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12月31日「3.11を忘れず、一歩前へ」

 異常に執念を燃やす野田政権の消費増税法案の素案が年末も押し詰まった中で固まりました。税率5%の消費税を「2014年4月に8%、15年10月に10%」と段階的に引き上げる案となっていますが、1月上旬に正式に決定、与野党協議の上、消費増税法案の年度内提出をめざすこととなっています。
 年明けから、私たち国民はこの法案と対峙し、消費増税によらない社会保障充実と震災復興への道を歩むための取り組みを国民的合意へと広げていくことが必要ではないかと思いつつ、2011年を終えようとしています。
 ここにきて、財界は、復興を名目に、新成長戦略の突破口を被災地で開き、復興特区をテコにして構造改革を進め、労働法制の一層の規制緩和も図ろうとしており、今の政府はそれを後押しするかのような姿勢に終始しています。まさにこれまでも紹介してきた、大きな惨事・危機を利用して、市場原理主義の再徹底を目論む「惨事便乗型資本主義」との攻防が2012年の課題であることが明らかになっています。
 今年一年、皆様には大変お世話になりました。忘れてはならない2011年から、一歩前へ進める2012年へと頑張りたいと思います。

12月30日「忘却に抗い、怒りを力に前へ進む」

 3.11からの復旧・復興には、年末年始もなく被災者、被災地、避難先での営みが続けられていることに思いを馳せながら、事務所での事務整理に明け暮れています。
 年を越すことで、3.11が、福島が、夏の豪雨災害などのことが、忘却の彼方へと遠ざかることが心配されます。被災地からは「忘れないで欲しい」という心配の声が聞こえてきます。
 改めて、「忘れないで一歩前へ進む」ための時間が、この一週間に取れたらと思っています。NHK・ETV特集では震災・原発事故後の特番の再放送がされています。見逃した方は、この機会にご覧になってみてはいかがでしょうか。案内はこちらから。
 「忘却に抗い、怒りを力に前へ進む」新たな年を迎えたいと思っています。
 さて、17日付のこのコーナーでも触れましたが、知事の「条件が整えば震災瓦礫受け入れ答弁」を心配する県民の皆さんが28日に、申し入れされたたことについてご報告しておきます。内容は下記のとおりです。

                                                                           2011年 12月 28日
高知県知事 尾崎正直 様
                                                                グリーン市民ネットワーク高知 一同
 南海.東南海.東海巨大地震の迫る今、日頃から四国電力と勉強会を開催されるなど伊方原発が いかに危険な存在か ご理解の深い知事に敬意を表します。
 しかし、知事は12月16日県議会で、 「お互いに助け合う気持ちで対応していくのが基本」と瓦礫受け入れに前向きな姿勢を示した
と同日付け高知新聞夕刊で報道されました。このことは、知事への私たちの期待を大きく覆すものです。
 ご承知のように、3.11福島原発事故以降、東日本は広汎に放射能汚染されてしまいました。このような国難の渦中にあって高知県と西日本には、疎開してくる人々のために、また、国の食糧供給地として、何としてもこれ以上の放射能汚染を避ける責務があると考えます。
 以下について、充分ご配慮いただきますよう衷心より申し入れいたします。
1 「国による安全基準や処理の指針」が信用に足るでしょうか
 1)被曝許容量
 これまで政府は、法律で定められた、一般人の被曝許容量1mSv/年、放射線取り扱い者の被曝許容量50mSv以下/年で100mSv以下/5年、事故継続など緊急時許容量 20〜100mSv/年を安易に変更し、子どもを含め被災地住民の被曝許容量 20mSv/年、福島原発事故の収束に従事する作業員の被曝許容量250mSv/年などと法解釈を勝手に逸脱してきたので、国民から一斉に非難を浴び、世界もあきれてはてています。
 2)食品暫定基準値
 同様に3.11後、国の定めた食品の暫定基準値は、飲み物で 乳児100Bq/L、セシウム200Bq/L、ヨウ素300Bq/L、食品で 500Bq/kgと、チェルノブイリ原発事故後に諸外国が定めた基準値よりも驚くほど高い数値です。
 新基準は来年4月から、飲料水10Bq/L、乳児食品50Bq/kg、牛乳50Bq/L、一般食品100Bq/kgを適用するそうですが、これとてドイツ放射線防護協会が日本人に推奨した未成年者4Bq/kg、成人8Bq/kgをはるかに上回っています。                           3)がれきの放射線量測定と焼却
 被災地のがれき放射線量測定方法にも問題があります。ガイガーカウンターで測定できるのはγ線だけで、α線β線は放射線の飛距離が短いので測定が難しいのです。そもそも政府はα線(プルトニウムほか)は殆ど飛んでいないという立場を崩していませんが、プルトニウムは福島原発敷地外(飯舘村ほか)で大量に確認されたほか、福島原発事故由来のプルトニウムは米国西海岸でも確認されており、またβ線(ヨウ素、ストロンチウムほか)も各地で確認されています。政府が問題なしと判断する汚染濃度のがれきであっても放射性物質の総量で、内部被曝による多大な健康被害がひき起されると想定する必要があります。
 安易にがれきを受け入れた結果、焼却した後に県土が より放射能汚染される先行事例として、山形県があります。がれきを受け入れ焼却した山形市では降下物からセシウムが福島市の14倍検出されました。国のがれき受け入れ基準8000Bq/kgのところを、山形県は独自に4000Bq/kg以下という基準を設け、山形市は200Bq/kg以下のがれきだけを焼却したにも拘らず、焼却により濃縮されたのです。
 また、放射能汚染のホットスポットのある千葉県でも、クリーンセンターの煙と汚水からセシウムが検出されています。セシウムは671℃で気化、すなわち焼却により、N95マスクでも防げない超微細粒子のガスとなるのです。ガス化した核種は、市町村の焼却炉に付設されているバグフィルターなどではとりきれず焼却場周辺に飛散し、今後、周辺地域住民の健康被害が重大な問題となるでしょう。それは、ダイオキシン汚染の轍を踏むだけであり、焼却場自体もまた処理できない巨大な核のごみと化すでしょう。
 がれきは広域に搬出してはならないし、ましてや焼却などしてはいけないのです。
2 「助け合いの気持ち」から西日本を放射性物質で汚染させていいのでしょうか
 1)汚染を拡げてはならない
 北は青森県、南は静岡県浜松市までの地域が5月までに100MBq/km2以上の放射性物質で汚染され尽くしました。県土の放射能汚染のリスクを冒してまで被災地のがれきをあえて受け入れることに、県民として断乎反対します。
 2)本当の助け合いとは
 すでに高知県には、被災した東北や関東地方から避難してこられた方々が多く居住しています。また、諸事情で避難できない方々は、高知からの農作物はじめ物資の配送に頼っています。こうしたみなさんが、避難先、あるいは供給元である高知県の放射能汚染の危機を、どう思われるでしょう。
 高知県は、耕作放棄地を活性化し、 農業などに従事してきた被災地住民を受け入れ、農作物など食糧の増産体制を整えることこそが、本当の助け合いではないでしょうか。がれきではなく、人をもっと受け入れてください。                      以上

12月29日「姑息な政府姿勢」

 この数日の、防衛省の米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた環境影響評価(アセスメント)の評価書の提出における行動は、進展を求めようとする米国側にばかり顔を向け、県民の声を無視した強権的な行為としか言いようがありません。米国の意向をひたすらうかがい、「普天間の固定化」を引き合いに、辺野古受け入れを甘受せよとばかりの強引さは、人々が寝静まる午前4時すぎに守衛室に運び込むという姑息な行為を招きました。
 沖縄県議会では、評価書の提出自体を断念するよう求める意見書案を全会一致で可決しているにも関わらず、議会の総意を無視して評価書提出を強引に実行しようとしたからこその混乱が起き、県民の「抵抗」を理由にするなど、あまりに許し難い行動です。こういう姿勢にこそ、沖縄差別の本質が表れているのではないかと思ったりします。どこまで、国民より米国の顔色をうかがう日本政府の姿勢を疑わざるをえません。
 このような愚挙がまかりとおったまま年を越そうとしているこの国の政治への不信は募るばかりです。

12月28日「全議員の採決結果公表へ」

 昨日、12月定例県議会は、一般会計117億円余の補正予算案や新副知事選任の人事案件などを可決して閉会しました。
 なお、賛否の分かれた第33号県道春野赤岡線地域活力基盤創造交付金(文庫鼻トンネル)工事請負契約の一部を変更する契約の締結に関する議案については、確かに「誓約書もどき」という点に、疑問は残りますが、公取委検査の結果が出ていないことや継続中の工事であること、さらに事後でもこの工事請負入札についてクロが判明したときには、その時に県民にデメリットがないような厳正なる措置を行いうることからも、賛成しました。
 請願関係の請第1-1,2号「すべての子供に行き届いた教育を求めるための請願について」及び請第2号「教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成の請願について」は、賛成しましたが、少数で不採択となりました。
 また、意見書については、「行政書士に行政不服審査法に係る不服審査手続の代理権の付与を求める意見書」「専修学校における質の高い職業教育の実現を求める意見書」「視覚障がい者からテレビを遠ざけない地上デジタルテレビ放送を求める意見書」「災害に強い日本の構築に向けた社会資本整備を求める意見書」「APECでのTPP交渉参加表明に抗議する意見書」は全会一致で可決となりました。
 「緊急事態基本法の早期制定を求める意見書」「安定した電力供給の確保を求める意見書」「TPPへの参加反対の意見書」については、賛成多数で可決されましたが、私は「緊急事態基本法の早期制定を求める意見書」「安定した電力供給の確保を求める意見書」については、反対しました。前者は、自然災害による非常時と軍事的有事を同一視して、有事体制強化の促進に、東日本大震災を利用しようとする姿勢が透けて見える「惨事便乗型」有事体制づくりであることから。後者は、「安定した電力供給の確保」の前提として、脱原発の方向性が明確でないことから、反対しました。
 今議会から、議会改革の一貫として、全ての議案についての採決結果が一覧となって公表されていますので、ご覧になって下さい。こちらから

12月27日「震災瓦礫受け入れマップ」

 25日深夜、九州電力玄海4号機が定期検査のため運転を停止し、稼働している原発は国内で54基中6基となり、全原発停止へあと一歩です。 また、九電管内では管内全ての原発が停止しており、東北、中部などに続き、全国で4社目となりました。
 そんな中で、来年度予算案の中に、原発関連4188億円、再生エネルギー関連は原発の半分の2100億円に止まっています。結局「脱原発」の意志を示すことのできない現内閣であることが明らかになりました。
 震災がれき処理問題での高知県の姿勢に対して、心配の声が県内でも高まっていますが、
瓦礫処理を行っている山形市にある放射線モニタリングポスト測定で、福島市以上の高い放射性セシウムが検出されています。なぜ、福島市の14倍もの値なのか、焼却処理の影響があるのかもしれないとも言われています。
 処理受け入れの全国的なマップ(マップをクリックすれば鮮明なものがご覧になれます)がありましたが、中国、四国、九州の中で、高知県の姿勢が目立っており、何とかせねばとの思いです。「ここで、受け入れておかなければ、高知が被災したときに協力が得られない」という理屈ではなく、もっと慎重な議論が必要なはずです。




12月26日「これって『誓約書』談合への懸念」

 今定例会を前に、国発注も含めて県内公共工事での談合容疑で建設会社や協会計30カ所で公取委の立ち入りが入ったことについては、これまでにも報じられています。
 県は今定例会への提出議案に、県発注工事の請負契約に関する議案が3件あることからも、「法令違反していない旨の誓約書の提出、誓約書には、談合が確認された場合のいかなる措置にも従う旨」が記された誓約書の提出も求められましたし、今後の入札では落札業者に談合をしていない旨の誓約書の提出を義務付けることも明らかにしています。
 その際の、典型的な誓約書は、「○○○工事ほか公共工事の受注に関し、独占禁止法に違反する行為を行っていないことを誓約します。後日、談合等の不正事実が発覚した場合は、その事実に応じて高知県が行う指名停止、契約の解除、違約金の請求、損害賠償の請求その他いかなる措置にも従います。」というものです。
 しかし、企画建設委員会に付託された議案に関する、ある業者の誓約書は「当社は、高知県発注公共工事受注に関し、現在公正取引委員会が捜査している独占禁止法に違反する行為についての誓約書は、捜査協力を行っており、捜査への影響が出る恐れがあるために提出できません。但し、現在公正取引委員会の捜査結果が出るまでは、高知県発注工事の受注に関し、独占禁止法に違反する行為を行わないことを誓約いたします。」というものでした。
 あまりに意味深な誓約書もどきに、議論が紛糾したとのことですが、4月から3名となった我が会派には企画建設委員がいないため、議論には参加できていませんので、はっきりしたことは言えませんが、工事継続中の増額補正議案の賛否についての判断には難しいものがあります。ちなみに、この工事入札で、予定価格を下回っていたのは、落札JV業者のみでした。
 いずれにしても、事実が明らかになった場合の、対応は厳正に行われるべきであろうと考えます。
 明日は、閉会日。

12月25日「グローバリゼーションからローカリゼーションへ」

 我が家の玄関先には、連れ合いの好きな「トトロ」ワールドがあるのですが、先日までは紅葉などの秋バージョンで飾っていたものが、帰宅してみるとメイちゃんの隣にサンタが立っているというクリスマスバージョンに変わっていました。
 国民へのクリスマスプレゼントは、借金の占める割合が49%と過去最悪で、しかも消費税増税分の先食いも見込んだものだと言われる総額90.3兆円の2012年度の政府予算案でした。
 1bの建設費が8000万円と「世界一高い道路」として、これまで40年間建設が凍結されていた東京外郭環状道路の建設費などが計上される一方、子ども手当の見直し介護保険料負担引き上げなど、この際にとばかり行われようとしていることは「国民の生活が第一」とは、かけ離れた実質96兆円と言われる「ばらまき」になっているのではないかと思いたくなります。
 こんなプレゼントで、国民は来年に期待が持てるのでしょうか。グローバリゼーション、経済成長至上主義、効率主義が国民の生活や安全、命より優先するような社会のしくみを変えていくことに希望が持てるようなプレゼントを国民自らの力で勝ち取らなければなりません。
 映画「幸せの経済学」は「今こそローカリゼーション」と訴えています。産業振興、エネルギー政策、コミュニティーづくりなどの柱に、ローカリゼーションを。



12月24日「生きるための学びと備えを」

 昨日は高知県が主催の「震災に強い人・地域・ネットワークづくり講演会」を聴いてきました。
 講師は、国の中央防災会議の専門調査会委員なども務められている東北大学災害制御研究センターの今村教授で、「東日本大震災での津波被害の実態」で、東日本大震災の被害を踏まえ、津波から命を守るための心構えなどについて、お話し頂きました。
 「津波災害の特徴」として「広域浸水被害+大破壊力、河上遡上」「人的、物的(家屋、施設、学校、交通、インフラ、水産)、間接被害」「漂流物(瓦礫、船舶、植生、車両、タンクなど)」「津波火災、長期浸水、沿岸地形変化(浸食+堆積)」「施設被害:防災機能の評価(施設、体制、土地利用)」「人的被害:避難体制(情報、避難経路・場所、避難ビル被害)」など、「なぜ、迅速な避難ができなかったのか?」ということでは、「情報の内容、伝え方の課題、個人に潜む心理学的な課題」などを挙げ、中でも「人的被害を大きくした心理的要因」としての「正常性バイアス」「愛他行動」「自暴自棄」「同調バイアス」などが挙げられていました。また、「復旧・復興時に次への災害に対する被害抑止・防災、減災を考えなければならない」「今、予防から復興まで考える」「多重防御」で「災害に強い社会」をつくっていくことにも力を込められていました。
 それぞれに参考になるお話しばかりでしたが、昨夜、今村先生もビデオで出演されていたテレビ番組「1000年後に残したい報道映像2011」を観ていて、改めて感じたのは、「諦めずに最善の行動」をということでした。そのためにも、日頃からその行動をとるための想像力と訓練で、「高いところへ逃げる」ということを頭と身体に刷り込んでおくしかないのです。
 今年1月23日にも今村先生のお話をお聞きしたのですが、その時に先生は、「天災は自然現象として必ず起きる。それは、避けようがないが、その時に災害が大きくなるかどうかは、我々の備え次第である。忘れたり、備えが不十分になったときに、災害は大きくなる。」と言われて、備えの大切さを訴えられていた。先生の無念さも大きなものであっただろうなと思いながら、聴かせて頂くとともに、だからこそ私たちは「生きなければ」との思いを強くしたところです。

