「今日この頃」09年4月〜6月のバックナンバーです

6月30日「報酬に見合うだけ頑張ります」

 今朝の高知新聞に「県議の平均所得1178万円」と議員所得報告書が公開されていました。私の場合、給与所得のみの1050万円より6万円多かったのは、病院企業団議員報酬が含まれているためです。昨年もこの時期に、お知らせしたとおりこの報告は一般的な収入ではなく、年末調整後の課税対象額を確定申告書に倣って記載したもので、正確に報告しますと次のようになります。
 収入金額1000万円以上の場合は「収入金額 × 0.95 - 1,700,000円」で計算されます。つまり、私の収入金額の額面では1291万2850円ということになります。私の場合は、そこから、税金、国民健康保険料、国民年金保険料、議員年金掛金、互助関係費、議員・政治活動費、事務所費に充てる経費、ローンの返済などなどで、800万円弱が天引きされたり、振り込んだりすることになります。残りから、次の選挙闘争資金としての若干の積み立てをしていくこととなりますので、日頃のお付き合いや生活費を考えれば、結構厳しくなります。
 ただ、これまでと違って昨年から少し楽になっているのは、子どもが自立して東京で働き始めていると言うことです。時々、「どうしても給料日までもたんき、ちょっとだけでも借りれんろうか」という泣きが入ることもありますが、それでも助かっています。
 貴重な税金からの議員報酬ですので、仕事でみなさんにお返しできるように頑張りたいと思います。

6月29日「6月危機への懸念」

 26日警察庁の月別自殺者数統計が公表されました。マスコミなどでは本当に小さな扱いです。しかも、本県は17人と少ない方から3番目という報道のされ方ですが、実は、今年に入ってからの5ヶ月間の月平均は22人にのぼり、このペースは 平成16年の最多の256人を上回るペースで深刻な状況は続いているのではないかと思います。
 今朝の各紙では「派遣村」が解散されることが報じられていますが、一方で「6月危機」も懸念されています。というのは、失業手当や公営住宅の期限が6月末で切れる人が続出するためだそうだからです。これまでも年度末の派遣切れなどで自殺の多発が懸念された3月は全国で3069人と月別では最も多かったという結果になってます。このようなことなどからも本県としては、5月は4月と比して単に減少したという見方だけでなく、次への備えを講じるべき時であると見るべきではないかと思います。
 先日、NHK教育放送で放映のあった「シリーズ自殺と向き合う(2)自殺未遂者をどう支援するか」を見ましたが、未遂者に最初から精神科医が関わり背景と原因を解決することで、再未遂のリスクを軽減するための医療と社会的支援の連携のあり方について岩手県の例が取り上げられていました。単に救急車で運ばれて、医療的処置をして、帰ってもらうだけの対応ではない支援効果があげられていることが実感できましたが、このような取組が全国で広がっていくことが求められているのではないかと思いました。(番組の再放送は明日の13時20分〜です)
 「自殺対策支援センター・ライフリンク」の清水代表のブログには次のような主旨のコメントが書かれていましたのでご紹介しておきます。「河村官房長官は17日の記者会見で、民主党の鳩山代表が党首討論で医療事故や若者の自殺問題などを取り上げたことについて、「お涙ちょうだいの議論をやるゆとりはないのではないか。財源の問題や外交・安全保障などテーマは多々ある」「人の命は重要なテーマだと考えているが、情緒的な話をしている段階ではない」と語ったと言うが、官房長官といえば、閣僚で作る「自殺総合対策会議」の会長でもあり、自殺対策推進に関する政府のいわば責任者のはずなのだが。極めて今日的な社会の課題が、自殺の問題に凝縮されていると言っても過言ではないにも関わらず、「情緒的な話」で済ますとしたら、それは現実をまったく知らないか、その人が情緒的過ぎるかのどちらかだろう。」

6月28日「マンション自主防災会も4年目」

 昨夜は、マンション自主防災会の第4回総会を開催しました。
 これまでの取組の中で、マンション内の災害時要援護者の支援のあり方について、議論をしてきていたところなので、今年は総会に先立ち高知市元気生きがい課職員から、災害時要援護者支援地域活動事例集にもとづいて「災害時要援護者の支援のあり方について」お話しを頂きました。浦戸・種崎地区で取り組まれたモデル事業における教訓点などをもとに、今後私たちのマンションではどのように応用していくのか随分と参考になりました。とりわけ、私たちが、マンション自主防災会で議論する際には個人情報の管理の仕方についてが、頭に浮かぶとともに、そのことがもう一歩踏み込めない状況にもなっています。しかし、この地域においては、聞き取り調査の中で「検討に必要な情報について関係機関に公開することについて同意の有無」を尋ねた際に、拒否した方がいるのかどうかと聞けば、拒否される方はほとんどいなくて、むしろ積極的に提供してくれたとのことですので、私たちも臆することなく話し合っていく必要もあるのかなと感じたところです。
 今年は発足4年目、さらに工夫を凝らした取組で地震防災をはじめ災害への備えにしっかり取り組んでいきたいと思います。ちなみに今年の事業計画は以下の通りです。
 @携帯版防災対策マニュアル「防災手帳」を作成。
 A資機材を利用した訓練の開催。
 B防災会の財源確保とあわせて防災フリーマーケットの開催。
 C第4回全世帯アンケートの実施。
 D第4回防災講演会の開催。
 E防災避難訓練の開催。
 F家具転倒防止共通グッズの購入により取り組みの一層の推進を図る。
 G防災倉庫移転設置。
 H津波避難ビル指定に向けた協議。
 I会員の特技・資格登録制度(レスキューマン・バンク)の正式発足をめざす。

6月27日「実効ある補正予算に」

 昨日公表された7月定例県議会提案の補正予算案は、この時期としては過去最大規模となる総額およそ382億円にのぼることとなりました。これで、09年度一般会計の累計は4568億6900万円で前年同期比10・3%増となります。知事は「県内の経済は厳しい状況が続いているので緊急な経済対策が必要で、補正予算案で、その対策を進めて県民の暮らしと雇用を守るとともに、県の経済体質の抜本的な強化をしていく」と述べています。
 主な内容として、「産業振興計画の推進」として「地産外商」を進めるために新たに設立する財団法人関係で8200万円をはじめとして31億円、厳しい財政事情から見送られてきた工事や来年度行う予定だった工事を前倒しで発注するなど、公共工事費として120億3300万円をはじめとした「インフラの充実と有効活用」に160億円、私立学校授業料減免補助金や幡多児童相談所施設整備事業費などを含む「教育の充実と子育て支援」に23億円、新型インフルエンザ対策としてのエアーテントなどの配備に2億1100万円、介護基盤緊急整備事業、介護職員処遇改善事業費で17億円、支え合いの地域づくり事業や自殺対策緊急強化事業などを含む「日本一の健康長寿県づくり」に98億円などが盛り込まれています。また、平成23年度までに、新たに3500人の雇用を生み出すため県が積み立てている緊急雇用創出臨時特例基金に35億4900万円を積み足しすこととされています。
 しかし、これらの事業も国の補正予算に連動したものであるだけに、まだまだ詳細がつまつていないものもあり、どれだけ実効性をあげていくかも今後の予算審査の中でつめていかなければならないと思います。県としては、「大型補正予算の実施によっても、財政健全化を一層促進」と言って、国の補正予算や施策を精一杯活用して、県民ニーズに速やかに応えていく努力は伺えるのですが、その背景にある国の「大盤振る舞い」に乗せられすぎない慎重さも必要ではないかと心配しています。今回の補正予算案を審議するにあたって「今後の財政収支の試算」について示すように執行部にも申し入れましたが、現時点では不明な点があり9月定例会までは示せないと言われました。国の歳入は国税が大幅減収と見通されている中で、いわゆる埋蔵金と借金に依存した財源は、将来のつけとして必ず絞り込みに入ってくると思われます。(政権交代で税財政のしくみが全く変われば別かもしれませんが)それが、交付税による後年度負担の担保を失ったとき、自治体の借金体質が住民負担になりかねないという懸念は拭いきれないのです。まさに、バブル崩壊後の不況を乗り切るために借金で財政出動をした90年代の轍を踏まないように、「ブレーキもきかせながら」県民の暮らしを上向けさせるための知恵を出し合っていきたいと思います。

6月26日「なぜ防げないのか」

 23日以来報道が続けられている高知市の民家火災における夫婦無理心中の事件ですが、背景に夫の暴力というDVがあったことが明らかになり、何とも無念さを感じます。女性相談支援センターや警察に相談に出向いたり、DV接近禁止命令も出されたこともあったようなのですが、関係は改善されなかったということだと思われます。
 しかし、事態は最悪の結果を招いたわけで、DV防止の難しさをひしひしと感じます。昨年は児童虐待で、そして、今年はDVで最悪の結果を招くという事態に陥っている中で、誰もが思うのは、「なぜ防げなかったのか」ということです。効果のある支援を個別に講じていくだけでなく、徹底した抜本策を検討・措置していかなければ、喉元過ぎればということになってしまうのではないかと心配します。ただ、単に「DV夫が無理心中」ということだけでなく、アルコール依存症との関係や背景についてきちんと分析した上で、「二度と起こさない」環境がつくられなければと思います。
 アメリカでは、高齢者男性による無理心中が増加しているということです。フロリダ州で2年間に渡り、55歳以上の男性で無理心中または自殺のケース20件を詳しく調査した結果によると、妻を殺害し自殺する男性のケースにDVまたは妻の介護をしているケースが多くみられたということで、妻を殺害したケースの25%の夫婦間にDVの経歴があったが、自殺のみのケースの場合は5%にすぎなかったとありました。高知新聞によると、昨年配偶者の暴力が起因した事件のうち、傷害致死容疑で立件した事案は全国で7件、殺人(未遂も含む)は77件にものぼっていると言うことですから、それらも含めて、分析がされたらと思います。

6月25日「地域で支える子どもの安全・安心」

 昨晩は、代表委員の昭和小学校区交通安全会議会長の代理で「城東地区こどもを守る会」に出席してきました。子どもが城東中に通っていたときにPTA副会長として参加していたとき以来で、少し趣も変わっていた感じがしました。
 この会は「目的及び活動方針」を「@児童生徒をとりまく環境の変化に対応しながら校区のこどもたちの健やかな成長を願うとともに、児童生徒を取り巻く社会環境の浄化・いじめを含む非行防止及び交通安全に関する活動を中心に、その他児童生徒の健全育成に関する活動に努めるA前項の目的を達成するため各協力団体・各関係機関との連携を深める。」としており、城東中校区内の学校・PTA関係者や交通安全会議、青少年育成協議会、地区補導員のみなさん60名近くの方で役員を構成しています。いずれのみなさんも、こどもたちと向き合うことを実践されている方ばかりで、子どもや学校を地域が支える意味でも、さらに活動を活性化させるためにも協力できることに関わっていかなければと思ったところです。
 今、南宝永町(写真は私の事務所前から写した遠景で、とでんボウル跡です)にラウンドワンというボウリング場を中心とした大規模オールナイトの複合エンターティメント施設が建設されていますので、オープン後にこどもたちにどのような環境の変化を及ぼすのだろうかとの地域の心配もありますので、事業者側との十分な情報交換も含めて、今後の対応についても協議していくことについて要請をさせて頂きました。
 しかし、この施設は大雨浸水・津波の時には、地域の避難施設として立体駐車場を開放してくれることにもなっていますので、どう共存できるかではないでしょうか。

6月24日「県民に諦められないように」

 先日、「議会基本条例検討小委員会」が開催され、基本条例の骨子などについて具体的に議論がされ始めました。私は、小委員会メンバーではありませんので、詳細の議論経過は分かりませんが、基本条例では大括りの所は定められるが、個別の条例に委ねられる詳細部分も出てくることになると思います。しかし、そうなると、基本条例は定まったが、詳細部分はまだということになり、少し県民には理解しがたいものとなってしまうのではないかと心配もしてしまいます。
 全国の都道府県では、岩手、宮城、福島、神奈川、三重、大阪、大分ですでに制定されていますが、これから全国でも広がる動きであると言えます。ただし、形だけの議会基本条例でなく、本当の意味で、県民の声が県政の中心となるべく、その声をしっかり受け止め反映できるシステムが確立されなければならないと思っています。
 そのためにも、当然のことながら、議会の役割を明らかにし、議員の責務および活動原則、議会運営の原則などを定めることとなり、議会は、その有する監視・評価機能、政策立案機能の強化を図ることが求められます。また、議会と知事等との関係については、二元代表制のもとで、常に緊張ある関係を構築し、立場および権能の違いをふまえておかなければなりません。そして、そのような活動と役割を果たしていくために、議会は、県民の参画する機会と透明性の確保を図るとともに、それらを通じて負託された県民から信頼されなければと思います。それがなければ、基本条例が定められたとしても、結局は、県民から「なんぼ言うたちいかん」と諦められてしまうことになるのではないかと懸念してしまいます。
 私が、いつも見直しを提起している「費用弁償」も 「地方自治法第二〇三条に規定する者の報酬、期末手当、費用弁償等に関する条例」の第六条二項「議会の議長、副議長及び議員が議会の招集に応じたとき若しくは常任委員会等に出席したとき又は議会の議長及び副議長が議会の閉会中に公務のために出務したときは、知事が議会の議長と協議して、規則で定めるところにより費用弁償をすることができる。」こととなっていますので、基本条例では定められないこととなりそうですので、こちらの条例や規則も同時に見直して、県民の信頼を勝ち得る一歩としていきたいものです。
 今年度も、費用弁償の供託が始まりました。

6月23日「風をつかまえて」

 高嶋哲夫さんの著作は、これまでにも「巨大地震の日」「TUNAMI」「ジェミニの方舟−東京大洪水」と読んできました。しかし、今回は今までの「災害」ものと随分と趣が違っていましたが、今にピッタリのテーマの「風をつかまえて」を読み終えました。
 北海道で、夕張にはなりたくないとの自治体の町内の児童が描いた緑の丘、紺碧の海、青空に燦々と輝く太陽、丘の上で回っている白い風車という絵から始まる、そして、その絵に欠けている風車をつくろうとするさまざまな人間模様が描かれています。風車を観光に利用しようとする町と議会、破格の低予算で白羽の矢を立てられた町内唯一の鉄工所が手づくりで始める。そして、・・・・・。面白い展開です。少し、先が見えてしまう流れもあるけど、一気に読ませてもらいました。

 
 この本が出来る過程では、どの表紙が良いでしょうかと、ホームページで読者の意見を聞く機会もとられました。さて、みなさんもどの表紙か、当ててみて下さい。本を読んでみると、この表紙がピッタリと思ったところです。(ちなみに右端の写真は私が写した津野町の葉山風力発電です)
 大阪の町工場で人工衛星がつくられる日本の技術力です。風力発電も輸入品に頼らないという気概で、頑張るところがあってもと思います。もし、そんな町工場があったらワクワクしますね。

6月22日「虐待予防にカンガルーの会」

 昨日は、5月4日に急逝した義母の49日法要のため宿毛に帰っていましたので、更新ができていませんでした。
 そこで一日遅れですが、昨日の高知新聞にも少し記事が載っていましたけど、NPO「カンガルーの会」の発足について報告させて頂きます。時々、虐待予防について、中央児童相談所の澤田敬先生たちが、研究実践をされていることについて報告してきましたが、その取組の拠点となるNPO「カンガルーの会」の設立総会が20日に開催されましたので、挨拶に伺いました。会には、医師や保健師さんや保育士さんなど立ち上げに関わられた方々が集まられていましたが、澤田先生の話を聴いて、将来医学部をめざし、こどもたちと向き合いたいという高校三年生の女子生徒も参加されていました。この会は「児童虐待の予防、子育て支援を図るため、周産期から児童に関わる関係者に対して、研修会や講演会を開催する事業を行い、児童の健全育成を支援し公益の増進に寄与することを目的とする」もので、@児童虐待予防の為の研修会を実施する事業A妊婦、幼児期や児童に関わる関係者に対しての研修事業B一般の方に児童の健全育成、児童虐待予防を啓蒙啓発する事業C@〜Bを実施する為の指導者を養成する事業を行うこととしています。事業対象地区は、室戸市、四万十市、いの町ということで検討されているようですが、この取組の広がりが、虐待は予防できるということへの行政の取組につながればと思います。
 昨年度に県中央、幡多の両児童相談所に寄せられた児童虐待相談は計302件で、うち虐待認定は184件に上り、ともに過去最多だったことが、これまでにも報告されていますが、こどもたちの声に出来ないかもしれない悲鳴を少しでもなくすための一つの拠点になればと思います。

6月20日「浜窪章さんを偲んで」

 昨年11月12日午前5時50分、肺がんのためあまりに早く逝ってしまった前自治労高知県本部委員長浜窪章さんを偲ぶ会が、昨晩開催されました。生前の人柄と功績を偲び、200人を越す旧知の間柄の仲間が集まりました。
 会場には、生前の笑顔の写真や県・自治体当局と対峙した交渉中の厳しい顔の写真やその足跡が展示されていました。開会にあたって、その一生を追ったスライド上映に30年間のお付き合いの一コマ一コマが思い出され、涙してしまいました。酒と人をこよなく愛した浜窪さんを偲ぶ宴は、室戸出身の故人の十八番だった「おいらの船は300トン」をみんなで大合唱し、最後は生前に録音されていた浜窪さんの音頭で「団結ガンバロー」、その遺志を継いでいくことを確認しあいました。
 私は、今でも時々、浜窪さんだったらどう判断するだろうかと思いながら、判断することがありますが、普通に働く者や弱い者が大切にされる社会の実現を目指していた浜窪さんの遺志は参会者の心に生き続けることだと思います。


