んで」

 80年前の8月22日、学童疎開船「対馬丸」が那覇港から長崎に向かう途中、鹿児島県悪石島沖で米潜水艦の魚雷攻撃を受けて沈没しました。

 乗船していたとされる1788人のうち、判明しているだけで学童784人を含む1484人が亡くなりました。

 沖縄県は1944年7月19日、「沖縄県学童集団疎開準備要項」を発令し、学童疎開が始まり、島外への疎開は、沖縄戦に先立つ米軍の空爆が本格化した45年3月ごろまで続き、のべ187隻の民間徴用船が使われ、約8万人が疎開し、不幸なことに、このなかで対馬丸だけが撃沈されたのです。

 アニメ映画「対馬丸 さよなら沖縄」というのを当時小学生の息子と一緒に観た時に、涙が止まらなかったことを覚えています。

 80年経った今、政府は台湾有事などを想定し、南西諸島の住民が九州・山口の8県に避難する計画づくりを進めています。

 沖縄本島の南西に位置する先島諸島の5市町村には11万人と観光客1万人の計12万人が避難する必要があるとして、九州・山口8県の収容可能人数を調べたところ36万人となり、今後は、各県はモデル計画を基に受け入れ計画を調整するとのことが、説明されています。

 先島諸島の外に避難する場合、輸送手段が船や航空機に限定される中、どのような計画を策定しようが80年前の対馬丸事件を繰り返す危険性は回避できないように思えてなりません。

 今の政府が、対馬丸事件の教訓に学ぶなら、子どもたちをはじめとした国民をそのような危険に晒さないための対策こそが、求められているのではないでしょうか。

8月27日「本県には最悪コース大型台風10号に備えて」

 大型台風10号は、高知県にとっては最悪のコースを辿りながら、接近しつつあります。

 台風は向きを変え、列島を縦断するように北東へ進む見通しで、気象庁は暴風や土砂災害、浸水、河川増水への厳重な警戒を呼びかけています。

 同庁によりますと、西日本を中心に、28日頃にかけて次第に暴雨の影響が強くなる見込みで、九州南部と奄美地方の予想最大瞬間風速は60メートルで、一部の住家が倒壊したり、多くの樹木が倒れたりするような猛烈な風が吹く恐れがあるとのことです。

 台風の接近前から大雨災害が発生する恐れがある上、台風自体の進む速度が自転車の速度よりも遅いため影響が長く続く見通しとされています。

 しかも、接近するにつれて、中心気圧は980ヘクトパスカルから970、中心付近の最大風速40メートル、最大瞬間風速55メートルへと勢力を増しています。

 30~31日にかけて最も高知に接近する中で、長期間に影響が及ぶことも想定されています

 可能な備えで、被害を最小限にとどめて頂けたらと思います。

 県議会でも、予定していた28日からの議会危機管理文化厚生委員会の県外調査も、延期することとなりました。

 このコースで接近すれば、避難所開設なども求められてくると思いますので、地域でも避難所運営に協力しながら、避難者の安全確保に努めたいと思います。

 そして、私の住むマンションは大規模修繕工事の最中ですので、足場の一部解体とシートの対策を急いでいます。

8月22日「『事前復興』『災害ケースマネジメント』について学ぶ」

 19日、20日と連続で、この間重点的に取り組んできた二つのテーマで連続しての学びの場に参加してきました。

 19日は、高知市防災人づくり塾で高知市事前復興まちづくり計画策定検討委員会会長・牧紀男先生(京都大学防災研究所)による「事前復興のすすめ―南海トラフ地震後の高知の生き残り―」と題したお話で、復興の課題、復興できるための事前の取り組み、なぜ事前復興が進まないのかなどについてお話頂きました。

 先生のお話のポイントは、先生の近著「平成災害復興誌―新たなる再建スキームをめざして―」の結びにある「災害前から被災することも踏まえた地域の姿、ありようを描き、その実現のために努力していところが不可欠である。何の備えもなく、良い復興が実現されるということはありえない。」に尽きると思ったところです。

 20日は、高知県災害ケースマネジメント研修で、市町村職員や士業会、社協職員の方々約140名(オンライン110名)が参加された中、被災地での被災者支援に尽力されている永野海弁護士(日弁連災害復興支援委員会副委員長)から「過去の大規模災害から生活再建を学ぶ」とのテーマで、能登半島地震での支援活動をはじめ、「罹災証明は市民と自治体の二人三脚作業」「見えにくい被害にこそ寄り添う」「支援制度を使いこなし地域を復興する」「支援制度を活用した住まいの再建を感じる」について、お話頂いたのち被災者生活再建カードを使ったワークショップを行って頂きました。

 ワークショップを通じた支援制度を活用した住まいの再建の疑似体験は、被災後の生活再建を自分事にするうえで、有効なものだと感じました。

 また、被災前から支援制度を知っておくことが、行政にとっても市民にとっても生活再建の多様な選択肢を活用し、諦めることなく復興に向けて歩み出すことにつながると思いました。