12月23日「もはや東電は、自立できないのでは」

 今までにも、原発コストが高いことや「経産省などは東電から電気を買ってない」として、「入札で勝てなくなった大手電力会社」のこと、自治体でも公開入札に踏み込むところが多くなっていることなどPPS(特定規模電気事業者)のことなどについても取り上げてきました。
 先日、反原発議連からのメールで、「千葉県流山市が最近、市の施設をいくつかまとめて電力入札を行ったところ、PPS事業者は参加したが、東京電力は参加を辞退した。流山市が東京電力に問い合わせると、競争入札になる場合は、今後参加しない方針だという。」との情報が得られました。
 その一方で、東京電力は昨日、事業者向け電気料金を来年4月から2割程度引き上げると発表しました。その対象は契約電力が50キロワット以上の工場やオフィスビル、将棋用施設などの事業者となりますが、これらの事業者は購入については、自由化となっていますので、電気購入について競争入札にしたら東電はどうするのでしょうね。
 自ら責任も取らないまま、値上げで利用者に負担転嫁をしようとする東電の体質には、大きな怒りの矛先が向けられることでしょう。

12月22日「狭山事件『証拠開示から再審』へ」

 一昨日、部落解放県共闘会議総会の記念講演で、狭山差別裁判を闘い続けて48年の石川一雄さんが来高し、勝利への訴えと中央闘争本部からの「狭山第3次再審の現状と課題」についての提起を頂きました。
 12月10日にも触れましたが、福井市で1986年に起きた女子中学生殺人事件で、殺人の罪に問われ、7年間の服役を終えた前川彰司さんの再審が11月30日名古屋高裁で発表され、12月5日には、1966年に一家4人殺害の袴田事件第2次再審請求で、静岡地裁が袴田巌死刑囚の取り調べの録音テープや供述調書など未開示証拠176点が地検から開示することが決定されるという流れが、狭山事件における「証拠開示」を大きく後押ししています。
 東京高検が、昨年証拠開示した石川さんの上申書だけでも、脅迫状との筆跡の違いなどからも、無実は明らかです。足利、布川、福井事件の教訓からも「証拠開示から再審へ」という流れを決定的なものとし、取り調べの全面可視化と証拠開示の法制化の国民運動を背景に、狭山事件の徹底した証拠開示と事実調べを求める闘いの前進で石川さんの無罪勝利へとつながる2012年としたいものです。

12月21日「昭和南海から65年目」

 今日は、1946年の昭和南海地震から、ちょうど65年目の12月21日です。
 今年の12.21を、今までとは違う気持ちで迎えられた方も多いのではないでしょうか。
 あの3.11のテレビなどに釘付けになった筆舌に尽くしがたい映像とその後次第に明らかになったさまざまな被害状況に言葉を失ってから9ヶ月たちました。
 高新画廊で開催されている報道写真展「高知新聞記者が見た東日本大震災」の会場を昼休みにのぞいてきたが、改めて決して忘れてはならない場面を多く目にすることとなりました。被災地からは、もう「忘れられようとしているのではないか」との不安が広がっているとの声を聞くこともありますが、少なくても「高知は忘れてはいない。」と伝えようではありませんか。
 確かに、3.11以降、南海地震対策について議論したり、防災講演会への参加者が多くなっていることは実感できるが、そこで学んだことが南海地震への備えとして具体化され、いざその時の減災につながらなければ、本当の意味で3.11を忘れてはいないとも言えないのではないでしょうか。
 今日の12.21をきっかけに、「高知は忘れてはいけない。」ということをお互いが、胸に刻み合いたいものです。


12月20日「大事な職員の健康、元気な県庁」

 本会議最終質問で、退任する十河副知事が、職員の健康留意に言及し、元気な県庁を願う言葉が添えられました。これは、9月定例会以降の一連の答弁の延長線上のものだと思うのですが、ここまでこだわるところには、今定例会で時間外手当予算を増額補正せざるをえないことや、現状の職員の多忙感を危惧されてのことだと思うが、副知事の心配が現実のものにならないよう健康留意、家族や地域で共有する時間を県庁組織の元気につなげて欲しいものです。
 私が、33年前県庁職員となったばかりの新採職員研修で、「先輩を囲む座談会」の先輩としてアドバイスを頂いた当時財政課の十河先輩を思い出しながら、「お疲れ様でした。ますますお元気で。」と長年のご労苦をねぎらわせて頂きます。
 今日からは、常任委員会で付託議案の審査に入ります。

12月19日「市民がつくる防災」


 昨日は、午前中は映画「酔いがさめたらうちへ帰ろう」を鑑賞して、昼食も取らずに男女共同参画センター「ソーレ」に向かって、「第13回市民がつくる防災フォーラム 〜津波から命を守るために〜」に参加しました。
 講演は、「東日本大震災に学んで南海地震に備える」と題した高知大学大年邦雄教授でした。大年先生のお話は、3.11以後だけでも4回目ではありましたが、参加対象者の関心課題をしつかりと捉えた、いつ聴いても新しい発見のある分かりやすい話でした。
 その後は、防災サロン「気になるテーマで井戸端会議」と題して、「知りたいチーム(津波・避難)」「聞きたいチーム(自主防災会)」「言いたいチーム(防災自治を考える)」に分かれての分科会でしたので、それぞれを回って参加者の意見に耳を傾けていましたが、「言いたいチーム(防災自治を考える)」から、マンションの津波避難ビル化のことで声がかかって、そこでいろんなご意見を聞かせてもらいました。特に深刻な課題としては、一人では避難できないという環境に置かれているなど災害弱者への支援や福祉避難所のこと食糧備蓄の課題なども出されていました。このような情報交換と意識あわせが、防災活動の活性化と質の向上、自助・共助・公助の果たす役割の明確化に繋がるのではないかと感じたところです。
 参加された約120人の方が、それぞれの地域でさらに自助の力を高め、共助の拡がりに力を発揮してくださることに期待しています。

12月18日「『聴く力』の前提」

 昨日は、高知大学で開催された第11回 メンタルヘルス講演会を聴講してきました。
 今回は基本に立ち返り、カウンセリング、あるいは話を聴くということがどのような効果をもたらすのか、どのように聴く事が大切なのかということをテーマに、京都大学大学院教育学研究科教授桑原知子先生の「身近な人のこころを理解するために ─ カウンセリングから学ぶ聴く力 ─ 」とのお話しで、随分参考になる話が聞けました。
 人の話を聴くときに人の心は分かるのかというと「分からない」ということを前提に聴かなければならないし、「分かる」ためには聴くという方法しかない。では、どのように聴くか。「器にため込んでいく」「あるがまま」「遠くて深い関係」など一般対話や先生が生徒から話を聴くこととも違う聴き方。「自己変容性」「多様性」「関係性」という「人間3ポイント」を踏まえて聴くことも参考となります。特に、人間の根幹とも言える「多様性」を余計なものを削ぎ落として「完璧」にしていくのか、余計なものも包み込んで「全体性」を大事にしていくのかということなど、今の会社組織のあり方との関係で観ていくことなどは、普段から考えていたことを随分整理して頂けたような気がします。
 「人間3ポイント」には裏側もあるとのことですが、時間がなくて、それは改めての機会にとのことで、終了しましたが、貴重な2時間でした。

12月17日「『震災がれき』を侮るな」

 昨日の質問戦で、東日本大震災で発生した岩手、宮城両県のがれきの県内への受け入れ処理について、尾ア知事は、「西日本連動型地震の際はわれわれも受け入れてもらう立場になる。助け合いの気持ちで対応するのが基本だが、まだ前提条件が整っていない」と述べ、国による安全基準や処理の取り扱い指針の提示などを注視していく姿勢を示しました。
 一般廃棄物の処理は市町村が主体で行うものであり、今までも、県は「各市町村が住民の声を無視して受け入れることはない。」と言い、市町村の判断を尊重してきたのに、今回のような言い方をすると「助け合いの気持ち」を市町村に押しつけかねない形で、「前提」が整えば、「受け入れ」を強いることになるのではと懸念します。
 環境省の有識者検討会(災害廃棄物安全評価検討会)などは、非公開で審議し、放射能汚染がれきの処理について福島県内の市町村が保有する清掃工場や埋め立て処分場で通常処理(焼却・埋立て)して良いとする環境省方針を出すなど、あまりに信頼にかけるだけに、県が待つ今後の国の指針も鵜呑みにできないのではないかと思わざるをえません。
 また、岩手、宮城両県のがれきの放射能汚染については、福島ほどではないにしてもその危険性を免れるものではありません。加えて、現地の方々が心配されているのは、震災がれきに運ばれて全国に広がるアスベストの危険性が表面化していないことが懸念されています。
 ちなみに、トップダウンで行われている東京での受け入れ処理であるが、事前に一部の廃棄物処理の焼却を受け持った(株)東京臨海リサイクルパワーの筆頭株主は東京電力(株)だそうです。ここにも原子力ムラの力学はしっかりと働いていたようです。
 いずれにしても、まずは、福島第一原発の建屋を囲み、大気中への放出を止めるなど放射能汚染の拡大を防ぎ、影響をできるだけ遮断するための作業が徹底・緊急に行われるべきなのではないでしょうか。

12月16日「『脱原発』の加速化を」

 昨日の議会質問で、伊方原発の3基全部が停止しても、来夏は極めて厳しいが、冬は乗り切れることの答弁がされていました。いろんな代替措置で来夏も可能だとは思うのですが、それは今後追及するとして、本日、大飯原発が定期検査に入るため、停止しますので、国内で稼働している原発は54基中7基となります。いよいよ、来春の54基全炉停止に向けてカウントダウンに入ろうとしていますが、原発推進派の巻き返しが強まる中、いかにして再稼働させないかという取り組みが強化されなければなりません。
 そんな中、土佐湾沖取れのカツオから1キログラムあたり2・17ベクレルの放射性セシウムが検出されたとの発表がありました。5月の1ベクレルの検出以来ですが、漁業振興課は「半減期からみて福島原発事故の影響だろうが、規制値の約230分の1で、健康への影響はない」としています。
 しかし、これが高知の食の安全への不安として、広がりかねませんし、いずれにしても影響が確実に出始めていることからも「脱原発」の動きも加速化せねばと思います。

12月15日「改めて防災に女性の視点を」

 昨日は、「こうち男女共同参画センター講座」に出席し、「もりおか女性センター」長の田端八重子さんから「災害と男女共同参画センター〜その時、何が必要か、何ができるのか〜」のお話しを聞かせて頂きました。
 二時間に及ぶ現地からのお話しは、 被災地での女性への支援について取り組む中からの教訓が満載で、避難所の中のジェンダーがどうなっていたのか、女性たちのストレスの蓄積など具体的な課題が提起されました。これからの南海地震への備えの中にも、防災計画や避難所運営のあり方、被災者支援の中に必要な女性の視点をしっかりと取り入れておくことが求められました。
 また、被災地での仕事づくりの中にも、女性の企業支援の取り組みなども参考になるお話しを頂きました。今後の取り組みに生かしていきたいと思います。
 さて、今日から質問戦ですので、知事の二期目の姿勢についてしっかりと見極めていきたいと思います。

12月14日「兆民に学ぶ」

 中江兆民が没して110回目の命日の昨夜は、「中江兆民の没後110年忌・記念講演の夕べ」参加のため、自由民権記念館に出向いてきました。(写真左は民権紙芝居 「ふたたびあがる自由の叫び」、右はぎっくり腰で座ったまま熱く語られた佐高氏)
 しかも講師は、兆民に対しては格別の思いを持たれている、評論家佐高信氏で演題は「中江兆民の巨きさを熱く語る」ということでしたが、氏は、兆民を考えながら、原発と闘う民衆や反省の色もない東電をはじめとした電力と国家の関係、さらには幸徳秋水、田中正造や城山三郎、福沢諭吉や馬場辰猪、西郷隆盛、勲章をもらう人より拒否する人の偉さなど多岐にわたりました。
 兆民の主張の肝は、「恩賜的民権」か「回復的民権」ということであり、民党と吏党の対立の中で、国家を吏党が独占することが常であるが、吏党のものではないと闘い続け、民衆の権利を現実のものにすることを願っていたことだ。ということを軸に、関わる事象をそのことを切り口に語られた90分でした。
 話にもたびたび出てきた「電力と国家」の関係については、丁度、氏の近著「電力と国家」を読んだばかりでしたので、記憶に新しいお話しが相当飛び出していました。当初、原発には批判的だった当時の東電副社長木川田一隆が「悪魔のような代物」に魂を売ったのか、そして、その後、「国家との距離感がとれなくなった」電力資本のことなどにも少し触れられていました。
 抵抗の精神・闘いには、生真面目さばかりでなく権力を笑い飛ばす、風刺の精神も必要で兆民にはそれがあったということにも学びたいものです。

12月13日「知事二期目の決意の具体化へ」

 昨日から、12月定例県議会が始まりました。
 「南海地震対策の加速化や災害復旧」「医師不足を解消するため地域医療に携わる医師確保のための事業」「スポーツツーリズムに関する観光客誘致事業」や「産業振興計画の推進に関して、企業誘致や企業立地に対する助成のほか、香南工業用水道の一部稼動」など一般会計の総額で117億4300万円の補正予算案など35の議案が提出されました。また、決算関連議案については、全会一致で認定したところです。
 尾崎知事は、2期目にあたって「『課題解決の先進県』を目指すことで、県勢浮揚につなげていきたい。長年悩まされてきたからこそ蓄積されてきた知恵を生かし、時代を生き抜く処方箋を全国に先駆けて示すことで、高知を後続の県に頼られる、時代に必要とされる県にしていきたい」と決意のもと、これまでの4年間の様々な取り組みを「絆のネットワーク」へと発展させていくことを目指すこととしています。
 このような基本的な方向性の下で、これからの4年間も「産業振興計画のさらなるバージョンアップで雇用創出、経済の活性化」「南海地震対策のさらなる加速化と抜本強化」「日本一の健康長寿県構想」「子どもたちの夢や志をかなえる基となる力を育む教育の確立」「インフラ整備」という5つの基本政策をしっかりと堅持し、さらにバージョンアップして取り組みを進めていく。そして、5つの基本政策を融合させ、発展させることを通じて、中山間対策の抜本強化といった喫緊の課題への対応をスピード感を持って取り組むため、官民協働、市町村政との連携協調といった姿勢を重視し、県内各地域地域をよりきめ細かく訪問し、直接県民の皆様と対話させていただく機会を数多く設けるなど、「対話と実行」の基本姿勢を一層強化し、自戒の念を常に忘れず、2期目の県政運営にあたっていくとの決意を述べました。
 15日からの質問戦では、この決意がどのような形で具体化し、県民サービスの質の向上として実感できるようになるのかが問われることになるのではないかと思います。

12月12日「定例会が開会へ」

 今日から12月定例会の開会となります。
 尾崎知事が再選後初めての定例会で、どのような所信を表明するのか、注視していきたいと思います。それを受けて、質問戦が始まりますが、議案である補正予算だけでなく、来年度の予算見積もり概要なども公表されましたので、それらについても優先される「課題解決」なども議論されるのではないかと思います。私の質問機会はありませんが、会派を代表した田村議員が15日の三番手で質問予定です。
 年末年始の交通安全運動が10日から始まっていますが、早朝の街頭指導は今朝からです。今朝も、寒い中で一時間近く街頭指導に立ってきました。毎年この時期は議会中と重なりますので、朝は慌ただしくなりますが、あわてず急がずしっかりと取り組んでいきたいと思います。
 今から、議場に向かいます。

12月11日「必見の価値ある脱原発ドキュメンタリー」

 昨日は、脱原発ドキュメンタリー二題「24000年の方舟」「あしたが消える−どうして原発?」を自由民権記念館で観てきました。
 それぞれにずいぶん前に制作されたドキュメンタリー映画で、「24000年の方舟」は、25年前、チェルノブイリ原発事故の際に、神戸の映画人たちによって制作されたもので、地元に住んでいる人たちにもほとんど知られていない、大阪府泉南郡からの核燃料輸送の実態が記録され、核廃棄物の行方が語られ、放射性物質が人体に与える影響についても語られたもので、「子供たちのために…」という作り手の思いが今に問いかけています。
 また、「あしたが消える−どうして原発?」は、原発の定期検査などで指導的な立場で働いていた52歳の父を骨癌で失った仙台市の主婦が主人公で、父から「原発は安全なものだ」と聞かされ、信じてきたのに、骨癌で入院して、四ヶ月であっという間に亡くなってから、「父はなぜ死んだか」という純粋な疑問から、映画制作者が謎解きを進めてゆくというものでした。
 どちらも、製作年次は数十年前でも、今こそ問いかけられている課題で、必見の価値のある映画でした。

12月10日「証拠の全面開示を」

 福井市で1986年に起きた女子中学生殺人事件で、殺人の罪に問われ、7年間の服役を終えた前川彰司さんの再審が、11月30日名古屋高裁で発表され、12月5日には、1966年に一家4人殺害の袴田事件第2次再審請求で、静岡地裁が袴田巌死刑囚の取り調べの録音テープや供述調書など未開示証拠176点が地検から開示することが決定されました。狭山事件なども同様ですが、冤罪事件においては「証拠開示」が共通の大きなキーポイントになっており、取り調べの全面可視化と証拠の事前全面開示こそが、冤罪事件をつくり出さないことと解決につながることだと思います。
 高知白バイ事件再審請求も、さらにさらに支援の輪を広げるため「片岡晴彦さんを支援する会」でも、裁判所に公平な審理を要望する署名活動を行っています。よろしく。
支援する会公式HP
 http://haruhikosien.com/index.html
携帯電話からの署名
 http://www.shomei.tv/mobile/project.php?pid=1876
パソコン・スマホからの署名
 http://www.shomei.tv/project-1876.html#detail
署名用紙・趣意書のダウンロード
 http://haruhikosien.com/syomeiyousi.pdf

