2018年9月定例会一般質問(10月2日)

◎32番(坂本茂雄君) 32番、県民の会の坂本ですが、ただいまから質問をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
 まず、9月30日に高知県沖を通過し、日本列島を縦断した24号台風の被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。まさに、この間の数カ月を見ただけでも、今年の6月以来の大阪北部地震、7月、西日本豪雨災害、8月の災害とも言える酷暑の連続、そして、9月に入っては台風21号、北海道胆振東部地震、そして、一昨日の24号台風と、広域連続複合災害とも言える、あらゆる被害形態を伴う自然災害が発生しております。
 そんな中で、今回は、避難を中心に、南海トラフ地震対策について質問をさせていただきたいと思います。
 昨年11月から、南海トラフ沿いで異常な現象が観測され、大規模な地震との関連について調査を開始した場合や、地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価した場合には、これらを臨時的に「南海トラフ地震に関連する情報」として発表することとされています。
その際には、県は、例え空振りの可能性があっても、1人でも多くの県民の命を守るために、国から臨時情報が発表された場合には、同情報を活用して具体的な行動を起こすことが必要だと考え、市町村とともに検討されていますが、県の言う「統一指針」の策定は可能なのか、知事にお尋ねします。
◎知事(尾ア正直君) この南海トラフ地震に関する情報、いわゆる臨時情報について、やはり、こちらについては、出されたときには空振りを恐れることなく、1人でも多くの命を守るために具体的な行動を各市町村に追ってとっていくということが極めて大事だと、そういうふうに考えております。
 そのために、各市町村の担当者の皆様にも、私から直接お話もさせていただいて、ぜひ具体的な行動をとるようにしようと、そのための統一的な基準をつくろうと、そういうお話をさせていただいているところであります。
 その中で、方針としては大きく2つ。まず、第1は、何と言っても、地震というのは、突発的な対応が起こる、突発的に起こるということがまず第1。臨時情報が必ず前にくるわけではありません。突発的に来るということがまず第1。まずこれに備えようと、これが第1。その上で、第2の方針として、この臨時情報が発せられた場合においては、県民の皆様方に対して、各市町村から具体的な働きかけを行い、各市町村も具体的な準備を図ろう。その具体の中身として、例えば、全ての住民の皆さんに、家具の固定や備蓄物資、避難経路を確認していただくよう、具体的に促すこととか。そして、特に、津波の到達時間の早い地域にお住まいの避難行動要支援者の方など、こういう方々についてはあらかじめ事前に避難をしていただくことが重要である。そして、そのための具体的な行動をとろうと、こういう方向で、今検討をさせていただいているところでございます。現在、市町村と最終の調整を行っているところでありまして、年内には、この方針をとりまとめさせていただきたいと、そのように考えておるところです。
 そして、その後に、最終的に国のほうでガイドラインを作ることとなりますでしょうから、今度は、国のほうでガイドラインが作られれば、それにあわせて、さらに県版の指針をバージョンアップしていくと、そういう方向で取り組まさせていただければと、そう思っています。
◎32番(坂本茂雄君) 今おっしゃいましたように、沿岸部分の方々の情報が出た場合の避難行動要支援者の避難を促したいという考え方、そのような方々の避難所については、災害直後の避難とは違って、あらかじめ福祉避難所と一般避難所に区別して避難させようとするのかどうか、地域福祉部長にお伺いします。
◎地域福祉部長(門田純一君) 臨時情報が発表された場合の対応は、市町村と協議を行っているところですが、現時点では、まずは全ての住民の皆様には、お近くの避難所へ避難をしていただき、身の安全を確保していただいた上で、受け入れ可能人数などを考慮し、優先度の高い方から順次、福祉避難所に移っていただくことが現実的であると考えております。このため、一般避難所に福祉避難所的機能を持たすことが重要であると考えておりまして、市町村とともにその取り組みを進めてまいりたいと考えております。
