2012年09月定例会予算委員会(9月28日) |
◎田村委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。1問1答による質疑、並びに、一般質問を続行いたします。坂本茂雄委員、あなたの持ち時間は30分です。御協力をよろしくお願いいたします。
◎坂本(茂)委員 私の場合、持ち時間が極めて少ないですので、ぜひ執行部の皆さんは、簡潔明瞭、前向きな答弁で、再質問のないようによろしくお願いしたいと思います。
先ほど、西森委員が、随分と津波からの避難の問題について取り上げていただきました。それを前提として、私の場合は、まず、とにかく命を守るということでの一時避難場所について、もう少し詳しく質問をさせていただきたいというふうに思います。
今回の補正予算にも、民間活力を生かした避難場所づくりというのが計上されております。実は、これから、高知市なども津波避難ビルの指定において、公共施設から民間ビルに本格的に移る、そういう段階に来ておるわけですけれども、非常に困難な問題が横たわっているのではないかというふうに思っています。
県の長期浸水検討委員会、救助救出ワーキンググループの協議の中で、長期浸水区域内にある緊急避難場所の滞在期間は、少なくとも3日以上の滞在が必要とされると。最長のケースでは、発災から20日後まで緊急避難場所にとどまる必要があるというふうに議論されています。そのため、一時的な避難場所の基準ではなく、避難者1人当たりの面積の見直しや備蓄品目の必要量なども見直されようとしています。
例えば、避難者1人当たりの面積も現在の1平米から2平米ということになれば、大きく違ってまいります。私の試算では、高知市の資料をもとに計算しますと、市内の長期浸水区域内の津波避難ビルの収容可能人数は、現在67カ所、7万5,861人なわけですけれど、これが2平米ということになると半減するわけですね。
そういう課題がある中で、長期浸水区域では、これらの厳しい条件が既存民間ビルやマンションなどの津波避難ビル指定化のハードルを高めることになるのではないかと危惧されますけれども、そのことについて、どのようにお考えか、危機管理部長にお尋ねします。
◎高松危機管理部長 いや、もうお話のとおり、1平米というところを2平米必要だ。長期間おることになりますと、立っておるわけにはいきませんので、少しくつろいで長時間おらないきませんから、そういう意味で検討を進めているわけですけれども、お見込みのとおり、ハードルはますます、2平米に見直すことで高くなってくるというふうに思っております。
◎坂本(茂)委員 高くなってくるのを安閑として見ているだけではいけないわけですので、そういったことに対して、どのような対応が求められてくるのかということについて、お考えになっているのか、その辺についてお伺いします。
◎高松危機管理部長 津波避難ビルなり、掘り起こし尽くしてる状況では、まだないというふうに、私は認識をしております。私の知っているような幾つかの避難ビルに向きそうな建物というものも、まだまだ検討段階にあるとかいったものがありますので、そういうものを粘り強く掘り起こしていくいうこと、これが必要ですし、掘り起こしていくときに、どういった協議の仕方をやっていったらいいだろういうところを工夫をすべきではないかなというふうに思います。
◎坂本(茂)委員 ぜひ、協議の仕方を工夫していただきたいというふうに思いますが。さらに、そういう意味で、指定を促していく方法として、幾つかお聞きしたいと思います。
まず、東日本大震災でも、在宅避難者への支援が十分に届かなかったという問題があります。その意味からも、津波避難ビルにおいて、一時避難者だけでなく、津波避難ビルに従前から勤務、居住している住民に対して、より優先的な在宅避難者支援を明確に打ち出すことで、指定を促すというふうなことができないのか、知事にお聞きします。
◎尾ア知事 今、長期浸水対策検討会、こちらでいろいろ検討をやっておりますので、その結果を踏まえまして、いろいろ検討を進めさせていただきたいと思うんですけれども。
先ほど来、お話ありますように、高知市の対策というのは、やはり幾つか非常に大きな特徴があると思います。長期浸水に対応しないといけないということと、あと、何と言っても人の数が圧倒的に多いという、この問題にも対処をしていかないといけないと思ってます。高知市との間で、津波対策、もっと言うと、南海トラフ巨大地震対策でいろいろと協議をしないといけない事柄は膨大だと思っております。そういうことから、この間、県市の連携会議におきまして、私のほうからも、高知市の各部局と私たちの各部局で、カウンターパート方式をとらせていただいて、いろんな検討を進めましょうという話をさせていただいたところです。いろんな個別の課題がありますけれども、高知市と密な協議を行っていく中で、先ほど言われたことなども含めて、よく検討させていただきたいと、そのように思います。
