◎32番(坂本茂雄君) 冒頭、県民の会といたしましても、このたびの新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。
また、罹患された方々や御家族、関係者の皆様にも、心からお見舞いを申し上げます。
そして、感染リスクと隣り合わせで、献身的な努力をされている医療従事者の皆様を始め、感染リスクと向き合いながら、感染症の拡大を抑制する、お互いの命を守る、お互いの生活を守ろうと日々活動されている全ての県民の皆さんに敬意を表します。
今、私たちの生存権は、ウイルス感染と生活破綻によって脅かされるという危機にさらされています。このことによって生命を脅かされる県民を1人でも減らすための高知県の施策の拡充を一層図られたいとの思いで、順次、質問をさせていただきたいと思います。
そこで、まず、PCR検査と医療体制の強化について、知事にお尋ねします。
PCR検査については、医師が判断し、紹介受診票を作成すれば受検できるとおっしゃっておられますが、一般の方の相談目安が重視されるなど、医師が必要との判断に至らず、何らかの目詰まりが生じることによって、検査につながっていないのではないかと思われことも多々あります。そのようなこともあってか、PCR検査体制の強化を図ったとされても、受検しやすくなったとの声が県民から届いてまいりません。
今後は、「衛生環境研究所にPCR装置を追加し、1日当たりの最大検査可能数をこれまでの144件から216件に増やす」と述べられていますが、今まで以上に受検しやすくなるのか、お聞きします。
PCR検査を受検できなかった方の中には、医師から検査しなくても大丈夫と言われても、発熱などの自覚症状が継続し、感染リスクが払拭されないまま、勤務することへの不安を抱え続けていた方々もおられます。
このようなことからも、感染すると拡大リスクの高い学校や福祉事業所・医療機関などの職場で、発熱など自覚症状を有する職員で、希望される方は、PCR検査を受検しやすい環境を整備できないか、お聞きします。
また、指定医療機関や協力医療機関ではない一般の医療機関において、外来での対応によって院内感染を生じれば、そこから地域の医療崩壊につながりかねないことが懸念されます。そうならないためにも、外来での対応について、診療時間や受付体制、動線を区分するなど院内感染防止策を十分に図ることについて医療機関の足並みは揃っているのか、この項は健康政策部長にお聞きします。
さらに、一般の医療機関で、唾液によるPCR検査や抗原検査が進めば、医療機関を守ることにつながるし、効果的なPCR検査への移行が図られることになると思われます。さらに、抗体検査が普及すれば、経済活動の再開を強力に後押しすることにもつながると考えられます。
だからこそ、PCR検査が大幅に増加したときの対応として、県による抗原検査や抗体検査の導入を検討しておくべきと考えますが、知事にお伺いします。
本県の場合は、軽症者等宿泊療養施設として高知医療センターの宿泊施設「やまもも」が機能したので、これまでは、ホテルなどの活用には至りませんでした。現状では、軽症者等宿泊療養施設として、目標とする200室程度の確保にもめどがつきそうですが、いざ稼働させるときの体制を事前に整えて、場合によっては従業員を含めた対応、動線の確認などの訓練も必要だと考えますが、そのような予定があるのか、健康政策部長にお聞きします。
また、感染症治療の最前線で感染リスクを抱えつつ、さまざまな風評にもさらされながら治療に従事されてこられた幡多けんみん病院や高知医療センター、その他の医療機関などでの医療従事者の特殊勤務手当の特例が措置されようとしていることは、職員の感染症防疫作業やモチベーションを維持するせめてもの処遇改善だと思われます。
しかし、PCR検査に従事する衛生環境研究所職員は、多い日には1日に85件、平均でも1日20件程度のPCR検査を行っても、感染症防疫作業手当は日額290円という実態は改善すべきではないでしょうか。
県としては、衛生環境研究所職員も特例措置の対象とすべきではないかと思いますが、総務部長にお尋ねします。
続いて、大学における学生の学びの継続支援について、文化生活スポーツ部長にお尋ねします。
学生団体「高等教育無償化プロジェクトFREE」の新型コロナウイルスの感染拡大に関する調査で、大学生らの約6割が、アルバイトの収入が減ったり、なくなったと答え、親の収入がなくなった、または、減ったと答えた学生も約4割に上り、調査に答えた学生の13人に1人が、大学をやめる検討を始めていると回答するなど、大学生の厳しい生活状況が浮き彫りになっています。