12月9日「あのとき『組織的談合』認めていたら」

 今朝の新聞にある、今回の公取委の談合疑惑調査についての建設業協会会長のインタビュー記事を見て、「おいおい」と突っ込みを入れたくなりました。
 先日のこのコーナーでも取り上げたように、「坂本ダム等に関する調査特別委員会」での調査で「談合」はないと言い切っていたのはどういうことだったのかと言わざるをえません。
 会長は、「10数年前まではここでそういうことをやっていたが。」と言い、「昔は発注者から予定価格を聞いていたが、今は全く違う。」と答えていることからも、18年前の1993年11月の坂本ダム本体工事の一般競争入札などは、その「対象」となっていたことだろうと思います。
 そして、100条委員会報告書では「不落の7企業体全てが、知らされていないはずの予定価格を上回り、なおかつ3番札から8番札まで、ほぼ2億円の差額で均等に並んでいる。」「受注意欲のあるべき入札参加者が、公正に競争入札をした場合に、入札額が均等差で並ぶということはありえない。」ことなども指摘して、「坂本ダム本体工事の入札において、このような談合が存在したと認めざるを得ない結果」となっていたことなども、裏付けるコメントであり、このことがあの時、もっと明確な形で明らかになっていたらと思います。
 「昔は発注者から予定価格を聞いていたが、今は全く違う。」というのは、聞き捨てならないコメントであり、当時は、まさに官製談合であったのではないかと思わざるをえません。
 いずれにしても、公取委の検査を注視するとともに、昨日知事が記者会見で明らかにした、「法令違反していない旨の誓約書を提出してもらい、誓約書には(違反があった際の)違約金などの対応も盛り込む方向で検討する」という今後の対応でいいのかなど検討されなければと思っています。

12月8日「いよいよ本日伊方原発運転差止訴訟の提訴」

 高速増殖炉もんじゅで1995年にナトリウム漏洩事故が起きた12月8日に、同じ福井県美浜原発2号機で、放射性物質を含む水が内部で漏れ続けていることが分かり、昨夜午後8時から原子炉を手動で停止する作業を始め、今朝方、停止しました。これで、全国の原発の85%が止まり、稼働中の原発は54基中8基のみとなりました。
 そんな中で、本日、いよいよ伊方原発運転差止訴訟の提訴を行います。私も原告団に加えて頂きましたが、愛媛だけでなく四国各県、福島も含めて全国から270人を超える原告団、「伊方原発を止める原告団」は100人を超えたそうです。
 訴状提出は、今日の午後1時からですが、最終的な訴状は、改めてダウンロードをできる方法をお知らせします。

12月7日「高知で繰り返されていた『談合・鉄の骨』」

 昨日から今朝にかけて、県内公共工事での談合容疑で建設会社や協会計30カ所で公取委の立ち入りが入ったとのニュースに関心が集まっています。
 まだ、全容が明らかになっておらず、業者名もミタニ建設工業、大旺新洋、轟組、新進建設、晃立などに止まっていますし、国交省の各事務所と県の対象工事の契約総額は百数十億円に上るとされていますが、特定されて明らかになっていませんので、我々としても議会活動の中で、検証のしようがありません。
 今朝の報道では、公取委は今回の立ち入り検査は「あくまで調査のスタートという位置づけ」であり「対象としている業者や工事、談合の時期などについても慎重に調査を進めるため、行政命令まで公表しない」ということだから、その間疑義がある中で、工事請負契約議案を審議するための困難さを感じているところです。
 報道によると「少なくとも10年以上前から続いていたとみられる。」「入札価格だけでなく技術なども踏まえて落札会社を決める「総合評価方式」に関して情報交換をしたり、工事の落札業者や入札価格を決めていたりしたという。」ことです。
 であれば、私も参加した03年10月10日に発足した「坂本ダム等に関する調査特別委員会」いわゆる100条委員会で、およそ一年間に及んで談合の有無などについて審議をしていた時にも「談合」が繰り返され、以降談合情報マニュアルの改訂が重ねられたり、07年から「総合評価方式」が実施されるなど談合の根絶に向けた取り組みが重ねられていたときにも、ほくそ笑むかのようにかつてのNHKドラマ「鉄の骨」のようなことが繰り返されていたのかと思うと、何とも言えない無力感を感じてしまいます。
 朝日新聞報道に登場した「仕切っている大手が仲間とそうでない会社とに分け、仲間の会社は落札できる。業界では公然の秘密だ。」という発言が、事実であれば、放置できない「秘密」を、あの100条委員会の場で明らかにできなかったのかと首を傾げざるをえません。
 05年12月定例会における「談合情報対応マニュアルの抑止効果」や「談合防止対策としての厳罰主義と総合評価型入札の導入」についての私の質問に、当時の土木部長は本県の措置は他県とも比較して過重な措置になっているし、価格と品質が総合的に優れた内容の契約がなされる、入札方式の導入を検討しているとされていました。その際に指摘した入札参加資格審査における企業評価方法の評価項目として、男女雇用参画要件、公正労働基準や「災害協力」の項における耐震補強・災害協定の締結状況などを追加するよう求めていましたが、これらの項目を相当細部にわたって追加しておけば、疑われている事前調整も困難ではなかったのかとも思ったりしています。
 いずれにしても12月定例会での注視すべき課題がまた一つ増えました。と同時に、このことが、今後の南海地震対策の加速化工事における停滞にはつながらないようにと心配しています。

12月6日「防災・減災対策の加速化などを予算化」

 12月8日に公表される12月補正予算は「国の3次補正を活用し、防災・減災対策を加速化」するための約42億円を含む総額117億円余の大型補正となっています。国の3次補正対応としては、台風12号等にかかる災害対策や各種基金の積み増し、そして、地域医療さいせい臨時特例基金の追加積み立て、永国寺キャンパスの整備、産業振興計画の推進などが主なものとなっています。
 詳細は、公表された際にご報告したいと思いますが、今定例会は、補正予算の審議も当然ですが、知事の二期目の決意が示され、問われる定例会となります。県民の皆さんも関心をもって12日開会の定例会を注視して頂けたらと思います。
 私は、今回は質問の機会はありませんが、2月定例会での代表質問となりますので、今定例会の審議の中から来年度につなげる課題を見定めておきたいと思います。
 写真は、県庁前で知り合いの方が、写真を写されているのを見て声をかけたら「イチョウと高知城が一緒に入るように写しよった」とのことでしたので、私も写したものです。イチョウの黄色、真っ青な空に、白い高知城が映えていました。






12月5日「師走に響く餅つきの音」


 昨日は、好天で暖かい一日の中で、下知消防婦人クラブの主催による「防火もちつき大会」に参加し、少しだけお手伝いをさせて頂きました。一昨年に続いての参加でしたが、この身体の痛さが、2年間の加齢のせいなのでしょうか。電車通りに面した知寄町1丁目の分団屯所の駐車倉庫の中でやっていましたので、高新ロードレースの選手たちが行きすぎるときには、みんな手を休めて一斉に応援したり、道行く人たちからは、「売ってくれんかね」と言われて、「火の用心」の札を貼ったつきあがったばかりのものを渡して、啓発したりもしました。多くの方が、足を止めてくださり、中には、「したことないき、やらして」と言って、振り下ろす杵が臼の角をついたりと、初めての方にはなかなか難しいようでした。師走ならではの光景が、町中にも続いていくようにと願いたいものです。ご参加頂いたみなさん、お疲れ様でした。
 私は、疲れた身体に鞭打って、夜のマンション自主防災会役員会で、議論をして、年明けのさまざまな取り組みについて決定したところです。
 今日は、12月定例会議案の会派説明のため、まもなく議会へと出かけます。2期目の尾崎知事が、これからの方向性を示す、大事な定例会です。議会モードに切り替え、臨んでいきます。

12月4日「防災目線のまちあるきで明らかになったこと」

 昨日の「昭和校区市民防災プロジェクト」の行動提案集の発表会では、この2ヶ月間のプロジェクトメンバーのさまざまな取り組みの積み重ねで、地域の課題が明らかにされました。
 高台がない中で、津波浸水予測地域のこの校区内で、地域の現状から見える課題として次のようなことが明らかになりました。
@この地域全体には、避難ビルとして活用できそうな中層建築物が、およそ180棟ほどありながら、避難ビルとして活用する場合の、外付け階段の入り口によって使えないなどの問題点があること。
A地盤沈降と液状化で津波より早い浸水に対して、堤防などの強度に不安を感じる地域でありながら、高齢化が進み、避難ビルとして活用できる中層建築物が少ないという地区もある。
B新興住宅地には、避難ビルとなりそうな中層建築物は多いが、町内会がなかったり、過去の災害の経験者が少ないことなどの懸念材料がある一方、木造住宅密集地には高齢者が多いにも関わらず、中層建築物が少なく、避難場所確保が難しい。
C小学校が避難場所となっている周辺の地区には、路地が70もあって、さらに道幅が最も狭いところでは、1.13bと、避難路確保にも課題は多い。
D地域の特性から「避難する」ということが極めて困難な地域における課題。
 など、さまざまな課題が明らかになった発表会でしたが、共通して言えるのは、「実際にまちを防災の目線で歩いて明らかになったこと」は大きく、その過程で、いろんな支障を克服しながら、取り組んできたチームの人と人とのつながりではないでしょうか。
 これらをさらに次へつなげながら、今度は課題の解決に向けた取り組みで、「いのち」を「地域」を守るためのゴールの行動提案集の完成に取り組んでいきたいものです。早速次は12月21日の定例事務局会議で総括と今後について話し合うこととなっています。

12月3日「昭和校区市民防災プロジェクト発表会開催」


 節目節目で、ご報告させて頂きました「昭和校区市民防災プロジェクト」の行動提案集の発表会を開催し、70人近い方の参加がありました。校区外からも参加下さり、発表者の皆さんは緊張しながら、津波から避難するためには、自分の住む街にどんな課題があるのか、「現状と課題」についてプレゼンテーションしました。詳細は明日。

12月2日「伊方原発訴訟原告団に」

 高浜原発2号機が11月25日、玄海原発1号機が12月1日に定期検査に入り、これで日本中で稼働中の商業用原発は9基となり、定格発電量として83%が停止中になります。このまま春まで再稼働を許さなければ残りの9基17%が止まり、日本が原子力発電を始めた1963年以来47年ぶりに原発のない電力供給「脱原発」状態になります。
 そんな中で、伊方原発運転差止訴訟が12月8日に提訴される予定であることは、先日もご報告したとおりですが、昨日やっと原告になるための手続きをしました。12月8日というのは、高速増殖炉もんじゅで1995年にナトリウム漏洩事故が起きた日です。このもんじゅの維持費が、停止中にも関わらず1日あたり5900万円という高額になっていることも問題視されるようになってきましたが、福島第一原発事故以後に私たちが取るべき姿勢は何なのか、他人事で済ませないために何をなすべきなのかが、のしかかってきます。
 私たちの取り組みが後退すれば、官主導の脱「脱原発」の動きが加速することが懸念されていますし、その兆候も見え始めていると言われます。

                    伊方原発運転差止訴訟訴状骨子
原告 伊方原発の事故によって生命,身体,健康に被害を受ける住民個人
被告 四国電力株式会社
1. 原告らが,人格権に基づき,被告に対し,伊方1〜3号炉の運転停止を求める民事訴訟
2. かつての伊方訴訟により,最高裁が,「万が一を許さない原則」「現在の科学技術水準原則」「主張・立証責任原則」を確立
3. 福島第一原発事故
@ レベル7の最悪事故による甚大な被害
A 地震動による事故
4. 原発の危険性
@ 大量の放射性物質の製造と蓄積
A 核暴走事故(チェルノブイリ)と冷却材喪失事故(スリーマイル)
B 確率論の誤り(100万年の1回←現実には10年に1回)
C 事故による被害予測(ブルックヘブン研究所,科学技術庁)
D 地震の危険性
(ア) 地震国と立地指針との矛盾,福島第一は0.0%,6つの地震の連動は地震学者の頭になし
(イ) 南海連動地震(岡村教授の調査)
(ウ) 中央構造線(伊方1号炉では無視,2号炉では軽視)
(エ) 「止める」ことさえ出来ない
E 柏崎刈羽,福島第一で陳腐化した耐震「新指針」
F 長時間の電源喪失を考慮せず,単一故障で足りるとした安全設計ならびに安全評価指針
G 劣化による危険性
  金属疲労,腐食,応力腐食割れ,中性子照射脆化と加圧熱衝撃
5. プルサーマルの危険性
6. 伊方の事故の特質
  閉鎖性海域,佐田岬半島西側の避難
7. 裁判官に対する戒め
8. 結論
「主張・立証責任原則」により,「現在の科学技術水準原則」によって,「万が一を許さない原則」を満たすだけの主張・立証に被告が成功しない限り,伊方原発の運転は差し止められるべき

12月1日「12月3日は昭和小学校へ」

 昨晩は、下知市民図書館の運営に関する第5回目の話し合いが開催され、少しずつ形が見え始めています。私は、図書館が今まで以上に地域で利用される存在として、防災をはじめとした地域活動や教育機関との連携の中で、グレードアップしていくのではないかと期待しています。もちろん避難施設としての役割も果たして頂くことになるとは思いますが。そのためにも、今後は、(仮称)下知市民図書館運営組織設立準備会としてベクトルの方向を合わせて議論していけるかどうかにかかっていると思います。
 さて、これまでも節目節目にご報告してきた「昭和小校区市民防災プロジェクト」の成果発表会が、間近に迫りました。本格的に走り続けたこの2ヶ月間の地域の皆さんの成果を共有して頂きたいと思いますし、このような手法はどこの地域でも役に立つと思いますので、是非ご参加頂き、報告をお聞き頂ければと思います。

11月30日「不適切発言ではすまない暴言」

 沖縄防衛局長が、米軍普天間飛行場の移設問題に絡んで、女性と沖縄を蔑視する暴言で更迭されました。
 普天間移設のきっかけは、16年前の米海兵隊員による少女暴行事件だったことやその後の米兵の暴行事件が続いていることを考えれば、不適切発言などではすまされない内容であると言わざるをえません。沖縄を女性を蔑視・侮辱する姿勢が、政府にあるからこそ、これだけ沖縄県民の怒りの根底にあることを平気で口にするのではないか。
 沖縄県議会では今月、アセス提出の断念を求める意見書を全会一致で可決したばかりのところに、この言語道断の暴言であり、これでもアセスを強行するなら、沖縄県民を、女性を、国民をこれほど愚弄することはないでしょう。
 まなじりを決して政府の姿勢を注視していかなければなりません。

11月29日「南海地震対策は『あと10年で対策の目処を』」

 昨日の南海地震対策再検討特別委員会は、4月改選後に再編して以降7回目となりました。
 参考人招致としては、「南海地震前兆・電解観測基地設置(短期予測)プロジェクト」について、清岡隆二氏(文部科学省産官学連携コーディネーターOB/スペシャルグループ、前高知大学客員教授)、佐々木宏氏(元高知大学教授、元高知大学副学長)、長尾年恭氏(東海大学教授、東海大学海洋研究所地震予知センター長)、中西哲県議会議長からの「東海・東南海・南海地震による超広域災害への備えを強力に進める9県議会議長会議」の現状についての報告、「高知県における南海地震対策上の課題について」高知大学大年邦雄教授との意見交換など盛りだくさんの内容でした。
 「予知」が持つメリットデメリットも明らかにされましたが、命を守る備えとしての「予知」の精度を高めるための体制構築や、短期予測を避難につなげる利活用のシステムづくりに国と自治体がどう向き合うのかも今後の課題となります。「9県議会議長会議」でも、政策提言の中でそのことを盛り込んでいます。
 また、大年先生のお話は、多岐にわたってポイントを簡潔に提起して頂けたことで、随分と課題の整理になりました。先生が言われる「あと10年で対策の目処をつけなければ間に合わない」という対策課題は山積しています。岡村教授も15年後には今度の南海地震は終わっているつもりで「最悪のことを最短で備える」ようにと言われることと合わせて考えたとき、新たにスタートした尾崎県政、岡崎市政の最優先課題であり、政治の責任で加速化を図らなければと改めて感じたところです。

11月28日「今頃更新してすみません」

 今朝は、交通安全指導、さらに昨日から調子が悪かった部分の受診のため医療機関に出向き、終わり次第開会に少し遅れて、南海地震対策再検討特別委員会に出席し、17時半近くまで参考人との意見交換をするなどして、ただいま事務所に帰り着きました。
体調を早く元に戻すため、早めに帰宅することとしますので、充分な更新ができませんが、お許し願いたいと思います。