6月19日「残留孤児はまだ闘い続けなければならないのか」

 これまで、私はこのホームページで中国残留孤児の国家賠償訴訟に関して、和解する一昨年まで随分と報告してきたが、裁判も政治的決着のもとで和解し、昨年1月に施行された改正帰国者支援法で、中国残留孤児の暮らしがかわり、彼・彼女らに笑顔が少しでも戻るのではないかと思っていました。
 ところが、今朝の高知新聞を見て、びっくり。国の棄民政策の犠牲で、「生活保護を受けざるを得なかったときの、窮屈さから脱することも含めて」国民年金は満額にあたる月額6万6000円を支給し、月額最大8万円の生活支援給付金が上乗せされ、自由に使えることとなっていたのに、生活保護とほぼ同様の「収入申告書」が求められようとしています。「高知県中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律施行細則」でも、第27条に「この規則に規定する書類の様式は、生活保護法施行細則(昭和53年高知県規則第33号)に規定する様式の例による。」となっており、全国何処でも、結局国に習えとなっているのではないでしょうか。だとしたら、何のための決着だったのか、改めて、また、全国的な闘いを組織しなければならないのかと考えたりしています。
 是正を求めている孤児たちに対して、中核市である高知市は今日どのように説明するのだろうか。

6月18日「学校耐震化は四川に学べ」
 先日、RKCホールで開催された、李広宏さんのコンサートに出かけました。とても聴き応えのある素晴らしいコンサートでほぼ満席でした。中国蘇州生まれのこの歌手を知ったのは、旧満州で生まれ育ち戦後帰国した母の紹介でした。そして、最近はマスコミを通じて、紹介される「千の風 四川へ渡る」という記事でした。
 李さんは、日本と中国を歌でつなぎ日中文化交流を積極的に進める役割を果たされています。昨年5月、母国中国の四川省で発生した大地震の大きな被害、特に多数の小さな子どもたちが犠牲になっていることに強く胸を痛めて、日本での義援金を募り、激励のTシャツや子どもたちへのプレゼントの学用品、そして「千の風になって」をたずさえて、四川の被災地へ飛び、被災地各地で激励のコンサートを展開する中、多くの級友や家族を失ってもなお学校に戻りたい、勉強したいと願う子供たちに強く心を打たれ、学校をプレゼントすることを決意、義援金と私財をなげうって四川に学校を建設する取組みをされています。
 高知コンサートの翌々日、文部科学省が公表した耐震改修状況調査(4月1日現在)で、県内の公立小中学校の耐震化率は約55%で全国41位、県立高校は約56%で35位と、いずれも全国平均を下回っていたことが明らかになりました。そして、幼稚園の耐震化率は53・8%で30位、特別支援学校は73・8%で34位だったとのことです。
 今、政府は「スクール・ニューディール」と称して、全公立学校に対しての、地上波デジタルテレビの配置や太陽光発電のためのソーラーパネルの設置増設といったエコ改修、既存校舎の耐震化、IT環境の整備を進めようとしています。何でも「ニューディール」を冠すれば良いものではないが、学校に予算を投じることは必要だと思います。問題は、何を優先するかです。当然、既存校舎の耐震化を最優先として、なおかつ、自治体の財政状況によって格差が出ないような措置が講じられてしかるべきです。約2万人の生徒たちの命を失い、学校を失い、勉強する場所を心から求めている子どもたちがたくさんいるという四川大地震の教訓の一つでも地震国日本は学ぶべきではないでしょうか。
 李さんはコンサートでも紹介されていましたが、四川で高知出身の女性が、李さんの活動を支えておられるとのことです。そんなことも紹介された中国四川大地震記録映画「風を感じて」が完成したとのことで、高知でも上映会が出来ればと密かに思っているところです。

6月17日「PFIに対する検証・評価の作業はきちんと」

 昨日、企業団議会終了後にSPC・間渕社長が事務局前の会議室で記者会見に臨んでいたので、どのようなことを言っているのか関心はあったが、今朝の新聞を見る限り、このような事態に至った本質は避けて通っているのではと感じたところです。
 個人的見解として、「官も民も互いに詰めるべきことを詰めないまま走り出してしまったのが一番の原因」(高知新聞)と言われているが、「詰めないままに走り出した」際にオリックス宮内CEOが開院セレモニーで、「開院後の試行錯誤は許されない」「初日から満足してもらう」と自信満々に豪語していたことをどう捉えているのか聞いてみたいものです。
 また、「医業収益は伸びており、時間をかければ(黒字化の)自信はあるが、短期の成果は求められると難しい」(朝日新聞)「コスト削減ばかりでなく、増収対策にもっと早く目を向けるべきだった」「08年度後半は前半に比べ、月額1億円程度の増収効果が現れている」(高知新聞)と述べているが、そこまで言うならSPCが増収にどれだけ寄与していたのか、そのことで医業収益の伸びと相関関係にある材料費比率の抑制可能見通しについても根拠を明示して述べていただきたいと思いました。
 私は、やはり長期・一括の運営PFIに当初から問題があったと思わざるをえないのです。昨年、ある講演で、京都大学医学部長瀬准教授が述べられた「民間事業者は、自社の利益を最大化することが目的で、病院の利益を最大化することとなっていない」「PFIには診療活動を直接活性化させるスキームはない」などという指摘は、これまでSPCの決算に見られる医療センター決算との矛盾について指摘し続けてきたことからも、避けられないものと考えています。いくら口で「協働」の関係と言っても、間渕社長が常に口にしていた「株主様」最優先の経営方針と「患者・県民」最優先の運営方針でなければならない企業団では、「協働」の関係は築くことは無理だったのではないかと思わざるをえません。
 いずれにしてもPFIに対する検証・評価の作業はきちんと行われるべきだと考えます。そして、黒字転換ばかりが議論されてきた事への懸念として、地域の高度医療機能を果たす公的病院の役割の重視も忘れないで新しいスタートが切れたらと思っています。はからずも、企業団議会の副議長に就任致しましたので、来年4月のリ・スタートに向けて県民の皆さんが求める医療センターへとしっかり注視していきたいと思います。

6月16日−2「合意によるPFI事業契約の終了へ一歩」

 午前10時からの病院企業団議会は、企業長の挨拶で一気に、結論に達しました。詳細は、下囲みにあるとおりですが、今回のケースが、既にPFI解除をしている近江八幡と違うのは、SPCからの申し出ということで、その意味では、専門部会で解約前提の基本事項を協議し、9月に向けて基本合意に至る過程で、県民負担をより軽減しながらの協議を図ることが肝要ではなかろうかと思います。
 さまざま議員からの意見は出されましたが、私からは@9月に向けた基本合意とその後の詳細合意に至る過程で、節目節目に議会に報告すること。A来年4月からの新体制によるスタートがスムーズに移行できるよう内部の協議も並行して進めて頂きたい。その過程では、何よりも企業長が言うように「医療現場への影響が出ないように、さらに県民・市民の皆様に不安を与えないように細心の注意を払って」頂きたいこと。B今後の専門部会での議論で、経営改善の見通しが、解約後に想定される体制で行うことと比較可能な試算を明らかにすること。C包括委託から個別委託に移行する際に、協力企業に働く県内労働者の継続雇用の課題なども協議の念頭に置いて欲しい。などを申し入れました。
 いずれにしても、現時点では「合意によるPFI事業契約の終了」を議題として協議することのスタート地点に立ったばかりで、今後の協議の中で合意に至るかどうかは、企業長が言うように「条件次第」ということになると思われます。これからの協議の中で、割賦金の一括返済に伴う手数料や保証金など金銭的なものが主になるかもしれないが、さまざまな条件が出し合われての協議となります。
 これまで企業団が経営改善についてSPCに協力要請を行ってきたことに対して、ゼロ回答だったのが、一転、短期間での経営改善協力方法として最もドラスティックな方法を選択したのは、企業長が言うような、「知事・市長が出向いたこと」が真のターニングポイントではなく、「短期間での経営改善協力方法として最もドラスティックな方法」を大義名分とする「オリックス自らの本体の存続」を選択したのではないかと勝手に思ったりしています。
 今日は、企業長も言葉を濁していた「PFI運営手法の評価」も、今後の大きな課題となってくると思います。

企業長提案説明より抜粋
 まず、今回の議案の説明に先立ち、高知医療センターの経営改善の取り組み状況について、報告させていただきます。
 これまで、当医療センターの経営改善については、本年1月20日、県知事・高知市長がオリックス社を訪問して以降、PFI事業の根本に立ち返って協議を進めることとし、経営企画協議会の場で議論を進めてきました。
 企業団からは、一つには、医療センターの経営改善をどう進めるか、二つには、PFI事業のあり方、その中でVFMの発生について、SPCからは、適正材料費についてをテーマに協議を重ねてきました。
 21年度にいり、3回の論議を踏まえ、6月8日に開催した第4回経営企画協議会において、SPCから新たな提案がありましたので、そのことについて報告いたします。
 SPCとしては、医療センターの経営に寄与したいと考え、これまでの企業団からの材料費や委託料の削減提案を踏まえ、内部で検討を重ねてきたとのことです。その結果、23年度の経常収支黒字化に貢献するほどの削減効果を短期間にあげることは困難であるとの結論に至ったとのことです。
 また、SPCとして医療センターの経営改善にどういう形で協力ができるかを検討した結果、SPC自体のリストラ、縮小化もあるが、短期間で経営改善が必要であれば、もっとドラスチックな方法として、SPCが業務を離れることによって、諸経費の削減を行なうことも一つの方法ではないかと判断したとの説明かありました。
 そこで今後の経営企画協議会では、医療センターの早期の経営改善につながる一つの方法として、「合意によるPFI事業契約の終了」を議題として協議をしたい旨提案があったところです。
 これまで企業団からは、PFI事業でSPCに支払う諸経費を含めれば、公共が行なうよりも割高となっていると指摘してきており、SPCが、材料費や委託料を直ちに削減することが困難であるとする以上「合意によるPFI事業契約の終了」も選択肢の一つと考えています。
 今回の提案は、SPCとして経営改善に協力したいとして提案されたものであり、経営改善が喫緊の課題で大幅な経費削減に取り組まなければならない当医療センターとしては、「合意によるPFI事業契約の終了」は、経営改善につながる具体的な一歩を踏み出せることになるものと判断し、構成団体の県・市とも相談した結果、協議のテーブルにつくことといたしました。
 合意できるかどうかは、当然のことながら条件次第ですが、今後は、この協議は経営企画協議会の専門部会で行なうこととし、秋ごろを目途に基本合意が得られるよう、また、来年4月を目標に直営化、包括委託契約から個別委託契約に移行できるように進めていきたいと考えています。
 また、今後の協議に当たっては、医療現場への影響が出ないように、さらに県民・市民の皆様に不安を与えないように細心の注意を払って進めてまいらなければならないと考えています。
6月16日「来るべき時が来たPFI」

 昨夕から今朝にかけてのマスコミ報道で、いよいよ来るべき時が来たという感じを受けています。医療センターの経営改善についての協議が重ねられてきた経営企画協議会であったが、6月8日の第4回経営企画協議会の場で、遂にSPC(オリックスを中心とした特定目的会社)からPFI契約の終了に向けて協議したいとの申し出があったとのことです。結局、この間続けられてきた企業団からの経費削減の協力要請に対して、要請自体が不当かのように開き直っていたSPCも、これ以上、材料費、委託費の圧縮ができないとのことから、契約解消しか経営改善の選択肢はないと判断したのかもしれません。いずれにしても、そのへんの詳細は今日の企業団議会で報告され、議論されることになります。
 議会終了後、また、ご報告したいと思います。

6月15日「現実的かつ相互尊重の立場で」

 13日に、高知県日朝友好促進協会の再建を図るということで、新たな体制で「高知県日朝友好・国交正常化促進会議」を発足させました。これまでは、「朝鮮半島をとりまく軍事的緊張を緩和し、朝鮮民族の自主的平和統一を支持し、朝鮮人民との友好連帯を促進することによって、アジアと世界の平和に寄与する」ことを基本目的としていた県日朝を再編し、名称を「高知県日朝友好・国交正常化促進会議」に変更し、この基本目的に、「日朝国交正常化交渉の再開をはかり、平壌宣言に基づいて、隣国であり、植民地支配により多大な被害を及ぼした共和国と世界で唯一国交がないという異常な事態の克服を目指す」ことを加えて、今後の活動を行っていくこととします。
 総会終了後、「日朝国交正常化を求める高知県集会」では、立教大学経済学部石坂浩一准教授から「朝鮮半島情勢と日朝国交正常化の課題」と題して、朝鮮の強硬姿勢に対する、米国の無視政策、そして、軍事的危機へと推移する「米朝関係の緊張と問題点」について。さらに、「北朝鮮の変化」などからも「米朝が力で攻防するのではなく、対話の場をつくることこそが、軍事的選択肢を現実のものにしないことになる。」と話されました。また、「日本の対朝鮮半島政策の方向」として、「具体的交渉よりも圧迫重視で現実的解決よりも脅威の強調が繰り返されていることや、軍事化と改憲に利用されている『拉致問題に対する政策』や『歴史的責任の無視』を見直すことが必要となっている。日朝平壌宣言にもとづき、基本的な正常化の枠組みを踏まえた日朝基本条約締結まで進めた上で、日朝間の懸案を具体的に解決していくことが求められている」との提起がされました。
 我々も、これを機会に、事実を正しく捉えながら、現実的かつ相互尊重の立場で、平和と人権の声を挙げていくことを取り組んでいくことが必要となっています。

6月14日「プロレスラーの死」

 熟睡していた私の携帯に午前0時過ぎ、息子から電話が入り「お父さん、三沢が死んだと」と言われ、寝ぼけていた私は「何言いゆうがで」「本当ちゃあ。バックドロップで」それ以上は話さなかったが、あの受け身のうまい三沢選手がバックドロップでとは俄に信じられませんでした。しかし、朝の4時からのニュースで、各番組が伝え始めて、信じがたいが受け止めざるを得ないと腹をくくった次第です。
 今朝は、プロレス好きの私としては、このことについて触れるしかありません。
 昨夜、午後8時半ごろ、プロレスリング・ノア広島大会で、試合中にノア社長でプロレスラーの三沢光晴さん(46)が倒れ、心肺停止状態で救急搬送された広島大学病院で10時10分に死亡が確認されたとのことです。
 ネット情報などで確認してみると、一度バックドロップを受けた際に脳震盪のような状況だったというが、さらに試合を続行して次のバックドロップの受け身を取れずに身体がくの字に曲がったような状態で、頭部を強打してそのまま起きあがれなくなり、リング上で心肺停止に陥ったとのことです。
 最近の三沢選手の疲労やダメージの蓄積は、観ている我々にとっても明かなほどであったにも関わらず、昨晩の試合はGHCヘビー・タッグタイトルマッチということもあって、無理をした面もあったのではないでしょうか。
 三沢選手はプロレスリング・ノアの社長としても、選手の健康管理を常々言っており、数多いプロレス団体の中でも、健診システムが最も整っていたのに、自らが先に逝ってしまうこととなったのは、無念でならないと思います。ある人はブロクで、この4月に日本テレビのノア中継の地上波放送が打ち切りになったころから、相当疲労度が強まっていたようだと言われていますが、昨年秋以降の経済危機によるテレビ局の番組大改編の影響も社長業の三沢選手を追い込んでいたのかもしれません。
 今、アメリカ映画で「レスラー」というミッキー・ローク主演のベネチア国際映画祭の金獅子賞を受賞した秀作が評判を呼んでいますが、ここで描かれるアメリカンプロレスとは違う日本プロレスのシリアスさが、今回の事故を招くところまでレスラーを追いつめているのではないかと感じているところです。
 私にとってはジャイアント馬場さん、ジャンボ鶴田さんに続くプロレス選手のショッキングな死となってしまいました。
 ご冥福をお祈りします。

6月13日「『制裁』と『反発』の連鎖でいいのか」

 日本時間の13日午前1時、国連安全保障理事会は、朝鮮民主主義人民共和国の核問題について公式会合を開き、2度目の地下核実験を実施した朝鮮民主主義人民共和国に新たな制裁を科す決議を全会一致で採択したことが報じられています。
 決議は、核実験を過去の決議違反であると明記したうえで「最も強い表現」で非難し、朝鮮民主主義人民共和国に核実験や弾道ミサイル技術を使った「いかなる発射」も行わないよう要求し、6者協議への即時無条件復帰を呼びかけています。また、追加的な制裁措置としては、公海上の船舶など朝鮮民主主義人民共和国に出入りする貨物検査の強化や新たな金融制裁、武器禁輸の対象拡大も盛り込んだもので、日本の高須国連大使は「強く、実効的な措置を含む重要な決議が全会一致で採択された」と歓迎しています。
 しかし、このことによって朝鮮民主主義人民共和国は反発し、朝鮮半島を巡る緊張状態は、一層高まることは明白です。「制裁」と「反発」の連鎖によって、事態は臨まない方向へと転じています。
 そんな状況の真っ只中となってしまいましたが、私たちは本日12時半から「日朝友好促進協会『再建』総会」を開催するとともに、14時からは「日朝国交正常化を求める高知県集会」を開催致します。集会では、日朝問題に詳しい立教大学経済学部石坂浩一准教授を招き、「朝鮮半島情勢と日朝国交正常化の展望と課題」と題した講演を頂きます。
 今のような情勢だからこそ、「何が事実なのか」事実を事実として捉え、その背景も見据え、緊張関係を緩和させていくために何ができるのか、しっかりと学びあっていきたいと思っています。