◎32番(坂本茂雄君) 今のご答弁でいけば、次の質問は、少し飛ばしていきます。若干違ってくるかと思いますんで。
 続きまして、避難行動要支援者名簿と個別計画について、お尋ねします。
 東日本大震災の被災地全体の死者のうち6割が、65歳以上の高齢者であったことや障害者の死亡率は被災住民全体の死亡率の約2倍であったことから、災害対策基本法が平成26年に改正され、避難行動要支援者名簿の作成が市町村に義務づけられ、防災会や町内会は、この名簿の提供を受け、個別計画の策定に取り組むこととなっています。
 今回の西日本豪雨災害で被害の大きかった岡山県倉敷市真備町地区で、市が身元確認した死者51人の約8割に当たる42人が、障害者や高齢者の要支援者だったことがわかっていますし、また、死者が多かった岡山、広島、愛媛3県の市町村の8割以上でも、個別計画の策定が完了していないことなどが明らかになっています。
 本県においては、名簿提供率が昨年度末で20.6%、個別計画策定率が10%となっているとのことですが、提供率、策定率で対象県民をカバーし切れていないことも問題ですけれども、その前提となる同意のあり方についてお尋ねします。防災会や町内会に提供される避難行動要支援者名簿は、同意者のみとしておりますが、県内での同意率は平均どの程度か、地域福祉部長にお尋ねします。
◎地域福祉部長(門田純一君) 平成30年3月31日現在、避難行動要支援者名簿に登載されている方の数は、5万8,733人です。そのうち、名簿情報の提供に同意をしていただいている方は3万5,574人で、同意率は60.6%となっております。
◎32番(坂本茂雄君) 今、お示しがありましたように、同意率が約6割ということで、これは多くの市町村でほぼ同じような数字なのかもしれませんし、多少市町村によって格差があるのかもしれませんが。だとすれば、残りの4割の方が名簿に載らないまま個別計画も策定されないということになりかねません。より多くの対象者を把握するためにも、同意を拒否したもの以外は名簿に登載するという、いわゆる逆手挙げ方式で、提供するということは考えられないのか、地域福祉部長にお尋ねします。
◎地域福祉部長(門田純一君) 災害対策基本法では、原則本人からの同意を得た上で、避難支援等関係者に名簿情報を提供するものとされていますが、他県では条例により、逆手挙げ方式を定めている市町村があることは承知しています。県でも、逆手挙げ方式を検討するため、こうした取り組みを行っている他県や他県の市町村にも直接お伺いをして、状況をお聞きしました。その中で、名簿を活用し、避難支援等関係者が個別に訪問しても、実際には本人の協力が得られないといった課題や、地域の支援者、避難支援等関係者が訪問した際に、住民の方とトラブルになった事例があるなどのお話をいただきました。
 こうした課題もございますことから、現時点では、県といたしましては、避難行動要支援者の個別計画の策定を進める上で本人の協力を得ることは必要と考えておりまして、原則どおり同意を得ることを前提として、市町村における名簿情報の提供を推進していきたいと考えております。
◎32番(坂本茂雄君) そういうことであれば、ぜひ同意をいただくための努力をもう少し市町村が重ねていくというようなことに、いろんな手法なども含めて、指導していただくとか、情報を提供していただくとか、そういうことをお願いしておきたいというふうに思います。
 先ほど、1問のところでお答えもあったんですけれども、この個別計画策定の場合でもそうですが、個別計画策定によって避難支援をする場合は、必ずしも福祉避難所への避難支援ではなく、最も近い避難所に避難することが多くの場合あるということで、先ほどの準備情報が出たときと同様のことだろうというふうに思います。そういった意味では、昨年、質問しましたように、通常の避難場所に福祉避難所的機能を持たせるということについて、どれだけの取り組みをこの間してきたのか、地域福祉部長にお伺います。
◎地域福祉部長(門田純一君) これまで市町村に対しまして、避難場所の環境整備について、地域防災対策総合補助金などを活用するなど、要配慮者の支援について積極的に進めていただくよう通知をするとともに、市町村担当者会でも要請することなどにより、取り組みを促してきました。
 こうした中、補助金を活用して津波避難タワーに要配慮者用のトイレの整備を行うこととした市町村や、避難場所の環境整備を検討している市町村も出てきています。