 牧先生には、一昨年下知地区減災連絡会の学習の場に来て頂きましたが、今度11月には永野先生にお越しいただくこととなっています。

 災害ケースマネジメントの仕組みを事前に学ぶことも事前復興の大きなツールだと思います。

8月21日「中身の変わらない自民党本の表紙」

 岸田自民党総裁の突然の再選不出馬表明以降の話題は自民党総裁選、そして解散総選挙の日程などの取りざたに終始しています。

 総裁選は9月12日告示、27日投開票の日程で行われることが決まったが、自民党はいかに看板の架け替えと映る候補を選ぶのかに腐心しているように思えます。

 岸田総裁は、派閥の裏金事件によって政権への信任を失い、再選出馬を断念したことからすれば、選挙戦でまずもって問われるのは政治改革への取り組みであります。

 共同通信社が17~19日に実施した全国緊急電話世論調査によると、岸田自民党総裁の退陣が、派閥政治資金パーティー裏金事件からの「信頼回復のきっかけにはならない」との回答が78.0%に上り、内閣支持率は前月の不支持を上回り67.4%に上っています。

 総裁選で議論してほしい課題は景気・雇用・物価高対策が最多の50.9%で、2位以下は年金・医療・介護36.6%、子育て・少子化25.7%、政治とカネ20.1%が続いています。

 裏金事件など続出する「政治とカネ」問題のうみを出し切り、実のある政治改革に踏み込む総裁こそが国民の要請に応えることになるのだろうが、これまでそのことに言及しない方々の総裁選での決意を俄かに信用できるものではないことを国民は知っているのではないでしょうか。

 総裁選候補者は、政倫審での質疑実現など裏金事件の全容解明に向けた指導力を競うことと本気度を示すことができない限り、国民の信頼回復には繋がらないことでしょう。

 さらに、総裁選数多の候補者の中で、真っ先に立候補表明した小林鷹之議員は、注目が集まるのと比例して旧統一協会との関係がクローズアップされ、改めて自民党と統一教会の関係問題が浮上することになると思います。

 官房長官や外相を務めた伊東正義氏は1989年、リクルート事件で退陣する竹下登首相の後継に推され、「本の表紙だけを替えても中身が変わらないと駄目だ」と、固辞しました。

 結局、後継首相には宇野宗佑が選ばれ、自民党は直後の参院選で惨敗しました。

 今回も、自民党の中身(本質)は変わらず、表紙だけを替えようとさえ見える総裁選になるなら国民の信頼を取り戻すことは無理ということを自民党員たちは分かっているのでしょうか。

8月18日「被爆体験、戦争体験を風化させずに、戦争させない決意を」


 昨日、NPO高知県日中友好協会と高知県日中友好中国帰国者の会では14時~「2024日中友好平和を語る集い」を開催しました。

 日中友好協会副会長植野さんの被爆体験と日中友好中国帰国者の会中野会長の残留孤児として国策に翻弄されたお話に参加された50名以上の参加者が耳を傾けました。

 植野克彦さんは、広島高等師範学校付属中1年で、農作業に動員されて向かう途上で被爆されています。

 路地の日陰で、周りがまっ黄色になったと感じた被爆の瞬間。

 恐る恐る眼をあけて「助けてくれ」と大声をあげたこと。

 見えてきた青空の中の原子雲、近くにあるある病院を同級生とともに目指して、そこで飲ませてもらったやかんの水、「黒い雨」が冷たく気持ちよく感じた。

 昏睡状態で現在の大竹市の小学校の講堂で眼を覚ましたところを母が探し当ててくれた。
 治療とも言えないような、血と膿でドロドロになった布巾を洗っては塩水をつけて患部に貼ってもらったこと。

 母の故郷の高知に帰って、当時の城東中(追手前高校)に転向してからは、ヒロシマのことは思い出したくなかった。

 しかし、「日本でも核武装すべきだ」という大臣が表れて、黙っていられないと80歳を過ぎてから被爆体験を語り始められたそうです。

 「これからの人々に永遠にこんな体験をさせたくない。これからもしっかりと伝承して頂きたい。」と結ばれました。

 その後の中野ミツヨさんのお話については、7月23日にお聞きした際にも、報告させて頂きましたが、両親が満州へ満蒙開拓団としてわたってから、日本の敗戦後の避難途中で自身が生まれたこと。

 そして、養父母に貰われ育てられたが、養父母の離婚で生活が激変したこと。

 自身が日本人であることを知りながら、中国での仕事につき、肉親捜しの願いが叶ったが、帰国に至るまでの苦労、そして帰国後の生活で、普通の日本人として生活がしたいとの思いで立ち上がった中国残留孤児国家賠償訴訟、最後に、自らの人生を振り返って思うことについて、語って頂きました。

 日本が起こしたあの戦争で残留孤児になった自分たちは失った親や家族と永遠に会えなくなったが、戦争を許さないし悲惨な歴史が二度と来ないようにしたいという残留孤児としての決意ともいえる思いが語られました