◎坂本(茂)委員 もう一つは、みんなで備える防災総合補助金、これの使途を拡大しまして、今回補正予算で計上している以上に、民間活力を生かした避難場所づくりにつながるような工夫ができないのかというふうにも考えます。
例えば、オートロックマンションなどの場合、今までは、揺れてから自動解除する装置を想定した補助を考えておったわけですけれども、これからは、緊急地震速報と連動したオートロック自動解除装置の初期費用、並びに、管理運営費に充てるなどができれば、避難ビル指定に向けた議論が加速化されるのではないかというふうに考えますが、危機管理部長にお尋ねします。
◎高松危機管理部長 オートロック自動解除装置、これ、すぐれものだなというふうには思います。建物のオートロック自動解除装置については、みんなで備える防災総合補助金の対象となっておりますが、現時点では、その買い取りによる整備の場合だけに補助金の対象になるということで運用をさせていただいております。
お話にありました緊急地震速報に連動した解除装置、見てみますと、月々約1万円程度の運営管理費、イニシャルというよりもランニングで回収をしていくというようなシステムになっていると思いますが。そういった月々支払う方式ということになりますと、残念ながら今の段階では補助対象外という扱いになってまいります。
こういった具体的な例もありますし、先ほどどうやって掘り起こすんだっていうことがありました。津波避難ビルの指定の促進に向けましては、やはり、市のほうが相当いろいろ悩みながら、いろんなことを考えながら、指定に行ったときに、こういうことをしてもらったらいいのにねっていうような話もいろいろ聞いていると思いますので、まさに、知事から申し上げたカウンターパートの中で協議をする中で、そういった市のほうの課題についてのとらまえ方、意見を聞いて、どんなインセンティブを働かしたら進むんだろう、そういったところで、ともに研究してみたいというふうに思います。
◎坂本(茂)委員 掘り起こしの知恵というのは、結構現場にありますので、現場の声を聞きながら、ぜひ進めていただきたいというふうに思います。
続きまして、もう一つの大きな課題であります避難行動を迅速化させるということ。そのための住民の防災・減災意識をどう変えていくかということが、これから大変重要になってくるわけですが。時間の関係で、ここの部分は、要請ということにさせていただきたいというふうに思います。
とにかく避難行動の迅速化ということで、すぐ念頭に浮かぶのが、釜石の奇跡の教訓であろうかと思います。「率先避難」「想定にとらわれない」「最善を尽くせ」、この避難三原則の徹底はもちろんでありますが、一方で、避難行動開始の阻害三要素というものがあるだろうというふうに思ってます。それは、『人はなぜ逃げおくれるのか』という著書があります、災害心理学の広瀬弘忠さんが言われておりますけれども、「正常性バイアス」「同調バイアス」「愛他行動」というものがあります。私に限っては大丈夫だろうという、根拠のない自信の「正常性バイアス」、少数の意見より多数の意見を重視してしまう心理の「同調バイアス」、危機的状況に直面すると、自分の命を差しおいてでも他者を助けようとする心理の「愛他行動」が、どれだけ避難をおくらせたかということを肝に銘じて、これから、学校教育の現場でも、そして、一般県民に対する啓発の場でも、徹底をさせていただきたいということを要請しておきたいというふうに思います。
そのことを踏まえて、知事にお伺いしたいと思いますが。先ほど述べました「愛他行動」というのは、平時の社会規範よりも、むしろ災害時の規範として発揮されることのほうが多いというふうに言われてます。むしろ、本当は、日頃から人に優しく愛他行動に満ちた共助活動を促進することが、支え合いの仕組みでもあるのではないか、そういうふうに考えます。津波避難場所の確保や避難路整備に当たって、地域住民の協力が得られるところと、そうでないところの格差が生じているように思います。これも、日頃の支え合いの意識や仕組みの格差ではないのかというふうに思ったりします。
それらを解消するために、最大限の行政支援をすることを前提に、知事が先頭に立って協力を求める共助のメッセージを発するつもりはないか、知事にお尋ねします。
◎尾ア知事 避難路、避難場所を徹底してつくってまいりましょう、避難計画をつくりましょう、訓練に参加をしましょう、そういうメッセージを大いに発していきたいと思いますし、避難路、避難場所づくりについても、例えば、今、市町村の財政負担ゼロでつくられるような、ある意味、異例の措置を、今、検討をして、もうとっておるところでございまして、県として、最大限の今、支援をしているところだというふうに思ってます。