 一方では、まずは必要最低限のものを整備するという段階で、福祉避難所的機能まで検討が至っていないという市町村もございますことから、引き続き、市町村に対し要配慮者に対する環境整備の重要性をお伝えし、取り組みを進めていただくよう促してまいりました。
 また、避難支援等関係者などを対象としました災害救護救援研修会を今年2月に県内3カ所で開催をしておりまして、要配慮者の多様性やその特性に応じた配慮などについて学んでいただくことなどにより、その理解の促進に取り組んでいるところでございます。
◎32番(坂本茂雄君) 実は、私、昨晩も事故で頸椎損傷になられた方、車いすで24時間のケアを受けながら自立されている方などを招いて、この個別計画のつくり方だとか、避難の行動がどう支援が必要なのかという勉強会をしておりました。そういう意味でも、今おっしゃったように、いかに障害理解を深めていくかというようなことをぜひ今後も継続してやっていただきたいなというふうに思っております。
 続きまして、避難所の確保と仮設住宅の確保について、お尋ねいたします。
 これまでもたびたび質問してきたことでありますが、避難行動要支援者対策を含めて、避難行動を促すことに取り組めば取り組むほど、避難所の確保に対する懸念を抱かざるを得ません。また、仮設住宅については、昨年12月定例会で、高知県全体では最大7万7,000戸になる見込みだが、みなし型として使える可能性がある住宅は計7,200戸程度、建設型の候補地の確保は1万5,000戸分程度ということで、仮設住宅不足であることを指摘した上で、みなし仮設住宅のあり方について質問させていただきました。いずれも、必要数の確保という状況に至っていない中で、県民は安心して、守った命をつなぐことができないという状況を不安に感じています。そこを本気で、加速化することが求められているとの思いで、順次、お聞きします。
 避難所の確保は、現時点でどこまで達成できたか、危機管理部長にお聞きします。
◎危機管理部長(酒井浩一君) 最大クラスの南海トラフ地震発生時には、県全体で約23万人の避難者が想定されますが、昨年度末の時点で1,246カ所の避難所で約20万人分の避難スペースを確保しております。
◎32番(坂本茂雄君) 数的には23万に徐々に近づいているというのはあるでしょうけれども、ただ、場所によって偏在というのが、それぞれの自治体によって偏在というのがあると思いますので、その偏在をどういうふうに解消していくのかということが今後必要になってこようかと思います。そういった意味での広域避難の検討ということについて、これまで4圏域で調整がされてきているということだと思いますけれども、どこまで進んでいるのか、お聞きします。
◎危機管理部長(酒井浩一君) 4圏域の中で、高幡圏域はモデル的に一番進んでおるとこなんでございますが、ここでは、搬送の手順や受入の手続きを定めた広域避難計画、既に策定できておりまして、さらに本年度、関係者の皆様と訓練を実施したところでございます。
 残りの安芸、中央、幡多の各圏域につきましては、年度内にこの広域避難計画策定できる見込みでございます。
◎32番(坂本茂雄君) 訓練にまで至っているということは、そこの高幡圏域では、一定その圏域の住民の皆さんは、十分に承知されているんだろうというふうに思いますが、県民に対して、事前に広域避難先がどうなるのかということなどの周知が図られているのかどうか、部長にお聞きします。
◎危機管理部長(酒井浩一君) 全般的に周知をするのは、ほかの3圏域の計画ができてからとは思っておりますが、先ほど訓練した高幡圏域までは、訓練に参加した方には周知をさせていただいているという状況です。
◎32番(坂本茂雄君) 3圏域が出そろった段階でということになれば、相当先の、相当言うたらおかしいですけども、順次策定していく中であれですけれども、大体めどとして、どれぐらいで達成できるというふうに感じておりますか。
◎危機管理部長(酒井浩一君) 先ほど御答弁させていただいたように、計画自体は今年度中にできますので、でき次第、幅広い周知はさせていただきたいと思っております。
◎32番(坂本茂雄君) わかりました。
 続きまして、西内議員への答弁でも明らかになっておりますけれども、先ほど前段で指摘しましたような仮設住宅不足状況については変わらないままでありますが、そういった中で、建設型仮設住宅の用地、さらには、みなし仮設住宅戸数の確保に関する、今後の充足計画について、土木部長にお尋ねします。