広島と長崎の原爆被害は、その教訓をしっかり記憶するために、毎年式典が催され教科書にも記載され代々伝承されているが、開拓団も同様に日本国民で多くの犠牲者が出ているのになぜこの歴史は国民に広く知らされないのかと怒りを感じられています。

中国残留孤児にとって、中国は私たちを死の淵から救い育ててくれた命の恩人で、日本国は私たちの母国である。

 だからこそ、命の恩人と母国の間で、戦争はさせないためにも、日中友好が世々代々受け継がれていくことを心から願う残留孤児の皆さんの思いを我々が共有し、決意していかなければなりません。

 もっともっと若い人たちに聞いてもらいたいお話ばかりでした。

8月17日「8.15に映画「戦雲」を観て」


 敗戦から79年の15日は、「8.15平和と人権を考える集会」で、映画「戦雲」を鑑賞しながら、会場一杯の参加者の皆さんとともに「戦前の今」について、考えさせられました。

 監督は、これまでにも上映会を行ってきた『標的の村』などの三上智恵さんで、沖縄本島をはじめ、南西諸島の島々をめぐり、2015年から8年かけて取材を行ったドキュメンタリー映画でした。

 1945年8月15日は常に立ち返るべき原点であり、そこから79年間戦争を拒み、平和を築く国民の意思を再確認する日であったはずです。

 しかし、岸田首相は、全国戦没者追悼式の式辞で、安倍元首相や菅前首相と同様、アジアの国々への加害責任には触れませんでした。

 そして、この人は、安全保障3文書の閣議決定で「専守防衛」という日本の防衛政策の国是を覆し、防衛費の増額を進め、憲法9条への自衛隊明記に関する論点を整理するよう自民党に指示するなど、戦後日本の柱だった平和主義を蔑ろにし続けて、「戦争する国」づくりを進めて、国民からの不信と批判に耐えきれず、退陣表明をしました。

 「新しい戦前」と言われる今、映画「戦雲」に描かれた与那国島、宮古島、石垣島、沖縄本島で行われてきた79年間の戦後は、有事のための開戦準備だったのではないかと思わざるをえません。

 このまま沖縄戦を繰り返し、日本全土をアメリカの盾とした有事に突入することに、歯止めをかけることができるのかが、私たちに問われているような思いで、「戦雲」を観たことでした。

 機会があれば、この映画を多くの方々に観てもらいたいものです。

 そこから、「戦争する国」に抗うことへの一歩が始まるのだと思います。

 もう一つ、そのような機会になればと思う「2024日中友好平和を語る集い」が本日開催されますので、ご案内します。

 高知県日中友好協会と高知県日中友好中国帰国者の会では、14時~16時に県民文化ホール4階会議室でを開催します。

 日中友好協会副会長植野さんの被爆体験と日中友好中国帰国者の会中野会長の残留孤児として国策に翻弄されたお話をぜひお聞きください。

8月16日「臨時情報『巨大地震注意』呼びかけ終了で、さらに備えの継続を」


 8日午後4時42分頃の宮崎県沖の日向灘を震源とする地震は、最大震度6弱を観測し、震源は宮崎県の東南東30キロ付近で、震源の深さは30キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.1でした。
 
 その地震を受けて、気象庁は初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表し、以降1週間は巨大地震に注意するように呼び掛けられてきました。
 
 特に、今回は初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」への対応で各自治体の対応に混乱が生じたり、お盆や夏のイベントで移動や人出の多くなる中での一週間でした。

 その間は、今回の「巨大地震注意」では、「巨大地震警戒」と違い事前避難は求められませんでしたが、「日頃からの地震の備えの再確認」に加えて、地震が発生したらすぐに逃げられる準備が求められました。

  通常の生活を送りながらも、避難場所・避難経路の確認、家族の皆さんとの安否確認手段の確認、家具の固定ができているかの確認や非常持出品の改めての確認などの備えを、しっかりと行うことが求められました。

 とにかく、いつもより備えを確かに、身構えながら、日常生活の継続が求められましたが、南海トラフ地震は今回のように「臨時情報」が出ないまま、突発的に起こる可能性のほうが高いわけでで、「巨大地震注意」の呼びかけが終了しても、防災・減災対応を向上させながら継続していくことが大事になります。

 「臨時情報」は、いわゆる避難行動要支援者や耐震性の低い建物に住んでいる人などの被害を大幅に減らすことがポイントですが、それらをチェックしておくことが、突然地震が起きたときにも活かされますので、今回の発令と対応の教訓をチェックし、次の「臨時情報」が発令されたときの対応に活かして頂きたい思います、

 令和5年度の高知県民世論調査で、臨時情報の認知度は28%で、多くの住民が情報の意味を十分に理解しないままの発表となりました。

 先日、オンラインでお話を伺った愛知県豊橋市の臨時情報啓発については、令和3年に高知とおなじように28%だった臨時情報の認知率を高めるために、行政から住民への一方的な説明会ではなく、大学の有識者を交えて住民と行政が対等な立場で一緒にどうしたらいいかを考える「南海トラフ地震臨時情報勉強会」を、事前避難対象地域のある12小学校区のうち、事前避難対象地域に住家のある9校区を対象に実施したそうです。