共助、これも大事だと思いますし、そういう形での呼びかけをしていきたいと思っておるんですが。ただ、一つだけ、ちょっとだけ気をつけないといけないかなと思っておりますのは、例えば、避難路、避難場所をつくるために協力をぜひしてくださいという話をしたときに、いわば協力をして当然だという空気があまりにもでき過ぎてしまうと、例えば、その方にとって生計上、どうしても必要な土地であるにもかかわらず、無償供与するのが当然というような形になってしまったりすると、また、そこもちょっと弊害も出てきたりする。いわゆる行政による寄附の割り当てを禁止するという法令があったりもいたしますけれども、その精神に似たところの注意というのは、非常に重要じゃないかなと思っておりますので、そういう点は気をつけながら、一般の県民の皆様への呼びかけを行わさせていただきたいと、そのように思います。
◎坂本(茂)委員 はい、わかりました。
続きまして、複合災害としての津波火災について、危機管理部長にお尋ねします。
3.11における複合災害の代表的なケースとして、津波火災にも着目した備えが必要になっておりまして、この間も県として、農業用、あるいは、漁業用燃料タンクなど、そういったことに対しての検討の補正予算なども組まれたりしてきました。
そういう中で、特に今回際立った自動車から発火した場合の対策というのは、県として検討されているのか、お尋ねします。
◎高松危機管理部長 自動車火災については、昨年、東日本大震災、消防庁のほうの消防研究センターが現地に入りまして、調査を行ってます。その報告書の中で、津波で流された自動車からの出火、あるいは、海水をかぶって置いておった自動車から数時間後に出火をしたというような事例が確認をされております。
研究センターでは、ことしも引き続き、詳細な調査を実施をしております。で、水や瓦れきが滞留している地域における自動車火災も含めた消火活動に関する研究いうのを、今、進めておるところであります。
県といたしましては、この研究結果を受けまして、また、国の対応方向いうものが打ち出されれば、そういったものも参考にして、県内の消防本部との間で対応策を検討してまいりたいというふうに思っております。
◎坂本(茂)委員 ぜひ、そういったことの研究の成果が確認されることを願っております。
と言いますのも、場合によっては、この津波火災問題というのが、今後、津波避難ビルの指定においての加速化を阻む原因にもなるのではないかというふうに思ったりもしていますので、また、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
若干、割愛をさせていただきまして、引き続き、中山間地域の深層崩壊対策について、土木部長にお尋ねします。
どうしても、想定被害の中で、津波被害の大きさに我々は目が向けられておりますけれども、津波対策の拡充、加速化だけでなくて、中山間地における山津波や深層崩壊に対する対策も急がなければならないと考えております。
国交省の全国調査で、深層崩壊の発生の可能性が特に高い地域が、約2万6,000平方キロあり、最も危険性が高いとされた地点があったのは、全国で17県、徳島県や高知県の県境にも集中しているということが明らかになっています。深層崩壊の誘因として考えられる降雨や地震のいずれの誘因も、本県の場合、可能性、発生頻度ともに高いものだけに、地震対応だけでなく、急ぎ備えておかなければならないというふうに考えますが、深層崩壊の詳細な危険箇所の把握はできているのか、土木部長にお尋ねします。
◎石井土木部長 9月10日に、国土交通省より深層崩壊について、渓流ごとの危険度を表示した図面が公表されました。このマップは、同一の地質を有する地域内の深層崩壊の発生の危険度を4段階で示したものでございます。したがいまして、地質の異なる地域との比較ができないといった問題もございます。
また、深層崩壊のおそれのある斜面を特定するということが、これ、できません。深層崩壊は、学術的には非常に困難な、というか、未解決な点が多く、深層崩壊の発生する斜面を特定することが、現時点では非常に困難でございます。しかしながら、このマップでは、渓流ごとに相対的な危険度が把握できるといった、こういう内容になってございます。
◎坂本(茂)委員 加えて、深層崩壊などの発生に対して、危険区域を抱える市町村団体で、避難体制の準備はできているのかどうか、その辺についてもお聞きします。