6月12日「西武跡地の再開発事業完全撤退」

 昨年の8月5日のこのコーナーで「高知西武跡地の再開発計画が、白紙撤回されること」について触れています。
 そして、昨日は大阪の不動産開発会社「オーナーズ・ブレーン」が県と高知市を訪れ、正式に計画の断念を伝えたとのニュースが駆け巡りました。「事業を撤退」した上で、「今後の土地の活用について提案があるすべての企業の話を聞いた上で、土地の売却を進めていく方針」とのことですが、売却先によっては中心市街地の活性化への影響が大きいだけに、県・市そして県民が知恵を出し合ってその売却先を誘導するぐらいの熱意が必要になってくるのではないでしょうか。
 昨年のこのコーナーの記事を「そんな素敵な構想だったら、資金は何とかしますよという人が現れそうな素敵な構想を県民の智慧と力で描きたいものです。」と結んでいますが、できるだけ早くそうしたいものです。もし、短期間で結論が出ないのであれば、龍馬出会い博の間だけでも何とか活用方法はないものかと思っています。
 ところで、人間ドックの方は何とか「合格」かというところです。多くの数値が7年前より少しずつ改善していましたし、初めて受けた脳ドックも大丈夫とのことで、一安心です。しかし、血圧が上がっていますので、これは気をつけなければと思っています。脳ドックの問診の中で、長期間多量の喫煙をされた方の脳の写真を見せて頂いて、お話しを聴きましたが、やはり喫煙の怖さを実感できます。私は、3年前に完全に止めたのですが、医師からは「20年ほど喫煙していたと言っても、少量だったせいか全然大丈夫です。早く止めて良かったですよ。」と言われました。愛煙家のみなさま。一度脳ドックを受けてみたらどうでしょう。

6月11日「ドクターヘリ」

 一昨晩、傍聴したかったのですが、所用のため出席できなかった第一回高知県ドクターヘリ導入検討委員会が開催されたので、資料だけは頂きました。
 高知県では救急患者の搬送先が遠い場合、県の防災ヘリを活用しています。しかし、この間、防災ヘリも防災活動時や整備点検期間などは使用できずに、県警ヘリや四国の他県の防災ヘリを使用することも多く、ドクターヘリの導入の検討が求められてきました。但し、ドクターヘリの導入には、年間8500万円の経費がかかることや、救急医や看護師といった医療スタッフを新たに確保しなければならないという課題もあります。
 本県の場合、防災ヘリによる救急搬送件数は高知医療センターの開院後飛躍的に伸び、07年度は235件となり、一機当たりの全国平均44.6件や四国の他県と比較しても、突出した件数となっています。このことなどからも、四国四県での共同運航などにも課題は多いとのことです。
 委員会ではドクターヘリ導入の必要性を判断する際の参考にするため、高知県内でドクターヘリによる患者搬送の需要がどれくらいあるのか消防と医療機関が調査し、そのデータなどを基に導入の必要性について、今年10月にも導入の必要性を判断し、中間まとめ報告案が出されることとなります。
 県によると、ドクターヘリは現在16の道府県で18機が導入されているとのことです。
 一昨日も高知医療センターで業務概要調査を行った際には、ヘリポートの見学もしましたが、新たに東部の拠点病院として新安芸病院にヘリポートが整備されるとすれば、ますますドクターヘリの必要性も高まることとなるかもしれません。
 今から7年ぶりの人間ドックに入ってきます。梅雨入りしたばかりですが、検査結果は晴れマークでありますように。


6月10日「梅雨入り」

 昨日、四国もようやく梅雨入りしたとのこと。7日の日曜日中央公園で「水道週間」のイベント(写真)が行われていましたので、各ブースを覗き、水道局の方と話したとき「今週雨が降らんかったら、いよいよ厳しいね。けんどもうじき梅雨にはいると思うき。」と言われてましたので、昨日の宣言に一安心です。農業従事者の方々にとっては本当に恵の雨となることでしょう。
 しかし、昨年も、恵みの雨や慈雨が突如一変して、豪雨となって、尊い命まで奪ってしまうこともありました。一時間に50o以上のいわゆるゲリラ豪雨(局地的短時間豪雨)の多発には心配してしまいます。
 昨年の主だったゲリラ豪雨で東京都大田区呑川で作業員が死亡、兵庫県神戸市都賀川では児童3人を含む5人が死亡、東京都豊島区雑司ヶ谷幹線で作業員5人が死亡、栃木県鹿沼市東北自動車道下の市道で女性が死亡と7月8日から8月16日の間の約一ヶ月間で、12人も亡くなっています。自然の変化に注意する謙虚さが、失われているのかもしれません。(紫陽花の写真は事務所前の青柳公園を彩っているものです。)
 昨日は文化厚生委員会の業務概要調査の最終日、昨年誤嚥事故で入所者を亡くしてしまった南海学園のその後の措置について聞き取った後、中央東福祉保健所などを訪ね、最後は高知医療センターで終えました。医療センターは、調査すればするほどいろんな質問が飛び出すので収拾がつきませんが、私としては、来週16日の企業団議会で納得いくまで質疑することを通告して終えました。
 業務概要調査を通じて、感じたことなどについて改めて取りまとめてみたいと思っています。

6月9日「心の病」

 今朝の高知新聞1面に「心の病労災認定269人」の見出しで、3年連続で過去最悪だったことが報じられています。
 過労が原因でのうつ病などの心の病にかかり2008年度に労災認定され、そのうち未遂を含む自殺の認定は66人で、前年度より15人減ったが、過去2番目に多かったとのことです。
 厚労省は「依然として働く人の職場環境が厳しい状態にあることが反映されている」としているとのことですが、当初労災と認められず、審査請求や訴訟で認定される事例が増えていることも判明しており、いかに「労災認定」に至ることが困難かと言えると思います。
 この記事を見ながら、25年ほど前、私も県職員の仕事中における突然死の公務災害認定に関わったときの資料づくりの困難さを思い出したところです。過労死という言葉がまだ一般化されていない頃ではありましたが、私たちは仕事の過重性に起因する突然死の取り組みを「畳の上で死んでも労災は労災」といって全国の闘いと連携しながら取り組んでいましたが、刑事、行政、民事裁判の事例などの積み重ねの中で、労災の認定基準などが改正されて、より顕在化することとなりました。
 しかし、「心の病」などの認定の困難さは当事者や家族を苦しめ続けています。そんな状況の中で、自治体に対して国による病気休暇の見直しなどが強められているということは、仕事と労働災害の関係は、逆戻りするのではないかと心配しています。
 昨年度の県庁職員の長期病休者のうち「心の病」で休まれている方が、54%と半数以上を占めていることなどからも、もっと深刻に仕事と労働災害の関係を見つめ直さなければならないと思います。

6月8日「夢階段」

 先日同級生の建築士に県庁でばったり会い、いろいろと話をするうちに、写真の「ムービングリフター (仮称)夢階段」についての話を聞いたので、早速試作品を展示してあるエコアス馬路村に出向いてきました。
 この「ムービングリフター (仮称)夢階段」は、「本県における危機状態にある建設業界を心配した時、まず建築の基本である住宅に目を向け色々と模索する中、「階段」に着目したとのことです。建築の歴史から言っても「階段」は固定しておかなければならない物ということに対して、住宅において「動く階段」は出来ないか?という発想」で生まれたとのことです。試行錯誤を繰り返し、何とか試作品を製作することが出来たとのことですが、昇降動作をしない時はあくまでも普通階段ですが、高齢社会が進行し、障害者や介護を必要とする人に対して在宅での支援が進められる中、この階段はまさに「夢階段」となるかもしれません。
 写真では分かりにくいかもしれませんが、右側の写真にあるように、一つずつ上がって上段と同じ高さになったところで水平移動して、次の段にあがることになります。しかも、県産材を利用することが基本となっていますので、産業振興計画の中でも、着目されてしかるべきではないかと思ったところです。
 この「ムービングリフター (仮称)夢階段」の持つ目標は次の5点であり、期待を大きくしたところです。この発想と商品が高知発のものとして、全国展開されることを願うものです。
1 電動リフターを階段に組み込むことにより、利用者の昇降負担を軽減する。
2 使用対象者は、膝に疾患のある人、ハンディキャップをもった方、腰痛(ヘルニア等)を持った人、健常者であっても突然の事故等で怪我した時、荷物を持ったまま階段を使うときなど、いわゆるユニバーサルデザインであること。
3 県産材の集成材(桧・杉)を使用することで木材業界も活性化を図る。
4 この装置をユニット化し、高知県より全国展開を試みる(雇用促進)。
5 安全性の確保に重点を置く。

6月7日「大学改革の本質論は」

 池キャンパスの整備計画が進行し、2年後の男女共学化が決まるというこの時期、「高知県立大学の未来を考える教員有志の会」の主催で「県立大学問題を考える公開シンポジウム『どうなる・どうする高知県立大学!』」が昨日、女子大永国寺キャンパスで開催されました。
 プログラムとしては(1)県立大学をめぐる近況報告(2)私たちの『提言−私たちが期待する大学づくり−』の説明(3)パネリストに松ア淳子・高知女子大学名誉教授、青木晴男・高知女子大学文化学部教授、細居俊明・高知短期大学教授、山下正寿・幡多地域大学推進協議会事務局長を迎え、田中きよむ・教員有志の会代表世話人(高知女子大学社会福祉学部)の司会で、シンポジウム「どうなる・どうする高知県立大学!」が行われました。
 現役・退職教員からなる「高知県立大学の未来を考える教員有志の会」によって3月に改革ビジョン『県立高知女子大学・高知短期大学の改革に関する提言−私たちが期待する大学づくり−』が明らかにされていましたが、これは内発的な大学づくりを求めて、県民にとって望ましい大学のトータルデザインとして取りまとめられたものということも報告されました。
 今回のシンポを聞いていても、県立大学改革の方向性やあり方については、「県立大学改革にかかる永国寺キャンパス検討会」でも議論されていますが、どうしても県の大学改革議論のあり方には常に不協和音がつきまとっている感じがします。
 それは、大学の本質議論が欠落したまま、「当面の改革」議論に終始しているからではないかと思われるからです。「有志の会」が指摘するように、「永国寺を中心とする大学改革の全体像が不明確なまま、健康栄養学科の移転と学部昇格、生活科学部二学科の学生募集停止、共学化などが決められてきた。しかし、永国寺キャンパスはどうなるのか、新学部構想の実体は何か、既存学部や他大学との関係はどうなるのか、生活・文化の両学部はどうなるのか、短大はどうなるのか、というビジョンが見えないまま、部分的な決定がおこなわれている。」という経過は、どこかでまた破綻をきたすような気がしてなりません。
 昨日のシンポでも言われていた「大学自治」が形骸化し、行政主導で描かれた絵に向けての議論が粛々と重ねられるだけでは、技術論だけで着地点を決めた「改革」になりかねません。第4回永国寺キャンパス検討会資料からも、そのことが感じ取られます。検討会の中で、そのことに気づいている方はいないのでしょうか。誰かが声をあげることが求められているのではないでしょうか。そして、県民合意のもとで、「おらが大学」として光る大学を築き上げるために注視・参加していこうではありませんか。

6月6日「福祉は人」

 昨日の業務概要調査では、女性相談支援センター、中央児童相談所、希望が丘学園、県立歴史民俗資料館と訪問調査をしたが、歴史民俗資料館を除く3機関は、暴力・虐待・女性やこどもの自立支援など今深刻な状態にある女性やこどもに対する支援を講じている機関であり、その大変さが伝わってくるものでした。
 ある所属長が「福祉は人」と言われていましたが、まさにその人をどう育て、適材適所で配置し、その力を発揮できる組織運営を行っていくことが求められていると感じました。女性、親、こどもの持てる本来の力が発揮できる環境を整えることとそのための支援に頑張って欲しいものです。
 また、女性相談支援センターでは配偶者のDVから逃れるために住民票を移さず避難し定額給付金が受け取れない被害者に対して相当額をなどを支給することが、高知市や南国市、香美市、香南市などで6月定例会に補正予算が計上されようとしていることに対して質問したが、対応が抜かることのないように自治体に照会しながら証明するなどしていくことが報告されました。

6月5日「足利事件に見る自白の怖さ」

 一審も二審も最高裁も、DNA型鑑定と「自白」の方を信用して有罪とし、無期懲役の判決が確定していた足利事件にほぼ冤罪の烙印が押されました。東京高裁が依頼した再鑑定の結果は一転して、犯人と菅家さんのDNA型は一致しないというもので、東京高検は、この結果が「無罪を言い渡すべき証拠に当たる可能性が高い」との意見書を東京高裁に出したとのことです。そして、菅家さんは逮捕から17年半ぶりに釈放されました。
 有罪率99%と言われる日本の裁判制度の中で、今の警察の捜査・取り調べ制度や検察との癒着、ヒラメ裁判官が大量生産される中で、今後もあっという冤罪事件が表面化することがあるのではないでしょうか。
 あまりに不備のある裁判員制度で、取り繕うことで、冤罪のトライアングルに善良な国民が巻き込まれるようなことがあってはならないと思います。
 昨日、日弁連会長の「菅家利和氏(足利事件)の釈放にあたって」という談話で「本件は、冤罪者であっても容易に自白に至る現実を改めて明白にしたものであり、取調べの全面可視化の要請は一層強まったというべきである。」と述べているように、自白の強制を防ぐための、取り調べの可視化の重要性が明らかにされています。
 一日も早い再審決定がされて、問題点の全容を明らかにすることが求められています。

6月4日「こどもも元気に」

 厚生労働省の発表によれば、08年の合計特殊出生率が1.37と3年連続で増加はしているものの、人口を維持できる水準2.07にはまだまだ遠く、少子化の流れに歯止めはかかっていないとのことです。人口の減少傾向は加速しており、減少幅は過去最大となっており、現在の水準の出生率が続けば、2世代後の人口は約4割、3世代後は3割にまで減ってしまうということで、人口減少が進む状況に変わりはありません。
  増加した要因として、うるう年で出生数が2年ぶりに増える見通しのほか、出産期の女性の数が減ったことが数値を押し上げ、07年までの景気回復で家計に余裕が生じたことなども出産の誘因になったとみられるとの分析もあります。これらが増加傾向の要因だとすれば、うるう年でないことや今の経済状況からすれば、今年は減少傾向に転じるということになるわけで、抜本的な支援策を講じない限り大きく転換することにはならないでしょう。選挙目当てのバラマキ支援策がいかに効果がないかはみなさん気づいていることと思います。
 本県も前年比で0.05ポイント改善し、1.36となっているが全国平均を連年で下回っているとともに、死亡や婚姻、出産を取り巻く指数はいずれもあまり芳しくない結果となっています。
 今、「こどもの貧困」が問題になっているとき、そのことを解消していく取り組みを急がなければならないという声をあげていかなければなりません。

6月3日「龍馬が元気」

 文化厚生委員会の業務概要調査も終盤を迎えていますが、昨日は県立坂本龍馬記念館、安芸福祉保健所、安芸病院、芸陽病院の調査を行いました。「龍馬伝」を控えて、県立坂本龍馬記念館の元気がよいのが印象的でした。というのも、例年5月は入館者の多い年ではあるが、今年ははじめて1ヶ月で2万人を突破したとのことです。最近5年間で最も多かった、土佐24万石博効果の06年の139、533人を上回る、年間15万人を超すペースだとのことです。特に、県外入館者でも従来から多い兵庫、大阪、広島、岡山、東京、福岡、神奈川などに加えて東北などからの増加が特徴的だったとのことで、ここにも高速1000円効果が現れているのではしないかとのことでした。昨日も平日の午前中でしたが、以前に入館したときなどより随分と多い感じを受けました。
 今年の事業計画も多彩で、来年につなげる意欲満々で、収蔵資料も充実させたいとの思いも強いものが感じられました。是非、この勢いで頑張って頂きたいものです。
 ところで、私が勝手に思ったのですが、復元した近江屋のセットには靴を脱げば、上がることが許可されていますが、ここで龍馬の衣装に着替えて「写真撮影も可」とかにしたら、少しぐらい手数料を取っても、利用者は結構いるのではないでしょうかね。

6月2日「現代日本の貧困と憲法25条」

 5月31日に、「年越し派遣村」で、名誉村長を務めた弁護士の宇都宮健児さんの「現代日本の貧困と憲法25条」と題した講演を聴く機会がありました。
 「年越し派遣村」から見えてきた貧困の背景や実態、自らがこのような支援の取り組みをするに至ったきっかけとなった多重債務の問題などに触れながら、今の日本に広がる貧困の実態を明らかにし、その貧困問題を解決するための当面の課題について、話されました。
 その中で現代の貧困の特徴として「関係の貧困」ということを述べられていました。氏もおっしゃっていましたが湯浅誠さんの著「反貧困」の中で言われる「ためがない」ということと通ずるものだが、経済的な貧困だけでなく「人間関係」「社会関係」が断ち切られていて孤立している人が多い中で、貧困から脱しきれないという問題があるということです。
 その意味でも反貧困の闘いは、人間関係や支え合いのできるネットワークを結んだり、貧困の可視化を図ることが必要となっているということを強調されているように思いました。また、25条を踏まえた憲法上の権利を実質化させる必要があり、反貧困の闘いが9条を守らせる闘いにもつながっていることを実感していることも述べられていました。