 専門家の意見や資料など科学的根拠に基づいて伝える、わからないことや不確定な部分がある事も共有する中で、地域特性に合わせた防災訓練の再考や複合災害対応について検討する必要があるなど、住民も行政も相互に気づくことが多くあったとのことでした。

 「臨時情報」が出たときの対応は、行政に一律に決めてもらうよりも、受ける側で微調整していくほうが現実的と言われる中で、今回の一週間を踏まえた自助・共助・公助の相互の話し合いで教訓化していく取り組みが求められているのではないでしょうか。

8月14日「映画「戦雲」を鑑賞して、沖縄からのメッセージに応える闘いを」

 明日、敗戦の日に「8.15平和と人権を考える集会」で、映画「戦雲」が上映されます。

 監督は、これまでにも上映会を行ってきた『標的の村』などの三上智恵さんで、沖縄本島をはじめ、南西諸島の島々をめぐり、2015年から8年かけて取材を行ったドキュメンタリーです。

 沖縄・南西諸島では、日米両政府主導で戦力配備が進められており、2022年に、台湾有事を想定した軍事演習と文書から、九州と南西諸島を戦場にした防衛計画が明らかとなりました。

 一方、過酷な戦争の記憶が残る自然豊かな島では、伝統的な暮らしが営まれています。

 メディアが報じることのないまま進められる国防計画の恐ろしさを解き明かしていく内容となっています。

 沖縄・南西諸島の今を自分事とし、「特定利用」という名の軍事利用に巻き込まれようとする高知の三港湾の問題と向き合うためにも、ぜひご覧ください。

■上映日      8月15日(木)
■上映時間    18時〜
■会場       高知県民文化ホール 多目的室第6
■主催       戦争への道を許さない女たちの会
■共催       高知県平和運動センター
■チケット協力金 1000円(当日1200円)

8月13日「『臨時情報(巨大地震注意)』で備える」

 昨日は、東京から帰省した息子とともに、朝から墓掃除・参りのために土佐久礼に行くつもりでしたが、いろいろと話し合って、臨時情報も出ていることだし、もしもの時の対応もあるので、見送ることにしました。

 もし、土佐久礼で、被災してもお墓は避難場所の近くですし、地域内の状況はほぼ頭に入っているし、何とかなるとは思うのですが、公共交通機関でしか移動できない私たち家族にとっては、その後が大変です。

 そして、マンションの津波避難ビル対応や下知地区のことも気にかかりますので、この一週間は用心にこしたことはありません。

 そのかわり、午前中は、マンションの防災ボックスや防災備品のチェックに汗を流しました。

 そして、午後には、防災用品を扱う量販店を覗いてきましたが、店員さんは防災用品は店頭に並んだものしかないとおっしゃってました。

 慌ててでも、購入しているとすれば、一つの備えのきっかけにはなっているかもしれません。

 親子で来ていたお客さんの「お母さん、こうなる前に買うちょかんといかんかったがよ」「確かに、〇〇ちゃんが言いよったね。お母さんが悪い。」との会話を聞くにつけ、いかに、子どもたちの方が防災意識が高いかと痛感しました。

 また、この機会に防災食の点検をしたら、今年で期限切れが迫っていたので、これからせっせと食べて、買い替えると仰っている方もいました。

 気象庁は昨日、宮崎県で最大震度6弱を観測した地震の後、南海トラフ地震の想定震源域内で観測された震度1以上の地震は、11日の発表から2回増え23回になったと発表しています。

 同庁は同地震の「臨時情報(巨大地震注意)」を発表した後、同地震に関連するプレート境界の固着状態に特段の変化は観測されておらず、内閣府の防災担当者によると、このまま地震活動や地殻変動に変化が見られなければ、15日午後5時で同情報の呼び掛けを終了する予定だそうです。

 しかし、それで気を緩めるのではなく、キチンとした備えを継続していきましよう。

 南海トラフ地震はいつ起きても不思議でないのですから。

8月12日「高知の先駆的女性群像~男女平等と権利のために立ち上がった女性たち~の歴史に学ぶ」

 昨日は、よさこい祭りの喧噪の中を男女共同参画センター「ソーレ」へと自転車で向かい、歴史研究者公文豪氏講演会に参加してきました。

 今回は南海トラフ地震臨時情報巨大地震注意が、出されている中での開催でしたので、開会前に主催者のこうち男女共同参画ポレールから、もしもの時の対応について説明がされた上での開催となりました。

 テーマは「高知の先駆的女性群像~男女平等と権利のために立ち上がった女性たち~」でこれまでの「民権ばあさん楠瀬喜多と女性参政権」、「植木枝盛の女性解放論」に続く公文豪氏から女性の解放や人権獲得にまつわる史実について学ばせて頂きました。