高知県内でも、アルバイト代や奨学金で生活費を賄う学生が、コロナ禍で収入減を余儀なくされているケースがあることから「フードバンク高知」や「こども食堂こうち実行委員会」の協力も得て、米130キロや野菜などが74人の学生に提供されるなど、大学生の生活困窮の実態が明らかになっています。
そこで、高知県立大学及び高知工科大学の授業料の納期限が延長され、授業料の減免措置などの支援策が周知されたとのことでありますが、県内における他の大学では、どのような措置が講じられているか、お聞きします。
また、奨学金が授業料の減免の場合は、申請期間の問題や直接学校に振り込まれることなどから、その間をつなぐために、学生自身が授業料を別途立てかえなければならない事態が生じているとの事例をお聞きしますが、その期間を猶予するよう県内大学には求めることはできないのか、お聞きします。
さらに、在学生で、途中退学した事例もお聞きします。退学した大学生の事情によっては、経済的なものであれば、コロナ禍のもと特段の配慮として、復学を認めることはできないのか、あわせてお尋ねします。
以上のことなども踏まえますと、国において創設されたアルバイトの収入が減少するなどした学生らに10万円を、住民税非課税世帯の学生らには20万円を給付する「学びの継続のための学生支援緊急給付金」の制度を活用して、県としても必要とする学生が漏れることのないように周知をするなど、今回のコロナ禍で学びを諦める大学生が生じないように支援する必要があるのではないかと思いますが、お聞きいたします。
次に、学校休業に伴う学びの保障について、教育長職務代理者にお聞きします。
昨日25日をもって、県内の臨時休業中の学校が全て再開されました。
新入生などは、初めての本格的な学校生活を送ることになります。そのような中で、生徒たちの中には、学校があるのに行けないという「あいまいな喪失」と言われる状況の中で、悲嘆反応として気分の落ち込みや怒り、無気力を引き起こすこともあると言われています。
学校において、まずは生徒たちの心の健康チェックを行い、学校に馴染めるようなサポートを行うべきだと考えますが、どのような支援策を行うのか、お聞きします。
また、授業の遅れを取り戻すために、年度内に指導を終えることが原則とされつつも、柔軟な運用も認められている中で、夏休みの短縮などが検討されていますが、過度な詰め込みは子供たちの理解の深まりを害することにもなります。
さらに、繰り越しの利かない最終学年への対応の課題も大きいものがありますが、厳しい環境にいる子供たちこそを中心に、学びの保障をどのように実現するのか、お聞きします。
その際には、臨時休業の長期化によって生じる教職員の皆さんのストレスや働き方の負担などの解消のためのサポートにも留意するべきと考えますが、このことについてもお伺いします。
全国高校総体など学校教育の中で、生徒たちが長年にわたって部活動などにいそしんできた成果の発表の場が、次々と奪われています。また、県内でもさまざまなスポーツ大会が中止されている中で、多様な形態をとりながらでも、部活動などの成果発表の場を設けることができないか、お聞きします。
次に、経済影響対策について、お尋ねします。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた幅広い事業者を対象とした家賃を支援する国の新たな給付金制度が、明日にでも閣議決定されようとしています。
このことによって、文化・芸術団体においても家賃負担の軽減が図られ、県議会の新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会の要請書にある「文化・芸術の振興に寄与する団体・担い手の拠点確保に対する支援」にも幾分かは、つながると思います。
しかし、県内における「文化芸術関係者の新型コロナウイルス感染症の影響に関する実態調査」の中間集約によれば、公演、展示などの中止による損失は、個人で平均約37万円、事業所で約90万円に上っており、必要とする支援としては「損失に対するもの」と「再開や新規展開事業の支援」が多いという、切実な声が上がっています。
新型コロナウイルスによって、芸術文化活動が大きな影響を受ける中、全国の地方自治体はそれぞれ独自の文化支援事業に乗り出しており、鳥取県は文化芸術の灯を守るとともに、文化芸術の鑑賞機会を広く県民に提供することを目的として、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため無観客で行う公演・展示の映像配信を支援する「アートの灯を守る!とっとりアート支援事業補助金」の募集なども始められています。
高知県としても、5つの基本政策に横断的に関わる重要な政策と位置づけられている「文化芸術とスポーツの振興」を担う団体などの事業継続が図られるよう、さらなる支援策を講じていく必要があると考えますが、知事にお聞きします。