6月1日「政務調査費に対する説明責任」

 県議会における「政調査費」の昨年度分の収支報告書が公表されて、今朝の新聞で報道されていました。
 「政調査費」については、その透明化を図るために様々取り組んできたことは、これまでにもご報告してきたとおりですが、新たなマニュアルに沿って使途内容や領収書のすべてが公表されることになるのは、来年からで、今回の公表は旧基準に沿って行われています。しかし、証拠書類を整えていないと言うことではなくて、会派に保管しています。
 政務調査費は、県議会議員と県議会の各会派が、政策立案の調査や研究を行うための費用として、議員報酬とは別に支給されていて、年間の支給額は、議員1人に168万円、各会派に、所属議員1人あたり168万円となっています。私は、執行額は134万1千円で、二番目に少なく、昨年の22万3千円に引き続き今年は33万9千円を返還しました。また、会派の県民クラブも221万5千円を返還したところです。
 詳細は、こちらの新聞記事を参考にして下さい。
 なお、例年詳細な調査研究レポートを添付していると紹介頂いている私の活動実績報告はこちらからご覧下さい。
 今年は、すでに新たなマニュアルに沿って執行していますので、今まで以上に説明責任を果たすことが求められることになると思います。

5月31日「『捏造』は、ブレーキ痕だけでなく指紋も?」

 高知白バイ事件について、時々アクセスして情報を得ているブログ「高知白バイ事件=片岡晴彦収監中」で、WiLL7月号に「許すな警察のでっち上げ偽装工作」という記事が載っていることを知り、初めて購入しました。私が普段手にしている「世界」とか「週刊金曜日」などと真逆の編集方針だけに少し驚きながら読んでみました。
 記事では、事故から8ヶ月後に高知地検に呼び出された片岡さんに突然示された「証拠写真」そしてそこに映る「スリップ痕」一方的に下された「裁判の不思議」事故の起きた公道で繰り返されていた「追尾訓練」」そして国賠訴訟が始まる中で次々と新たになる事実など今までの経過と新しい事実が明らかにされています。
 しかし、このブログにも書かれているように「指紋捏造」のことは、驚くばかりです。
 まさに、この間ブログでも紹介されていましたが、事故の起きたその日の日付で作成し、提出された事故報告書や事件指揮簿にそって、「証拠」が整えられてきた感は否めず、新たな視点も付加されているように思えます。
 この間、この事件について継続して取り上げているKSBの最新特集がアップされていますが、その中にも関連することが報道されています。

5月30日「『100年に一度』に臆することのない議論を」

 昨日の臨時会で、知事・議員などの特別職、そして一般職の夏季一時金の支給率を一部凍結することについて、審議を行いました。
 私は第1号「高知県議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例及び知事等の給与、旅費に関する条例の一部を改正する条例議案」には賛成したものの、第2号「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例議案」については反対せざるをえませんでした。
 本会議で15分間の質問時間を頂き、今回の特別調査に基づく人事委員会勧告の異例さ、悪影響、問題点を踏まえて、県職員に対して敢えてこの時期に行う一時金支給月数一部凍結は、民間への引き下げ影響を及ぼすことや内需主導経済、消費拡大に水を差すこととなる懸念などからいくつかの点について質問をしましたが、十分理解できる説明と答弁は得られませんでした。
 質疑を通じて、人事委員長は、「県内動向を的確に示しているとは言い難い」という不精確な数値に基づかざるをえないために「総合的な判断」という言葉でお茶を濁し、人事委員会制度の形骸化をもたらしてしまう今回の勧告の正当性を強弁し続けていました。
 また、知事は、そのような労働基本権の代償措置としての機能を果たせていない信憑性のない勧告に対して、「100年に一度の危機」を錦の御旗として、5年間の給与カットの勧告逸脱措置は棚に上げて人事委員会勧告の基本的な尊重姿勢、民間への引き下げ圧力を懸念することのない姿勢に終始していました。
 国の職員における給与法の改正の際に衆・参両院とも決議した「一般職の職員の給与等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」に、「人事院の特別調査時点において夏季一時金が決定済である企業の割合が極めて低いことにかんがみ、今回の措置が今後決定される民間の夏季一時金を引き下げる圧力として働く本末転倒の結果を招くことのないよう、広く、今回の措置の経緯や趣旨の周知徹底に努めること。」そして「既に独自の給与削減措置を講じている団体も相当数に上ることにかんがみ、今回の措置に準ずる措置を一律に要請することはしないこと。」と附さなければならなかったことを考えれば、今回の措置がいかに異例であるかが分かるのではないでしょうか。
 私の「本県においても民間に影響を及ぼさないために、何らかの指示をすることは考えていないか。」という質問に対して、知事も何らかのメッセージを発することについての検討もしてみるとの回答はありましたので、その具体化は注視しておきたいと思います。
 いずれにしても、他県では、調査結果に精確性が担保されていないことや本来の調査で勧告することが適当であること、また給与カットの現状などを踏まえて特例勧告を見送ったところなどもあり、それぞれに主体性のある判断もされていますが、何らの本県独自の判断が示されなかったことは残念です。
 国も地方も「100年に一度の危機」を錦の御旗にした何でもありには、注意を払っておかないと後から「100年に一度のつけ」が綻びとなって表れるのではないかと心配します。

5月29日「いざ臨時議会へ」

 今日は、職員の一時金支給率の一時凍結などについて審議する臨時議会が開会されます。私は、「人事委員会勧告の在り方」が極めて異例であり、制度の根幹を揺るがすものとなっていること、そして、ひのようなルールを逸脱した「人事委員会勧告の実施」をすることの問題点などについて質問をさせていただくこととなっています。
 民間労働者へのマイナス影響、消費拡大への逆行、これまでにも給与カットが5年間も継続する中でさらに一時金の一部凍結がなされることのダメージなど問題点をあげたらきりがありません。
 質問は午後一時からとなりますが、塚地議員の後、私の質問は一時半頃になろうかと思います。機会があれば傍聴してみて下さい。
 昨日、一日平均の自殺者数の前月比増加率は高知県が全国で最も多いのではと報告しましたが、その後試算してみるとやはり全国一でした。下表は私の試算で、増加率の多い順に5県を並べてみました。

県名 増加率
高 知 50.30%
長 野 41.52%
群 馬 38.47%
岐 阜 35.63%
青 森 35.32%
5月28日「深刻な自殺者数」

 今朝の新聞には、 4月の自殺者は昨年同月比6.1%増の3027人で、2カ月連続で3000人を超えたことが27日、警察庁のまとめ(速報値)で分かったことが報じられています。1カ月に3000人以上自殺したのは、昨年は10月だけだったのが、今年は早くも2ヶ月連続となっており、さらに、1日平均の自殺者は100.9人で、月別統計を取り始めた昨年1月以降初めて100人を超えたということで、深刻さを浮き彫りにしているのではないでしょうか。
 1〜4月の累計は1万1236人で、今年も3万人を上回る勢いで増加傾向を示しています。
 本県はと言いますと、高知新聞にはさらりと32人とだけ書かれていますが、警察庁の詳しい資料から試算してみると、前月と比べて一日あたりの自殺者数が1.5倍に増えているということに驚いています。 時間がなくて詳細検証できませんが、これって全国で最も増加率が多いのではないでしょうか。年度末の影響が4月に出たのではと心配します。月別公表の始まった1月と比べると1.8倍の増加となっていますので、分析が急がれるのではないかと思います。

5月27日「頑張る県立文化施設」

 文化厚生委員会の業務概要調査も続いていますが、昨日調査で訪ねた県立文学館では、丁度「瀬戸内寂聴の世界」が開催されており、業務概要の調査の後で、会館内を案内して頂きました。学芸員の方の説明を聞きながら観ていくとさまざまな発見があって、改めてじっくりと鑑賞してみたいと思います。
 先日は、県立美術館にも調査で訪問しましたが、本県の文化施設は厳しい状況の中でも随分と頑張っていることを実感できます。それぞれの施設の中で、学芸員のみなさんも限られた予算の中で、どれだけ作品と入館者のみなさんとの出会いを大切にし、そして、その出会いを新たな出会いに拡げていくことができるのかと頑張っておられるのがひしひしと伝わってきます。
 高知県文化財団では、指定管理者ということで、これらの施設以外にも歴史民俗資料館埋蔵文化財センター、坂本龍馬記念館、県民文化ホール の管理運営を行っていますが、県からの委託費が年々削減される中で、厳しい運営が強いられており、より良質のサービスを提供することと日々向きあいながらの取り組みに、日常の入館・利用で応援してあげて頂きたいと思います。
 夜は夜で、第13回日中友好書道交流展のため来高された中国安徽省の書家のみなさんの歓迎レセプションで、日中の文化交流の場に出席させて頂くなど文化について考えさせられた一日でした。
 明日も文化厚生委員会の業務概要調査がありますので、昨日報告しました臨時議会の質問については、今日中に何とか仕上げておきたいと思います。

5月26日「公務員の一時金一部凍結は民間相場の引き下げに」

 県は、極めて異例の人事委員会勧告に沿って夏季一時金の0・175カ月分を暫定的に凍結し減額する「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例議案」を29日の臨時議会に提出することを決めました。
 今回の人事委員会勧告による一時金凍結勧告は、本来、民間企業の前年末と当年夏の支給実績を調査し、それとの比較で総額を決めるという人事委員会勧告の仕組みを全く逸脱したものです。秋に行われる通常の勧告では、年末の一時金にまとめて反映させるやり方をとっているわけで、民間の夏季一時金の減額は公務員にも6カ月後に反映されることになっているのです。
 それを今回のように、約15%の企業回答しか出されていない中で、無理矢理6月30日支給の夏季一時金に間に合わせるために、凍結勧告・実施をすれば、残り85%の企業の一時金相場の引き下げを県が誘導することにもなってしまいます。
 G20(主要国金融サミット)での共同宣言では「とるべき措置」として「即効的な内需刺激の財政施策の活用」が掲げられており、政府は補正予算で15兆円もの経済対策を決めるなど国をあげて内需主導経済をめざしているのに、あまりに矛盾した一時金凍結は理解に苦しむところです。
 私たち議員などの特別職報酬の減額は、やむを得ないとしても、説得力を持たない根拠によって強行される職員の一部凍結議案については、慎重な審議を行うため、臨時議会での質問通告をしているところです。

5月25日「学校図書館の可能性は無限大」

 23日には、「学校図書館を考える会・高知」の発足を記念した「学校図書館の可能性∞―学ぶ力生きる力を育むみなもと―」と題した竹内さとるさん(図書館情報大学名誉教授)の講演を聴かせて頂きました。会場には県立図書館長やこども図書館の館長なども含めて学校図書館の拡充に期待される方などたくさん参加されていました。
 「学校図書館を考える会・高知」は、今後学校図書館の実態調査に着手するとともに、市民図書館との連携を深める活動や会報の発行、専任の学校司書配置を求める陳情などを取り組むこととなっているようです。
 講演では学校図書館の可能性や必要性、学校図書館の司書の果たす役割、教育と図書館など多岐にわたって聞かせて頂くと図書館や読書の果たす役割への期待が膨らむばかりでした。まさに、無限大の可能性を秘めた学校図書館が整ったとき、こどもたちが大きく成長するのではないかと思った次第です。
 私も、講師の言われた「本と人との関わりは一生」という言葉を肝に銘じて、本から学び続けたいと思います

5月23日「さえんバーガーで商店街の活性化を」


 声をかけていただいたので、「さえんバーガー」の試食会に行ってきました。すべての食材を菜園場商店街で調達し、できあがった「さえんバーガー」は上等に美味しかったというのが率直な感想です。試食に加わっていた方からは、食材の工夫、ラップの工夫などさまざまな名案、珍案が出されて、次の試食会への期待も膨らんでいます。ドリンクとのセットでワンコイン500円という事で、ドリンクも高知のお茶にこだわるという地元こだわりのB級グルメとしてデビューされるのが待たれます。

5月22日「新型インフルエンザの影響は県内観光にも」


 昨日は、業務概要調査で中央西福祉保健所、消防学校、福祉交流プラザ(写真右、福祉器具の説明をいただきました)、高知ハビリテーリングセンターを訪問し、聞き取り調査を行いました。消防大学校では、ほとんど貸し出しフル稼働の今年2月に更新購入した「起震車」がありましたので、体験乗車(写真左)をさせていただきました。最高の震度7も体験させて頂き、、できるだけ多くの県民に体験して頂きたいと思ったところですが、随分先まで貸し出し予約が入っているらしく、申し込み予約をお断りしているのが現状だそうです。
 夜は、土佐観光ガイドボランティア協会の総会後の懇親会に出席させて頂いて、いろんな意見を交わさせて頂きましたが、同席されていた旅館ホテル協同組合の方によると関西からの宿泊キャンセルが出始め、新型インフルエンザの影響が出ているとのことです。
 ちなみに、時事通信によると、国際観光旅館連盟が新型インフルエンザの影響で、18−20日に修学旅行などの宿泊キャンセル被害が近畿2府4県で約43億円に達したとの見方を示し、「近畿は以前と変わらず元気に頑張っている。ぜひ来てほしい」と冷静な対応を呼び掛けているとのことです。「新たな予約も止まっている。(影響は)近畿だけでなく全国に波及しつつあり、地方経済が死んでしまう」と懸念を表明したとのことで、それを裏付けるような話題で持ちきりでした。
 直ちにとはいかないかもしれませんが、適切な対応でできるだけ早い収束が図られればと思います。あまりに長引くようだと県内観光業界もダメージが大きくなるばかりかもしれません。 

5月21日「裁判員制度のスタートに思う」

 いよいよ今日から裁判員制度が始まります。
 国家権力を形作る立法、行政、司法の3権のうち、立法権と行政権は、不十分ではあっても曲がりなりに国民の意思が反映される「仕組み」が培われてきました。しかし、司法だけは、裁判官というプロの法律家のみによって担われてきました(一部検察審査会など例外はありますが)。そこに、国民の声が反映されると言う大変革期であるにも関わらず、あまり歓迎されないところに、この制度の矛盾や国民のまともな「市民感覚」が見え隠れしているのではないでしょうか。
 昨日の中日新聞には「裁判員を担う」というシリーズに、有罪率99.9%と言われる日本の裁判の中で、30件以上の事件で無罪を言い渡した元裁判官・木谷明法政大法科大学院教授の話が取り上げられています。
 無罪の想定をすることもなく有罪の判決文を書くことしか習ってこなかった、いわゆる「有罪判事」たちが拡大再生産されていることに、危機感をもって警鐘を鳴らしている元裁判官・木谷明氏は、「過去に起きた事件で、被告が犯人かどうかを決めるのは人間の能力を超えた行為。だから、必ず誤りが起きる」。その誤りで無実の人を罰することは、絶対に避けなければならないと強く思うと述べ、「どんな事件でも、検察は被告を犯人と思わせる証拠を出してくる。被告の弁解こそ真相ではないかという意識が、裁判員には大切だ」と言われています。
 しかし、その被告の「弁解」を「反省がない」「責任逃れ」と断じるプロの裁判官もいれば、そのように感じる「市民感覚」もあると思います。本来、被告の「弁解」に真実を見いだそうとして、耳を傾ける真摯な姿勢こそが必要であり、容疑者の自白にこだわり、それを記録した書面を重視する「調書裁判」を排することが求められているのではないでしょうか。そして、出来るだけ早く取り調べの可視化を図る必要があります。
 ちなみに、木谷氏が、無罪を言い渡した30件以上の事件で、高裁や最高裁で破棄されたことは一度もないとのことです。
 司法の現状が国民から信頼されるものになっていないにも関わらず、国民の「司法参加」を形式的に整えたとしても、問題の解決にはならないのではないかと裁判員制度のスタートにあたって感じるところです。

5月20日「人事委員会の勧告内容に疑問符」

 今年は、制度上異例の夏季一時金の一部凍結(△0.175月)という人事委員会勧告が5月14日に出され、県当局は、「勧告に沿って取り組みたい」としています。
 この勧告は、人事院・政府段階における極めて恣意的(政治介入)な動きに呼応したもので、人事委員会機能をないがしろにするものです。県内において緊急的に行った調査において、回答した企業のうち8割が一時金については未定であり、勧告内容の根拠からしても精確性を欠くものであり、人事委員会勧告の意義すら失いかねないものとなっています。
 他県では、すでに賃金カットを行っていることなどから勧告を行わないところもあり、本県においてこの勧告の実施が強行されれば、職員のモチベーションや地域経済への影響等も大きく、さらには今回の一部凍結によって民間の夏季一時金相場を形成するということにもなりかねず、極めて問題ありと言うところです。
 現在行われている五年連続の給与カットについて、職員組合が合意した段階では当然このようなことは想定されておらず、勧告の完全実施を金科玉条にした一部凍結を強行するのであれば、逆に勧告によらない給与カットについても凍結するぐらいの判断がなければ、整合性はとれないのではないかと考えるところです。
 なお、今回の一時金一部凍結により、一人あたりでは平均71,500円の削減で、中堅層のみなさんでは給与カット分と併せて15万円前後の削減額となり、生活や士気に及ぼす影響は大と言わざるをえません。
 6月1日を基準日とする一時金の条例改正を行うために、今月29日に臨時議会を開催するというバタバタぶりであるが、決してシャンシャンというわけにはいかないと思っています。

5月19日「新型インフルエンザへの予防を習慣化」

  昨夜半で、新型インフルエンザ感染者が大阪府と兵庫県で163人に達し、感染は急速に広がっていることが刻々と報道されています。その一方で、政府は「重症化する恐れは季節性のインフルエンザとほぼ同じ程度」とみて、政府の対策を緩める方向で検討されようとしています。
  そして、政府がとってきた水際作戦が、国内にはウイルスが入っていないという誤った安心感を与えてしまった可能性もあると言われていますが、キーワードとなった「渡航歴」が国内感染の発見を遅らせたことが、今回の神戸の高校生の感染確認に表れています。
  感染がわかったきっかけは12日、診療所を訪れた高校生の症状から念のためにと検査を依頼した神戸市開業医の機転だったが、渡航歴のない高校生の検査は後回しになり、新型と確認されたのは3日後になってしまったと言います。
  かなり広い範囲で国内感染は広がっているという想定で、自治体と医療機関の連携が図られることが求められています。そして、県民一人一人が個人で家庭でできる予防策をしっかりと身につけておきましょう。

新型インフルエンザの予防法は?