 これまでの2回は、日程が重なり、参加できませんでしたが、今回はやっと参加できて2時間近く、貴重なお話を聴かせて頂きました。

 今回は、高知の先駆的女性たちが、いかにして立ち上がったか、声をあげたのか。

 高知で最初の女性演説をした大原千歳、テーマが男女平等で拍手喝采たったこと。

 県議会傍聴の女性第一号となった松鶴楼芸妓・愛吉の演説と「芸妓諸君に告ぐ」の中にある職業に貴賎なし、男女平等、自主独立の傑出した思想。

 そして、植木枝盛の女性解放論に感化されて立ち上がった助産師として自立していた富永らく、婦人自らが立ち上がる責務を説いた「婦人の急務」を訴えた吉松ます。

 三大事件建白運動に参加した女性たちの中からは、高知の女性が実践的な政治運動に参加し処分された大谷きよえ、女ばかりの大演説会を開催した杉村作、高知県婦人会の結成と論争のリーダーであった傑出した理論家山崎竹、帝国議会と女性の傍聴権獲得の闘いり先頭に立った清水紫琴などの活動の足跡を辿り、男女平等、当たり前の権利獲得に向けてどのように訴え、闘ってきたか聴かせて頂きました。

 楠瀬喜多さんが参政権獲得の闘いに立ち上がれたのは、多くの先駆的闘いに立ち上がった女性がいたからこそということも分かりました。

 頂いた資料を改めて読み直して、その闘いの教訓に学びたいと思います。

8月11日「『巨大地震注意』臨時情報は空振っても、備えを確かなものに」

 2016年に下知地区減災連絡会で石巻市を訪問した時、同行取材され、下知にもお越しになり、昭和小や下知コミセンで取材頂いた朝日新聞編集委員の佐々木英輔氏が、今朝の朝日新聞に南海トラフ地震臨時情報に関する記事を書かれていました。

 「巨大地震、起こるのは数百回に1回?なぜ1週間?注意情報の根拠は」の見出しで、南海トラフ地震をめぐって出た「巨大地震注意」の臨時情報で、いつもより数倍起きやすくなっているのに、起こるのは数百回に1回とされていることや、警戒が求められるのは1週間。どのような根拠で決められたのかとの記事です。

 記事によりますと、「数百回に1回」のもとになったのは「1437分の6」という数字で、これは、南海トラフではなく、世界で過去に起きた地震の統計にもとづくものだとされています。

 マグニチュード(M)7級以上の地震が起きたとき、1週間以内にM8級以上の巨大地震が起きたケースを数えると、1904年から2014年までの1437事例のうち、6事例あったということで、東日本大震災も、このうちの一つでした。

 2011年3月9日にM7.3の地震が発生し、2日後にM9.0の巨大地震が起きており、地震は予知できないものの、この時点で巨大地震への警戒が呼びかけられることはありませんでした。

 2019年から始まった南海トラフ地震臨時情報は、こうした教訓が背景にあり、予知はできなくても、世界の統計から、起きやすさを類推することはでき、そのことによって「大規模地震の発生可能性が平常時に比べて相対的に高まっている」との表現で、防災対応を呼びかけたものと言えます。

 「1437分の6」は、平時の南海トラフと比べると、巨大地震の起きやすさが数倍高まった状態にあたるというが、起きないケースのほうが多いことは否めません。

 記事には「南海トラフの震源域では、M7級の地震が15年に1回ほどの頻度で起きていることから、今後も臨時情報の発表が繰り返され、『空振り』が続く可能性のほうが高い。」とあるが、私たちは、それを機会に備えを確認し、気を緩めることなく備えを確かなものにしていくことが求められているのであることと受け止めていく必要があります。

 そして、「1週間は注意」との呼びかけについては、内閣府による自治体アンケートで、南海トラフ沿いの534市町村に、避難のストレス、住民感情、自治体業務、経済活動などについて、大きな影響が出始めるまでの期間を尋ね、「社会的な受忍の限度」として最も警戒する期間は1週間が基本とされたとのことであります。

 今回は「巨大地震注意」であることから、一週間程度だが、南海トラフでM8級の地震が起こると、「巨大地震警戒」の臨時情報が出ることになると、その時は避難も含めた対応を1週間、さらに1週間は「巨大地震注意」と同様の対応を取ることになりますから、そのことに対応できる備えと覚悟が迫られてくることを改めて共有しておきましょう。

8月9日「初の南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」」

 昨8日午後4時42分ごろ、宮崎県沖の日向灘を震源とする地震があり、宮崎県日南市南郷町で最大震度6弱を観測し、震源は宮崎県の東南東30キロ付近で、震源の深さは30キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.1でした。

 この地震を受けて、気象庁は初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表し、今後1週間は巨大地震に注意するように呼び掛けています。

 特に、今回は初の「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」への対応で各自治体の対応に混乱が生じているようです。

 「巨大地震警戒」であれば避難に時間がかかる人には事前避難を求めていますが、今回の「巨大地震注意」では、事前の避難は伴わないで、「日頃からの地震の備えの再確認」に加えて、地震が発生したらすぐに逃げられる準備を求めています。