専決処分で対応して、申請者の皆さんのために、協力金の支給を急がれている職員の皆さんは、日々御苦労されていることだと思いますが、「休業等要請協力金」の給付などについてお伺いします。
休業要請の対象となる施設、営業時間短縮の要請対象となる施設の協力実施に伴い、大きな影響を受ける事業者は多種多様となっているかと思います。中でも、タクシー事業者や運転代行事業者の方からの、なぜ対象とならないのかとの相談は多くありました。山形県などは運転代行も支給対象としていましたが、本県も、協力金の対象とすべきではなかったのか、商工労働部長にお聞きします。
また、ゴールデンウイーク期間中に、都道府県の大半が休業要請を行ったパチンコ店に対して、本県の営業をしながら「県外から来られた方による感染拡大を防止するための対応」には、無理があり、結果として県外の愛好者の往来を助長したことになったと言えるのではないでしょうか。
今後、緊急事態宣言が発せられ、休業要請などが行われる際には、パチンコ店も含めるなど休業要請の対象を拡大することの検討はできないのか、危機管理部長にお尋ねします。
もう一つは、要請の仕方について、知事にお聞きします。
4月24日〜5月6日の間に求めてきた、接待を伴う飲食店やカラオケボックスなどへの休業要請、その他の飲食店などへの営業時間短縮の協力要請を5月6日をもって解除する一方で、県民に対してこれらの店舗への出入りを自粛するように求めた「県民の皆様へのお願い」は、事業者や県民の皆様には理解しがたい要請として受けとめられていましたが、知事自身、この要請の仕方には問題はなかったと受けとめられているのか、また、今後、できるだけ県民にわかりやすい要請に努められることを心がけていただきたいと考えますが、御所見をお聞きします。
最後に、県議会新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会からの要請と補正予算の関係について、知事にお伺いします。
知事は、提案説明で、「国の補正予算を最大限活用し、県議会特別委員会からの要請や日本銀行高知支店長の御意見なども踏まえながら、スピード感をもって必要な対策を実行してまいりました」と述べられていますが、今回、県議会特別委員会では「感染拡大の防止」「家庭への支援」「事業者への支援」「感染拡大防止時期における災害発生時の対応」「事業収束を見据えた経済対策」という5つのフェーズで55項目にわたって要請させていただきました。
しかし、特に急がれるけれども今回の補正予算には間に合わなかったと思われる事項として、どのようなものがあるのか。また、それらは、国の2次補正予算を活用したり、県単独でも具体化を図ることができるものなのか、あわせてお尋ねをいたしまして、私の第1問とさせていただきます。
◎知事(M田省司君) 坂本議員の御質問にお答えいたします。
まず、PCRの検査が、今後は今まで以上に受検しやすくなるのか、また、学校、福祉事業所、医療機関などの職員が希望する場合に受検しやすい環境整備ができるのかとのお尋ねがございました。関連いたしますので、あわせてお答えをいたします。
PCR検査につきましては、本県では、これまでも、例えば37.5度以上の発熱が4日間続くといった事例かどうかにかかわらず、医師が検査を必要と判断した場合にはもれなく検査を行うという体制をとってまいりました。
今後に向けましては、この体制は維持しつつ、感染拡大に備えまして、衛生環境研究所にPCRの装置を追加いたしまして、最大検査可能件数を増やすということにいたしております。
引き続き、県の医師会などとも緊密に連携をしながら、検査の必要な方が確実に検査を受けられる体制を確保してまいります。
他方、御指摘ありました学校、福祉事業所、医療機関などの職員の皆様におかれましては、職務上多くの方と接する機会がありますために、人からうつされる、あるいは、人にうつしてしまうという不安を抱かれることも多いというふうに思われます。御本人に、いつもと違う症状などが感じられた場合には、まずは直ちに出勤などを停止いたしまして、その上で、医師の診察を受けまして、検査の要否を判断していただくということが適当であると考えますので、こうした職場に関しましては、改めまして、我々からもその周知を図ってまいりたいと考えております。
次に、県によります抗原検査あるいは抗体検査の導入についてのお尋ねがございました。
抗原検査は10分から30分程度の短期間で判定ができることから、感染者を早期に発見することが可能だという長所がございます。しかし一方、PCR法以上にウイルス量が必要となりまして、感染者を誤って陰性と判定する可能性があるとの留意点が指摘されております。