11月27日「伊方原発訴訟に学ぶ」

 グリーン市民ネットワーク高知が毎月行っている11月の「グリーンカフェ」に参加してきました。
 テーマは「何としても止めたい伊方原発 〜伊方原発運転差止訴訟の準備状況〜」と題して、弁護団の薦田伸夫弁護士が、準備中の訴状内容に沿って、「伊方原発の概要」「伊方原発訴訟」「福島第一原発事故」「原発の危険性」「地震の危険性」「指針類改訂の必要性」「劣化による危険性」「プルサーマルの危険性」「伊方原発の事故の影響の特質」「原発訴訟の過去とこれから」についてお話し頂きました。
 12月8日が提出日だけに、変更などもありうることから詳細はここでは避けるが、四国電力を被告とした伊方原発の運転を止める民事訴訟で闘われる予定で、原告団も募集中で、100人は超える見通しであることも報告されていました。
 1992年10月29日最高裁判決の「主張・立証責任原則」により、「現在の科学技術水準原則」によって、「万が一を許さない原則」を満たすだけの安全性の主張、立証に被告が成功しない限り、伊方原発の運転は差し止められるべきであるとした闘いが勝利するためにも、世論を味方に付ける闘いを高知でも拡大していくことが求められます。
 高知からも原告団への参加や「伊方原発をとめる会」に加入してこの闘いを支援していきましょう。

11月26日「地震はできることからの備えを」

 中央防災会議の防災基本計画の修正案素案が判明し、海沿いの自治体では5分以内に避難できるまちづくりをめざし、避難用のビルや通路などを計画的に整備することとなっています。その他にも、さまざまな避難のためのしくみが提言されていますが、最近よく言われる「5分ショック」が諦めや無力感を生じさせないように取り組むことが急がれます。
 ところで、11月21日の19時台に発生したM5.4の広島での最大震度5弱の地震に際して、緊急地震速報以後の備えの僅かな時間が役に立つことを実感しました。以前にもお知らせしたとおり、我が家には緊急地震速報を感知して電源が入るラジオ付速報機を備えていますが、今までは遠くでの緊急地震速報だったので、実際高知で揺れることがありませんでしたが、今回は広島と言うことで、その間にドアを開けて避難路を確保して身構えることができました。その後、実際にユサユサという揺れが始まったわけですが、わずか数秒でも備えの時間があるということを実感できたところです。テレビを見ていなくても部屋中に鳴り響きますので、助かります。
 先日も、昭和校区市民防災プロジェクトのチーム会議でもそんな話になって、ある人はパソコン上に緊急地震速報ソフトを設定しているが、21日の時には、丁度パソコンに向かっていたら、速報が始動して、しかもそれが、画面上でカウントダウンまでして、丁度に揺れ始めたとのことを仰ってました。私も、これではないかと思うソフトを設定してみました。「SignalNowExpress地震監視中」という表示が出始めました。何でもできることからの備えを。

11月25日「さらに自殺対策を進めるために」

 昨日、今年度第1回目の高知県自殺対策連絡協議会が開催されましたので、傍聴してきました。
 「高知県の自殺の状況」「各関係団体の平成22年度の取組状況報告」「平成23年度の取組状況説明」などがされ、いくつかの意見交換もされました。
 昨年の自殺者数は、1997年以来200人を下回る197人ではありましたが、自殺率は全国9位と高止まりとなっています。
 今年は、警察庁調べの月別自殺者数の推移では10月までの間に、昨年の187人を上回る193人となっています。特に、7、8月の増加が顕著なことなど背景や状況分析が必要な特徴も見受けられます。(グラフは警察庁統計から坂本作成)
 昨日の、意見でも個別の事例研究をすることで、リスクの背景となっているものにターゲットを絞り込んだ対策も必要ではないかとの意見も出されていました。私は、そのことも必要かとは思いますが、先日の第2次「高知県DV被害者支援計画」策定委員会での議論でも感じたところですが、トータルで生きづらさの背景となる課題の改善に向けた取り組みとなるよう、個別の事業をどのようにリンクさせて効果を上げていくかという「生きづらさの克服」という課題を前面に押しだした取り組みを急いでもらいたいと考えたところでした。



11月24日「二葉町・仁淀川町『防災・海山水人交流』に学ぶ」

 
 昨日は、仁淀川町と二葉町の震災時の備えと日常の絆づくりのためにスタートした地域間交流で仁淀川町の池川を訪ねました。生憎の雨天と曇り空でしたが、意義深い一日になったと思います。
 やがて来る南海地震では、長期浸水地区となる二葉町をはじめとした下知地域で、復旧・復興期に「集団疎開」できる場所をという二葉町地区の方の思いと、仁淀川町の地域資源を活かし、地域資源で循環型地域生活をする定住社会づくりをするというBスタイルというプロジェクトがマッチングした形で、6月から交流が始まっており、今回が3回目となりました。
 仁淀川町の439市で、特産品の池川こんにゃくやいたどりキムチ、お茶などを購入するところから交流は始まりました。この取り組みのキーマンでもある「によど自然素材等活用研究会」の井上光夫代表から池川にまつわるいろんなエピソードをお話し頂きながら、散策し、交流会場に向かいました。
 途中には、仁淀川町のキャッチコピーとなっている「山・水・人」の起源である歌人山頭火の話を紹介頂きました。どこの地域でも冷たくあしらわれた山頭火を池川では、手厚くもてなしてくれたことに対して詠んだ「山のよろしさ 水のよろしさ 人のよろしさ」の碑もありました。この仁淀川町の良さが、地域間交流を進めていく原動力になっているのではと感じた次第です。そんなことから今後、私は勝手に「防災・海山水人交流」とでもネーミングさせて頂きたいと思ったところです。
 この日は、私たち以外に、仁淀川町に移住を考えられている、東京から高知に移住してきたご家族も一緒に説明を受けたり、池川神社で400年の伝統がある池川神楽を見学されたりしていました。
 仁淀川町のような山間地では、津波の心配はなくても、昭和50年の大雨災害で未曾有の被害を経験している中から、土石流危険渓流、地滑り危険箇所、急傾斜地崩壊危険箇所が537カ所もある山間地ゆえの危機意識をもった防災対策の工夫がされていることなども、県地域支援員や町職員からのご説明も頂きました。
 また、町の避難場所となっている池川小学校や池川中学校なども見学しながら、いざというときはどのような受け入れがされるのかさまざまな意見交換がされていました。
 いずれにしても、今からの復旧・復興期の長期にわたる長期浸水地域からの避難地探しや仕組み作りに備えておくことはどうしても必要であり、それに加えての日常の交流が知事が今回の選挙戦で訴えた「絆のネットワーク」を紡ぐことになるのではないでしょうか。
 今回の交流で出された仁淀川町が抱える防災対策課題や二葉町の方々が抱える地域や発災後の避難の課題などに公助がどこまで解決していけるのか取り組ませて頂きたいと思います。

11月23日「中江兆民を佐高信が語る」

 今年は、東洋のルソーと言われ、明治期の自由民権運動の理論的指導者として活躍した中江兆民の没後110年です。その亡くなった12月13日に「中江兆民の没後110年忌・記念講演の夕べ」が自由民権記念館で開催されます。 しかも講師は、兆民に対しては格別の思いを持たれている、評論家佐高信氏で演題は「中江兆民の巨きさを熱く語る」ということで、今から待ち望まれます。準備で、佐高さんと打合せをしてきた主催者の一人は、「佐高さんの兆民に対する思い入れは凄い」と語っていましたが、テレビ番組でも、中江兆民著の「三酔人経綸問答」から兆民の民主主義思想を読み解くことをするなど、その思い入れの深さが分かります。
 新堀川界隈には、維新期の先達の記念碑が多く、まち歩きをするには絶好の場所ですが、兆民通りをはじめ、この新堀川界隈に息吹く自由民権の思想に触れるまち並を残し、歴史と環境のまち歩きが一層認知されるよう広げられるヒントの見つかる講演会にもなればとの思いもしています。
 当日は、自由民権記念館のピロティーに椅子を出して行うらしいので、寒さ対策を万全にしてたくさんの方に参加して頂きたいと思います。なお、500円の協力金を頂くこととなっていますので、よろしく。





11月22日「DV被害者支援にのしかかる『貧困』の課題」

 昨日は、第3回第2次「高知県DV被害者支援計画」策定委員会を傍聴してきました。
2012年度〜2016年度を計画期間とする第2次「高知県DV被害者支援計画」を策定するため、基本の柱や重点目標、具体的な取組等を含む次期計画素案について検討されていました。
 策定委員に一人の欠席もなく、予定時間を超えて、なおかつ休憩も取らずに熱心に検討されていました。
 DV被害者支援の立場の方も、それぞれの体験からより実効性のあがる計画にとの思いで、課題が提起されていました。
 4年前にも、「高知県DV被害者支援計画」を初めて策定していた時に傍聴し、予算委員会でも、一時保護における民間シェルターとの連携や住宅の確保とか保護命令における市町村との緊密な連携を求める質問をしたことを思い出しながら、熱心な議論を拝聴させて頂きました。
 しかし、「DVを許さない社会づくり」「DV被害者の早期発見、安心して相談できる体制づくり」「DV被害者の一時保護体制の充実」「DV被害者の自立支援」「地域における取り組みの推進」と5つの基本の柱についてそれぞれの重点目標や取り組み項目を掲げていますが、いかに実効性を担保するかと言うことでは、まだまだ課題は多くあるように感じました。
 相談件数が配偶者暴力防止支援センターが開設された02年の174件に比べて昨年は632件と約3.6倍になっている、一方でDVの潜在化も明らかになっています。そのような中で、DV被害者の自立支援への課題には、拡大し続ける「貧困」の問題も大きくのしかかっていることも改めて痛感しました。
 あらゆる「生きづらさ」の克服の課題として、「計画」の充実と施策の具体化にも取り組まなければと思っています。

11月21日「防災疎開交流の取り組みへ」

 今朝は、街頭での交通安全指導が凄く寒く感じられました。手はかじかんだようで、息を吐きかけながらの一時間でした。これからは早朝交通安全指導が、最も厳しい季節を迎えますが、元気で頑張りたいと思います。明日は、校区交通安全会議会長会で年末年始の交通安全運動についての打合せが行われます。
 さて、今週23日には、二葉町の自主防災会の皆さんたちと仁淀川町へ行ってきます。これまでにもご報告してきた南海地震発災後の備えとして、長期浸水予測地域の方々が集団疎開候補地と日常の交流から良い関係を作っておくためのの交流事業です。こちらから仁淀川町を訪れるのは二度目になりますが、前回は所用で参加できませんでしたので今回は参加してきます。
仁淀川町の池川地区を中心に散策したり、仁淀川町の暮らしと・防災などについて報告頂いたりしながら交流する予定です。長期浸水地域のモデルケースとして注目されている取り組みでもあります。課題についても考える機会にしていきたいと思っています。

11月20日「コニヤンの『ボチボチ力のすすめ』」

 凄い。コニヤンの「ボチボチ力のすすめ」が、高知新聞のベストセラーズ富士書房調べで堂々の第5位、先週に続いて二週連続のベスト10入りです。コニヤンとは、このコーナーにも時々登場して頂いたことがありますが、高知市教育研究所で学校に少し行きづらくなった生徒たちと向き合っている中学校の先生です。これまでにもいろいろと教えて頂くことが多かった先生が、その集大成(?)としてたんぽぽ教育研究所長の大崎博澄前教育長が編集し、発行されたものです。「ボチボチ力は、新しい世界を開いていくキーワード」として、貫かれている実践集に学ばせて頂いています。
 373頁の大著で1000円ポッキリ。「壁やケガは時間が経ったら直るがよ。けんどね、心の傷はね、何年経っても直らんがよね。」そんな一言があちこちにちりばめられていて、頁をめくる手がしばし止まってしまいながらも、ボチボチ読ませて頂いているところです。
 皆さんも、ぜひ手に取ってみて、「ボチボチ力」を感じてみて下さい。富士書房の店頭かたんぽぽ教育研究所で購入できます。もし、行けないけどという方は私までご連絡頂ければ、お取り寄せします。
 今日も、ボチボチ動きましょうか。




11月19日「リーダーと組織」

 早朝から、大変に強い雨の中を、傘をさしていいるにもかかわらずびしょ濡れになりながら、事務所に辿り着きました。いくつかの注意報も出ていますが、大きな被害にならなければと念じるところです。
 今朝の高知新聞で、昨日の連合高知の定期大会の様子が報じられていました。脱原発やTPP課題での連合中央の対応に対する注文が相次いだことに対して、連合中央の古賀会長が憮然としたとのことでした。「日頃耳障りのいい声しか耳に届いてないから、少し耳障りが悪い声が届くと気分を害するのだろうか。」と思いながら、リーダーたるもの「耳障りの悪い声も届けてくれる組織こそ、健全な組織である」ということを自覚する必要があるのではないかと感じたところです。
 私もそうですが、県政意見交換会などを行って、こちらからの報告や提起に対して、何の意見も頂けないときは、いい意味でも悪い意味でも、自分が取り組んでいることへの評価さえもらえないのかと落ち込んでしまいます。それが、組織となればなおさらで、侃々諤々の議論がされてこそ、一定の方向性を目指していく作風があってこそ、健全な組織であり、そういう組織作りができる資質がリーダーには求められているのではないかと思っているところです。
 今、電力会社、大王製紙、オリンパスや読売新聞など、経営者の資質や組織のあり方、企業コンプライアンスの問題などを見ていてもリーダーの資質と組織の健全性ということが改めて問われているのではないかと感じています。

11月18日「自転車との共生を」

 今年は、3.11以降自転車利用が増加したと言われますが、以前からエコの視点からも自転車利用の増加傾向は顕著であり、高知でも自転車利用による観光振興も論じられ、コグウェイ四国イベントも一定の成果を収めています。その一方で、自転車と歩行者の事故増加は、自転車の歩道原則禁止、車道走行を促すという自転車交通総合対策がまとめられ、全国の警察本部に通達がされるに至っています。
 自転車と歩行者の快適走行、安全走行空間対策を求めてきた私は、今年2月の宇都宮市の自転車対策に続いて、「自転車と共生するまちづくり」を進めている三鷹市都市整備部を11月16日に調査させて頂きました。
 通勤・通学の自転車利用が大変多く、JR三鷹駅は一日あたり12000台と都内の鉄道駅で自転車乗り入れが最多となっています。一方で、07年には、交通事故件数全体に関与する自転車事故の割合も都内でワーストワンとなっていることなどもあり、「自転車と共生するまちづくり」の推進が図られています。
 駅周辺での放置自転車対策と機械式立体駐車場をはじめとした駐輪場整備やサイクル・アンド・バスライドの推進。また、「自転車の安全利用に関する条例」と自転車安全講習会の実施による自転車利用者のマナー向上と交通ルールの普及・啓発を図ること。そして、「自転車通行環境に関するモデル地区」における自転車道整備など自転車走行空間の整備も図られています。
 それぞれの取り組みにおける課題はあるものの、「歩行者と自転車の快適走行空間」をこれから確保していかなければならない本県において参考になる面を学ばせて頂きました。
 しかし、三鷹市でも道路幅員の狭い生活道で、いかに自転車走行環境を創出するかということは、今後の大きな課題だとのことです。

(写真左から、サイクル・アンド・バスライドの駐輪場、1車線を自転車道に転換整備した東八道路、かえで通りに整備された自転車道、「風の散歩道」という一方通行の生活道で検討中)
 職員の方に、現場を案内して頂いたときにも、生活道路を通ってみると、その困難さがよく分かるような場面にも遭遇したところです。しかし、これらの課題こそが、本県などにも共通して突きつけられている課題ではないかと感じたところです。
 三鷹市では、現在「地域公共交通総合協働計画2022(仮称)」の策定中で、その中で「路線、コミュニティバスに関する事業」「歩行に関する事業」「タクシーに関する事業」「ハンディキャップに関する事業」「乗り合いタクシーに関する事業」などとともに「自転車に関する事業」も位置づけられています。
 このようにトータルで「公共交通のあり方」やまちづくりを考えていくことが、必要であることも本県などには問われているのではと考えさせられました。

11月17日「ものづくりの地産外商」

 15日には自治労自治体議員連合全国学習会に出席し、「公契約条例制定の現状と課題」「地域防災で自治体議員が果たす役割とは」「地域主権改革の現段階と自治体議員の役割」などについて学習し、16日は三鷹市都市整備部をたずね、「自転車と共生するまちづくり」の現状と課題や「地域公共交通総合協働計画2022(仮称)」について調査させて頂きました。
 そして、夜は空港から、昭和小校区市民防災プロジェクト事務局会議に直行し、12月3日の行動提案書発表に向けた各チームの内容などについて協議したところです。
 二日間の学習・調査内容は、別途報告させて頂きますが、ここには、高知の技術が三鷹でも活躍しているぞということで1700台を収容する「市立すずかけ駐輪場」の写真だけご紹介しておきます。地下立体駐輪機は、「技研」によるものであることはご承知かもしれませんが、しっかりとそのロゴが入っていました。防災、震災復興などでも、ものづくりの地産外商の代表例を見せて頂いた気がしました。