 とにかく、いつもより身構えながら、日常生活を続けてほしいということになります。

 皆さん、お盆や夏のイベントで移動や人出の多くなる一週間です。

 過度に不安を抱くことはなくとも、くれぐれも正常性バイアスに陥らないように、身構え備えた生活を送りましょう。

 なお、昨夜知事からは、それらのことを踏まえて、県民の皆さんには、次のようなメッセージが出されています。

〇「巨大地震注意」の段階で求められている対応といたしましては、発表から1週間から2週間程度は、通常の生活を送りながら、次の地震に向けた備えを再確認していただきたい、という情報です。

○ 具体的には、・避難場所・避難経路の確認・家族の皆さんとの安否確認手段の確認・家具の固定ができているかの確認・非常持出品の改めての確認・緊急情報の取得体制の確認こういった備えを、通常の生活を送りながらも、しっかりと行っていただきたい、というメッセージです。

○ また、今後、大きな揺れを感じたらすぐに避難できるよう準備してください。

○ 具体的には、・非常持出袋をあらかじめ準備しておく・すぐに避難できる態勢で就寝するといった備えをお願いします。

8月8日「風船爆弾」

 7日付け朝日新聞「オピニオン面」のインタビュー記事の見出しに「風船爆弾」との文字を眼にしました。

 作家の小林エリカさんは、その工場だった劇場に学徒勤労動員された高等女学校の生徒たちを小説「女の子たち風船爆弾をつくる」で描かれた思いについてのインタビュー記事です。

 その記事を読んで、昨年、講談社から高知出身の作家中脇初枝さんが発刊された「伝言」にも、私が亡き母の旧友として紹介する崎山みどりさんたち「女の子たち」が、風船爆弾づくりに勤しむ姿が描かれていたことを思い出しました。

 風船爆弾とは、旧日本軍が開発した秘密兵器で、太平洋側から空に放たれ、偏西風に乗って米国本土に到達、犠牲者を出したものです。

 そして、風船爆弾などの秘密兵器を研究した映画「陸軍登戸研究所」を2013年6月に高知大学で観せて頂いたことを思い出し、改めて、昨日その映画のDVDを観ました。

 映画の中では、陸軍登戸研究所は、陸軍科学研究所の中でも、最も膨大な資金をつぎ込み、「殺人光線、電波兵器、生体実験への道、毒物・爆薬の研究、風船爆弾、生物・化学兵器、ニセ札製造、対支経済謀略」の研究を託された登戸研究所の闇が描かれていました。

 新聞の小林さんのインタビュー記事の中にも「生徒が動員された学園に問い合わせて、卒業生への聞き取り調査の資料や、同窓会報などを見せていただきました。風船爆弾についても、陸軍登戸研究所で働いていた方が記録を捨てずに持っており、地元の活動を通じて引き継がれていました」とありますが、陸軍登戸研究所で働き、風船爆弾をつくっていた「女の子たち」が登場します。

 また、風船をつくる際の紙には土佐の楮が多く使われていたことにも触れられる中で、改めて他人事ではないことも考えさせられました。

 私も、映画を観た2013年当時は、詳しく知りませんでしたが、その際映画について話された監督から「戦争は誰のために続けたのか。図らずも原発ムラと相似する構図」が浮き彫りにされ、事実を知らされずに突き進んでいった戦争と原発推進の背景の相似性や「知らなかった加担」についても、感じさせられる映画であることを教えられました。

8月9日「被爆体験、残留孤児の戦争体験と向き合ってください」

 昨日広島では、被爆から79年目を迎えました。

 世界は、核兵器使用の恐怖と向き合わざるをえない緊張状態が続いています。

 そして、沖縄・奄美を中心に始められた「対中戦争態勢」構築は、いま九州を中心に西日本に拡大されています。

 陸自・大分分屯地では大型弾薬庫9棟の建設に向けた工事が進み、陸自・湯布院駐屯地には「対艦ミサイル連隊」が今年度中に配備され、宮崎県えびの市の陸自駐屯地や鹿児島県さつま町にも弾薬庫の建設が計画され、熊本の陸自・健軍駐屯地にはすでに「対艦ミサイル連隊」が配備されています。

 そして、高知の高知新港・須崎港・宿毛湾港をはじめとした全国の特定利用目的港湾・空港が、軍事目的としての利用につながる懸念はぬぐえません。

 そのような中で、「被爆体験・戦争体験を風化させない」ために、高知県日中友好協会と高知県日中友好中国帰国者の会では、8月17日(土)14時~16時に県民文化ホール4階会議室で「2024日中友好平和を語る集い」を開催します。

 日中友好協会副会長植野さんの被爆体験と日中友好中国帰国者の会中野会長の残留孤児として国策に翻弄されたお話をぜひお聞きください。

8月6日「核抑止力に依存する為政者は改心を」

 米国が広島に原爆を投下して、きょうで79年になります。

 核を巡る緊張はいま、被爆者の願いに反して、冷戦後で最も高まっていると言えます。

 にもかかわらず、核兵器使用の恐怖と向き合わざるをえない、緊張状態が続いています。

 その背景には、ウクライナとパレスチナ自治区ガザで続く二つの戦禍があり、核保有国のロシアとイスラエルが核を持たぬ相手に対し、核の脅しを伴って攻撃しており、私たちはそのことからけして目を背けてはなりません。