新型インフルエンザの予防には、通常のインフルエンザに対する下記のような取組を習慣づけておくことが重要です。


ヤフーの新型インフルエンザ対策関連情報から引用させて頂いています。

5月18日「白バイ事件国賠訴訟公判開始」

 先週15日には白バイと仁淀川町スクールバスの衝突事件の国賠訴訟の第一回公判が開かれました。私は委員会業務概要調査出張のため傍聴に行けませんでしたが、片岡晴彦さんを支援する会の方たちによると、一般傍聴席36に対して50名を超す傍聴希望者が駆けつけていたようです。予想以上の関心の高さに安堵するとともに、感謝もされていました。
 原告の刑事記録の取り寄せに地裁が同意するとともに、原告被告双方の準備書面の提出期限が7月15日に決定し、その後 裁判長が「双方の主張をじっくりと検討するため」「約1ヶ月後の8月11日に弁論準備手続」行うこととし、8月11日の弁論準備手続が終了後、口頭弁論ということになりますが、その間に県民の関心を高めていくことが求められることになると思います。詳しくはこちらから。
  ところで、新型インフルエンザの国内感染は兵庫・大阪を中心に広がりつつあり、心配の種は尽きませんが、行政と医療機関の迅速で的確な対応とお互いができる予防策を講じることしかないのではないかと思います。

5月17−2日「我が故郷のかつお祭り」


  毎年5月第三日曜日に中土佐町久礼で開催される「かつお祭り」は、雨が心配されましたが、開会セレモニーの前にはすっかり雨もあがり、恒例の鏡開きに参加させて頂きました。今年は記念すべき第20回でしたが、天候のせいか、少し参加者の出だしが遅かったようでした。来賓として出席されていた知事をはじめ行政関係者の方は、刻々増える新型インフルエンザ感染者のことを心配しながら、今後の県内観光に影響が出なければ良いがとの思いを共有していました。私は、高校の同級生でもある池田町長がつくってくれたタタキを美味しく頂いて、裏方で汗を流す同窓生や役場の職員の方たちと言葉を交わして、墓参りをしてから帰ってきました。JRの駅も、団体客も含めてたくさんの人で溢れかえっていましたが、このような賑わいが日常的であればと願うものです。

5月17日「新型インフルエンザが国内感染」

 ついに新型インフルエンザの国内感染が確認され、報道が相次ぎ、近畿圏を中心に、感染は複数の府県に広がっている恐れもあると言われています。ここで、政府が以前の桝添厚労相のようにヒステリックになるのではなく、今こそ正確な情報に基づく慎重な対応を取ることが求められているのではないでしょうか。

5月16日「避けられる死」

 2008年の自殺者数は3万2249人と11年連続で3万人を超えたことが、警察庁のまとめで公表されました。うち30代が前年比1.7%増の4850人で、1978年以降で最も多く、「就職失敗」「生活苦」など不況の影響が読み取れる原因・動機が大幅に増えたとされています。ところで、高知県は人口10万人当たりの自殺率では28.8人と全国17位まで下がり、前年比で−5.1ポイントと全国で最大の下落幅を示しています。しかし、前年が高水準の場合翌年は下がる傾向にありますので、決して安心できません。自殺予防情報センターも発足し、今まで以上に市町村、福祉保健所や民間団体との連携で「追い込まれた末の死」「避けられる死」から一人でも多くの命を救っていかなければなりません。そんな思いで、現在文化厚生委員会の出先機関業務概要調査において福祉保健所の取り組みについて要請をさせていただいています。
 いつも自殺に関する情報をメールで提供して下さる、NPO自殺対策支援センターライフリンクの清水康之代表からは、この結果から見える特徴として次のようなコメントが寄せられてきました。長くなりますが、参考のためご紹介しておきますのでご一読下さい。
NPO自殺対策支援センターライフリンクの清水康之
@時間軸的な特徴ですが、「10月」が年間を通して最も多い月でした。これは過去10年を遡ってみても例のないことです。9月のリーマンショックの影響もあり、そうなったと推察するのが自然でしょう。
A年齢構成的には、30代が過去最多となっています。しかも10代、20代も増加傾向にあります。中高年世代の自殺が依然として高止まりを続ける中で、若年世代の自殺も増え始めた。事態がより複雑かつ深刻になってきていると言わざるを得ません。
B要因的な特徴としては、「経済生活問題」の総数はほぼ変わらないのですが、その中身が変化しています。負債関連の項目については 11%減少しているのに対して、失業・就職失敗・生活苦の合計が18%も増加しているのです。
以上3つの特徴を踏まえて概観すると、
▼30代、つまり社会に出た時は就職氷河期だったために非正規として働かざるを得ない人が多い世代(それだけ生活の基盤が脆弱である世代)に、9月以降の世界同時不況の影響が最もシビアに直撃し、結果、失業して生活苦に陥り、再就職も果たせない中で生きる道を失って自殺に追い込まれていったのではないかと推測できます。
 そもそも30代というのは、内閣府が行った意識調査の中で「自殺を本気で考えたことがあるか」との問いに対いして「はい」と答えた割合が最も高かった「生きるモチベーションが脆弱な世代」です。社会的な問題の打撃を受けやすい土壌があったとも考えられます。
▼また、多重債務問題に対しては、グレーゾーン金利の撤廃や市区町村レベルでの相談窓口開設、民間による啓発などの対策が成果を出し始めた結果でしょうし、その一方で、「雇用対策」「生活支援」が現場にまでは十分に届いていない中でセーフティネットのほころびが生じ、そうした要因がきっかけとなって自殺に追い込まれる人が増えたのではないかとも思います。
◆◆
 しかし、いずれにしても、今回のデータは全国規模のものだけであり、地域レベルでの特徴はまったく見えてきません。これを基にして市区町村レベルで対策を取れと言われても、できるわけがありません。
 政府は、警察署単位で自殺実態を把握しているわけですから、自殺で亡くなった人たちが最後に残した「生きた証」を、これから同じような形で自殺に追い込まれる人を一人でも減らすために、最大限活用すべきです。「死から学ぶ」という謙虚な姿勢で、亡くなった人たちの存在を、せめて社会に還元すべきではないでしょうか。また要因についても、毎年「健康問題が●●%」「経済生活問題が●●%」といったような出し方をしていますが、もっと対策に役立てることを意識して、どういった要因と要因との組み合わせが多いのか、
 対策の連携に資する様な形でデータを出すべきです。これについても、すでに情報は政府が持っているわけですから。それにマスコミも、警察発表を真に受けてばかりいないで、もっと考えて報道すべきです。「健康問題がトップ」だなんて当然のこと。自殺は人の「いのち」に関わる問題で、そもそも健康問題でもあるのですから。(「病苦」とかが多いというのであれば分かりますが。)
◆◆
 自殺総合対策大綱には、「自殺は追い込まれた末の死である」とあります。またWHOは「自殺は避けられる死である」と言っています。追い込まれていく人を自殺から守ることはできるはずなのに、それが日本でできていないのは、対策の根拠となる形で自殺者統計が発表されていないために、戦略を立てることすらできていないからです。
 自殺へと追い込まれていく「いのち」を、一体いつまで見捨て続けるつもりなのか。一刻も早く、政府には市区町村単位で自殺のデータを公表し、いい加減に、対策の足を引っ張るのをやめてもらいたい。

5月14日「民主党代表選の空気」

  昨日は30度超えの日中、義母の急死で滞っていた「県政かわら版」の配布で回っていたところ、民主党の代表辞任劇に対する感想を熱く語って下さる女性と意見を交わしました。その後、感じたのは土曜日に強行される代表選。余程賢明な選択がされなかったら、政権交代の展望は閉ざされてしまうのではないかと感じました。今の党内の議論は「派閥の論理」が表面化してしまい、党の再生を本当に成し遂げようという感じの議論ではないような気がします。党の代表選ですから、自民党のような投票権のない国民にばかりアピールするイベント党首選挙の必要はないと思いますが、国会議員だけでなく、政権交代に期待する党員・サポーター・支持者の声を掴んだ判断が出来るかどうかにかかっているのではないでしょうか。別れ際にその女性から「坂本さんらも地域で一生懸命頑張りゆうがやき、ちゃんと言わないかんで」と言われて「すみません。私党員ではないもので。」と言ったものの、このような声があることだけは伝えておかなければと思ったところです。
  それにしても、暑い午後でした。しっかり汗をかいて、その後は社会保険東事務所へ行って、義母が受給していた年金の相談に出向きましたが、一時間待ちの混み具合でした。まだまだ、相談者が多い中で、窓口対応の職員のみなさんも大変だと思いますが、頑張って欲しいと思います。

5月13日「『自殺予防』『ひきこもり』支援に新たな一歩」

 これまで議会でも取り上げ、常に関心を待ち続けてきた「自殺」と「引きこもり」の課題が昨日一つの形になりました。
 自殺を考えている人、自殺未遂者及び自死遺族等を支援するための「自殺予防情報センター」と、ひきこもり、本人及び家族を支援するための「ひきこもり地域支援センター」が県立精神保健福祉センター内に設置され、両センターの開所が行われました。
 丁度その日に、文化厚生委員会の業務概要調査で、精神保健福祉センターを訪れ、山崎所長の説明・報告を頂きました。これまでも、「自殺予防やひきこもり対策を含めこころの健康」に関する相談事例が実数では約25%を占めていた中で、両センターが開所されたことで、さらに潜在的な相談が顕在化することも予想されます。今後の両センターに寄せられる情報や相談を丁寧に蓄積・分析することで今後の予防や支援策に役立てていただくように要請しました。今朝の高知新聞22面に詳しい記事が掲載されていますのでご覧下さい。
 それぞれのセンターの業務内容や受付時間は下記の通りです。
「自殺予防情報センター」
 【業務内容】
@自殺を考えるほどの悩みを抱えながらもどこに相談したらいいのか分からない人に対して、適切な相談窓口につなげるための情報の提供
A自殺予防や自死遺族の支援に携わる人の人材育成研修の実施
B自殺予防や自死遺族の支援についての情報発信
C保健医療や心理等の問題に対する専門相談の実施
 【電話番号】 088・821・4506
「ひきこもり地域支援センター」
 【業務内容】
@ひきこもり本人や家族からの電話、来所相談に応じ、適切な助言を行うとともに、相談内容に応じて、保健、福祉、医療、労働、教育などの適切な関係機関へつなぐ。
A家族サロン等の居場所づくりを行い、ひきこもり本人や家族へのサポート体制の充実を図る。
Bひきこもり本人や家族からの相談内容等に応じた支援を行うことができるよう、関係機関との連絡会議を実施する。
Cひきこもり支援に携わる人材の資質向上や地域住民等に対する研修会を開催する。
Dひきこもり支援のリーフレットを作成、配布し、普及啓発を図り、ひきこもり支援に係る情報発信を行う。
 【電話番号】 088・821・4508
 なお、いずれも「受付時間」は月〜金の8時30分〜17時30分(祝日、年末年始を除く)となっています。
 また、これまでにもお知らせしてきたひきこもり家族支援の「家族サロン」も4月からスタートしており、両輪で支援の一歩がスタートしたところです。

5月12日「新型インフルエンザの国内発生への対応策は?」

 昨日の文化厚生委員会で、新型インフルエンザの対応状況などについて危機管理部と健康政策部からの説明を受けました。
 新型インフルエンザが流行している国から入国し、健康監視の対象になっている人が、10日現在で県内に63人いるものの、全員、体調に異常はないとのことでした。また、9日感染が確認された方と同じ飛行機便に搭乗していた県内在住者1名についても、同様の健康監視を続けているとのことです。新型インフルエンザに関する県民からの相談件数も4月30日、5月1日の二日間で100件と多かったが、その後は10件/日程度にとどまっています。また、渡航歴などがない一般の発熱患者に対して、診察を拒否した医療機関があったことについては、国からの通知が医療機関にまで徹底されるのに日時がかかったことなどによるとの説明がされましたので、今後は医療機関への迅速な対応や連携などを求めるとともに、国内発生に対する体制の整備を求めておきました。
 文化厚生委員会を終えて、控室のパソコンのニュースを覗いてみると「民主党小沢代表辞意表明」の一報。慌ただしくマスコミの方が動き出していました。国民の多くは、遅きに過ぎたとの感を強く持たれていることだと思います。十分な説明責任を果たしていないと言われる中で、これで、反転攻勢に打って出ることができると考えたら、また、足元をすくわれるようなことが起きるのではないかと思ったりします。いずれにしても、民意を問う、解散総選挙が待たれるばかりです。

5月11日「今日から議会用務に復帰」

 昨日義母の初七日を終えて帰ってきました。小さいときから随分かわいがってもらった東京で働く我が息子も帰省し、出席するとトンボ返りで、東京に向かいました。
 この一週間、祝日・休日を多く挟んではいたものの非「日常」的な毎日を過ごしていた気がします。毎日が政治や社会や地域の変化と向き合うばかりの日を過ごしていた者がいくつもの日程をキャンセルして、一人の死と向き合ってきたこの一週間から、「日常」の活動に戻るということに少しギャップを感じながら議会用務に復帰します。
 今日は、国内で四人目の感染者が出たという新型インフルエンザについての県としての対応や予防体制についての説明を文化厚生委員会で聞くこととなっています。

5月9日「母の日が義母の初七日に」

 5日ぶりの更新です。と言うのも、4日午後連れ合いの母が倒れて救急車で幡多けんみん病院に運ばれたとの報せが入り、慌てて特急列車に飛び乗り、病院に向かいましたが、「お亡くなりになってたった今、帰宅されました」との説明。実家に向かったところご近所のみなさんが待ちわびてくださっていました。ゆすったら起きてきそうなおだやかな死顔の義母に、遅くなったことを詫びるしかありませんでした。享年85歳でしたが、ご近所の皆さんが口々に「一番元気なおばちゃんやったにどひたち信じられん」とおっしゃって下さっていましたし、前の日も近所の皆さんと元気に言葉を交わしていたそうです。それだけに、あまりに突然のことで私たちだけでなく誰しもが心の準備が出来ていませんでした。それからは、とにかく忙しい毎日で、昨日一時高知に帰ってきました。近所に義母のご弟妹がいらっしゃって、何かと御世話頂いていますが、今後のことを含めて、直接の娘である私の連れ合いと義弟が判断しなければならないこともありますので、しばらくは宿毛との間を行ったり来たりとなります。
 奇しくも、義母の命日は35年前に亡くなっている義父と同じ5月4日ということになりました。
 それにしても、地域のみなさんには大変な御世話になって、感謝してもしきれません。何から何まで段取って頂き、最後まで見送って頂くという人と人とのつながりの強さに、多くのことを学ばせて頂きました。
 明日の母の日が初七日ということになりました。実は、母が救急車で運ばれたとの報せがあったときに、私は事務所のインターネットで母の日のプレゼントの検索をし、連れ合いと相談すべく事務所に来るようにメールを送っていたところでした。亡くしてから「ああしておけばよかった、こうしておけばよかった」と悔やんでばかりいる毎日です。