◎土木部長(福田敬大君) 建設型仮設住宅の用地につきましては、市町村が所有する公有地だけでは不足する状況でありますので、民間所有の土地につきましても候補地としてリスト化し、発災後、借り上げなどの相談が迅速にできる準備をしていただくよう市町村に依頼しているところでございます。
 また、みなし仮設住宅につきましては、発災時に使用可能な民間賃貸住宅を最大限活用できるよう、不動産関係団体と連携いたしまして、迅速に空き家情報、空き物件情報を抽出、共有できる仕組みづくりを準備を進めているところでございます。
 また、仮設住宅の建設候補地を十分確保することができない市町村もあることから、その市町村域を超えた広域調整についても危機管理部と連携して進めてまいりたいと考えております。
◎32番(坂本茂雄君) そういった取り組みを、いつぐらいまでに仕上げていく予定ですか。
◎土木部長(福田敬大君) 今、建設型仮設住宅の用地についての借り上げの相談ができる、迅速な準備を市町村に依頼していることは実際、これまでしておるところでございまして、現在、不動産関係者とのみなし仮設住宅についての最大限活用できる空き家物件の抽出も、現在、手続きを進めている、準備を進めているところですが、いつまでにというところを、なかなか先方のシステムにつきまして、手を加えさせていただくところを取り組んでいるところですので、今、この時点でいつまでというのは、できるだけ早く進めていきたいというふうに考えてございます。
◎32番(坂本茂雄君) この課題というのは、やっぱり県民の皆さん、非常に関心を持たれているわけで、そういった意味では、やはり、いつをめどにこの計画をきちんと立てていくんだというぐらいの決意でやっていただきたいと思います。今の段階で、まだそういっためどを立てれてないということでいいんですね。
◎土木部長(福田敬大君) はい、申しわけございませんが、いつまでにという状況を立ててございません。まだ、立てれてございませんので、できるだけ速やかに進むよう、取り組んでまいりたいと思います。
◎32番(坂本茂雄君) 第4期の南海トラフ地震の行動計画の中では、そこが明確になるようにお願いをしておきたいというふうに思います。
 続きまして、避難所にスフィア基準というのを導入するような考えがないのかということで、お尋ねします。
 西日本豪雨災害における避難所生活で、クーラーであるとか、あるいは、間仕切り、段ボールベッドが今まで以上に設置されるなど、多少なりとも避難所生活の改善が見受けられています。
 しかし、この国の避難所は、紛争や災害の際の避難所の環境について、アフリカ・ルワンダの難民キャンプで多くの人が亡くなったことを受けて、国際赤十字などが20年前に定めた最低限の基準である、スフィア基準を満たしていないというふうに言われています。スフィア基準では、例えば、居住空間、あるいは、トイレの数、そういったものについて、必要性を説いた基準を示しているわけですけれども、まだ、そういったものが、率直に言って、災害時の避難所運営の中で取り組まれているというふうな状況にないのではないかというふうに感じております。
 そういう中で、このスフィア基準、2016年4月、内閣府の避難所運営ガイドラインの中で参考にすべき国際基準として紹介され、徳島県では昨年4月、徳島県避難所運営マニュアル作成指針を改定し、スフィア基準を盛り込んでいるようですが、本県においても、避難所運営マニュアルに取り込むべきではないか、危機管理部長にお尋ねします。
◎危機管理部長(酒井浩一君) 本県の避難所運営マニュアル作成の手引き、既に平成26年につくっておりますが、これは東日本大震災はもちろんのこと、阪神淡路大震災と、過去の災害の教訓、さらに、他県での取り組みを参考に、ある意味、日本の事情にフィットしたものとしてつくらさせていただいておりますが、そのスフィア基準につきましても、参考にさせていただいくとこは参考にさせていただきたいと思っております。
◎32番(坂本茂雄君) 今後、参考にしながら、マニュアルの改訂なども必要になってくる部分というのは、災害ごとにやっぱり改善するべき点というのはあると思いますので、スフィア基準についても参考にしながら取り入れていくように、ぜひ、お願いしておきたいというふうに思います。
 災害時に避難所となる施設のトイレについては、内閣府が市町村向けの指針でバリアフリー化を求めており、県内の仮設トイレもその方向性を求めるべきだと考えますが、林業振興・環境部長にお尋ねします。