 非人道兵器による脅し合いは国と国民を守る手段にはなり得ないし、国際社会がそう決意した証しが核兵器禁止条約ではないのでしょうか。

 日本が果たすべきは、核抑止論を乗り越える行動であり、先制不使用を含む核の役割低減の国際合意を積み上げることあり、その議論を主導することが、今こそ求められています。

 松井広島市長は、「平和宣言」で「混迷を極めている世界情勢をただ悲観するのではなく、こうした先人たちと同様に決意し、希望を胸に心を一つにして行動を起こしましょう。そうすれば、核抑止力に依存する為政者に政策転換を促すことができるはずです。必ずできます。」と述べ「日本政府には、各国が立場を超えて建設的な対話を重ね、信頼関係を築くことができるよう強いリーダーシップを発揮していただきたい。さらに、核兵器のない世界の実現に向けた現実的な取組として、まずは来年3月に開催される核兵器禁止条約の第3回締約国会議にオブザーバー参加し、一刻も早く締約国となっていただきたい。」と迫りました。

 また、子ども代表が「平和への誓い」で述べた、「今もなお、世界では戦争が続いています。79年前と同じように、生きたくても生きることができなかった人たち、明日を共に過ごすはずだった人を失った人たちが、この世界のどこかにいるのです。本当にこのままでよいのでしょうか。願うだけでは、平和はおとずれません。色鮮やかな日常を守り、平和をつくっていくのは私たちです。一人一人が相手の話をよく聞くこと。「違い」を「良さ」と捉え、自分の考えを見直すこと。仲間と協力し、一つのことを成し遂げること。私たちにもできる平和への一歩です。さあ、ヒロシマを共に学び、感じましょう。平和記念資料館を見学し、被爆者の言葉に触れてください。そして、家族や友達と平和の尊さや命の重みについて語り合いましょう。」との呼びかけに、どれだけの国民が答えることができるのかが問われています。

 放映中のNHK連続テレビ小説「虎に翼」主人公のモデルとなった日本初の女性弁護士、三淵嘉子さんは、戦後は裁判官となり、米国の原爆投下を「国際法違反」と断じた「原爆裁判」にかかわったことは、良く知られています。

 判決は、その後の被爆者救済に影響を与えたし、国際社会でも大きな意味を持ちました。

 1996年に国際司法裁判所(ICJ)が、核兵器使用は国際人道法に「一般的に反する」とした勧告的意見にも影響を与えたとされているし、この意見を踏まえ、2017年に核兵器禁止条約が採択されたが、日本政府が批准していないことに対して、改めて被災地からの批判は高まるのではないでしょうか。

 今日という日を、核兵器廃絶を国際社会に絶え間なく働きかけるという行動を改めて誓う一日にしたいものです。

8月5日「若者に政治に関心持ってもらうため」


 昨日、県明るい選挙推進協議会主催の「若者と議員の座談会」に出席させて頂きました。

 この座談会も始まって以来、一回のみの欠席で、多分出席議員の中では最多出席回数になると思われます。

 その間には、8年前に選挙権が18歳に引き下げられたことから、高校生の参加が多数になっていましたが、今年は大学生も多少増えていました。

 議員側は、議員14名(県議9名、高知市議5名)の予定でしたが、一部欠席もありました。

 3人の若者と1グループになって、まずは「どうすれば若者は政治に関心をもつの?」というテーマで意見交換、休憩後グループ替えをして自由テーマで意見交換をしました。

 若者の政治への関心・無関心もそれぞれの背景によって違うが、自分の関心のある趣味や学校生活の中で、そのことが政治とつながっていないのか、何らかの形で必ずつながっているので、そこから自分事として捉えることができるようになるのではないかと投げかけさせていただきました。
 
 また、若者からは、政治家を知ることで政治に関心を持つことにはなるので、政治家の方からも直接若者の中に飛び込んでいったり、SNSでの情報発信すべきとのアドバイスがありました。

 また、他のグループでは「生徒会で、声をあげても、学校が取り上げてくれず、声をあげても変わらないということが、刷り込まれて、そのことが選挙で投票しても変わらないということで無関心につながるのではないか」ということなども出されていました。

 グループ替えの後に取り上げたテーマは「魅力ある高知県にするためにはどうすればいい?(観光・産業振興)」などについて意見交換をしましたが、「観光キャンペーンで打ち出す『極上の田舎』は、若者にとって魅力あるイベントではないし、若者にターゲットをあてたレジャー施設や店舗などにはつながらない」ということをどのように見るかとの意見もあり、観光客は来るけど、若者は出ていくということにもなるのではないか、そこをどうマッチングするのかなど、なかなか面白い意見交換ができました。

 また、他にも「介護・医療人材を確保できる給料が確保されるべき。このままでは、高齢社会を支えられなくなる。」という意見に対して「私はアルバイトをしても最低賃金。貯めて何かしようとならない。全部の仕事で給料はあげてもらいたい。」と返されたり、高校生同士の相互討論にもなりました。