このため、抗原検査で陰性と判定された場合には、必ず改めてPCR検査を行うという必要がございますので、現時点では、PCR検査に代替する検査とはなり得ない状況だというふうに考えております。
ただ、本県のPCR検査能力を上回るほど感染者が大幅に増加するというような事態が今後生じました場合には、感染者を短期間で発見をして早急に接触者調査に着手ができるという観点から、この抗原検査の活用というのが有効だと考えておりまして、必要な場合には、臨床の現場で活用できますように体制を整えてまいりたいと考えております。
一方、抗体検査のほうでございますが、これは、過去の感染の有無を検査するものでございます。現時点では、新型コロナウイルス関して、再感染しないことを保証するものとはなっていないというのが留意点でございます。このため、PCRの検査が大幅に増加する場合でも、その代替とはなり得ないわけでございますけれども、今後の感染数の推移など、疫学的な流行状況を把握あるいは推計をしていく上では意味があるデータがとれるというふうに考えています。
そうした観点から、現在、国では国内の感染状況を把握するという目的で、患者数が多い地域、比較的少ない地域、あわせまして1万人程度を対象に検査を行う準備をしていると聞いております。県としても、その調査結果に注目をしてまいりたいと考えております。
こうした各種の検査方法は、今後もさまざまな手法の開発が進むと考えられますので、引き続き情報収集を行いまして、効果的と考えられものについて導入を積極的に検討してまいりたいと考えております。
次に、文化芸術団体などの事業継続が図られるためのさらなる支援策について、お尋ねがございました。
文化芸術団体の皆様に御活用いただける支援策には、いわゆる持続化給付金や、実質、無利子無担保の融資制度などのほか、国で検討が進んでおります家賃に対する支援制度も加わる見込みでございます。また、県では、主催するイベント等の自粛に伴います県立施設のキャンセル料の免除なども行なってまいりました。県では、文化芸術イベントなどの開催自粛の長期化によります活動の停滞が懸念されることに鑑みまして、文化芸術振興に向けた継続的な支援について、国への緊急提言も行ったところでございます。今後、国の第2次補正予算の状況も見極めながら、文化芸術団体の再開時の活動を後押しできるように、県としても支援策を検討してまいります。
次に、今回の県民の皆様への自粛要請の仕方に問題はなかったのか、接待を伴います飲食店等との関係での御質問ございました。また、わかりやすい要請に努めることへの所見についても、あわせてお尋ねがあったところでございます。
県内の感染状況が予断を許さないという状況の中、県民の皆様には4月の9日から昼夜を問わない外出の自粛を要請いたしました。また一方で、接待を伴う飲食店などの方々に関しましては、事業の活動に対する休業の要請といたしまして、4月24日から5月6日までの期間を区切りまして、休業要請、あるいは、営業時間の短縮の協力要請を行ったというところでございます。
この接待を伴います飲食店などへの休業要請は5月6日までで解除するということにいたしたわけでございますが、一方では、その解除の時点で、国の基本対処方針におきましては、国民の皆さん一般への自粛要請の指針といたしまして、繁華街の接待を伴う飲食店等については、外出を自粛するよう促すといったことが求められていたと、そういう事情が今回ございました。
こうした状況を踏まえまして、店舗の休業という直接的な制限によらなくても、県民の皆さんの側に出入りの自粛を求めるということで、いわば段階的に通常の状態に戻すことが適当であるという判断で、休業要請は解除いたしますけれども、あわせて、県民の皆様には出入りの自粛を呼びかけるという対応をとったというところでございます。
ただ、御指摘ございましたように、この呼びかけに対しましては、当の事業者の方々から、それでは実際に営業を行ってよいのかどうか大変わかりづらいというおしかり、御批判もいただいたところでございます。
こうしたことも踏まえまして、今月15日には、改めて、県民の皆さんに出入りの自粛を要請する対象を、適切な感染症対策がとられていない飲食店等に限定をするという形で、扱いを改めるということで、アナウンスをさせていただいたところでございます。
今後、こうした要請などが再び必要となった場合には、その根拠、また、背景となった考え方についても、あわせて御説明をするということによりまして、今まで以上に、わかりやすく丁寧な説明になるように努力をしてまいりたいと考えております。