11月15日「『TPP参加』国益視点からすれば、参加は無理」

 APEC(アジア太平洋経済協力会議)でTPP への参加表明したのは、日本だけではなく、カナダもメキシコもということで、バスに乗り遅れまいとする国が増えています。カナダは以前も参加しようとしたが、酪農分野における自由化の姿勢が不十分だとして、一旦参加を断られています。
 TPPでは例外項目はほとんど認められない中で、24分野で次々と「貿易自由化」という名目で、アメリカのルールに従うことを求め続けられることは明らかになっています。さらに、事前協議の議題として日本の自動車市場開放を挙げられるなど、TPPによる関税撤廃に期待してきた自動車業界にとって「まったく想定していなかった事態」ともなっているとのことです。まさに、日米自動車摩擦が再燃するかのような動きが懸念されているのです。
 すでにAPECでの日本に対する扱いに、これまで参加表明の前提となっていた「早くしないとルール作りに遅れる」「交渉に参加して関税撤廃の例外品目などの条件を獲得すればよい」などという言葉が絵空事のように思えます。
 日本の輸出企業は全企業の2000分の1と言われる中で、その利益確保のために、日本農業をはじめ金融、保険、医療、労働、公共事業などがズタズタになる前に賢明な判断が求められています。

11月14日「『ハシズム独裁政治』を許さない連帯を」

 いろんな意見がある本県の無投票知事再選の一方で、大阪市長選挙と知事選挙が闘われているが、市長選挙は前知事と現市長の一騎打ちとなっています。
 大阪都構想・道州制を大義名分に、個人とその個人によってつくられた政党が、大阪を丸ごと支配下に置く独裁政治を公言するような人が権力を握ったときの怖さが市民の中にも広がりつつあるのではないでしょうか。
 住民不在の地方自治の解体、教育基本条例と職員基本条例による公務員労働者叩きと絶対服従の権力組織づくり、露骨な新自由主義的政策、議会と民主主義を根底から否定する「ハシズム独裁政治」だけは許さない闘いに全国的に連帯していくことが必要ではないでしょうか。

11月13日「『国策被害、見えぬ毒、情報隠し』で共通する足尾とフクシマ」

 福島第一原発が事故後初公開され、吉田所長は国民にお詫びするとともに、「3月11日から1週間で死ぬだろうと思ったことは数度あった」と事故直後を振り返ったと報じられています。
 取材の規制や吉田所長が事故時の詳しい状況も政府の調査に応じていることを理由に答えなかったなど、相変わらず東電の情報公開姿勢には問題があります。
 そんな中、昨日の高知新聞夕刊「こちら特報部」(東京新聞提供)に「『足尾』とフクシマ酷似」との見出しで「田中正造語録から考える」との特集が読ませます。
 「国策被害、見えぬ毒、情報隠し」という共通点が明らかな中で、「己の愚を知れば則ち愚にあらず、己の愚なることを知らなければ是が真の愚である。民を殺すは国家を殺すなり、法を蔑ろにするは国家を蔑ろにするなり、人が自ら国を殺すのである」との衆議院における大演説を今の政治家はどう受け止めるのか。
 「真の文明は 山を荒らさず 川を荒らさず 村を破らず 人を殺さざるべし」との言葉を我々は真摯に受け止めて、今までのあらゆる反公害、環境と命を守る運動の延長線上にあるこれからの脱原発運動を取り組まなければならないと考えさせられます。

11月12日「被災地でのアルコール依存」

 最近、目が痛くて、今日も長い時間パソコン画面を見るのがつらいです。二つほど会に出席してきたこともありますが、そんなこともあって、更新が遅くなりました。
 3.11から8ヶ月が経ちました。震災被災地でアルコール依存の方が増えている傾向を懸念する記事が、高知新聞の夕刊に出ていました。一昨日「断酒宣言の日」のことについて書きましたが、「うつ状態、飲酒、自殺」という3点セットの対策が必要であることが指摘されています。高知アルコール問題研究所の方と当初から懸念していたことが、現実のものになろうとしていることを心配します。
 被災地での悲しみ、慣れない生活、ストレスを和らげていくことも人間復興への取り組みではないかと思います。

11月11日「『県民の声』をエネルギーに県民の幸福度・満足度を高める県政を」

 高知県政史上1947年の公選制導入以来初めて、尾ア知事が無投票で再選を果たしました。
 都道府県知事選の無投票は2003年の鳥取県以来8年ぶりということです。
 知事が「対立」をエネルギーにするのか「県民の声」をエネルギーにするのかと言えば、「県民の声」をエネルギーにして、県政を推し進めることが望ましく、その声が知事に届かなくなったとき、届いている層と届きにくい層に生まれた溝が「対立」となるのだと思います。その時は、しっかりと論争し、県民にとって何が優先施策なのか判断することが政策となって問われることになるのではないか。この4年間では、さまざまな課題はあったかもしれないが、その溝が「対立」を生じさせるほどの深いものではなかったことが「無風選挙」になったのではないかと思っています。
 知事は、これからが、正念場という二期目の4年間で、「飛躍への挑戦」を果たす決意を固めておられますが、取り巻く環境は、追い風的財政措置が終期限を迎え、東日本大震災の復興対応による地方財政計画の不透明さなど課題が多いだけに、挑戦のしがいがある二期目とならざるをえません。
 そんな中で、「意思表示」をしたかった県民もいることや9日に発表された「47都道府県の幸福度に関する研究結果」では、全国46位となっていることなどもしっかりと真摯に受け止め、「ランクづけが目的ではなく、幸福度を高める地域づくりの方策」としてのこの研究にあるように、県民の幸福度、満足度を高めるために職務に励んで欲しいと願うものです。そして、その一方で、我々も県民の「声なき声」を届け、政策立案にしっかり関わることとチェック機能を果たすために議会活動に全力投球していきたいと考えています。

11月10日「室戸ジオパークで見つける人の知恵と営み」

 国内で5か所目の地域として、地球の成り立ちを知るうえで貴重な地形や地質がある地域「世界ジオパーク」に認定された室戸ジオパークを観光振興議員連盟で調査に行ってきました。
 行当−黒耳海岸サイトや室戸岬の深海ゾーンなどいくつかのポイントと国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された吉良川の町並みを研究員や観光ガイドの皆さんに案内して頂きながら回ってみると、歴史の重み、歴史の中で自然と向き合う人の知恵と営みに気づかされることも多くありました。
 ガイドさんの養成やさらなる拠点整備など課題はあろうかと思いますが、室戸市民だけでなく県民上げて支えていくしくみを築く必要があります。
 そのためにも、駐車場には、県外ナンバーが多くありましたが、まず県民の皆さんが直接見て、触れられることがおすすめです。

 みなさん今日は何の日かご存知ですか。私は、時々アルコール酒害のことについて、サマースクールで学んだことを報告させて頂くことがありますが、今日は断酒宣言の日なのです。制定したのは、社団法人・全日本断酒連盟で、高知市における連盟の結成記念大会が1963年11月10日に開催されたことと、「もう、飲ベンバー(ノヴェンバー=11月)、酒、止まる(10日)」の語呂合わせからこの日にしたそうです
年末にかけて、飲酒の機会も多くなることと思いますが、休肝日も設けながら、飲みニュケーションを楽しみたいものです。

11月9日「情報の量と質」

 毎日のように原発を巡る様々な視点からの報道がされていますが、「地震と原発事故情報」をメールで発信し続けている「たんぽぽ舎」からの情報225に、 玄海原発4号機再起動を巡る新聞報道を論評した情報が昨日付で送られてきていました。下記に紹介しておきますので、参考までにそれぞれご覧になって頂いたらと思います。
 今回の原発人災については、政・官・財・学などの原子力ムラの責任の大きさが明らかになっていますが、加えて事実をこれまでどのように報道してきたかという「報道」や「情報」のあり方も問われています。そんな中で、さまざまな視点からの情報を取捨選択し、総合的に捉えながら、自らの判断を下していくと言うことの難しさも感じているところです。
 前にもご紹介した哲学者の内山節氏は著書「文明の災禍」に「たくさんの情報を入手すればするほど、私たちは適切な判断が下せなくなってしまったのである。」と指摘し、「正しく情報が公開されていなければ正しく参加することはできないし、また参加が促進されること自体が、情報の隠蔽を不可能にするからである。」と「情報の公開」のあり方を問うています。
 膨大な情報が氾濫する中で、みずからも情報を次々に求めようとしている今、情報の量と質について、改めて考えさせられています。

玄海原発4号機再起動を巡る新聞報道を見る
     南日本新聞社説、東京新聞社説は立派。毎日は惜しい。
                        たんぽぽ舎・山崎 久隆
●南日本新聞の社説は立派だ。
http://www.373news.com/_column/syasetu.php?ym=201111&storyid=36066
 本当にまともな報道は地方紙から。東京にも東京新聞という立派な地方紙があるので、もう全国紙は止めて地方紙にしたほうがいい。ただし、ひどい地方紙もあるから全部とはいかないが。
●サンケイ新聞は「玄海4号機再稼働 国の判断の矛盾際立つ 佐賀」という見出しで記事を出している。一見すると南日本新聞社説と同じことを言っているのかと錯覚するが、真逆の論調だ。
 サンケイの記事は冒頭『「どうして車検済みの車を運転できないのか」。九電の松尾新吾会長は、定検を終えた原発の再稼働が認められないいらだちをこう表現していた。今回の再稼働を車に例えれば、車検済みの車はガレージに置き、ドライバーのミスで事故を起こして修理工場から戻ってきた車にあえて乗るともいえる。』と始まる。
 つまり、事故停止原発を動かせるならば定期検査を終えた原発を止めておく
理由は無いという趣旨だ。ストレステストなど論外という主張だ。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/111102/sag11110202440000-n1.htm
●このような原子力産業界を代表する論調が全国紙に載る中、北海道新聞は「玄海原発 住民を軽視した再稼働(11月3日)」と、真っ向から批判している。「これでは、定期検査で停止中の原発の再稼働に向けた実績づくりと疑われても仕方ない。まして、九電は玄海原発2、3号機の再稼働をめぐる「やらせメール」問題で批判を浴びているさなかである。佐賀県の古川康知事の関与疑惑や、経営陣の進退問題も決着していない。」「テストの目的が原発の安全確保であるなら、トラブルを起こした原子炉を除外するのはおかしい。」これが権力を監視する報道機関の正常な感覚では無いのか。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/329594.html
●サンケイの主張は社説(主張)にもはっきり出ている。
「原発と節電 再稼働で「暗い冬」回避を」
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111104/biz11110403020000-n1.htm
電力が不足するから再稼働しろと言うだけの、事実にも反する内容の無い愚論に過ぎない。
●朝日新聞は、というと、自分の言葉が無い。
「4号機再開 九電・県に抗議次々」は一見すると記事の内容は良いかのように見えるが、市民団体や議員の抗議行動や抗議声明などを紹介しているだけで、朝日新聞としてどういう立場なのかが全く書かれていない。
http://mytown.asahi.com/saga/news.php?k_id=42000001111020005
というと多分朝日は「【解説】知事、政治家として無責任」という記事を出していると反論するのだろう。確かに。この記事は岩田正洋記者の署名記事で、枝野経産大臣と古川佐賀県知事を玄海原発の運転容認を九電に丸投げした「無責任政治家」と批判している。
http://mytown.asahi.com/saga/news.php?k_id=42000771111020002
しかしこの記事は佐賀県版だ。全国面では無い。全国紙で堂々と展開できない(しない)朝日の姿勢は大いに問題だと言わざるを得ない。
冒頭にほめた東京新聞の社説は、やはり立派だった。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011110202000056.html
「玄海原発再開 不信はまた深まった」(11月2日) 翌11月3日も社説に原発。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011110302000039.html
「原発輸出 二重基準でいいのか」(11月3日) こちらの内容は野田政権の原発輸出批判だ。
 他にも特報面で「九電玄海4号 ドタバタ再稼働 地元「唐突」波紋広がる」と記事を載せている。東京の地方紙が現地取材をして問題点を洗い出している。(ただし記事はネットでは有料です)。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2011110402000054.html
●毎日新聞は良い記事は出しているのだが、多くは九州ないし佐賀県版だ。
 どうしても全国版では書けないらしい。
http://mainichi.jp/seibu/news/20111102sog00m040012000c.html
http://mainichi.jp/seibu/shakai/news/20111102ddg041040008000c.html
 そういう報道姿勢だから、原発現地と都市部の意識が乖離する。東京では玄海原発4号機再起動などほとんど知られていない。いや東京だけで無く大阪も京都も名古屋などでもそうであろう。
毎日の全国版で一番良かった記事は「佐賀・玄海原発:4号機再開 トラブル停止『想定外』ストレステスト課さず」
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111102ddm041040093000c.html
だった。

11月8日「最先端研究でも備える」

 昨日は、高知工科大学の開学記念講演会で、地震や津波の専門家が大学で取り組んでいる南海地震に備えるための最新の研究成果の紹介がされるとのことで、工科大学までバスで行ってきました。
 工科大学では、南海地震による高知県各地の被害予測を精度良く行う研究を進めており、その成果は高知県各自治体等の地震・津波に対する防災計画に役立てようとしているとのことです。
 昨日の講演は、日頃からその最先端研究に従事し、指導頂いている講師陣で、地理情報に多数の数値解析手法を載せ、地震災害と被害を都市丸ごとで計算する「統合地震シミュレーション」の開発を進める東京大学地震研究所堀宗朗先生、高精度津波数値予測システムの開発、津波災害対策支援に取り組む東北大学大学院工学研究科災害制御研究センター助教今井健太郎先生、さらには工科大学で直接スーパーコンピューターを用いて須崎市や高知市についての事例研究を行っている高知工科大学システム工学群教授甲斐芳郎先生らによるものでした。
 多少、難しい部分もありましたが、「最新の調査から南海地震を引き起こす南海トラフでも、東北地方太平洋沖地震のように浅い部分がずれ動く可能性があることがわかり、その場合、これまでの想定より津波が2倍程度に高くなるおそれがある」ことなども報告されました。
 また、スパコンを活用した場合、地震発生後5分ほどで明らかにされる情報を入力すれば、それから10分後ぐらいに津波浸水のシュミレーション結果が発信できるようになるのではないかとも言われていました。しかし、、その発信された情報を受けてから逃げていては間に合わないのだから、揺れたら「逃げる」の徹底しかないのですよね。
 それにしても、600人の会場がほぼ満席。みなさんの関心の高さの表れた講演会でした。

11月7日「学校・地域の図書館のありがたさ」


 5日には、雨天にも関わらずで学祭で賑わっている高知大学キャンパスを訪れ、第5回高知学校図書館の集いに参加し、「人のいる学校図書館」について考える機会を頂きました。学校図書館を考える会・高知が実施した「県内高等学校図書館の実態調査報告」や講師の話からも、「人のいる学校図書館」の有用性は明らかで、今までも図書館支援員のみなさんの頑張りや子どもたちの読書活動への支援などについて主張してきましたが、さらに根付いたものにしていくことの必要性が明らかになっています。今年で終了する緊急雇用事業に代わって、自治体・教育委員会の主体的な判断で「人のいる学校図書館」が築いていけたらと思います。「人と本をつなぐ」ことのできる図書館司書の役割の凄さを改めて感じさせて頂きました。
 そして、会場で頂いた片山前総務大臣の「学校図書館と知の地域づくり」の講演抄録パンフにもあった「図書館充実をこれからの国是に」ということをはじめとして学校図書館、図書館司書配置の必要性など、これまでの鳥取県知事時代、総務相としての思いの発露として述べられていることに学ばされました。
 写真は、改築のために取り壊して更地になった地元の下知図書館跡と仮図書館です。昨日は雨天の中を地域の方が入れ替わり立ち替わり出入りしていました。司書の方から、「改築の間は手狭で利用者の方には迷惑をかけているけれど、結構多くの方が毎日利用してくれている」とのお話しも聞かせて頂きました。私の息子も、随分とお世話になり、今は、もっぱら連れ合いが利用させて頂いていますが、まさに、地域に「知の拠点」があることのありがたさを改めて感じました。地元の昭和小学校の学校図書館と地域の図書館の連携がさらに強化され、子どもたちの読書活動や調べ学習などの支援に繋がればと思ったところです。

11月日「認知度の低い『津波防災の日』」

 3.11以降さまざまな防災対策や防災意識の向上について、取り組まれているにも関わらず、昨日はあまりに認知度の低い「津波防災の日」でした。
 この日は、東日本大震災を受けて制定された津波対策を進めるための「津波対策推進法」に、1854年11月5日の安政南海地震にちなんで定められています。
 全国でもいろいろなところで、さまざまな防災イベントが開催されているようですが、県内に限ってみれば海上保安部の訓練の報道がされているぐらいです。初めての「津波防災の日」だからこそ、もっと何らかの位置づけをもった取り組みで定着させる工夫が必要だったのかもしれません。
 ただし、記念日だからどうこうではなく、以前高知でも講演して頂いた渥美公秀先生の「地震イツモノート」にあるように「「モシモ」ではなく「イツモ」。365日”防災の日”」という意識付けが重要だと思ったところです。