 若者の関心ある政治課題と議員がしっかりと向き合って行かなければと改めて考えさせられました。

8月3日「欠陥機オスプレイはすぐさま撤退・退役を」

 鹿児島県屋久島沖で昨年11月、垂直離着陸輸送機CV22オスプレイが墜落し、乗員8人全員が死亡した事故で、米空軍は昨日事故調査報告書を公表しました。

 ギアボックス内の歯車破断と操縦士の判断ミスという2点を原因とした墜落事故だと報告書は結論付けていますが、より深刻な問題は歯車破断であって、過去にもギアボックスの不具合が取り沙汰されており、構造的欠陥が指摘されるゆえんでもあります。

 歯車が折れた原因が分からないままでは墜落事故が解明されていないに等しく、同 じような墜落事故が起きる可能性が残されており、本来ならば飛行が許されてはならないはずです。

 今回の墜落事故につながった歯車破断の根本原因も特定できていないことも看過できないし、警報の無視は民間航空機では考えられず、乗員間に危機意識が欠落していたなど隊員教育の不徹底、全軍的なオスプレイ安全対策の不備などが指摘されます。

 そのようなオスプレイの飛行を容認する日本政府の姿勢も疑問であり、構造的欠陥が明らかなオスプレイという欠陥機は、飛行経路周辺で暮らす住民や乗員の生命を守るためにも、すぐさま撤退、退役しかありません。

 昨年12月議会で「自衛官の命を守る観点から、自衛隊へのオスプレイ配備の見直しを求める意見書議案」を提出し、多岐にわたる構造的欠陥を有し、死亡事故が多発してきた中で、まず何よりも運用する自衛官の命を危うくし、世界的にも導入が見送られ、調達コストが膨らんでいることからも、自衛隊へのオスプレイ配備・調達計画の見直す必要があることを求めた賛成討論を行いました。

 今回の米軍事故調査報告書を見るにつけ、余計にオスプレイを運用する自衛官の命をはじめ、県民・国民の生命・財産を守るために、陸上自衛隊へのオスプレイ配備を抜本的に見直すよう求めていきたいと思います。

8月2日「文書偽装や再稼働詐欺ともいえる原電の敦賀原発は直ちに廃炉を」

 7月26日、原子力規制委員会が、日本原子力発電(原電)の敦賀原発2号機は、原子炉建屋の直下に活断層がある恐れが否定できないと結論づけ、再稼働の条件になる新規制基準に適合しないとの判断を示しました。

 これで、原発の直下で断層が動けば深刻な事態になることから、新規制基準では再稼働は認められないことになり、敦賀原発2号機は事実上廃炉が決定的になったと言えます。

 敦賀原発は200mほどの場所に「浦底断層」という活断層が走っており、もともと立地不適と言える場所でしたが、以前は断層評価が甘く、原電は浦底断層を活断層とみていませんでした。

 しかし、その後の調査で浦底断層は約4700年前に活動した第一級の活断層であることがわかり、東日本太平洋沖地震の後に、浦底断層の運動に伴い動く可能性がある断層が原子炉直下にも達している可能性があることが明らかになり、改めて再評価を行うことになりました。

 一連の審査会合では、原電は過去に国に提出した書類をあたかも最初から活断層ではないと評価してきたかのような文意に書き換えるなど、多数の偽装が見つかり、これでは審査できないと、審査が中断し、その後、規制委は審査を再開させたものの、その後も原電の書類には100箇所以上の間違いが見つかりました。

 規制委はデータ管理や審査体制に問題があると、原電の社長を呼び出して資料を出し直すよう求め、その際に山中委員長は「これが最後だ」と述べ、誤りが続けば審査の打ち切りも示唆しました。

 まさに、このことからも再稼働を強引に進めたい日本原電による文書偽装が行われていたとしか言わざるをえません。

 原電の原発は全て停止しており、発電電力量は12年間ゼロでありながら黒字なのは、東電、関電、中部電、東北電、北陸電の電力5社が「基本料金」として原電に原発の維持管理費用などを支払ってきたからであり、東電などが赤字になっても発電ゼロの原電の黒字が続くという異常事態になっているのです。

 大手電力5社は23年度に、944億円を基本料金として支払っており、このまま原電が敦賀2号機を「再稼働申請中」として、基本料金を電力に請求すると、消費者の電気料金が一切の電気を生まない原発のために年間400億円余りを原電に支払うことになり、「再稼働詐欺」とも言われています。

 欠陥工事が明るみに出た東海第二と合わせて、毎年900億円を超える電気料金を吸い上げるためだけに存在し維持され続ける原発は、一刻も早く2基とも廃炉にするべきなのです。

 この原発は、今後動かすことはできなにもかかわらず、この審査会合の結果を受けて、原電の村松社長は「廃炉は考えていない」として、さらに審査を求める考えを示しているが、規制庁は、これを絶対認めてはなりません。

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