最後に、特別委員会の要請に対しまして、補正予算に間に合わなかった事項、あるいは、国の第2次補正予算の活用などについて、お尋ねがございました。
県におきまして、特に、急を要します感染拡大防止対策、あるいは、事業の継続と雇用の維持を図る取り組みなどにつきましては、特別委員会の御要請も踏まえまして、できるだけ早く実施するという観点から専決処分を行いますとともに、今回の補正予算などにより対応をしてまいりました。
一方で、全国一律で対応すべき家賃などへの助成でございますとか、学生の学業継続のための支援などにつきましては、国において対策を講じる必要があると考えまして、国に対しての提言活動を行っております。
加えまして、宿泊業や旅行業、運輸業など、特に厳しい経営状況にある事業者への支援につきましては、本県独自でも実施をいたしておりますけれども、財源面での制約があるということも事実でございます。
そのため、全国知事会などとも連携をしながら、国に対して、必要な施策の実施や、あるいは、県が行います事業の財源となります臨時交付金の拡充などにつきまして、積極的に政策提言をいたしているところでございます。
ちょうど、その折、昨日、安倍総理が記者会見におきまして、地方向けの臨時交付金の2兆円の増額という方針を発表されたところでございまして、この点は、私としても、非常に評価ができるものというふうに考えております。
今後、第2次補正予算の動向を注視したしますとともに、例えば、観光振興のための代替的なイベントの開催などにつきましては、今回の補正予算で計上が間に合っておりませんので、こうした問題も含めまして、県として、必要な対策についてしっかりと検討を重ね、対応をしてまいる所存でございます。
私からは、以上でございます。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) まず、一般の医療機関における院内感染防止策の足並みの揃いぐあいについて、お尋ねがございました。
これまで、国などから発出された医療機関での感染防止策に関する情報については、更新されるたびに医師会や医療機関にお知らせをするとともに、医療用マスクを始めとする感染防護具などの配布を行い、院内感染対策を徹底していただくようお願いをしてまいりました。
こうした取り組みを通じて、幸いなことに、これまで規模の大きな院内感染は発生しておりませんので、一定のレベルで医療機関の足並みは揃っているのではないかと受けとめています。
次に、軽傷者等の宿泊療養施設を稼働させる際の、従業員を含めた対応や動線の確認などの訓練について、お尋ねがございました。
現在、今後、感染拡大のおそれが生じた際に、速やかに宿泊療養施設として受け入れができるよう、公募により民間ホテルを借り上げるための準備を進めています。今後、実際に感染拡大のおそれが生じて、借り上げを行うことになった際には、宿泊療養施設として活用した「やまもも」のときと同様、改めて、施設内の区域分けや、療養者及びスタッフの動線の確保、スタッフの感染防止手順の徹底など、運営に必要な事項についてマニュアルを作成し、使用開始前に訓練等を行うこととしています。
◎総務部長(君塚明宏君) PCR検査に従事する衛生環境研究所職員への特殊勤務手当の特例について、お尋ねがございました。
衛生環境研究所において、PCR検査を行っているほとんどの職員については、もともと病原体取扱作業に伴う一定の調整額を給料に上乗せしておりまして、国と同様にこれにより対応しているところであります。こうした給与上の措置のない職員については、新型コロナウイルス感染症の特殊性に鑑み、通常の日額290円の感染症防疫作業手当の倍額となる新たな手当を設けることができるよう、現在準備を進めているところであります。
◎文化生活スポーツ部長(岡村昭一君) まず、大学生への支援に関し、高知県立大学と高知工科大学以外の県内の他の大学では、どのような措置が講じられたのかとのお尋ねがございました。
国立高知大学では、本年度第1学期分の授業料の納付期限を5月末日から7月末日に延期した上で、さらに必要が認められる学生には、来年3月末日まで納付を猶予するほか、新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済的に困窮している学生に対し、返済不要の緊急的な支援金として1人当たり3万円を支給する制度を設けています。
また、県内の3つの私立大学においても、個々の学生の状況に応じて、授業料の納付期限を延長する対応を行っているとお聞きしております。
次に、奨学金の給付までの間、授業料の納付を猶予するよう県内大学に求められないかとのお尋ねがございました。