◎石井土木部長 速やかな避難行動のためには、まず、深層崩壊について正しく理解をしていただくことが必要かと思います。その上で、安全な避難を行っていただくことが、特に重要であると考えております。
具体的には、市町村や住民への防災学習会や防災訓練を通じて周知したいと思っております。また、市町村が安全な避難場所を特定できるように、土砂災害警戒区域の指定、こういったものをスピードアップをしまして、ハザードマップの作成を支援してまいります。
これらの取り組みを通じまして、避難体制の充実を図り、中山間地域の防災対策を推進してまいります。
◎坂本(茂)委員 確かに未解明の部分が多いということだろうというふうに思います。
崩壊の前兆的な変形地形である小崖は、空中写真では極めて注意深い観察が必要でありますけれども、航空レーザー測量では発見できるというようなことも、最近研究の成果というような形で公表されたりもしてますが、ぜひ、より事前情報の収集に努めるよう国にも働きかけていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
この項の最後に、市町村が備える防災体制についてお尋ねいたします。
先ほど、午前中、西内委員が質問をされている中に触れられましたが、南海地震対策再検討特別委員会で調査をいたしました大槌町、陸前高田、この両自治体に実は共通していたのは、職員の約4分の1の方を失っているということであります。多数の職員を失い役場機能が喪失したときには、他県からの支援ではとても対応できないような、想像を絶する事態を招くことになるということもおっしゃってました。そして、大槌町がその際に言われたのは、その前提として、実は、被災前に定数削減で3割の職員が減らされた。その上で、4分の1の方を失ったという事実です。
そうならないための備えも必要であるのではないかというふうに思っております。
そこで、危機管理部長にお尋ねしますが、昨年の予算委員会でも、各市町村における防災担当の組織の状況を尋ねておりますが、1年たった現時点で、どれだけ体制が充実されたか、お聞きします。
◎高松危機管理部長 組織体制の面では、今年度から新たに土佐市、そして、黒潮町のほうで、防災対策、これを専門的に行うための課が新設をされております。この結果、二つ増えまして、6団体で専門の組織を持つということになってきております。
また、防災専属の職員ということで見てみますと、昨年に比べて、14の団体で30名の増というふうになったとお聞きをしております。特に、香南市では自衛官のOBの方を採用する、あるいは、黒潮町では国交省の技術職員の方に来ていただくと。こういったことで、専門性の向上というのが図られてきております。
また、さらに、組織横断的な取り組みとしまして、昨年10月以降では六つの団体で防災に関するプロジェクトチーム、こういったものが立ち上がっております。特に、黒潮町では、防災対策地域担当制として全職員200人も地域に張りつけるというような体制にもなっています。
こうした動きを見てみますと、やはり南海トラフ巨大地震に向けて、市町村の人的体制、これは、大いに強化されつつある、いうふうに考え、受けとめております。
◎坂本(茂)委員 続きまして、市町村では、津波避難対策事業の加速化で、極めて繁忙を極めているという実態を、私たち各市町村に調査に伺った際に見受けられます。防災対策の人的配置の強化が求められていることについて、どのように対応をすればいいというふうに、総務部長はお考えでしょうか。
◎小谷総務部長 市町村の職員数につきましては、財政が厳しくなった。これは、地方交付税の段階補正の見直しとか、三位一体とか、いろいろありました。こういうこともありました。そういうことあって、行政改革に各市町村取り組んで、かなり急激に減ったというのは、委員御指摘のとおりでございます。ただ、最近、地方財政、一般財源の総額確保ということは近年ありまして、若干、それもペースとしては落ちついたのかなと考えてます。
こうした中で、非常に各団体、人員の配置には苦労をします。県においても、同じような厳しい地方財政のもとでありますけれども、南海地震対策ですとか、産業振興分野など、こういった重要性がある分野、緊急性が高い分野には、重点的に人員を配置しておりますし、市町村においても、今、危機管理部長が御答弁申し上げたとおり、そういった分野への配置というのは、困っているところだと思います。
引き続き、各市町村において、行政サービス、どういったところに重要性が高いのかということで判断いただいて、そういった分野に配置してほしいと思いますし、県としてできること、助言、必要において助言等あれば、きっちり助言してまいりたいと思ってます。
◎坂本(茂)委員 それでは、原発事故からの安全対策などについての質問に移らさせていただきます。