◎林業振興・環境部長(田所実君) 災害時に避難所において誰もが安心してできるだけ快適にトイレを使用することは大切でございまして、仮設トイレにおいても同様であるというふうに考えてございます。
 県では、現在、平成26年度に策定しました高知県災害廃棄物処理計画バージョン1の見直しを行っておるところでございまして、その中で、仮設トイレのバリアフリー化の方向性を明示しますとともに、各市町村の計画にも反映していただくよう働きかけていきたいというふうに考えております。
 また、仮設トイレメーカーと、災害時の支援協定を締結するよう準備を進めておりまして、その中でもバリアフリーに対応したトイレを可能な限りを御提供いただける内容を盛り込むことができますよう、協議していきたいというふうに考えてございます。
◎32番(坂本茂雄君) よろしくお願いします。
 この項の最後に、防災立県ということについて、知事にお伺いしたいと思います。
 知事は、提案説明も含めてですが、この議会中、豪雨災害対策推進本部を立ち上げて、これからも、こういったあらゆる災害に臨んでいく姿勢を示されてこられました。また、本年度は、第3期南海トラフ地震対策行動計画の最終年度であるということから、これまでの取り組み状況も踏まえた課題の整理を行い、来年度から始まる第4期計画の策定を進めている状況にあります。
 そういった中で、それぞれの課題解決の加速化を図るためにも、防災教育、防災ひとづくり、防災まちづくり、防災交流など、一体的に図っていくことが必要ではないかと考えています。そのような取り組みを通じて、日常的に県民が命を大切にすることをあきらめず、災害弱者と言われる方々を日常の暮らしの中で支え合い、見守ることに力を注ぐ、そして、子供たちはそんな大人になっていくための防災教育を受ける。さらには、そんな教育を受けた子供たちと大人によって、共助力・近助力を発揮できるコミュニティがあちこちに培われたまちと自治体は、地域防災力を向上させることとなり、自治体間、住民間で防災交流が図られることによって、住民、地域、自治体の支援力、受援力が高まるものだというふうに思います。そのようなソフト面を備えた高知県であればこそ、ハード整備が生かされるのではないかと考えます。
 以上のようなことを今後、今まで以上に取り組んでいくため、県の内外に対して「日本一の防災立県」宣言を、この高知県から行っていく、そんな強い決意を知事に示していただけたらというふうに思いますが、いかがでしょうか。
◎知事(尾ア正直君) 先ほど来、御審議をいただいておりますことについて、ほんとに大変ごもっともだというふうに伺って、お話を聞かしていただいておりました。
 この南海トラフ地震対策を進めていくに当たって、発災直後の対応、例えば、避難の避難場所づくりとか、津波避難タワーとか、耐震化とか、こういうことについて、これまで全力で進めてきました。しかしながら、第3期の南海トラフ地震対策行動計画になって、だんだんと、例えば、応急期初期の対応をより充実させていこう、そういうことで避難所の確保に全力を挙げてきて。また、さらに、今後、応急期後期、復旧期という形で、例えば、仮設住宅をどこに建設するかとか、そういうことなんかについて、より詳細な検討をしていくと。そういう形で、だんだんだんだん時間軸を長くとって、発災直後から応急期、応急期後期、復旧期、復興期という形での対策を進めていくということになろうかと思います。時間軸を長くとればとるほど、もっと言いますと、後のステージになればなるほど、関わってこられる方は多くなってくる。そういう意味において、県民挙げた、対策ということが必要になってくる。そういう意味において、県民の皆様方に、防災をみんなでやりましょうということを訴えていくような強烈なメッセージというのは必要だろうと、そういうふうに考えておるところです。
 ただ、立県ということになりますと、いろんな意味での立県というのがございますし、どちらかと言うと、立県というときは、前に来る文字というのは、もう少しポジティブニュアンスを持ったものではないかということも思います。御提案は御提案として受けとめさせていただきながら、第4期の行動計画の中において、どういう強烈なメッセージ、どういうわかりやすいメッセージを発することができるか、ちょっと検討を重ねさせていただければなと、そのように考えておるところです。