本年4月からの高等教育の修学支援新制度の運用に当たり、給付型奨学金を申請した学生については、授業料の納付時期の猶予など弾力的な取り扱いをするよう文部科学省から各大学等への依頼がなされています。これを受け、既にそうした対応をされている県内の大学もありますが、今回の新制度の趣旨を踏まえれば、経済的に困難な状況にある学生へのきめ細かな配慮を例外なく行なっていただくことが望ましいと考えており、改めて、制度の趣旨や文部科学省からの依頼の内容を周知してまいります。
次に、コロナ禍の特段の配慮として、退学した大学生の復学を認めることはできないかとのお尋ねがございました。県内の大学では、今月22日現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響による経済的な事情で退学した学生はいないとお聞きしております。また、影響の長期化により今後退学を考える学生が出てきた場合には、個別の相談により修学支援新制度や各種の奨学金制度の活用につなげるなど、学びの継続を支援するとお聞きしております。その上で、退学せざるを得ない学生の復学については、各大学の学則によるところとなりますが、学生が経済的な理由で就学を諦めることのないよう学生に寄り添った対応が求められているものと考えております。
最後に、学生支援緊急給付金の周知など、今回のコロナ禍での大学生への支援について、お尋ねがございました。
学生支援緊急給付金制度の創設に関しては、県としましても、学生への早急な支援が行き届く仕組みを設けるよう、国への提言を行っていたところです。同制度は、今月19日に創設され、既に県内の各大学では、学生などへの制度の周知と募集の開始に向けた準備を進められているとお聞きしております。
県としましても、対象となる学生に1日でも早く支給されるよう、各大学と情報を共有し、連携して周知を図ってまいりたいと考えております。
◎教育長職務代理者(平田健一君) まず、生徒たちが学校に適応するための支援策について、お尋ねがございました。
臨時休業の長期化により児童、生徒が大きな不安やストレスを抱え、ネット依存などの生活の乱れも懸念されることから、県教育委員会では、3月から始まった休業期間中もスクールカウンセラーを学校等に配置しました。また、4月から、順次、心の教育センターの日曜日開所や東部・西部地域のサテライト相談活動を開始するなど、児童生徒や保護者に対する相談体制の充実に努めてまいりました。さらに、4月30日には、警察や少年補導センター等の関係機関との会議を持ち、連携して、ネット依存や非行防止の注意喚起を行うことを確認し、県民に向けたPRも実施してまいりました。
学校再開に当たっては、特に、当初の1カ月間は、児童生徒が学校生活に慣れるための重要な期間となります。中でも、不安や悩みを抱えたり、不登校傾向にある児童、生徒にとっては、大きなストレスがかかることが懸念されます。
このようなことから、県教育委員会では、市町村教育委員会や学校を訪問し、子供たちの心理面の把握ときめ細かな支援策について、協議や依頼を行っているところでございます。
こうしたことから、各学校では、再開時に、心と体の健康アンケートや学級担任及びスクールカウンセラーによる面談などを実施し、児童生徒の悩みや不安等の把握に努めています。また小中学校においては、本年度から、職務として位置づけた不登校担当教員が中心となって、家庭や子供の状況について情報を収集し、いつまでに誰が何をするか確認するなど、組織的な支援を行っているところです。
今後、県教育委員会としては、学校再開後の1カ月間の欠席状況等に関する調査を実施し、その結果に基づいた取り組みや支援のあり方について、市町村教育委員会や学校とも連携協議して、必要な支援策を講じてまいります。
次に、厳しい環境にいる子供を中心に、学びの保障をどのように実現するのかとのお尋ねがございました。
新型コロナウイルス感染症対策の臨時休業期間中は、学校や市町村で差があるものの、4月以降、市町村立学校では、最長26日間、県立学校では最長27日間となっております。これに伴う学習のおくれを過度な詰め込みを避けつつ取り戻すために、各学校は、学校行事の見直しや長期休業期間の短縮などの工夫をして、授業時数の確保に努めています。加えて、県教育委員会では、子供たちが主体的に考え、学力をつけ、定着させることができるよう、わかる授業づくりについて指導事例を小中学校に配信するとともに、県立学校の授業内容の重点化や指導計画の見直しを図っています。
また、臨時休業期間中においても、各学校では、学校再開後を見据えて、規則正しい生活習慣を維持しつつ、学力が保てるよう学習計画に基づく課題を提示するとともに、定期的な電話連絡や家庭訪問を行ってまいりました。さらに、登校日を設け家庭学習支援を行うなど、学習の歩みをとめない取り組みが行われてきました。