11月5日「『第一回昭和秋の感謝祭』で『絆』発見の一日」


 「昭和の良き時代の頃によく言った、向こう3軒両隣、おとなも子どもも誘い合って集まってみませんか」ということで、集まった老いも若きも子どもたち延べ1500人の「第一回昭和秋の感謝祭」は大成功でした。危なっかしい天候ではありましたが、何とか実現したいという地域の皆さんの思いが、天気ももたせてくれました。午前11時の開会前から、どんどん集まりだした人たち、地元の出店も売り切れ続出と地域の元気が感じられた一日でした。私も、出たり入ったりでしたが、少しご無沙汰していた方のお元気な顔にもお会いできたりして良かったです。
 地震津波浸水からどう逃げるかと言うことで、中山間地と日頃から交流し、いざというときに疎開できるようにと二葉町と仁淀川町が交流しているのですが、仁淀川町さんの出店もあり「いたどりのキムチ」や「こんにゃく」を購入させて頂きました。
 そして、「昭和小校区市民防災プロジェクト」も飲み物の出店で、日頃からプロジェクトのお手伝いを頂いている高知大生のお二人が頑張って、見事完売でした。これで、プロジェクトの運営資金が少し調達できました。
 最近、多くの人々が良く口にする「絆」とは、人と人との断つことのできないつながり。離れがたい結びつきだと言われます。地域の「絆」発見の一日だったのではないかと感じました。

11月4日「広がる『オレンジリボンキャンペーン』で児童虐待の予防を」

 昨日は、地元での「第一回昭和秋の感謝祭」と「高知オレンジリボンキャンペーン2011」の間を行ったりきたりしながらの一日でしたが、いろんな皆さんの「支え合いのしくみ」に触れることができて有意義な一日でした。
 今日は、オレンジリボンキャンペーンについて報告します。(写真は、パレードに出発しようとする参加者の皆さんと丁度そこへやってきたオレンジリボンのラッピング電車です。)
 オレンジリボン運動は「子ども虐待のない社会の実現」を目指す運動として、2004年の栃木県小山市における3歳と4歳になる二人の兄弟の虐待死事件をきっかけに、二度とこのような事件が起こらないようにという願いを込めて、翌年に始まりました。
 高知でのオレンジリボン運動は今年で3年目を迎えましたが、私も一回目から、参加させて頂いています。本当にいろんな方の支えで、高知県下に虐待防止のシンボルであるオレンジリボンが認知され、広がりをみせてきていることを感じました。
 全国の児童相談所に昨年度に相談が寄せられた児童虐待の件数が、初めて5万件を超え過去最多となる一方、高知県内でも児童虐待の相談件数は312件と過去最多を更新しました。そのうち虐待と認定したのは、うち142件で前年度より13件減ったものの、0〜3歳未満の乳幼児が被害に遭うケースが増えているというように深刻度を増しているのではないかと心配します。
 こんな実態だからこそ、これからも子育て家族があたたかく支えられる地域づくりへの取り組みが広がり、児童虐待で子どもや親が傷つくことがない社会を県民のみなさんの力で築いて行けたらと思います。

11月3日「高知の『光る会社』」

 一昨日、高知県工業会との意見交換会の前に、企業視察をさせていただきました。我が地元稲荷町にある株式会社特殊製鋼と南国市にある兼松エンジニアリング株式会社の工場を見学させていただきました。
 夜の意見交換会での話とあわせて、考えると確かに製造品出荷額は低迷しているかもしれないが、「下町ロケット」のような「光る会社」が多くあるのではと感じた次第です。その意味では、「ものづくりの地産地消」から「地産外商」へと展望は見いだせるような取り組みが今後必要となります。
 さて、兼松エンジニアリング工場では、あの世界で誰も見たことがない対決ショー番組「ほこ×たて」で、兼松エンジニアリングの超強力吸引作業車パワープロベスターと「絶対にはがれない吸盤」と名勝負を繰り広げられた対決場面を再現して頂きました。とは言っても、「どんなものでも吸引する吸引車」での力を抑えたデモンストレーションでしたが、それでもドラム缶が中の空気を吸い出されて、一瞬にしてひしゃげてしまう様子は、口あんぐり状態でした。
 県外の企業誘致も必要でしょうが、県内で頑張っている「光る会社」のネットワークでユーザーのニーズに答えられる技術と製造能力を高められる条件整備が、県にも求められているのではないでしょうか。



11月2日「玄海原発4号機再稼働反対」

 「原発事故で不安が広がり、やらせ問題で九電の信頼性が失われている中、県民の気持ちを無視した再稼働は絶対に許されない」との県民の反発が高まっている中、九州電力は、復水器の異常で10月4日に自動停止した玄海原発4号機を、昨夜11時に再稼働したと発表されています。
 今回の再稼働強行は、「地元=県・市・町=了解をえずにやる」先例づくりであり、トラブった原発の再稼働を1番にもってくるという暴挙は、脱原発の世論に対する挑戦のような気がしてなりません。
 環境政策の気鋭の研究者で,福島第一原発の事故後にドイツのメルケル政権が設置した原発問題倫理委員会のメンバーでもあるミランダ・A. シュラーズさんの著書、岩波書店ブックレット「ドイツは脱原発を選んだ」の「おわりに」の章では、「ドイツ人が日本についてまず疑問に思うのは、広島と長崎に原爆を落とされたにもかかわらず、どうしてこれほどたくさんの原発を持っているのか、ということである。これはドイツ人にはとうてい理解できない。二つめは、日本は地震の多い国であるにもかかわらず、なぜ原発をつくったのか、ということだ。」と疑問を投げかけられるとともに「日本には理想がないとは思わないが、企業が利益を追求する力が非常に強く、理想の力を弱めているのではないだろうか。まるで、政治を動かしているのは企業であるかのようだ。東日本大震災後のいまこそ、政治に倫理を導入することが求められているのではないだろうか。」と指摘されています。
 この疑問や指摘に答える我々の運動が試されています。

11月1日「防災倉庫も高い場所へ」


 10月29日付で、ご報告しましたが、昭和小学校グランドにある防災倉庫を校舎の4階の空き教室に移動させる取り組みの写真が手に入りましたのでご報告します。
 市内の多くの防災倉庫は、公園や学校グランドに設置されていますが、津波浸水予測地域では改めて「ここでいいの?」という声が上がっています。昭和小校区市民防災プロジェクトやPTAでは、これをどうやって高いところに移動させるのかという議論をしてくる中で、小学校の4階にある空き教室を利用させて頂くこととなり、29日に地域のみなさんとともに移設作業を行いました。
 私は、丁度その時間帯には市民防災プロジェクトのチームで避難場所探しのまち歩きをしていて、参加できませんでしたので詳細は分かりませんが、30人近くの参加で取り組まれたそうです。そして、終了後、避難場所になる屋上に上った参加者の中には、はじめて屋上に上った方もいたようでしたが、そこから眺める学校周辺にある高い建物はほとんどがマンションで課題の多さを実感されたようです。
 さて、防災倉庫の高所移設という取り組みも津波浸水予測地域では、急がれる必要があるのではないでしょうか。私たちのマンションでも、一階会議室で保管している防災資機材を11階へ移動させるための準備を進めているところです。

10月31日「これからの地域医療のあり方を考える」

 この二日間は、途中で他の日程と掛け持ちしながらも「地域医療研究会全国大会2011 in 高知」のいくつかのプログラムに参加しました。
 地域医療研究会は、1980年に発足し、保健予防・治療・リハビリテーション・福祉との連携にいたる包括的な地域医療の理論と実践について情報交換・研究を推進するとともに、地域医療に従事する医師等の育成・研修をおこなう目的で活動している研究会だそうです。
 メインテーマは「『地域医療と社会保障』少子・高齢化社会での社会保障 そのとき医療は…そのとき介護は… 」というもので、分科会も極めて多岐にわたっており、目移りもしましたが、これからの地域医療のあり方を考える意味でも、私は「病院の機能分化のゆくえ」に出席しました。
 また、特別講演には諏訪中央病院名誉院長鎌田實氏、一般公開講演では内閣府政策統括官村木厚子氏が登場するなど参考となるお話しを聴かせて頂きました。
 鎌田さんからは、3.11の被災地やチェルノブイリやイスラエル人兵士に殺されたパレスチナ人の息子とその父親の話など「相手の身になる」という「地域医療の心」を伝えて頂きました。
 また、村木さんからは、少子・高齢化社会における子ども・子育てをどう考えるのかということについて、いついかなる時に「支える側と支えられる側」のどちらにもなりうる可能性があることを踏まえた仕組み作りの必要性を考えさせられました。
 パネルディスカッションなどもあらゆる立場からの発言でしたので、自分の頭の中で整理していくには少し時間がかかりそうです。
 とりあえずのお知らせです。これまで昭和小校区のPTAや町内会、自主防災会、消防分団をはじめた多くの市民の皆さんが取り組んできた「昭和小校区市民防災プロジェクト」のホームページがアップされました。まだまだ不十分な点も多々ありますが、多くの方の支えでここまで来ました。一歩ずつ進んでいきたいと思いますので、ご指導よろしくお願いします。

10月30日「脱原発の行動を盛り上げなければ」

 昨日は、午前中の「昭和校区市民防災プロジェクト」で避難場所探しに始まって、地域医療研究会全国大会と「原発さよなら高知県民の集い」とのかけもちをしながら夜は部落解放同盟長浜支部の定期大会出席と忙しい一日でした。
 地域医療研究会全国大会の特別講演で鎌田實先生からチェルノブイリやフクシマや被災地の子どもたちのことを聴いてから、「原発さよなら高知県民の集い」に参加して、また、新たな闘いへの決意を固めたところです。それにしても、この集い、もっと参加者がいてもいいのではないか、期待していただけに少し残念な参加状況でした。
 さて、今から地域医療研究会全国大会の分科会に参加してきます。






10月29日「『高知白バイ事件』今朝の朝日新聞に」

 2週間前の土曜日に、発売のフライデーに「高知白バイ衝突死『写真資料改ざん』」の決定的証拠」との見出し記事が載っていたことを書きましたが、今朝の朝日新聞33面には、「服役後の運転手再審請求」の見出しの割と大きい記事です。有罪根拠の証拠写真の鑑定結果を新証拠として請求していることで、地検の判断が注目されるとなっているが、何とか再審への道を開き、今まで明らかにされなかった事実が法廷の場で明らかにされることを願っています。しかし、その力になるのは署名活動等ですのでみなさんのご支援をよろしくお願いします。
 今日は、いまから「昭和校区市民防災プロジェクト」で避難場所探しに回りますが、もう一方では、昭和小学校グランドにある防災倉庫を校舎の4階の空き教室に移動させる取り組みも並行して取り組まれています。昨晩は、このプロジェクトのホームページ立ち上げ作業に関わったりとバタバタしています。そして、12月3日には、その調査結果を地域の皆さんにご報告できるようにと5つのチームは頑張っているところです。

10月28日「高齢化が進む中での避難場所探し」

 一昨日、総務省が発表した昨年10月の国勢調査確定値で、高知県人口は76万4456人で、前回05年調査より3万1836人減少し、戦後初めて1945年の77万5578人を下回りました。高齢化率は前回比2・9ポイント増の28・8%で、秋田県29・6%、島根県29・1%に次いで全国3位となっています。
 県内では、高知市の高齢化率23・6%が最も低くなっていますが、それでも4人に一人が65才以上という中で、5分で逃げられる避難場所探しは、大きな課題です。月曜日もある地域から、防潮堤と避難場所になる高台を見に来て欲しいと言われています。
 そんなことが、頭にありながらも、「昭和校区市民防災プロジェクト」の私の班が調査する地域(上の写真にある地域も含みます)を見回してみますと、私の住む町内は25.5%と高知市の高齢化率を上回る町内になっていました。
 明日の午前中は「防災まちあるき」をします。津波避難ビルになりそうな建物を探して歩き回りますので、雨にならないことを願っています。





10月27日「歩行者、自転車、自動車の安全走行を」

 最近、都市部での公道走行を禁止されているブレーキのないピスト自転車の危険性がよく報道されている中、警察庁がいよいよ自転車の歩道原則禁止、車道走行を促すという自転車交通総合対策をまとめ、全国の警察本部に通達されたとのことです。これからは、自転車通行が可能な歩道を減らすとともに自転車レーンの整備を進めることにより、自転車と歩行者の分離を図り、歩道走行を事実上容認してきた従来の姿勢を転換したことが、随分とメディアで報じられています。(左図は、「銀輪の死角」など自転車行政のありかたに課題提起をし続けてきた毎日新聞からの引用です)
 私は、今年2月定例会の代表質問で、歩行者と自転車、自動車の共存を図るための対策を求めて質問しました。(お時間があれば、詳細は、こちらの議事録からご覧頂ければと思います。)
 その際、国内において、ここ10年で対歩行者の自転車事故は3.7倍、自転車同士は4.4倍と急増し、自転車乗車中の事故死者は08年に971人にのぼっていること。本県でもこの5年間の自転車事故による死者は年平均7.8人と高止まりの状態にあることの主たる原因は、交通事故死者が史上最多となった1970年に、道路交通法を改正し、自転車の歩道走行を認め、「自転車歩行者道」の規定を盛り込み「自転車の歩道走行という緊急避難的措置を恒常化して40年間放置」したことが原因ではないかと指摘し、その対策を求めました。
 警察本部長は、その原因は認めず、「考えられることは、車道上に自転車専用レーンを設置して、自転車の走行空間を確保することがあるが、交通実態や道路状況などから課題も多く、県内では自転車専用レーンの指定には至ってない。交差点付近における交通指導取締りや、自転車利用者に対する交通安全教育を徹底するとともに、自転車横断帯の設置など、交通安全施設の整備を進め、自転車事故防止に努めたい。」と述べ、「自転車の走行空間の整備については、自転車が通行可能な歩道において、自転車の通行すべき部分を指定するとか、車道に自転車専用レーンを整備することなどにより、自転車の走行空間を確保することが望ましい」と言いながら、結局は課題ありとしています。
 今回の警察庁の自転車交通総合対策をもとに、これまで40年間放置してきた緊急避難的措置を反省し、自転車は車道という「原点回帰」を実現するためにも車道整備、自転車専用道拡充に力を注いで欲しいものです。
 そして、いかにハードが整備されたとしても、自動車運転手、自転車利用者がマナーを守らない限り、事故は減らないでしょう。
 私たち、交通安全指導をしているものとしても、少しでも冷や冷やする場面に増遇することのないように、マナー遵守を働きかけていきたいものです。
 やむを得ず、自転車で歩道を走る際は歩行者を優先し、車道寄りを徐行しなければならないという決まりは、歩道上で、自転車のベルを鳴らして、歩行者の間をすり抜けたりすることなく、時速8キロ程度の徐行で走るということです。

10月26日「アテルイ」

 私たちが、教科書で習った日本史で征夷大将軍坂上田村麻呂は記憶にあっても、田村麻呂を先頭に、蝦夷(えみし)の征圧を企てた大和朝廷の度重なる侵攻に、蝦夷は人間の誇りにかけて立ち上がり、その若き指導者アテルイについては、この公演の存在と、このことを記事にされた高知新聞7月3日付けの「喫水線」編集局長の「まつろわぬ民」を読むまでは、正直良く知りませんでした。
 昨夜、カルポートで観た劇団はぐるま座の東日本大震災復興支援公演「アテルイ 北の耀星」は、あらためて権力の側からしか描かれないこの国の歴史の矛盾や、「まつろわぬ民」たちの「俺たちも同じ人間だ」との誇りは、今なおこの国で蔑ろにされてきた「地方」のあちこちに、しっかりと根付いているのではないかと感じた次第です。しかし、率直に言って、その思いが、今のこの国で顕在化していないいらだちも感じており、これからの震災復興や脱原発、米軍基地返還の力になっていけばと思ったところです。
 今日は、体調も戻りましたので、以前からご相談を受けていた地域の方と急傾斜の危険地域を見るため、相当歩き回る予定です。





10月25日「TPPの本質を明らかに」

 一昨日、「若干の疲労感」を覚えながら、防災訓練から食育シンポへとかけつけたことを報告しましたが、昨日は一日倦怠感を感じるしんどさがあって、早く休みました。しかし、今朝も何かスッキリしません。でも、目だけは5時前に覚めてしまうという状況です。今日も、「県政かわら版」の原稿渡しとかいろいろとやらなければならないことがありますので、7時過ぎには事務所での作業です。
 昨日報告した食育シンポの中で、基調講演ではTPPについて、ご本人の見解を述べなかった服部先生に対してパネルディスカッションで、質問が出されてコメントしたのは「農業など一次産業に及ぼすデメリットをメリットのある製造業分野がカバーをするという仕組みをつくってから参加したらいいんですよ」と言われていたが、それができていたら今までの日本の一次産業はここまでダメージを負っていなかったのではないでしょうか。服部先生も、「コメ生産農家一人あたりの労賃の時給は約179円と試算される。これでは担い手は育たない。」と指摘されていたのだから、てっきりTPPには反対と言われると思っていたのですが。
 TPP交渉への参加については、「参加してみないと情報も何も得られない」として「参加」ありきで進みながら、「一般論としては外交交渉だから離脱はできる」としながらも、「日米関係は重要だから」と、実際は困難であることを示唆しながら進んでいます。ここまで、国民を二分しても、強行するメリットには如何なものがあるのか。ハッキリと国民に説明することが先ではないでしょうか。