5月4日「高知白バイ事件は国賠訴訟で権力との闘いに」

 昨日午後、自由民権記念館で「片岡晴彦さんを支援する会」の主催で「高知自バイ事件説明会」が行われましたので、参加してきました。会場は、告知期間が短かった割には、多くの参加者で関心の高さが伺えました。最初は、昨年12月1日放送のテレビ朝日「報道発ドキュメンタリー宣言 なぜ私が収監されるのか」と瀬戸内海放送の「高知白バイ衝突死Oねつ造疑惑 再不起訴と国賠提訴概要」のビデオ上映で、2006年3月の事故発生から最高裁判決、そして収監までの経過の概要を改めて参加者の方に理解してもらうところからスタートしました。その中で、私の2月議会での質問の様子も紹介されており、会場で一言コメントを求められました。
 続いて、この間この闘いを支援して頂いている交通事故鑑定士 石川和夫さんによる「警察の捜査と証拠の疑間点」について映像を使って、改めていくつかの疑問点の詳細が明らかにされました。結論として「スリップ痕に溝がない」「時間が経つにしたがいスリップ痕の先端が濃くなっている」「後輪のスリップ痕がない」「前輪の軌跡は左右がアンバランス」「バスの前面の側面に二次衝突の後がない」ということから「バスは止まっていたときに衝突した」ものであって「スリップ痕、ガウジ痕は誰かが書いたものである」と考えられると結論づけられました。
 その後に続いて、国賠訴訟の弁護を引き受けて頂いた生田暉雄弁護士が国賠訴訟と再審請求に向けて「高知白バイ事件の真実一白バイ冤罪事件の解明―」と題して、この闘いの困難性について述べられました。とりわけその特徴として、「国家の犯した誤りに対し、国家に謝罪させ賠償させる裁判」であって、「「権力犯罪」の証拠を隠し、司法もまた犯罪の立証を原告にのみ課す中で、結果は厳しく、個人の権利、尊厳は著しく狭められている」だけに、通常事件と同じ争い方(闘い方)では勝てないということを自覚して闘うことが求められました。その闘い方のポイントについてもいくつか述べられましたが、「市民の支援が継続して多数あること。つまり、誤った刑事裁判に市民は納得しないということで、通常事件にはない特異性のあらわれ」という「有利性」があるので、これを継続してさらに盛り上げることが、支援する者にとっての取り組みとなるのではないでしょうか。
 最後に、服役中の片岡さんからの手紙を息子さんが紹介し、奥さんと娘さんがお礼の挨拶を述べられて集会は閉会しました。
 「報道発ドキュメンタリ宣言」の中で、ジャーナリストの大谷昭宏さんは「無罪を主張したら反省していない、責任逃れと決めつける。これから冤罪を主張したら刑務所行きというシステムを作ってしまった判決として、消せない汚点を残した。」とこの裁判の在り方に警鐘を鳴らしています。
 真実の解明は、粘り強い闘いでしか出来ません。賛否それぞれの考え方をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、いつ自らも巻き込まれるかも分からない事件・事故に無関心でいることが、このような扱いを許してしまうことになるということだけは肝に銘じておこうではありませんか。
   【白バイ事件の経過】  

06年 3月3日 春野町(現高知市)の国道で事故発生,白バイ隊員が死亡
12月6日 片岡さんが業務上過失致死罪で起訴される
07年 1月18日 高知地裁で初公判。 片岡さんは無罪主張 地検は森固1年8か月求刑
4月5日 遺族が片岡さんと仁淀川町に対して1億5千万円の損害賠償請求
6月7日 判決 禁固1年4か月の実刑。即日控訴
9月6日 片岡晴彦さんを支援する会結成
10月4日 高松高裁初公判 柴田裁判長は新証拠をすべて却下して即日結審
10月30日 同判決「一審で審理は十分」として控訴棄却される。最高裁へ上告。
08年 3月4日 片岡さんが高知県警を証拠隠減で告訴
6月20日 白バイ隊員遺族が片岡さんに対する民事提訴を取り下げ
8月22日 最高裁が上告棄却 片岡さんの実刑確定
9月16日 高知地検が県警を「証拠隠減の嫌疑なし」として不起訴処分
片岡さんが検察審査会に不服申し立てを行う
10月23日 片岡さん高知刑務所に収監。その後 加古川刑務所に移送
09年 1月28日 地検審査会が捜査は不十分で、地検の判断は納得できないJとして不起訴不当の議決
3月4日 高知県警や警官に対して国賠訴訟を高知地裁に提訴

(「高知白バイ事件の経緯・支援する会作成」より抜粋)

5月3日「時の権力に不利な憲法は無視される」

 朝日新聞世論調査によると、9条改正に対して反対は64%に達し、賛成は26%にとどまったことが、昨日の朝日新聞で報じられていました。
 そんな中、4月30日の朝日新聞「オピニオン−憲法と自衛隊」の記事で、1973年の長沼訴訟第一審判決で違憲と断じた福島重雄元裁判長の「長沼事件 平賀書簡 35年目の証言−自衛隊違憲判決と司法の危機」の紹介がされていました。
 その中に【1973年】5月3日の日記にはこう記されていました。「憲法記念日。迎えて二六回目という。平和と民主主義の憲法。高らかにうたい上げられたこの憲法も二六年もの聞、蝕まれ続けた。時の政治権力に有利な憲法は十二分に利用される。時の権力に不利な憲法は無視される。そして裁判所は何とか理屈をつけて、その時の政治権力を弁護してやる。それが裁判所というものの本質なんだ(少なくとも今までは)。長沼訴訟はこのような今までの裁判の本質を国民が知り、そしてそれを元の姿に戻そうとした、いわぱ最初の訴訟であろう。私もこの訴訟を通じて裁判というものをよく考えてみる機会が与えられた。」政治権力とはそう言うものであると知って、立ち向かう決意にあまり気負いのない姿勢に恐れ入ります。
 9月7日に判決を下した後の9月20日には「長沼事件の判決。考えてみれば妙な気もする。歴史に残るとか、劇的なとか評されているものの、僕らにとっては何も新しい法解釈や法理論の展開をしたわけでもなく、また困難な事実認定を明快に裁いたというわけでもない。あたりまえのことをあたりまえのように判決しただけなのだ。それがかくも大騒ぎになるのは、どこかが確かに狂っている。だが、裁判はそれでいいのかもしれない。」との記述にある「あたりまえのことをあたりまえ」に主張し続ける姿勢の大変さをいろんな局面で感じることがあります。福島さんの言うように「時の権力に不利な憲法は無視される」かもしれないが、時の権力に不利であるものこそ、我々には有利な憲法である。議員として、一個人として、県民・労働者の視点に立って、それを生かし続ける取り組み姿勢を持ち続けたいものです。

5月2日「働く者の団結こそ」

 5月1日は労働者の祭典「メーデー」で、数えること80回となります。私にとっては、参加する大会会場が変わることもありましたが、30回連続の参加という節目のメーデーとなりました。
 今年のメーンスローガンは「すべての働く者の連帯で、『平和・人権・労働・環境・共生』に取り組み、労働を中心とする福祉型社会と自由で平和な世界をつくろう!」。サブスローガンは「労働者の使い捨ては許さない!今こそ、公正と連帯の社会実現をめざす第80回メーデー!」というもので、会場の城西公園には、連合高知組合員およそ2000人が参加しました。
 3月の完全失業率は前月を0.4ポイント上回る4.8%で、失業者数は1年前に比べ67万人増加の335万人にのぼり、有効求人倍率は、前月を0.07ポイント下回る0.52倍で、02年4月以来の低い水準となったことが発表されました。そして、昨年10月以降6月までに失職すると見られる非正規労働者が20万人、正規労働者が1.8万人にのぼると予測される今、「労働者の使い捨ては許さない」「非正規の労働者と正規労働者との格差解消」の方針をもっと全面に押し立てた具体的な労働運動の強化が求められています。
 労働者がおかしいことはおかしいと言えなければ、きちんとした労働条件が整っていない職場でも人が集まる。安い労働者を使うところほど利益も高くなり、労働者を大事にする企業は競争で生き残れなくなる。労働条件は全体として地盤沈下していく。結果としてさらに労働市場は壊れ、貧困が増大していく。このような悪循環のもとで、正規労働者も賃金抑制と労働強化、雇用不安にさらされているにも関わらず、周囲が地盤沈下することによって、闘いによって到達した相対的な地位が上がってしまい、それが、攻撃の対象になってしまっている。苦しめられている者が苦しめられている者を叩く構造を誰が喜んでいるかを見抜かなければならない。そして、今こそこの貧困のスパイラルを止めるための団結と連帯と闘いが求められているメーデーであると感じたところである。
 さて、一昨晩はメーデー前夜祭として美術館ホールで映画「今夜、列車は走る」を鑑賞しました。90年代、民営化の嵐が吹き荒れたアルゼンチンで、ラテンアメリカ有数の鉄道大国も赤字路線の廃止で、およそ6万人もの鉄道員たちが突然、職を失ったという事実を背景に、失業と厳しい現実の中で、自らの誇りを取り戻し、それぞれの出口を見つけようとする5人の鉄道員とその家族の姿を描いた映画でした。そして、ラストに流れる「出口はきっとある」というテロップ。首を切られた労働者がひっかかるセーフティネットのない社会で、転げ落ちていく時、「出口はきっとある」という展望を持てる社会にするため私たちは団結するしかないと改めて思ったところです。
 それにしても、横浜の高校生は新型インフルエンザではなくて良かったですが、警戒態勢は継続されなければなりません。ゴールデンウィーク中に新たな動きが起きることも懸念されますので、お互いが自ら日常の予防活動を怠りなく心がけましょう。

5月1日「一人で悩まないで、引きこもり家族サロンに」

  今朝の高知新聞に引きこもり「家族サロン」の記事が掲載されています。これまでも、紹介してきた「サロン」ですが、この記事を機会に「肩の荷を下ろせる」居場所として定着すればと思います。主宰する「全国引きこもりKHJ親の会」県支部「やいろ鳥の会」としては念願の「サロン」だけに、週一回の開設(毎週火曜日午後1時半〜5時半)ではありますが、今後協力者なども増えるとさらに利用しやすい「居場所」として定着していくのではないでしょうか。ひきこもりのご家族の方と向き合っている方、一人で悩まないで、立ち寄ってみてください。
  県も今年度事業として近く「ひきこもり地域支援センター」を精神保健福祉センター内に開設予定でもあるし、これらが連携して、高知の引きこもり解決の拠点になっていくことを願うものです。
  今から、メーデー参加のために城西公園に向かいます。

4月30日「新型インフルエンザへの備えは怠りなく」

 刻一刻と報道される新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)だが、27日にフェーズを「3」から「4」に引き上げたばかりのWHOは、日本時間の今朝、世界的大流行(パンデミック)の一歩手前を意味する「5」を宣言しました。そして、桝添厚労相が午前7時、緊急に記者会見するなど、警戒体制が強化されています。

流行の段階 定義
フェーズ1 新型インフルエンザ未発生
フェーズ2 新型インフルエンザ未発生(動物から感染のリスク)
フェーズ3 動物から人への新たなインフルエンザ感染があるが、人から人への感染はないか、非常にまれ
フェーズ4 新型インフルエンザが小さな集団で発生
フェーズ5 新型インフルエンザがより大きな集団で発生
フェーズ6 新型インフルエンザが一般社会に急速に拡大(パンデミック)

 県内でも、休日にも関わらず、昨日県が市町村などを対象にした説明会を開き、事前の準備を進めることや迅速な対応が出来る態勢を整えておくことなどを求めました。ポイントは「それぞれの市町村が県の新型インフルエンザ対策行動計画を参考にして対応を確認すること」「大型連休中も連絡がとれるようにするなどいち早く情報をつかみ共有できる態勢を整えること」「住民に不要な不安を与えない広報を行うこと」などが求められたようです。
 新型インフルエンザウイルス感染が世界的に広がっている今、これまで警戒してきた鳥インフルエンザでは、人から人への感染は広がらず、警戒度は3だったが、今回は人から人への感染が確認され、それだけ流行の危険性が高まっているということです。とにかく私たちは、必要以上に騒がず慌てず、正しい情報をもとに、手洗いなどの日常予防策を心がけ、冷静な対応ができる備えをしておく必要があります。
 メキシコでの感染拡大の背景には、貧困問題があるとの見方も広がっているとのことです。国内での公的保険への加入率が6割程度とされている中で、受診控えが重症化を招いているのではないかとの声もあるとのことだが、メキシコ政府は情報を開示しながら、背景と対策を明確にする必要があるのではないでしょうか。
日常生活で出来る予防法
◎体力をつけ、抵抗力を高めることで感染しにくくなります。
◎病原体であるウイルスを寄せ付けないようにしましょう。
◎ウイルスは低温、低湿を好み、乾燥しているとウイルスが長時間空気中を漂っています。 加湿器などで室内の適度な湿度を保ちましょう。
◎手洗いは接触による感染を、うがいはのどの乾燥を防ぎます。
◎ハイリスク群などどうしても予防が必要な方はマスクを着用しましょう。
        (中外製薬・インフルエンザ情報サービスより)

4月29日「平和憲法号、発車!」


 先日も取り組み予定について報告しましたが、昨日は路面電車「平和憲法号」の出発式に参加し、テープカットもさせて頂きました。私も加入しています平和憲法ネットワーク高知や平和運動センター、連合高知などの共同の取り組みで、今年の「平和憲法号」の車体には「守ろう9条・25条を」とペイントして、今年は平和の危機だけでなく、生存権の危機も訴えるために「25条」を加えました。7月末まで運行しますので、街で見かけたら「見かけたよ」の一言をメールで頂けたら励みになります。また、この取り組みは皆さんからのカンパなどの浄財でまかなっていますので、ご協力頂けたら幸いです。定額給付金の使い途としてもご一考頂ければと思います。振込先は以下の通りです。

口座名義 銀行名 口座番号
平和憲法号を走らすカンパ会計 四国労働金庫高知支店 普通3444522
4月28日「命について二題」

 私はこのコーナーで、自殺問題を取り上げることが多いのですが、今朝の新聞報道で、月別の自殺者数の記事を見ていて、3月は本県は22人と鳥取に次いで少なかったとの報じ方について、少し疑問を感じました。実は1月が18人、2月が21人であったということを見ると、3ヶ月で61人となり、このペースが今後も続くと全国ワースト7位だった07年の245人に迫るペースではないかと心配になりました。その辺に触れたコメントが一言あっても良かったのではと思った次第です。出来るだけ早く対策を打つために、月別発表がされ始めたのですから。
 もう一つ新聞記事について。「本県 犬猫の殺処分割合最悪」の見出しで、「保護団体愛護の心を」「県手厚い引き取り再考も」という記事を見て、少し違う方向に議論が進むことを懸念しました。サービスの見直しといっても、心ない放置する飼い主による野良犬猫に真に困っている住民もたくさんいることを抜きにしたまま、定点場所の削減とか引取有料化への議論では、保護団体の言う「愛護の心」は育まれないのではと思います。
 むしろ、小学生の時から動物との接し方、愛護の心を育むために取り組まれている、動物愛護教室の取り組みなどをより広域に推進していける体制をつくることが本来あるべき取り組みだと思います。動物愛護教室を担っている推進員さんの訴えにも耳を傾ける取材をお願いしたいと思ったところです。


昨年11月26日付け「今日この頃」から抜粋
 「動物について正しい知識を知ることで、命を大切にする気持ちや思いやりの心を育んでもらい、人と動物が共に仲良く暮らせる社会をつくる。動物による事故を防ぐ方法を普及させる。」という目的で行われているのですが、休憩をはさんで90分、3人の推進員が手際よく「危害を防ぐ方法」「犬と仲良くなる方法」「生命の大切さ」「動物を飼うことの責任」などを低学年の児童にも分かるように教えていく中、生徒達の反応はすこぶる良い。
 絵を使って犬の気持ちや習性を理解し、知らない犬に出会ったときの対処法や犬を使って犬に触れるときの方法を教えたり、犬と人間の心音を心音拡張器で聴きくらべ、同じいのちであることを感じたり、1頭の犬からたくさんの子犬が生まれるので、頭数の管理が必要であることを丁寧に教えていきます。そして、フンの模型を使い、後始末の仕方を教えて、最後に4つのお願いということで「飼い始めたら最後まで飼う」「散歩の時に糞の始末はキチンとする」「放し飼いにしないこと」「不幸な命をつくらないために手術をすること」の念を押して終わりです。毎年、犬猫あわせて約7000頭の殺処分がされていますが、そんな目にあう犬猫をつくりださないためにも。
 終えた後に推進員の方が言われていましたが、この学びの重要性は学力の以前にあってもいいほどの大切な内容を持っているものだと感じましたし、子どもだけではなくおとなにも学び直しをして欲しい内容だと感じたところです。
 県は、動物の愛護及び管理に関する法律第6 条に基づいて本年4月動物愛護管理推進計画を策定し、向こう10年間で人と動物との調和の取れた共生社会の実現に向けて、高知県が取り組む方向性を示しました。
 その中でも、早い段階での動物愛護思想の普及、飼い主責任の意識向上を図るために、高知県動物愛護推進員の活動のひとつとして動物愛護教室を定着させ、活動の拡充(活動する地域、実施数の拡充)を図るため、学校における動物愛護教室の実施を進めていくこととしていますが、その担い手である高知県動物愛護推進員のみなさんへの負担も相当なものがあろうかと思われます。毎回、愛媛県から来て頂いている推進員の方がいる中、現実的に稼働可能な動物愛護推進員をどれだけ確保していくのか含め、委嘱のあり方や活動の体制などこの動物愛護教室を継続・拡充させていくための対策・支援が必要ではないかと感じた次第です。動物愛護管理推進計画の具体化の段階でよりよい方法を求めていきたいと思います。

4月27日「先輩が四万十市長に」

  四万十市長選挙で応援してきた高校の先輩の田中全さんが初当選を果たしました。現地から入る電話情報で、当選はいち早く確認はできたものの正直1876票もの差がつくとは考えていませんでした。それだけ、沢田市政に対する批判の声がピークに達していたことによるものだと思います。私も候補者カーに乗り二十カ所以上の街頭から訴えさせていただく中で、厳しいながらも期待の声は高まっていることを感じつつ迎えた投票日でした。今は安堵の思いとこれからは、田中全さんが市民のみなさんにお約束したことの具体化が一つずつ着実に図られることを期待しているばかりです。