県教育委員会においても、今年度から一人一人の学びに応じた授業を実施していくため、デジタル社会に対応した教育のデジタル化の推進を教育大綱の柱に位置づけており、今回の授業で、、全校種において学習支援動画を作成し、配信してきました。一人一人の学びに応じた学習を、ICTにより充実させるとともに、休業時に家庭において環境が整っていない児童、生徒に対しては、例えば、パソコン室を開放したり、タブレット端末等を貸したりするなどの対応により、厳しい環境にあっても学びが保障できるように取り組んでまいります。
次に、教職員のストレスや働き方の負担などの解消のためのサポートについて、お尋ねがございました。学校休業の長期化に伴い、時間外在校等時間は減っておりますが、一方で、電話や家庭訪問による児童、生徒のケアや自宅学習のための課題の作成など、日常とは異なる対応が求められ、教職員もストレスがあったと思います。また、学校の再開後、授業の遅れを取り戻そうとして、焦りや疲労感等を感じる教職員もいるのではないかと考えております。
このため、県教育委員会では、学校での悩みなどを気軽に相談しやすいように、公立学校共済組合が実施している電話相談や臨床心理士による面談等、各種相談窓口の周知を行うほか、今年度からはメンター制を中学校にも拡大し、教員が1人で悩まず、組織で対応していけるようチーム学校の取り組みをさらに重視していくことにしております。
また、毎年、県立学校の教職員を対象にストレスチェックを実施しておりますが、今年度は、実施時期を遅らせ、7月上旬から実施することで、授業を再開し一定期間を経過した時点でのストレスの状況を確認できるようにしております。なお、市町村立学校の教職員に対しては、市町村教育委員会がストレスチェックを実施することになりますので、参考となる情報の提供や助言を引き続き行ってまいります。
今後、授業のおくれを取り戻すことが必要となりますが、一方で、働き方改革における業務の効率化、削減の取り組みとして、今年度は、夏季休業中における集合研修の大幅な削減や、調査、照会の精選及び見直しを図っています。さらに、休業に伴う授業時数の確保のために、研修のオンデマンドへの変更や、一部の中止または延期なども行うこととします。このほか、土曜日に授業を実施した場合には、週休日の振替を延長して、長期休業期間中等に取得できるよう、現在、関係機関と協議をしているところであります。
今後も、教職員が心身ともに健康を維持し、教育に携わることができるよう、心身のケアや健康管理のサポートに努めるとともに、業務負担の軽減に努めてまいります。
最後に、多様な形態をとりながらでも、部活動などの成果の発表の場を設けることができないかとのお尋ねがございました。
全国高校総体を始め、県内でも多くの大会が中止され、生徒たちの部活動の成果を発表する場がなくなり、生徒の精神的な負担を考えますと、大変残念に感じているところです。開催に向けての課題としては、休止していた部活動も再開したところであり、大会の開催までには生徒の体力や健康、安全面に配慮した十分な準備期間が必要となること、スポーツの特性上、三密を避けて実施することが難しい競技や、中央競技団体が実施に制限を設けている競技もあり、現段階では大会を開催することが難しい競技も考えられること、夏休みが短縮される傾向にある中での日程の確保や施設の確保、大会運営に必要な教員や関係者を確保しなければならないことなどが挙げられます。
現在、こうしたことを念頭に、関係機関と、県内イベントの開催基準に沿って、日程や会場の分散、競技方法の変更、会場への入場制限等の協議を行うとともに、感染防止対策として、公益財団法人日本スポーツ協会が示すガイドラインに基づき、選手、運営者等の健康観察、換気の徹底、用具、手指の消毒方法等についても検討しているところでございます。県教育委員会では、生徒たちがこれまでの練習の成果を発表できる場となるよう、こうした課題にも対応しながら、体育大会ができる限り開催できるように検討してまいります。
◎商工労働部長(沖本健二君) 休業等要請の実施により影響を受ける事業者も、協力金の対象とすべきではなかったかとのお尋ねがございました。
今回の措置は、県内の感染事例を踏まえ、接待を伴う飲食店やカラオケボックス、ライブハウスなどの感染拡大のおそれがある施設に対し休業を要請したものです。加えまして、居酒屋、料理店などの飲食業については休業までは求めず、人と人との接触を減らす、あるいは、夜間の酒席の場を減らすといった感染リスクを減らすとの観点から、営業時間の短縮をお願いしたものでございます。