大飯原発再稼働の次は、伊方原発再稼働が目論まれているということが、流布される中で、多くの県民が不安を感じております。私は、これまでお会いしてきた福島県の被災者と福島を忘れないという思いのもとに、伊方原発再稼働には反対という県内外の運動に呼応をしてきました。そのことを前提に、お尋ねします。
10月末の修正の工程が少しおくれ気味だとはいうふうにはお聞きしておりますが、地域防災計画に盛り込む、原子力事故災害対策につきましては、県民の健康対策、愛媛からの避難者受け入れを含む避難対策、事故後の産業・観光対策を3本柱に、四電や市町村との情報連絡態勢や県民への情報提供、事故時の対策などを整理するとしているというふうに、報道されておりますけれども、もう少し詳しく知事にお尋ねしたいと思います。
◎尾ア知事 原子力災害を想定しました対策についてでありますが、県の地域防災計画に新たに盛り込むこととしておりまして、現在、防災関係機関等と調整作業を行っておるところであります。盛り込む内容は、御質問にありました3本の対策を柱としておりまして、まず一つ目の柱である健康対策では、住民の屋内への避難や安定ヨウ素剤の服用、放射線のモニタリング体制の整備などについて、定める予定となっておるところです。
次に、避難対策に関しましては、県民の皆様が県外などへ避難する必要が生じた場合や、愛媛県から避難者の受け入れ要請があった場合に、県市町村が実施する事項について、定めることにしておるところです。
最後に、産業・観光対策でありますけれども、県内産品の検査結果や県内の放射線の測定結果を正しく情報発信することによる風評被害の防止策などについて、定めるものとなっております。
また、それぞれの対策を実行するための情報の連絡体制につきましては、異常事態が発生した場合における四国電力からの県への速やかな通報連絡の実施と、愛媛県災害対策本部等へ県職員を派遣した情報収集活動の実施などについて、定めることとしておるところであります。
◎坂本(茂)委員 福島での教訓というのは、多分、反映されていることだとは思うんですけれども、震災関連死が最も多い福島、とりわけ避難所への移動中に亡くなられた方が東北3県のおよそ95%を占めるという状態の中で、県民の混乱のない避難対策や県民の健康対策、これが最重要に考えられるべきだというふうに、私、思っております。
そんな中で、対策想定は、伊方原発が稼働しているとの想定か、あるいは、停止しているということの想定なのか。これ、ちょっと通告しておりませんでしたけれども、ひょっと、その辺が、もし前提としてあるんであれば、お聞かせいただきたいと思います。
◎尾ア知事 それは、いろんなケースを想定しないといけないと、そのように思ってます。最悪の場合っていうのは、やっぱり考えておかないといけないと思いますから、そういう形で研究を重ねたいと思います。
◎坂本(茂)委員 続きまして、食品における放射能汚染、あるいは、内部被曝などの研修について、お尋ねいたします。
3.11を受けて、高知へ避難・移住してきた母の会「虹色くじら」の皆さんが実施した、給食アンケートに回答された県内4自治体の35園の給食担当者で、内部被爆についての研修を受けた園は、4園にとどまっていました。
一方、有害の疑いのあるものとして、残留農薬に続いて放射性物質の順でとらえられている回答、また、原発事故後、使用食材の放射性物質の検出について確認した園が57%、食材の産地について業者と検討または変更したのは63%と、注意が払われています。
そんな中で、職員における放射能汚染や内部被爆などの問題は、子供たちにとって大変重要な課題ですが、保育教育機関、医療機関、福祉施設などにおける給食提供者に対して、これらの研修をどのように行っているのか、健康政策部長にお尋ねします。
◎入福健康政策部長 放射能に関します研修につきましては、食の安全・安心の観点から、今やっておりまして、本年度の取り組みといたしましては、食品の放射能に関する新基準の考え方や人体への影響、それから、県のモニタリング調査の取り組みなどにつきまして、研修や意見交換の会を、この7月と9月の2回実施し、給食関係者を含めまして、約200人の方が参加をいただいたところです。
このほか、栄養教諭、調理、保育園の給食調理担当者等を対象といたしました研修会の中に、県の職員が講師として参加をさせていただきまして、放射性物質に関する話もしてきております。
今後とも、機会のあるごとに、啓発に努めてまいりたいと考えております。
◎坂本(茂)委員 ぜひ、現場のニーズにこたえられるような、そういう研修会にしていただきたというふうに要請しておきたいと思います。