  先日、美術館で開催されている「明和電機 ナンセンス=マシーンズ展2009」を観てきました。明和電機は社訓「やったもんがち、とったもんがち」を掲げ、日常では見ることのできない奇妙な道具、機械を次々に発表し、その「製品」を使ったライブ「製品デモンストレーション」と呼ぶパフォーマンスを行っているとのことで、敢えて予備知識を持たずに行ってみて、そのナンセンスさに完全に意表を突かれました。
 たまたま自動演奏ステージにも間に合い、面白いものを見せて頂きました。また、写真にある「ギターラ」の前では記念撮影もさせてもらいました。本当はここでは明和電機の作業服に着替えてコスプレ写真を撮るのがおきまりなのですが、そこまではちょっと遠慮してしまいました。
  「ギターラ」の演奏の裏側も見せて頂いたりと、サービス精神旺盛でした。このユニットは、何と吉本興業所属と言うことですから、笑っちゃいます。少し変わった空間を楽しみたい方は、是非、足を運んでみてはどうでしょうか。予備知識を持ちたい方、美術館には行けないが、「製品」を見てみたい方はこちらから。

4月26日「高知白バイ事件の真実」

  5月3日に自由民権記念館で「片岡晴彦さんを支援する会」の主催で、「高知白バイ事件の真実」と題した講演会が開催されます。講師には、片岡元転手の国賠訴訟の弁護士となっている生田暉雄弁護士とこの間の支援する闘いを支えて頂いている石川交通事故鑑定士のお二人の予定です。
  私が、この事件に関わりを持ったのが、07年10月20日の自由民権記念館での「警察の真実」と題した愛媛県警・仙波敏郎さんの講演会の場で、スクールバスに同乗していた当時の中学生によって配布されたチラシからでした。それ以来、仁淀川町で開催される支援する会の報告会に足を運んだり、議会の委員会で取り上げたり、この2月定例会で質問に取り上げたりと、「一つの真実」が何なのか明らかにするための私なりの取り組みをしてきました。そんなきっかけとなった自由民権記念館で開催される今度の会にも足を運びたいと思っています。
  県内の方に、もっと関心を持って頂くための絶好の機会です。是非多くの方に足を運んで頂きたいと思います。当日は憲法記念日ですので、「裁判が日本を変える」の著者生田弁護士が講師ですので、裁判と憲法の関係などについても考えさせてくれるのではないでしょうか。

4月25日「いまだに命と安全は金より軽いのか」

 JR福知山線脱線事故(05年4月25日)から、4年目を迎え、その風化を危惧する声が出され始めています。被害に今も多くの方が耐えて暮らしている中で、責任を取りきらないJR西日本の姿に象徴される、命と安全軽視の姿勢はいまだに多くの企業に垣間見えます。
 事故後、国土交通省が鉄道事業者に設置を義務づけた「運転状況記録装置」(航空機の「フライトデータレコーダー」にあたるもの)についても昨年3月末までに1台も設置できていない事業者が全体の5割以上にも上ることが同省の調査で分かったとのことです。高額な費用が原因とのことだが、やはり命や安全はお金より軽いと言うことなのでしょうか。事故を起こしたJR西日本でさえ54%にとどまっているとのことで、呆れるばかりです。
 事故後に、私はこのコーナーに「JR西日本・福知山線での列車脱線事故は、死者が106人(27日時点)、重軽傷者461人にものぼる未曾有の大惨事となりました。その後の報道で明らかになってきたのは、26日にも述べたように際限のない競争の行き着く先の結果であったと言うことだと思います。はじめから安全運転を無視した運行ダイヤ、ミスを犯した運転士に対する「日勤教育」と称した人権無視の再教育、まさに採算性重視の競争優先による命と安全軽視の姿が浮き彫りになりつつあります。ちなみにJR西日本の05年3月期決算は589億円という過去最高益をたたき出しています。小泉「構造改革」の本質がここに明らかになったといっても良いでしょう。」と書かせて頂きました。そして、その年の12月定例会では、「107人もの死者を出したJR西日本福知山線の尼崎事故における生命の安全よりも利益優先の競争と効率性を重視した超過密ダイヤと新ATS増設のサボタージュ。そして、ここにきてさらに命よりも競争・効率性が優先された耐震強度偽装事件の発覚。前者は公共サービスの民営化の成功事例と言われた国鉄民営化。そして、後者は阪神淡路大震災後の規制緩和の中で飛躍的に伸びてきた「民間指定確認検査機関」という大震災の命の教訓を生かすどころか、むしろ踏みにじる代物であったと言うことです。そのいずれもが、人の命よりも利益の方が重いという方針が貫かれているということです。」と指摘してから、質問に入ったことを思い出しています。

4月22日「新エネルギー産業化促進議連」


  昨日から、新エネルギー産業化促進議員連盟の調査視察で須崎市、檮原町、津野町を訪問してきました。多くは、報告できませんが取りあえず写真説明程度にご報告しておきます。
  まずは、「環境にやさしいまちづくり」を推進している須崎市の須崎クリーンセンターに太陽光発電用シリコンウエハー製造のエム・セテック(株)設置した太陽光発電システムの見学です。環境省と経済産業省から再生可能エネルギー関連のモデル地域の指定を受け、事業費3億2000万円のうち半分をエム・セテックが,残りを国が負担したものです。
  次は、住友大阪セメントの木質バイオマス発電事業の説明を受けた後、破砕施設などについて見学。
  そして、移動した後は「環境モデル都市アクションプラン」を推し進める檮原町役場で説明を受けた後、小水力発電、木質ペレットを生産している「ゆすはらペレット株式会社」を見学しました。檮原町で取り組んでいる「木質バイオマス地域循環モデル事業プロジェクト」「CO2森林吸収プロジェクト」「CO2削減プロジェクト」「人・仕組みづくり」の着実な推進に随分と学ばせて頂きました。
 夕食は「農家民宿 いちょうの樹」で、ここでは地元産の食材・山菜を使った山の幸盛で大変美味しいものばかりでした。それぞれに農家民宿に分散して宿泊したわけですが、私の宿泊した民宿では太陽光発電を取り入れて、毎月約1万円(冬場は4000円弱)の売電収入があるとのことでした。町内では民家95軒で設置しており、設置率が5.2%と全国でも高い方だそうです。
  一夜明けて帰路では、津野町の葉山風力発電所を調査訪問。中四国最大級の風力発電所ということで、20基の風車が標高1000mの尾根沿いに一直線に並ぶ姿は、圧巻です。稼働率は目標値を下回っているとのことですが、天候に委ねられる面もあり、仕方のない面もあるかと思います。
  いずれにしても、県内でも日頃訪問する機会のない所に調査に出向けたことで、今後の本県の新エネルギー産業化の促進の参考にしていきたいと思います。

4月21日「宮尾さんがいつまでも慕う『人情』を大切に」

  昨夜は、今朝の新聞などでも報道されている宮尾登美子さんの菊池寛賞受賞を祝う祝賀会に出席させていただき、貴重な一時を過ごさせていただきました。一昨日には、「宮尾登美子 私の世界講演会」で700人を前に、故郷のこと、作品のことをたっぷりと話されていたようですが、昨晩もその謝辞の中には、それらが凝縮した形で込められていたと思います。特に「故郷への追慕の情とは『人情』であって、人情がなければ故郷は温かくない」と述べられた下りでは、声を詰まらせるシーンもあり、その思いのひとしおさに打たれました。宮尾さんの「私を肴に痛飲してください」とのお言葉に甘えて、宴を楽しんでいましたが、驚く事実に遭遇しました。
  日頃は、ともに地区の交通安全指導をされている方とぱったり出会い、「どんなご関係で」と言葉を交わしたところ「僕の叔母よね」との返事。確かに宮尾さんは旧緑町、現在の二葉町出身と言うことですから、どのへんだろうと思っていましたが、そんな近いご縁の方が身近にいるとは、びっくりでした。それからは、帰路の電車も含めて、宮尾さんとの幼い頃の話やさまざまなお話を聞かせていただき、貴重な付録を頂いたという感じでした。会場で宮尾さんからのプレゼントとして参加者に配られた「宮尾登美子 私の世界(別冊家庭画報)」の中で使っている古い写真も、この甥御さんが宮尾さんに提供したものの中から使われているものもあるとのことでした。
  太宰治賞に始まって十三個の賞を受賞をしたという凄い宮尾文学にこれまであまり触れていないだけに、家にも連れ合いが読んでいた「櫂」とか「朱夏」もありますので、改めて読んでみたいと思います。



4月20日「昨年9月からの生活保護件数」

  先週の業務概要調査で、福祉指導課に求めた生活保護の申請世帯数の数値を見てみると県内でも明らかに昨年の9月以降増加しています。今年二月までの推移を見てみると対前年度比が129%〜114%の範囲で増加しており、開始世帯数も前年度比120%前後で推移しています。また、この半年間における申請数に対する開始数の比率は前年度の78.3%に比して73.5%へと減少している数値にも着目したいと思います。
 北九州市の餓死事件に象徴される「水際作戦」。失業保険給付を受けていない失業者の割合は、日本は先進国で最悪水準にあると言われている中で、最後のセーフティネットといわれる生活保護とどう向き合っているのか気になります。確かに不正受給は許さない、しかし、保護が必要な人には必ず適用すべきというスタンスが保護行政に貫かれているかどうかは今問われていると思います。

4月19日「四万十の新しい流れを」

  今朝は、朝6時出発で四万十市長選の田中全候補の出陣式の応援に行ってきました。出陣式での挨拶、午前中の候補者カーでの挨拶回りに同乗し、先輩の闘う姿を応援してきました。
  市民病院の再建・医師不足問題、産業振興と雇用問題、子育て支援などが争点となっていますが、今の市民の期待に応えられる政策を打ち出しているのは田中候補であることを多くの市民の皆さんに理解してもらい、26日を四万十市再生のスタートにしてもらいたいと思います。

 
 高知に戻ってからは、かるぽーと前広場と堀川沿いを会場に繰り広げられている第5弾ホリカワアートミーティングを訪ねてみました。いい天気のもとで繰り広げられているフリーマーケットやワークショップ、アコースティックコンサートなど、気楽にのんびりアートを楽しむたくさんの人たちで賑わっていました。終日でおよそ2000人の人出だったとか。ART NPO TACO とかるぽーとがタッグを組んだこのホリカワアートミーティングが、着実に発展することを期待しています。

4月18日「今年も平和憲法号電車を走らせるぞ」

  今日は、平和憲法ネットワーク役員会で憲法記念日を中心とした取り組みについて協議しました。今年も3年連続となる「平和憲法号」(写真は昨年のものです)を走らせることで準備しております。特に今回は「守ろう9条」に「25条」を加えることとしました。4月28日に出発式を行い、以降3ヶ月にわたって走らせることとしますので、そのための資金集めも運動の一環として取り組んでいきます。趣旨にご賛同頂く方のカンパ寄附などよろしくお願いします。(口座名義「平和憲法号を走らすカンパ会計」四国労働金庫高知支店普通3444522)
  遅ればせながら2月定例会報告の「県政かわら版25号」ができあがりました。近々配布したいと思いますが、現在準備中ですので、とりあえずこちらからご覧下さい。必要な方は、ご連絡頂ければ送付させて頂きます。

4月17日「課題の多さを改めて実感」

 昨日の文化厚生委員会では、医療センター担当理事所管の医療センター経営対策課を皮切りに、午後五時過ぎまで行いましたが地域福祉部6課、文化生活部7課中3課までの進捗状況です。時間の制約もあり期待するところまで掘り下げた議論がなかなかできません。
 特に、医療センター経営対策課については、病院企業団議会所属議員とそうでない議員の間に認識の差があるため、これまでの経過や課題について認識を一致させるところから始まるような気がします。医療センター経営対策課長が企業団職員との併任となり医療センター経営企画協議会の委員としても参画していくとのことですので、企業団と構成団体が一致して臨んでいくことが求められます。
 また、文化生活部資源・エネルギー課では、新エネルギー政策に臨む県の姿勢が明確とは言えないため、委員側からもさまざまな注文が出されました。せっかくの可能性がありながらこのままでは他県の後塵を拝することになるのではないかと心配する面もあります。それぞれの課ごとに課題はありますが、今後は日常の議員活動の中でチェックしていきたいと思います。
 今日は、私学・大学支援課から再開です。公立大学法人化された工科大学の運営や県立大学改革、県立大学の池キャンパス整備など課題は山積しています。

4月16日「業務概要調査スタート」

 昨日から、各常任委員会の業務概要調査が始まりましたが、私の所属する文化厚生委員会では危機管理部と健康政策部を行いました。今日は医療センター担当理事所管課に始まり、地域福祉部、文化生活部、公営企業局と進んでいきます。明日までの三日間ですが、それぞれに課題の多い部局ですので、審議のしがいのある委員会です。また、改めて随時報告していきたいと思います。

4月15日「ひきこもり家族サロンがスタート」

 これまでにも時々、「ひきこもり」の課題を取り上げてきましたが、この間継続して月例会などに取り組んでいる引きこもりの親の会の皆さんにとって待望の「家族サロン」が4月7日から開設されています。毎週火曜日の午後ですが、詳しくはこちらから。
親の会「やいろ鳥の会」の会員以外の方でも、自由に参加できます。少しでも話を聞いてもらいたい方、悩みを打ち明けてみたい方は、お立ち寄り頂いたらどうでしょうか。
 今日で、春の交通安全運動が終わりますが、7日から街頭に立ってきましたが、最終日の今日、今から街頭に立ちます。少しずつ慣れ始めた新一年生の顔が輝いていますし、一緒に登校してあげている上級生の姿が頼もしく見えます。

4月14日「土佐学」

 昨日は、ほとんど報告できなかった土佐学大会でありましたが、少し詳しく報告させていただきます。
 大会では、前半で4本の一般研究報告と3本の研究会報告があり、その後シンポジウム「四万十・仁淀・物部、土佐三大河川流域のIターン者に訊く」と題して、四万十市西土佐にお住まいの迫田司さん(サコダデザイン代表)、吾川郡いの町上八川にお住まいの三浦博史さん(カヌースクール経営、林業)、香美市香北町谷相にお住まいの吉岡太志さん(紙漉職人)のお話を聞かせていただきました。
 一般研究報告も「土佐のおきゃくに関する考察」であったり「おきゃくにおける料理」、さらには「地元学・土佐学と地域の担い手育成」「龍馬伝を前に高知の宝は街角で感じることのできる歴史」など興味深いものが多く、また、「地域文化デジタルアーカイブ研究会」「土佐酒学研究会」「土佐のお茶研究会」からの研究会報告も今後の継続した研究が楽しみです。
 そして、シンポジウム「四万十・仁淀・物部、土佐三大河川流域のIターン者に訊く」は、3人のIターン者から聞かされる、その暮らしぶりや生活の術などは、私たちが40年前に普通に実感していたことであるわけで、何も特別なことではないような感じを受けました。しかし、それを今の若者がどう受け止めるのか、受け止めることができるのかということではないかということです。高知に生まれ育った若者が、最初からそのようなことに「価値観」を見いだして、「高知で暮らすのもまんざらではないよ」と実感するのは、少し無理があるのかなと感じる面もあります。どうしても高知に流れる時間、高知にある空間と違う体験をしたときに、新たな「価値観」として見いだせるのかもしれないと思ったりしました。

4月13日「防災学検定」

  昨日は、第3回土佐学大会、昭和校区交通安全会議総会などに出席する一日でしたが、はじめて土佐学についての「研究報告」を聴かせて頂きましたが、非常に興味深い話でした。また、改めてご報告します。
  さて、2月12日のこの欄で2009防災学検定に挑戦したことを報告してありましたが、最近になって30問中26問正解で、成績上位者として公表されていました。昨年の検定以上に難しかったので、勘に頼った部分も大分ありましたが、昨年の雪辱ができました。
  新年度の自主防災会総会議案の作成に向け、今年度もあらたに自主防災会の取り組みに工夫を凝らしながら企画していきたいと思っています。自主防災会の財源確保も含めて「防災フリーマーケット」は新企画ですでに考えているのですが、「防災」と銘打つフリーマーケットなので、それなりの工夫もしたいと思っています。

4月12日「直販所の果たす公的役割に発展の芽」

  昨晩は、高知県自治研究センター主催の「アメリカのファーマーズマーケットに『直売所の公的役割』を見る」と題したセミナーに参加してきました。土曜日の午後6時30分からにも関わらず、会場はたくさんの方が参加して頂いていました。
  講師はニューオーリンズでファーマーズマーケットを運営するNPOエコノミクス・インスティテュートの事務局長リチャード・マッカーシーさんで、アメリカで起こったファーマーズマーケットについて、その発展の経過とさらなる可能性についてお話し頂きました。
 日本でも、全国に「地産地消」を謳い文句に、店舗内インショップなども加えると相当な数にのぼり、「県地産地消推進フォーラム2009〜消費者も生産者もともに成長する直売所づくりへ」で、田中満農村開発リサーチ社長が、国内の農産物直売所の売上総額は10年後には2兆円規模になるとの見通しを示したと言われています。
 しかし、昨日のお話しを聴く中で、農家の所得保障を超えた、地域経済のみならず地域コミュニティの活性化やまちづくりを目指すパブリック活動(公的役割)を担う役割こそが求められているのではないかと感じました。マーケットの成功には、経済的な成功だけでなく、農業者、消費者、コミュニティーの信頼関係の築きが果たす役割の大きな事についてもお話し頂き、このことが日本における、そして、高知における直販所の発展の可能性につながることについてのさらなる研究が必要と感じました。
 