10月24日「もっと真剣に『食』と向き合えば」

 昨日は、防災訓練を終えて、若干の疲労感も覚えながらRKCホールで開催された「『今、なぜ食育か?』〜環境と健康を考える in 高知〜 子どもの健康と未来を考える」に出席してきました。
 食育・環境の第一人者の先生方である烏帽子田彰広島大学医学科教授、服部幸應服部学園理事長(写真右)、現代の名工である世界の三國清三シェフ(写真左)や、高知大学の受田浩之副学長と菅沼成文副学長も加わってのお話しは、「食」と「食育」と「環境」と「健康」との有機的なつながりを考えていく上で、とても深い視点からのお話しでした。
 改めることができるかどうかは別として、自分の「食」との向き合い方は問題ありと言うことを突きつけられました。
 高知がこれからも産業振興や観光振興で「食」を中軸に置くとしたら、「食育」でも先進的な取り組みを行うべきで、「食を育む」「食が育む」ことが将来の高知を担っていく子どもの育ちやさらに魅力ある県づくりが目指されるべきではないでしょうか。
  毎月第三金曜日は食育の日とキャンペーンもされていますが、日本一の健康長寿県構想や高知県教育振興基本計画の事業でも、もっと県民の暮らしの中に根付いていくような取り組みを具体化していくことが問われていると思ったシンポでした。


10月23日「『上階へ逃げる訓練』の難しさ」


 今回のマンション自主防災会の避難訓練は、4階以下(高さ8.5b)の下層階の方が上階に逃げるという津波避難訓練を想定したものでしたが、新たな気づきもある訓練となりました。まだ十分な総括ができていませんので詳細をご報告できませんが、廊下部分での滞留具合や階段を毛布タンカで上階に逃げる訓練や背負って逃げる訓練、15gの給水タンクを持っての階段での昇りなど初めての訓練を次回にどう活かしていくのか今後の課題を明らかにしていきたいと思います。とりあえずの報告です。

10月22日「『安全性と利便性の両立』へ『行政と住民の対話』を」

 昨夜、NHKで放送された「四国羅針盤」ご覧になりましたか。またまた私たちのマンションでの「津波避難ビル指定」議論が取り上げられていました。
 テーマは「防災かt生活か」〜津波対策 自治体と住民の対話〜というもので、民間マンションの津波避難ビルへの指定も、住民からの理解が欠かせないということで、実施したアンケートの結果などにもとづき、課題が出されていました。
 日頃から、ご指導頂いている日本災害復興学会会長の室崎益輝関西学院大学教授が出演されており、「防災」が抱えるジレンマとしての「安全性」と「利便性」とどう向き合っていくのかを考えるヒントがコメントされていました。
 「何百年に一回のリスクのために日常生活の利便性を犠牲にしていくのか。当然、防災において、犠牲も少なくしなければならない。安全性と利便性のギャップを埋める必要があるが、それは行政と住民の対話の中で埋めていく必要がある。住民にだけ負担をおわしたり、犠牲を強いるのではなく、行政としてできることは何なのか。安全性と利便性は対立するのではなく、両立できるような折り合いをつけていくために、話し合いが必要である。また、津波避難ビル指定後は、地域とのつながりもできるだろうが『つながり』ということは防災上とても大切なことだ。」という趣旨のコメントを踏まえた議論を進めていきたいと思ったところです。
 「行政と住民の対話」「安全性と利便性の両立」「地域のつながり」「折り合い」こんなキーワードをお互いが踏まえることで、「逃げる」しくみができていくのではないでしょうか。

10月21日「TPP参加でこの国の形を変えていいのか」

 昨日は、1000名を超える方々が参集した「TPPの問題を考える高知県民集会」に出席してきました。
JAグループ高知、高知県森林組合連合会、高知県漁業協同組合連合会、高知県生活協同組合連合会、高知県町村会、高知県町村議会議長会、高知県農業会議、高知県医師会、高知県歯科医師会の9者主催で、圧倒的に「反対」の声が結集された集会でした。
 とりわけ、基調講演をなさった東京大学大学院教授鈴木宣弘氏の魂の講演「真の国益とは何か〜水面下で進むTPP〜」は力のこもったものでした。
 詳細は、こちらからご覧頂ければ、講演の趣旨は十分ご理解頂けるものだと思います。 いずれにしても、規制緩和24分野が、アメリカの餌食にされかねないにも関わらず「(農業などの一次産業)1.5%のために98.5%を犠牲にするのか」という本質を隠した議論で推し進めようとするTPP推進議論に民主主義のかけらも見えないし、軍事面だけでなく経済面でも完全にアメリカに従属してしまうことになろうとしていることに「反対の声」を結集しなければなりません。
 TPP交渉への参加表明を間近に控えて、「頑張ったけど駄目だったではすまない」闘いで腹をくくれと檄を飛ばされました。講師本人は「CIAに狙われているから気をつけろと忠告してくれる方もいる。」と冗談のような決意も述べられていましたが、いかなるリスクを抱えても突っ走ろうとする推進勢力との闘いも正念場です。
 原発事故対応もそうですが、このTPP問題も極めて巧みな情報操作のもとに国民を支配管理しているような思惑が見えてなりません。このこと自体が、今のこの国の危うさを如実に表しているのではないかと思われます。

10月20日「『昭和校区市民防災プロジェクト』の活動が地域で広がりを」

 昨夜は、「昭和校区市民防災プロジェクト」の第5回事務局会に出席し、各チームの現状について打ち合わせしましたが、相当活発な議論がされていますし、次の避難ビル探しまちあるきの行動へと移っています。
 私の所属するチームも自主防災会を結成準備中の町内の方が参加してくれたりで、メンバーが倍増しています。他のチームでも「防災会ができてないき参加したらいかんと思うちょった。参加したい。」との申し出や町内会がないところからも参加の申し出があるなど各チームにひろがりが出始めています。昨夜は、今後の取り組み方についての意識あわせをして、予定の事務局会以上に回数を増やして取り組んでいくこととなりました。
 さらに、29日には、昭和小学校のグランドにある防災倉庫を校舎4階の空き教室を利用して、そこに移す取り組みをこのプロジェクトの取り組みで行うこととなっています。津波で防災倉庫が使えなくなることを予測しての取り組みで、保護者や地域の人たちで一緒にやろうというものです。市内では、大きな被害が予測されるこの地域で、「命を守ろう、地域を守ろう」との思いが、形になり始め、活動が地域に見え始めていることを実感しています。
 私たちのマンションでも23日に、マンションの上階に逃げるという津波を想定した訓練を行う予定で、「階段」が舞台の訓練となりそうです。昨日入った情報では、近隣の町内で、周辺ビルの立体駐車場を使った訓練をするそうです。これまでと訓練のあり方が違ってきていることが明らかです。
 防災意識の向上と具体的な行動をいかにつなぎ合わせていくかが、「逃げる」しくみのポイントになるのではと思います。

10月19日「『惨事便乗型資本主義』を考える」

  私は、毎月一回高知県職労の機関紙に「今伝えたいこと」というコーナーに1200字ほどの原稿を書かせて頂いてます。実は、9月には「9.11を迎えて」と題して「惨事便乗型資本主義」のことについて書いてから一ヶ月。今のTPP参加推進勢力の動きを見ていると、つくづくそのことを実感するような毎日です。この原稿を以下に再掲して、みなさんと一緒に考えてみたいものです。

 3.11東日本大震災から6ヶ月目の9月11日は、アメリカ同時多発テロから10年目でもあったことからいろいろと考えさせられることも多かったと思う。
 地震・津波は自然現象、震災は社会現象、復興は政治現象ということをつくづくと感じさせられる3.11からの半年間であったが、被災地では歯を食いしばりながら、次の一歩を歩み出そうとしている。多くの国民がその姿に寄り添い、一緒に歩き出そうとしている時に、政治のあり方はかけ離れているのではないかと感じざるをえない。
 もう一つの9.11の10年間を振り返り、東日本大震災からのこれからを見通していくときに共通する視点があることを知らされた。
 岩波の新刊で「ショック・ドクトリン― 惨事便乗型資本主義の正体を暴く ―」というカナダ生まれのジャーナリスト、ナオミ・クライン著で"The Shock Doctrine―The Rise of Disaster Capitalism"の翻訳本がある。
 この本は2007年に刊行されたものだが、「ショック・ドクトリン」とは,「惨事便乗型資本主義=大惨事につけこんで実施される過激な市場原理主義改革」のことで、これまでのアメリカ政府とグローバル企業が9.11をはじめとした戦争や政変などの危機につけこんで,いかに人びとがショックと茫然自失から覚める前に過激な経済改革を強行してきたかということを述べているらしい。
 刊行当時、筆者のナオミ・クラインはインタビューに「(新自由主義、市場経済至上主義の代表的経済学者と言われる)ミルトン・フリードマンは市場至上主義を貫徹する最善の時期と方法は 大きなショックの直後だと説きます。経済の崩壊でも 天災でもテロでも 戦争でもいい。肝心なのはそのショックで社会全体の抵抗力が弱まる点です。人々が混乱して自分を見失った一瞬のすきをついて『経済のショック療法』が強引に行われます。国家の極端な改造を一気に全部やるのです。」と答えている。
 それらは、1973年のピノチェト将軍によるチリのクーデター、天安門事件、ソ連崩壊、米国同時多発テロ事件、イラク戦争、ハリケーン・カトリーナ、インドネシアの津波被害などで検証されるという。
 「この本が災害後の日本の状況を参考にして書かれたのではないかという錯覚さえ感じてしまう。3.11以後の日本を考えるためにも必読」との編集者からのメッセージが新刊紹介にある。だとしたら3.11以後の日本で語られる大連立、大増税、TPPなどが新自由主義派の巻き返しとして推し進められようとする政治状況は、「惨事便乗型資本主義の正体」を見たりと言うことになるのかもしれない。
 震災復興が政治現象であると言われる今、「ショックで社会全体の抵抗力が弱まり、人々が混乱して自分を見失った一瞬のすき」をついて「グローバル経済秩序の基本的要請」とされる「民営化」「規制緩和」「公共支出削減」という三点セットが貫徹されることのないように、しっかりと踏ん張ることも被災地への支援になるのではないかと考える9.11であった。

 明日は、3月に予定されていて3.11直後ということもあり中止となっていた「TPPの問題を考える高知県民集会」が開催されようとしています。主催者としては、JAグループ高知、高知県森林組合連合会、高知県漁業協同組合連合会、高知県生活協同組合連合会、高知県町村会、高知県町村議会議長会、高知県農業会議などが名を連ねています。是非、一緒に考えることができればと思います。ここでは、多分「惨事便乗型資本主義」的狙いまで触れられることはないと思いますが。

10月18日「『永平寺のお坊さんも反省』から次の一歩」

 毎日届く「たんぽぽ舎」からのメール「地震と原発事故情報その204」の昨日の記事をご紹介します。

「永平寺のお坊さんも反省」
   原発の名前「ふげん」、「もんじゅ」命名にかかわったことを後悔
   原発は仏教の教えに反する−命を長い時間の視座におく仏教と相反する
 曹洞宗大本山永平寺(福井県永平寺町)は11月2日、原発の是非を問うシンポジウム「いのちを慈しむ〜原発を選ばないという生き方」を開催するそうです。
 永平寺は、いずれも菩薩の名前に由来する新型転換炉「ふげん」、高速増殖原型炉「もんじゅ」(敦賀市)の命名にかかわってきました。
 「原発に対する認識が足りなかった私たちの責任は重く、間違いだった。懺悔することから始めたい」と永平寺の布教部長で、今回の催しを運営する「禅を学ぶ会」事務局長の西田正法さんは語っています。
 「使用済み核燃料を残し、DNAに作用する放射線という危険をはらむ原発は、子孫への負の遺産となる。命を長い時間の視座に置く仏教の教えと相反する」と説き、「今の生活を見直すきっかけに
してほしい」と呼び掛けています。  (毎日新聞2011年10月14日大阪朝刊より一部引用)

 ちなみに「ふげん」は【普賢菩薩】に由来し、釈迦の右側に立つ脇侍で理知・慈悲をつかさどり、また延命の徳を備え、文殊(もんじゅ)とともに諸菩薩の首位に置かれ、単独でも信仰されているとのことです。
 原発に関わってきた様々な方が、後悔・懺悔することで次の一歩が始まろうとしているのに、いまだそれに気づかぬ原子力ムラに巣くう多くの人々が存在していることに残念な思いが強まります。

10月17日「『プロメテウスの罠』から見えるこの国の姿」

 私のブログ読者の方から、3日前にメールを頂きました。朝日新聞の「プロメテウスの罠」がホームページ上にアップされているから読んで下さいというものでした。私は、紙上でも時々読んでいたのですが、昨日、連載が終了し、紹介頂いたブログから、改めて全部を通して読んでみました。
 「ギリシャ神話によると、人類に火を与えたのはプロメテウスだった。火を得たことで人類は文明を発達させた。化石燃料の火は生産力をさらに伸ばし、やがて人類は原子の火を獲得する。それは「夢のエネルギー」とも形容された。しかし、落とし穴があった。プロメテウスによって文明を得た人類が、いま原子の火に悩んでいる。福島第一原発の破綻を背景に、国、民、電力を考える。」というこの連載の第1回シリーズ「防護服の男」には、他国の情報操作を批判できないほどの情報管理、正しい情報から隔離され国からも見捨てられようとした被災者たち、原子力ムラの中に組み込まれてしまっている被災者たち、被災者たちに目を向けていなかった国の姿が描かれていました。
 そして、今日から第2回シリーズ「研究者の辞表」が始まりましたが、担当は元高知新聞社会部長の依光隆明氏です。8月中旬、講演を聴く機会があったとき「原発を特別な存在として黙認してきた我々の主体的な判断と行動が問いかけられた」と感じた内容でしたが、そんなことをさらに掘り下げられたルポになるのかなと勝手に思ったりしています。
 今朝から、このシリーズと高知新聞の「2011年から『高知その日』へ」の第3部の連載を毎朝の考える材料にさせて頂きたいと思います。

10月16日「『中国帰国者』のために尽くし抜いて」

 今朝は、中国残留婦人で帰国後、自立への厳しい道のりを歩まれた前高知県中国帰国者の会会長の告別式に出席してきました。
 中国でも、帰国後も筆舌に尽くしがたいご苦労をしながら、晩年帰国者の会の会長として、国家賠償訴訟闘争の先頭に立ってこられました。ご苦労が多い中、お会いしても笑みを絶やさず、言葉を交わすことの多かった方でした。
 訴訟の和解後、帰国者に対する新支援策が講じられている今、少し気持ちを楽にして、戦争語り部としての役割を果たし続けて頂きたかったと思います。「もっと生きて欲しかった」弔辞で述べられた思いは、参列していた中国帰国者や国賠訴訟に関わった全ての皆さんの共通した思いであったことと思います。今後も、帰国者の皆さんの行く末を見守ってあげて頂きたいと思います。

10月15日「高知白バイ衝突死『写真資料改ざん』の決定的証拠」

 さきほど近くの書店で、フライデーを購入してきましたが、私が最後の一冊でした。本日発売で開店から1時間少しで売り切れって・・・・。
 「高知白バイ衝突死『写真資料改ざん』」の決定的証拠」との見出し記事は、やはり警察から提出された6本のネガの持つ疑念が極めて明白になったと言うことです。
 製造元のフジフィルムの回答で、6本のうち1本は事故日より3年後のフィルムであることが明らかになっています。2006年3月の事故現場の写真ネガに3年後の製造のものがあるということは、どういうことか分かりますよね。
 さらに、これまでも証拠写真のいろんな不可解さが取りざたされていましたが、元日本写真学会会長で、現在警視庁科学警察研究所顧問の千葉大学名誉教授:三宅洋一氏が、ネガの画像解析をして下さる中で、下半身のない野次馬の写真が合成された可能性の高さを指摘し「事故現場を撮影した写真として、証拠能力に疑問符がつきます」とのコメントなども載っています。
 証拠写真の捏造が公の場で明らかにされるためにも、一日も早い再審開始が待たれます。みなさんもまた署名活動などにご協力下さい。