一方、こうした休業や営業時間の短縮により、タクシー事業者や運転代行事業者を始め、食材や酒などの仕入れ、あるいは、おしぼりの納入など、さまざまな事業者の皆様が間接的な影響を受けておられます。
今回は、こうした影響を受けることへの補填ではなく、あくまで休業等の要請に応じていただいた協力金としてお支払いをするものでございます。事業者の皆様におかれましては、持続化給付金などの国の制度や県の融資制度、また、市町村においてもさまざまな支援制度がございますので、まずはそれらの活用を御検討いただきたいと思います。
◎危機管理部長(堀田幸雄君) 今後、緊急事態宣言が発せられた際には、パチンコ店など休業要請の対象を拡大することはできないのかとのお尋ねがございました。
新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく休業要請につきましては、県民の皆様の社会経済活動への制約を最小限にとどめたいとの思いのもと、本県の感染事例の実態を踏まえ、できる限り対象施設の絞込みを行いました。このため、御指摘のパチンコ店につきましては、全国的にも感染事例が確認されていないことから、他の遊戯施設も含め休業の要請を行わないことといたしました。
今後も、特措法に基づく休業要請など感染拡大防止のため経済活動に制限をかけざるを得ない状況となった場合には、県内の感染事例や国の基本的対処方針などを踏まえ、要請の対象を判断してまいりたいと考えております。
◎32番(坂本茂雄君) どうも、それぞれに御答弁、ありがとうございました。
大変厳しい中で、県の職員の皆さん、知事を先頭にこの間、御奮闘されてきたことはよくわかるわけですけれども、1つは、冒頭に知事がお答えになられた、いわゆるPCR検査の関係、医師が必要と認めたものを断った事例はないというふうな答弁があったわけですけれども、その医師が必要と認めるかどうかの以前の段階で、目詰まりを起こしている部分というのはあるんではないだろうかというふうなことを、検査を受けられなかった方からの声として聞くわけです。そういった意味でも、そこの医師が判断するのに躊躇しない、そういう判断を求められるような、そういったことも県として、これから働きかけていただけたらというふうに思いますが、その辺について、知事のお考えをお伺いしたいと思います。
そして、休業要請協力金の問題にしましても、今回の補正予算で出されている観光リカバリキャンペーンの事業対象の問題にしましても、やはりどこかで線を引かないと、というのは確かにあるだろうというふうに思います。しかし、その線を引くときに、どういうスタンスで線を引くのかというふうなところは、やはり十分に検討していただきたいというふうに思いますが、この点について、それぞれ知事にお伺いをいたしまして、私の一切の質問を終わらせていただきます。
◎知事(M田省司君) 坂本議員の再質問にお答えいたします。
まず、PCR検査についてでございます。
今回の感染の経過を振り返りますときに、特に、初期におきましては、PCR検査の対応体制と言いますか、処理可能な件数も非常に全国に限られているという状況がある中で、特に、一部には、その検査の抑制に働くような働きかけが行われていたというような傾向があるということも事実ではないかと思います。その点は、ある意味、反省にも立ちまして、我々といたしましても、検査のキャパシティーを増やしていくということで、環境衛生研究所の陣容も充実していくということにさせていただいております。そうしたこともございますし、また、一定こうしたことで、コロナウイルスに対する経験も積み重ねてきたわけでございますので、そういった状況も踏まえまして、ただいま、議員から御質問ありました、医師において的確な判断がいただけるようにという観点につきましては、今後、さらに、医師会などを通じまして、我々からもお願いをしていくということで努めてまいりたいと考えております。
2点目が、協力金の対応などについての線引きについての考え方ということでございます。
御指摘いただきましたように、こうした支援措置、あるいは、これと表裏の関係になりますけれども、休業の要請等、事業者の方々にお願いするに当たりましては、行政としてお願いをする以上、一定の線引きというのはどうしても不可避でございます。
そうした中で、その境界にある事例の事業者の方々あるいは関係の方々から、非常に残念な思いをお聞きしたり、あるいは、おしかりをいただいたりということもあるわけでございますが、我々としましては、できるだけそうしたことがないように、さまざまな支援措置あるいは休業の要請等などに関しましても、その考え方をしっかりと整理をし、また、明確に説明をし、また、粘り強く御説明をしていくということに精一杯努めてまいりたいと考えております。