  同行されていた、「地域の味がまちをつくる 米国のファーマーズマーケットの挑戦」(岩波書店)の著者佐藤亮子さんも、「アメリカのファーマーズマーケットのもう一つの特徴は、農家だけでなく、地域内のさまざまな中小事業者が参加している点だ。背景には、農家も商工業者も、小規模事業者という点では、同じ仲間であるという意識。そしてファーマーズマーケットは、単なる消費者の健康増進や農家の所得保障を超えた、地域経済の活性化を目指す活動であるという認識がある」「地域内にカネとモノをとどめ、めぐらせ、地域経済を活性化させる手段。世界をかけめぐるカネ、経済のグローバル化へのアンチテーゼである」と述べられていることなどをしっかりと踏まえた、直販所の可能性も探っていきたいと思います。



4月11日「歌うキネマ」

  9日夜四万十市から帰ってきて、これまでにも何度かコンサートを見たことのある趙博さんの「歌うキネマ」を美術館ホールで観てきました。「歌うキネマ」のステージは初めてでしたが、故・マルセ太郎の至芸「スクリーンのない映画館」に触発され・惚れ込み・教えられ、そして私淑した趙博さんが映画作品を一人芝居でやると言ったもので、見事でした。作品が「砂の器」でもあり、記憶の中にはっきりとあった作品だけに、丹波哲郎演じるベテラン刑事・今西役などは、その酷似ぶりに驚くばかりでした。その舞台をしっかりと成立させていたHALMA GENさんのピアノで奏でられる主題曲『宿命』も素晴らしいものでした。
 ハンセン病という運命に翻弄された父子を放置してきた日本の社会の中で、犯してしまった殺人を私たちは責めることができるのかと最後に放たれるメッセージも含めて、しっかり満足できるステージでした。





4月10日「変革、四万十市政」

 昨日まで、四万十市長選を控え、現職に挑戦されようとしている「田中全」さんの応援のため四万十市に出向いていたため、更新できませんでした。現職の市政を転換させようという無党派の市民を含め、民主・社民・共産が推薦し闘っていますが、市民病院で救急医療を再開させることなどを争点として、全力で闘われていて市民の皆さんの「変化」への期待も大きくなっていることを感じました。
 田中さんは、学芸の養正寮で私の先輩としてともに過ごされた方で、社会人になって県外で過ごされていてもその郷土愛は強く、高知新聞にさまざまな投稿をされたりしていました。郷土のためにの強い思いが募る中、仕事を辞め、準備をされてきました。
 四万十にのみこまれにし中村市
     ふるさとは町も川もおなじなれど
   ちなみに、これは市町村合併後に、ふるさと中村市を、そして四万十川を愛するがゆえに、詠われてもので、四万十百人一首に投稿された田中全さんの短歌です。
 市民のみなさんとともに四万十市政を再生させていこうとする強い思いを実現させていくため、引き続き応援していきたいと思います、

4月8日「雇用と生活を守り、経済・産業政策の転換を」

 二月定例会中であり、参加できなかった「雇用と生活を守り、経済・産業政策の転換を求める地方議員集会」の報告が昨日届けられました。内容を見てみると、各界からの切実な訴えが、政治と労働運動の強化によって解決されなければと感じたところです。
 しかし、湯浅誠・反貧困ネットワーク事務局長が、「仮に政府が対策を打ち出しても、届かない人びとがたくさんいる」と述べられたような現状が、最近特に多いだけに、届けていくためのネットワークも働く者の権利として紡いでいく必要があるのではないかと思います。
 私も全国47都道府県256名の地方議員の一人として署名をした要望書は、(1)地方自治体が行う就労・生活相談や事業に対する国の支援、(2)解雇の濫用(防止、雇用の維持・安定に関する企業への指導・監督、(3)「戦後最大の経済危機」を乗り切ることを可能にする中小企業支援策、(4)経済・産業政策の転換を柱とする計十三項目で総務相、厚労相、経産相、国交相あてに提出されたとのことです。
 政府は、単なるバラマキではない、産業基盤を支える中小業者や真に労働者本位の政策転換で要望に応えてもらいたいものです。

4月7日「費用弁償供託は計764,000円也」

 新年度も始まり慌ただしく毎日が過ぎていますが、今日は組織委員会が招集され、所属する委員会での委員長、副委員長の選出などが行われることとなっています。今年度は文化厚生委員会に所属しますが、委員会の所管の部に変更もあり、県民注視の課題が山積していますので頑張っていきたいと思います。
 ところで、昨日二月定例会分の費用弁償が振り込まれましたので、いつもどおり見直しがされるまでの間は受領を拒否して、法務局に供託してきました。これで、昨年度分の供託金額は35万3千円となり、一昨年の分と合計して76万4千円を供託しています。今年度は議会改革のための議論もされるようなので、是非、費用弁償の件も議論の俎上にのせて実態に合うように見直していただきたいと思います。自らに甘い体質の議会では、県民への説得力を持たないのではと思います。

4月6日「反貧困 イキルチカラ コウチカラ」



 昨日は「反貧困シンポ」が約350人の参加者を集め開催されました。「プレカリアートのマリア」と言われた作家の雨宮処凛さんを招き、いろんな働きづらさや生きづらさを感じている若者3人とパネルディスカッションをし、尾ア知事とも対談するなどして、貧困の状況について話し合いがされました。
 不登校の経験を持つ大学生、子育てをしながら就職しようとするときの壁の高さを実感する女性、障害があるためにいくら頑張っても頑張っても門戸が開放されていないというという視覚障害のある若者。その働きづらさ、生きづらさの壁を低くするとともに、完全バリアフリーにしていくというのが、政治の責任ではないかと思います。
 雨宮さんはコメントの中で「独立しようとして働くために都会に出たから、ホームレスになるという若者が多い。実家にいた方が、生存確率が高いのではないか。」と言われていたが、そのような社会になっていることを自覚しなければならないし、「頑張った人のみが生きていくことをご褒美のように認められるのはおかしい。無条件に生存が肯定されなければならない。」という社会を築くために、バラバラにされている圧倒的多数の貧困層がいろんな形で「つながり」合うことが隅々にまで届けられるべきメッセージだと感じました。
 知事との対談は、噛み合うのかなという思いを多くの方が感じながら、聞き入っていたと思いますが、何かそれぞれが違う問題意識が根底にありながら、噛み合わそうとするとその根底の問題意識が噴出して、噛み合わなくなってしまうので、問題意識の表面をなぞっているような感じがしました。雨宮さんも、知事も、そして聴衆も消化不良だったのではないでしょうか。
  シンポのあとの交流会で、「今度は是非、みっちりと雨宮さんだけの話を聞きたい」と来高要請している方に、基本的に講演のような形態をとるやり方ではなく、対談形式をとる方がいいとのことでしたので、対談相手を変えて、徹底的に議論をして頂きたいと思ったところです。(写真は交流会での雨宮さんと)
  また、交流会では、パネラーの高知大生ともお話しができて有意義な一時を過ごすことができました。彼らの持つ問題意識が当たり前の社会になっていくことが、「生きづらさ働きづらさ」を「生きやすさ働きやすさ」に変えていくことになるのではないかと感じました。


 「反貧困」を闘うためのネットワークを高知にそして全国につないでいきたいものです。

4月5日「有事への好機とする『共和国脅威』」

 朝鮮民主主義人民共和国の「飛翔体」の発射誤報騒ぎに、右往左往した4日から、我々が何を学ぶかと言うことを指し示されているような気がします。
日本としては、「北朝鮮脅威」論を言いつのることによって、日米軍事同盟の変質強化を正当化し、国内の有事体制訓練を推し進めることの格好の材料にしているとしか思えないのです。本県選出の中谷議員が、今朝のテレビ番組で、自治体も一緒になって警戒態勢が講じられていることを評価していることなどからも見て取れます。
 本当に国民の安全安心を確保するためには、迎撃体制に奔走するより、「人工衛星」なのか「ミサイル」なのかも含めて「飛翔体」の真相を明らかにするとともにその実験の真意などを確かめることや隣国に脅威を与えないものなのかどうかなどについて外交ルールに則った協議の努力がなされることが、求められるべきだったのではないでしょうか。そういったことができないまま「北朝鮮脅威」論を振りかざし、国内経済・雇用への不安の目を「外圧」に向けさせ、軍拡増強に向けて軍需産業資本と日本政府が一体となって、このことによる経済危機の回避を目指しているのではないかと思ったりしています。
 話は変わって、年金について。年金定期便が届く前に、「加入記録の確認のお知らせ」が連れ合いに届いたのですが、中には、「記載した加入記録はあなたのものである可能性の高い記録です。十分ご確認を」とありました。「おいおい、去年の特別便で訂正したのは何のためだよ」と突っ込みたくなります。昨年、特別便で記録が欠落していたので、過去の書類を調べ回って、回答していたのに、何でこんな言い方をされなければならないのでしょうか。

4月4日「定額給付金をどうしようかと悩んでいる方へ」

 各市町村で定額給付金の通知が始まり、高知市でも今日ぐらいまでにほぼ全世帯に通知が届くようです。我が家にも、一昨日届き、連れ合いと話して、二人で受け取りを拒否しようと意思統一していました。ところが、夕べ旧知の三鷹市議会議員の嶋崎さんからメールが届き、“本当にイカす使い方”があるのかなとしばし立ち止まって考えたとのことで、「定額給付金はもともと私たちの税金 麻生さんに返さず(拒否せず)、必要なところに役立てましょう−定額給付金を本当に生かす会−」の案内を頂きました。
 私は、個人的に議員ですから寄附はできないということで、そんな発想をしたことがありませんでしたが、給付を受けて、セーフティーネットから滑り落ちている方などへの支援に使うことは、「バラマキせずにもっと使うべきところがあるではないか」と言っていた我々にとって一つの選択肢ではないかということです。私にしても、連れ合いがすることには、問題がありませんし、もう一度じっくりと話し合ってみたいと思います。
  なお、みなさんにも募金先の例を列挙しておきますので、ご検討下さい。
 
【募金先の例】
◎県内でも、支援を求めている団体の方がいます。ひきこもりのこどもを持つ親が支え合い、支援し合いながら月例会や家族サロンに取り組んでいる「引きこもりKHJ親の会高知県支部」、DVや児童虐待など暴力の被害者支援に取り組む「高知あいあいネツト」、国家的不当解雇と闘い続ける国鉄闘争を支える高知の会や連合高知をはじめとした「連合」の雇用と就労支援のためのカンパなども選択肢の一つとして考えてみてください。

宛て先団体名 振込先 口座名義
引きこもりKHJ親の会高知県支部 四国銀行 山田支店  普通口座番号0602101 全国引きこもりKHJ親の会高知県支部やいろ鳥 
高知あいあいネツト 四国銀行 万々支店  普通口座番号0557970 高知あいあいネツト
国鉄闘争を支える高知の会 四国労金高知支店   普通口座番号3258657 国鉄闘争を支える高知の会
日本労働組合総連合会 中央労働金庫本店   普通口座番号2822962 雇用と就労自立支援カンパ

◎派遣切り・雇い止めやホームレスで困っている人びと、DVで苦しんだり、日本に働き来て虐待されている女性たち、就労やこそだての困難さの中で自立をめざす母子(ひとり親)家族に……

宛て先団体名 郵便振替口座番号 口座名義
★自立生活サポートセンター・もやい 0016-7-3724 自立生活サポートセンター・もやい
★女性の家HELP 00110-5-188775 女性の家HELP
★しんぐるまざあず・ふぉーらむ 00170-4-152781 NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ

◎占領と破壊で苦しんでいるパレスチナの子どもたち、戦争と旱魃の中で生きているアフガニスタンの人々、紛争と破壊、劣化ウランに傷つけられたイラクの人々、貧困や格差、不公正の克服をめざす人々に……

宛て先団体名 郵便振替口座番号 口座名義
★パレスチナ子どもキャンペーン 00160-7-177367 パレスチナ子供のキャンペーン
★日本ボランティアセンター(JVC) 00190-9-27495 JVC東京事務所

◎人身売買や性的搾取、HIV(エイズ)、無数に残る地雷・クラスター弾、抑圧や差別などの中で、生活再建と自立、人権確立に努めているアジアやアフリカの人びと、女性や子どもたちに……

宛て先団体名 郵便振替口座番号 口座名義
★国際子ども権利センター 00970-9-52460 国際子ども権利センター
★カンボジア地雷撤去キャンペーン 01770-0-38559 カンボジア地雷撤去キャンペーン
★地雷廃絶日本キャンぺーン 00110-2-405727 地雷廃絶日本キャンぺーン
★シェア=国際保健協力市民の会 0100-1-132730 国際保健協力市民の会
★アムネスティ・インタナショナル日本 00120-9-133251 社団法人アムネスティ・インタナショナル日本
4月3日「下知市民図書館の建設予算凍結に見る高知市財政」

  昨晩は、消防団下知分団屯所に市長以下教育長、財政部長など8名の高知市幹部職員の方が打ち揃い、「下知市民図書館建設の延期に伴う説明会」が開催されました。今後5カ年で300億円前後の財源不足が生じる厳しい財政状況のもとで、今年度からの建設予定を延期することについての、説明とお詫びがありました。
  下知市民図書館は市内6分館の中でも潮江市民図書館に継ぐ多さの約13万冊/年の利用者数でありながら、3年以上前から2階部分が使用禁止になるなどこれ以上一階部分に加重をかけないようにしなければならないほどで、その改築は待ちこがれていました。これまで、09年度オープンを目指すとしてきていたものが、年々先送りとなり、ついには財政難のため「建設予算凍結」し、2014年度には予算化できるよう最大限の努力をするというもので、市長みずから「約束したことができないということが一番申し訳ない」と言わざるをえない状況になっています。
  参加者のみなさんにとっては、本当に14年度には予算化できるのかという心配は払拭し切れていない面があります。さらに会場からの声にもあったように、この地域の図書館は、厳しい家庭環境のもとで果たす教育的役割や津波浸水予測地域の避難場所としての役割などからも必要欠くべからざるものです。にもかかわらず、建設費用約3億円が、当面5年間もの間どうやっても工面できないという財政状況であるとすれば、地震で県民生活にガタがくる以前に、高知市そのものにガタがくるのではと心配するところです。現在進行中のあんしんセンターや江の口コミュニティーセンター以外では、凍結しているハード整備の中でも優先順位は極めて大きいと位置づけられているとの事ですので、地域の皆さんとともに市の財政改善の取り組みを注視しながら、一日も早い着手の可能性を追求していきたいと思います。

4月2日「観光振興に一役」


 今朝の高知新聞に「観光ボランティア協会 新ガイド本作成」の見出しで記事が載っていました。写真のとおりの三部作で、協会のみなさんの労作です。是非、みなさんも一度手にとってご覧になって頂ければと思います。私も少し目を通してみましたが、なかなか読み応えがあります。そして、右の写真は、以前に協会のみなさんの待望の高知城の案内所(昨年6月7日にこのコーナーで紹介)ができたことを報じさせて頂いたことがありましたが、今日はそのとなりにできた建物についてです。案内所ができて県外のお客さんには大変好評だったのですが、時々「荷物を預かって欲しい」という申し出があっても、案内に出かけると留守になることもあって、断らなければならなかったことが心苦しく、荷物預かり所の常設を要望していたところ、県が設置してくださったものです。この建物の中に、コインロッカー(無料)が設置されており、今後は天守閣に向かう皆さんが利用してくださることと期待しています。ガイドブックの発行と併せて、高知市観光に一役も二役も買って頂けるものと思います。

 昨年9月に仕入れた食材の中に米販売会社「三笠フーズ」の汚染米が混入していたことで大騒ぎになってこのコーナーでも取り上げた病院や福祉施設向けの給食サービス最大手「日清医療食品」が東京国税局の税務調査を受け、08年3月期までの7年間で約10億円の所得隠しを指摘されたことが分かったと今朝の朝日新聞に報じられています。「日清医療食品」は高知医療センターのSPCの協力企業で、給食業務を担っています。また、この会社の親会社である「ワタキューセイモア」が、SPC「高知医療ピーエフアイ株式会社」の株主であるという、極めて密接な会社であると言えます。この会社は、食材調達面だけでなく、経営面でも問題のある会社だったのでしょうか。

4月1日「年度末に一抹の寂しさ」

 3月31日は年度末であり、慌ただしさとともに、気分がめいってしまう日でもあります。
 24年間勤務した県庁を退職したのは7年前でしたが、毎年3月31日というのは、御世話になった先輩たちが去っていく日として、一抹の寂しさを感じる日として繰り返してきました。
 とりわけ、今年は2月の有効求人倍率は0.59倍と、2003年2月以来6年ぶりの低水準となり、前月比は0.08ポイント低下で、マイナス幅としては、第一次オイルショック時の1974年12月以来34年2カ月ぶりの大幅な落ち込みとして報道されていることもあり、「お疲れ様」と同時に「年金支給までの間はどうされるのか」と労いと不安が錯綜する日でもありました。
 また、2月の完全失業率は4.4%で、0.3ポイント悪化し、昨年10月以降に職を失った非正規労働者は、今年6月までの9カ月間に予定も含め19万2061人(3月19日現在)に達するとの調査結果も報じられています。
 県が教育委員会なども含めて緊急的に雇用した60名余の臨時職員の方々も昨日で、1〜2ヶ月の雇用期間が満了し、次の就職先もないまま、今日から失業者に逆戻りしています。いくつかの職場で尋ねてみても、そこに働いていた方々は「決まっていない。探している。」という声しか返って来ない中で、最初からそういう約束だとは言え、次につなげることはできなかったのでしょうか。
 そんなこともあって、昨日は例年以上に余計にめいってしまいました。でも、今日は新たな仲間を社会人として迎える日でもありますので、気持ちを入れ替えて、めいらなくてもよい社会を創造するために頑張りたいと思います。