10月14日「昨日は昼も夜も地震対策」

  昨日の南海地震対策再検討特別委員会に引き続き、今日も特別委員会が開催されます。「南海地震対策行動計画」の昨年度実績がまとまり、それらについて各部局から報告を受けているところです。行動計画の抜本的見直しに向けて、議会として課題を明らかにしていくことが必要となります。
  それにしても、昨日など「復興」に向けてあれこれと、いろいろと意見が出ていますが、8年ほど前には発災前、発災時、発災後、復旧期とのステージ毎に備えることが想定されていましたが、復興期の位置づけはありませんでした。当時、それを一人求めてきたことを考えれば、多くの議員が「復興」について論じ始められていることに、感慨深いものがあります。
  先日の予算委員会でも東日本の被災地復興と西日本の事前復興を並行して取り組むことを求めてきましたが、事前復興に取り組むことが「備え」の強化にもつながるとの思いで、今後も頑張りたいと思います。
  夜は、地元で取り組んでいる「昭和校区市民防災プロジェクト」のチーム会議を行いました。当初参加予定は8人でしたが、聞きつけた地元の関心ある方も参加し、倍の16人が集まり、立ちっぱなしの方も出るほどの会議になりました。この「下知で何とか助かりたい」そんな切羽詰まった思いに応えられる取り組みになるかどうかは分かりませんが、みんなで力を合わせて目標に向かっていきたいと思います。と、同時に政治や行政に求められている課題も極めて大きいものがあると改めて感じたところです。
  ちなみに、左の図が、このプロジェクトの様子をアドバイザーの鈴木先生が作成して下さったものです。私たちの各チームが5隻の船に乗って、ゴールに向かって漕ぎ出しているところです。

  さて、先日も報告した高知白バイ事件の新展開は、今日から始まりそうです。高知では、明日になるかもしれませんが全国的には今日発売の「フライデー」の広告に「高知白バイ衝突死『写真資料改ざん』」の決定的証拠」との見出し。支援者のブログなどからすると、ここから動き出すようです。





10月13日「滋賀で『卒原発』への抵抗」

 今朝の新聞で、滋賀県議会は9月定例会に提出した再生可能エネルギーの普及調査費360万円を削除した修正案が自民党県議団の賛成多数で可決されたと報じられています。
普及調査費は、再生可能エネルギー特措法の成立を受け、経済面の課題や先進事例を調査に充てる目的で計上されたものだが、反対した自民党県議団は、再生エネルギーの買い取り価格など詳細な制度設計が決まっていないとして「諸条件が明らかになった上でこの事業に取り組んでも遅くはなく、時期尚早」と述べているとのことです。
 結局、知事が「卒原発」を掲げていることへの反発でしかないのではと思わざるをえません。
 ちなみに、本県では、9月定例会で、太陽光や小水力、風力など恵まれた新エネルギー資源のメリットを、地域で最大限に生かすため、新エネルギーによる発電施設を県内企業や地域住民、地元市町村など地域が参画して整備していく体制を構築するための予算を全会一致で可決したところです。
 ところで、昨日の病院企業団議会では、前議長の辞任にもとづき新議長を選任した後、議員協議会で本年度上半期の診療実績の報告やドクターヘリを活用した救急医療体制の強化、精神科病棟の整備、統合情報システムの更新などについての現状が報告され、質疑が交わされました。その中で、精神科病棟の整備について院長が、特定の疾病に関する偏見に基づいた発言がされたとの思いで、私は患者の人権尊重を考えるべきであって、これから精神科病棟を開院しようとする姿勢として問題があることを指摘しました。このような認識では、高知医療センターが精神科医療機能に果たす役割の充実に不安を感じます。

10月12日「『高知白バイ事件』の新展開間もなく」

 この間、あまり触れてなかった「高知白バイ事件」についてですが、支援者のブログやツイッターでは、あと2〜3日で大きな動きがあることが、随分と発信されています。
 内容については、明らかにされていませんが、「高知でも!?」と驚くような内容ではないかと思われます。9月25日付「救援新聞」(日本国民救援会高知県本部版)の裏面「高知白バイ事件ニュース」によりますと、検察に提出させた証拠の「135枚のネガフィルム」の専門家検証の依頼がされたりと、その検証が進んでいますので、それに関することではないかと想像したりしますが、もう少し待ちたいと思います。
 そして、その日を皮切りに、新たな動きが始まり、高知白バイ事件再審開始を求める動きも加速化させたいものです。
 高知の中では、認知度の低いこの白バイ事件の全容をつかんで頂くには、こちらの瀬戸内海放送のシリーズをご覧になって頂くのが一番です。私の総務委員会や本会議での質問が08年1月9日、09年3月4日放送分に少しだけ出てきたりします。

10月11日「9月定例会閉会へ」

 今日で、9月定例会が閉会となります。議案そのものは、全て全会一致で可決される見通しですが、意見書や決議を巡っては、いろいろと対応の違いもあり討論がなされる予定です。
 私の9月30日の予算委員会でのテープ起こしができますので、こちらからご覧になって頂ければと思います。
 昨日は、事務所でいろんな相談事を受けたりで、一日が終わりましたが、明日以降も予定にあるとおり議会活動や地域活動などで、忙しい毎日が続きますが、季節が過ごしやすくなっているだけ少し楽です。

10月10日「『復興計画』は被災者、被災地の多様な未来予想図」



 3.11以降、復興のあり方について、さまざま提起をし続けてきた日本災害復興学会の2011東京大会(8〜9日)に参加してきました。
 分科会は、「広域避難・自主避難」「復興まちづくり・市街地再生」「生業再建・復興特区」「法制度・復興財源」「仮設住宅、生活再建」「ボランティア・足湯」など6分科会に分かれていましたが、二つの分科会が同時並行で開催されていることもあって、出席できる分科会には限度がありました。私は、「広域避難・自主避難」「復興まちづくり・市街地再生」「生業再建・復興特区」に出席し、多くのことを学ばせていただきました。
 それぞれに多くの課題が明らかになっており、後日整理して報告したいと思いますが、復興の遅れからも「復興計画」のあり方については、さまざまな意見がありました。中には、フロアーから、「画餅となる計画ならなくてもいい。生活再建をどう急ぐかだ。」という声が出される一方で、「被災自治体にとって復興計画は、バイブルのようなものだ。」などさまざまな議論がありましたが、福島から「生業再建・復興特区」分科会にパネリストとして参加されていた藤田浩志(農家・野菜ソムリエ)さんが、「何もなくなった被災地には何らかの未来予想図は必要。それは被災者の選択によって描ける。それがないと前へ向かって進のは難しい。」という言葉が印象的でした。
 プログラムの最後には、分科会の成果の報告を交えて、佐藤高廣(大船渡市災害復興局長)、菅原茂(気仙沼市長)、遠藤健治(南三陸町副町長)、亀山紘(石巻市長)、加藤憲郎(新地町長)、室崎益輝(日本災害復興学会会長:関西学院大学)各氏をパネリストに迎え、中林一樹(同学会副会長:明治大学)氏をコーディネーターとして、過去の震災復興の経験と教訓をつなぎ、これからの東日本大震災からの復興をどのように進めていくのか、公開シンポジウムが行われました。被災自治体からは、これから冬を迎える仮設住宅での問題や今後の復興まちづくりのあり方から復興計画などについてさまざまな問題提起がありました。
 印象的だったのは、148件の公募から決まった気仙沼市の復興計画のキャッチフレーズが、「海と生きる」というもので、海を敵視しない、海の可能性を信じると言うことからも決めたと言うことでした。7日に紹介した哲学者内山節さんの著書「文明の災禍」に友人で、「森は海の恋人」という言葉を掲げて活躍されている気仙沼市唐桑のカキ養殖者畠山重篤さんが被災してから何日も経たない頃「それでも海を信じ、海とともに生きる」というメッセージを出されたと言うことが紹介されていました。このことと共通した被災者たちの思いが共有されているのかなと感じたところです。
 有意義な二日間の議論でした。南海地震への備えの中に、活かしていける面も随分と多くありました。

10月8日「豊ノ島、まずは大関取り宣言」



 昨夜は、この間いろいろあって待たされ続けた東小結・豊ノ島関と歌手竹内沙帆さんとの高知での結婚披露宴でした。
 私たちが待たされ続けたと言うより、婚約してからいろいろあっただけに二人にとって本当に待ちに待ったという感じたと思いました。
 とにかく終始笑い声と笑顔の絶えない披露宴で、豊ノ島という力士は本当に愛されている力士だと感じられました。そして、連れ合いさんの沙帆さんも愛嬌たっぷりの素敵な女性でした。
 プロレスファンの私にとって、沙帆夫人は歌手と言うよりプロレスSMASHのリングアナウンサーとしての方が馴染んでいます。
 これからもお二人の末永い幸せを祈るばかりです。そして、豊ノ島が宣言した「まずは大関取り」宣言が一日も早く実現することを祈っています。
 東京での挙式の際、インタビューに答えて、豊ノ島は「カカア天下です。間違いない」と逆関白宣言をし、沙帆夫人も「異論はありません」と否定しなかったということが報じられていたが、昨夜もそんなところが随所にかいま見られた様子でした。
 どうぞお幸せに。

10月7日「この社会を変えなければという動きは始まっている」

 昨晩は、高知県自治研究センター主催の哲学者内山節さんの第2回セミナーに参加してきました。
 昨日は朝4時に起床していたこともあって、はじめは、何か朴訥な語り口調に、眠気を催しかけましたが、どんどんと引き込まれる内容で、あっという間の2時間強でした。
 「現代における危機と再生」と題して、17世紀以降の社会システムの限界と巨大システム依存型社会の危険性についてなど、3.11を節目に今をどう考え、これからとどう向き合っていくのか考えさせられました。
 講師は「この社会を変えなければという動きは始まっている」「ゴールは見えないが、そのうねりは高まっているのではないか。決して悪い雰囲気ではない。」と言われたが、そのことを自覚し、動きをつなぎ合わせる意識した行動が求められているのではないでしょうか。
 内山さんの新著「文明の災禍」(新潮新書)を読んでみなければ。



10月6日「防災組織つくった後が大変」

 今朝の新聞に県民世論調査の中間報告が報じられていました。「自主防の認知度低迷」との見出しで、日頃の組織の活性化の難しさを実感させられているところです。組織化しても、活動と参加がなければ認知度は広がらないという高い壁がハッキリしたような気がします。
  「防災訓練への参加者」53.5%、「非常持ち出し品準備」50.6%、「食料品や水の備蓄」19.7%とのことですが、我がマンション自主防災会ではそれぞれ63.7%、52.7%、62.6%と上回っていました。「身近に懐中電灯やラジオの用意をしている」との方は71.4%となっています。防災会を組織化してから6年目、毎年行う防災講演会や防災訓練、地震対策全世帯アンケート、年4回程度発行する防災新聞などなどの地道な取り組みの成果ではないかと思っているところです。今、2日に行った防災講演会のアンケートを整理しながら、23日に行う津波避難訓練の準備をしているところです。マンションで行う津波避難訓練は初めてなので、企画に苦労しています。
 さて、先日船出をした「昭和校区市民防災プロジェクト」のことを報告しましたが、中で「6隻の船」と書いてありましたが「5隻」の間違いでした。すみません。ところで、先日、私の所属するチームの周辺地域で自主防災会を立ち上げようとされている方が、仲間に入りたいと仰って下さいまして、大感激です。ウェルカムです。13日のチーム会議をなんとか成功させ、具体的な行動に移りたいものです。

10月5日「伊方原発の危険性」

 グリーン市民ネットワークからのメールで紹介のあった「NHKドキュメンタリーWAVE 伊方原発 問われる“安全神話」をネットにアップされたものを見せてもらいました。
 「フクシマ」によって崩壊することになった原発の安全神話。その神話が形作られていくきっかけとなったのが、四国電力の伊方原子力発電所の安全性を巡って30年近く争われた裁判であると言われています。当時、四国電力で原発設置を担当したある技術者や反対運動を続けて来られた方たちの証言をもとに構成された印象的なドキュメンタリーでした。
 自らの立場を危うくしても「言うべきことを言う」ことの必要性が改めて問われています。高知大学の岡村教授も活断層と伊方原発の関係についてコメントされています。思いとしては、まだ稼働中の12基の原発も停止させて、直ちに脱原発をとの強い思いもありますが、直ちにということが困難であれば、「これ以上はない安全性」の徹底と「原子力防災」についての対策こそは、直ちに築かれなければなりません。
 先日予算委員会で、時間切れ間際に行った私の「5年前に修正された高知県地域防災計画に、原発事故の際の記述がないと思いますが、知事はどのようにお考えでしょうか。」との質問に対して、「その点も視野に入れて、防災計画なんかについて、いろいろ考えを深めていくということが重要じゃないかと思ってます。」という答弁でしたが、考えを深めるだけでなく、直ちに対策をとっておかなければならないのです。そのことこそが知事の言う「想定外を想定した」対応のはずです。

10月4日「写真のアップできました」

 朝夕すっかり涼しくなりましたが、みなさま風邪など召しませぬようお気をつけ下さい。
 先週で交通安全運動も終了して、朝の一時間にいろんなことができるのを改めて実感しています。私は、だいたい平日は朝7時に事務所に出て、掃除、メールチェック、ホームページ更新というのが日課なんですが、ここ数日写真がアップできなくてご迷惑をおかけしていましたが、さきほどアップできました。ある方からご指摘を頂いて、古い記事の写真を数枚削除したら、アップできたのです。つまり、データ転送量の40GBを超過していたと言うことです。これからは、過去の写真を整理して対応するか、転送量を増やすしかありませんが、事務所経費節約のため、前者を選択することとします。2007年以前のものについては、おいおい削除することとしますので、ご容赦を。
 さて、今から産業経済委員会の続きで、議会棟へ出向きます。総務委員会では、新図書館・科学館基本設計の業者選定にあたって、疑義が論じられています。客観的判断材料不足では、100億円を超す大事業の説明責任が果たせないと言うことです。それでなくても透明性が求められているときです。総務委員会が中心とはなりますが、議会全体できちっと審査していきたいものです。

10月3日「地域に市民の『たまり場』『面識社会』を」

 昨日は9月予定が台風のために延期となっていた「地域コミュニティの再構築を考えるフォーラム」に参加してきました。地域での助け合いや支え合いが希薄になっているとされる中、地域での「つながり」の大切さが求められている中、高知市ですすめている「地域コミュニティの再構築」について考えるということで、地域の主体的なまちづくり・自治のあり方などについて考える機会を与えて頂きました。
 帝塚山大学大学院法政策研究科中川幾郎教授の基調講演「地域の自治とコミュニティづくり」、パネルディスカッション「地域の“共同”、行政との“協働”」についてもいろんなヒントを頂いた気がします。
 特に、地域自治システムを構築する主体たる市民が「ビジネスホテル滞在型寝民」「コンビニ利用型居留民」であってはならない。ただ家に寝に帰るだけではアカン、ただの文句たれではアカン、本当の市民になれ。そして、地域コミュニティーづくりの中で、市民の「たまり場」があって、一貫して共通したテーマである「面識社会」を地域に築くことを考えながらの取り組みへの指摘は、常に念頭に置いておきたいと感じたところです。今日から定例会は、常任委員会審査となります。


10月2日「『昭和校区市民防災プロジェクト』号いよいよ船出」


 6月25日にスタートしてから、率直に言って船だまりでうろうろしていた「昭和校区市民防災プロジェクト実行委員会」の私たち乗組員が、この間のいろんな議論を通じて、昨日やっとみんなの乗る船も決めて、船出をしました。
この町の専門家である私たち自身が、地震・津波から「命を守り」「家族を守り」「まちを守る」という「目的・願い」を実現するため、地震が発生した「その時」どうするのか市民がつくる市民のための「地震・津波への対策集〜一次避難場所の共有〜」をつくる!というゴールに向かって、6隻の船で漕ぎ出しました。今後は、まだまだいろんな困難もあるかもしれませんが、一気呵成年内にはゴールの到着に向けて、力を合わせて漕いでいきたいと思います。
 そして、その目標にある「行動提案集」は、「他者に役立つ『知の成果物』」でなければなりませんので、途中過程もきちんと情報を共有しながら進めていくと言うことで、公式ホームページを立ち上げていくことにしました。そのために、とても心強い高知大学の学生さんがお二人応援団として参加してくださいました。ホームページができあがったらご案内します。しかし、肝心のエンジンとなる資金はすでに枯渇しておりますので、その工面もしながらの航海ですので、みなさまにご協力を仰がなければならないかもしれません。
 昨夜は、下知新図書館の運営に関わる地域の集まり、こちらも少し船出の兆しが見えてきたのかなという感じがします。
 今日は、そんな地域の力が創り出す「地域コミュニティの再構築」について考えるためのフォーラムに参加して、夜はマンション自主防災会の防災講演会、役員会と予定満載です。

10月1日「予算委員会改めて報告します」

 昨日予算委員会が終わりましたが、夜も二つの会で挨拶し、三つ目の打ち合わせは9時過ぎまでかかりました。今朝もその打ち合わせを行った昭和校区市民防災プロジェクトのため、8時には昭和小学校へ向かいます。さらに終了後は、自治研センター理事会、下知新図書館検討委員会への出席と今夜9時頃まで日程がびっしり詰まっています。そんなこんなで、予算委員会の報告は、改めてさせて頂きます。
 それでも、知事の県政運営方針の質疑は、高知新聞が取り上げてくれていますので、ご覧になって下さい。新聞にありますように、私も前橋本県政に関する尾崎知事の評価は、相当辛口だと感じた次第です。
 それでは、行ってきます。今日も長い一日になります。

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