この項の最後に、2月定例会で、特定規模電気事業者いわゆるPPSから、県庁が電力を購入した場合の試算や購入の検討について、質問をしたことに対しまして、研究をされるということでしたが、その研究の結果を総務部長にお尋ねします。
◎小谷総務部長 PPSからの調達、電力需要に関して、さまざまな状況ありますんで、全国の例、いろいろ調べてみましたけれども、非常に競争が働いてコストが下がった例とか、あるいは、逆に入札しても応札がなかったとか、さまざまな例があります。ちょっと状況はばらばらだなということになっておりますけれども、本庁舎、西庁舎、北庁舎。本庁舎につきましては、長期の契約、コストメリットのある契約内容で長期のを結んでおりますので、今年度どうのこうのということはありません。西庁、北庁舎については、単年度契約ですので、来年度の調達に向けて、入札の導入に向けて、さらに検討を進めたいと考えてます。
◎坂本(茂)委員 ぜひ十分な検討をお願いしたいと思います。
最後に、児童養護施設内の虐待防止などについて、お尋ねいたします。
児童養護施設など、施設内虐待禁止の法制化がされてから、3年半が過ぎても、なお、毎年100人を超える子どもが被害に遭うという、セカンド・アビューズ、二次被害が深刻な問題となっています。
2008年に、当時の佐川町の児童養護施設、白蓮寮で入所児童に行き過ぎた懲罰を加えていたことで、本県でも施設内児童虐待の問題が大きく取り上げられました。それ以降、児童福祉法の改正に基づいて公表された、昨年度は児童養護施設で4件の事例が明らかにされていますが、これらについて、虐待状況の公表のあり方が、今のような公表のあり方でいいのか、施設名の公表をするなど効果のある公表の仕方が工夫されるべきではないかと考えますが、部長にお尋ねします。
◎小田切地域福祉部長 児童福祉法では、施設等の職員が入所している子供に虐待を行った場合に、公表する内容として、一つは虐待の状況、そして、県として講じた措置、虐待があった施設等の種別、虐待を行った職員の職種とされておりまして、施設名の公表は含まれておりません。これは、公表制度の目的が、施設に制裁を与えるということではなくて、虐待の防止に向けた取り組みを着実に進めていくことであるため、他の県においても、原則施設名は公表されておりません。
本県におきましても、これまで施設名を公表した場合には、虐待を受けた子供だけでなく、入所している他の子供たちを含めて、回りから何らかの言葉がけをされることや、それまでと違った対応なども考えられ、心理的な影響が心配されることなどから、施設名は公表をしておりません。
県としましては、施設とその施設を経営する法人で決定した再発防止策について、確認検査や監査での指導を徹底することで、再び施設内で虐待が起こらないことを最重点に取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。
◎坂本(茂)委員 2008年のときも、当時の担当部は、白蓮寮の問題、虐待と認識してないというようなことがありましたけれども、知事みずからが、虐待であるというふうな認識のもとに、この第3者検討委員会などをつくって、いろいろと議論がされてきました。
ぜひ、セカンド・アビューズ、今、本当に全国でも大きな課題になってますので、この高知でそういったことが起きないように、どういうふうにやっていくのかということで、今後、それらの解決に向けて、どのような取り組みを行うつもりなのか、部長にお尋ねします。
◎小田切地域福祉部長 高知県では、入所している子供の権利ノートや、虐待があった場合の対応手順と虐待の防止策を定めたガイドラインを、施設職員とともに、これまで作成して、施設職員の権利擁護の意識の醸成などにも努めてまいりました。
児童相談所の職員が、権利ノートを説明して、子供たちに配布もしておりますし、権利擁護等相談方法の周知、生活状況の確認も行っております。施設においても、子供の自治会への活動への支援、意見箱の設置なども行っておりますし、今後、すべての施設で第3者評価が実施されますので、そういったことで、施設運営の透明性と支援内容の向上に努めることになっております。
こういった取り組みで、お話のあったセカンド・アビューズということは、決して行わないように、県としても、全力で取り組んでまいります。
◎坂本(茂)委員 ぜひ、今後とも施設の研修などを強化されて、職員の資質の向上、あるいは、ケアがよりよい体制でできること、そして、市町村との連携が深められることなどを通じて、セカンド・アビューズが起きないような御努力をお願いして、一切の質問にかえます。
どうもありがとうございました。
◎田村委員長 以上をもって、坂本(茂)委員の質問は終わりました。ここで、14時10分まで休憩をいたします。