◎32番(坂本茂雄君) 強烈なメッセージを発する、それは、すごく大事だと思います。で、私も防災立県という言葉にこだわるわけではないですので、第4期の行動計画の中に強烈なメッセージを発するような、それはもう県民に対しても、そして、県外に対しても、いざというときには高知にも来てくれよと、支援をしてくれ、俺らは精一杯頑張るんだというようなことも含めて、ぜひ強烈なメッセージを盛り込む行動計画にしていただきたいということをお願いして、次の質問に移ります。
 昨年12月定例会の私の質問に対して、当時の総務部長は「会計年度任用職員については、現在、全庁的な実態調査をしている。平成32年度の施行に向けて、それまでに採用手続もしなければならない。何よりも、職員団体の皆様と丁寧に交渉をさせていただく必要がある。来年度しかるべき時期に提示をし、真摯な議論をさせていただく」と答弁をされました。
 しかし、職員団体に対して、9月20日に提示された「会計年度任用職員制度について」との内容は、新たに適用する給料・報酬・休暇制度といった、労働条件の最たるものが具体的に示されておりません。したがって、「来年度しかるべき時期に提示をし、真摯な議論をさせていただく」という姿勢のうかがえる提案内容とはなっていないと言わざるを得ないのです。示されている内容から言えるのは、会計年度任用職員の基本はパートタイムであり、募集のあり方や業務の見直しにより雇い止めが生じる可能性がある、明確な提示を先送りする姿勢は、非常勤職員の皆さんの雇用不安をより一層高めているのではないかと思われます。
 そのような姿勢を改めて、真摯な交渉ができる提案内容を早急に提示する必要があると考えますが、そういった思いがあるのか、総務部長にお尋ねします。
◎総務部長(君塚明宏君) 先日、職員団体に掲示させていただきました内容については、本県といたしまして、現時点でできる限りの勤務条件をお示ししたものと認識しております。その中で、今、お話ありました報酬や休暇制度などにつきましては、今後、会計年度任用職員として任用される方々にとりまして、重要な勤務条件であります。その設定につきましては、全国の動向も踏まえながら、慎重に行う必要があると考えておりまして、現在検討中でありますので、今回は骨格として具体的な内容についてはお示しできていないところでございます。
 今後、これらにつきまして、全国の動向ですとか、これまでの経緯等も踏まえまして、検討を進めまして、整理ができ次第、速やかに掲示を行いたいと考えているところでございます。
◎32番(坂本茂雄君) 今、横にらみをしている、いわゆる、給料、報酬、休暇制度といった労働条件の部分こそが、本来、職員団体と話し合うべき課題なわけですよね。そこが提示されていないということに問題があるわけで、ぜひ、早急にそういったところを提示しながら、十分な合意を図るための話し合いをしていただきたいというふうに思いますが、その決意をもう一度お願いします。
◎総務部長(君塚明宏君) これは、他県の動向なんかを見ておりますけれど、やはり、本件を照会しましたところ、先月の28日、月末段階で、細かいところまで提示しているというところはございません。全体像を示しているのが、本県含めて9団体となっているところでございます。その中で、我々としてできる限りのことをさせていただきました。
 ただ、やはり、議員御指摘のとおり、真摯な話し合いというのは大事だと思いますので、できる限り速やかに掲示を行いたいと考えております。
◎32番(坂本茂雄君) そういった中で、十分な交渉時間をとっていただく、職員団体の合意を前提として、しかるべき時期に条例案を提案するということになるだろうというふうに思いますが、ぜひ、そういったことについて、十分な合意もないままに提案をするなどということはないようにお約束をしていただきたいと思うんですが、総務部長、いかがですか。
◎総務部長(君塚明宏君) これまでも職員団体との話し合いにおきましては、意見を聞いて合意を目指し、場合によっては提案を変更することもあり得るという基本姿勢で臨んでおります。ですので、職員団体との今後の会計年度任用職員制度についての話し合いにおきましても、合意を目指して真摯な議論をさせていただきたいと考えております。
◎32番(坂本茂雄君) 現在の非常勤職員の方々が、長年にわたって県政発展のために勤務されてきた御労苦に対して、会計年度任用職員制度が導入されることで、処遇が後退するというようなことなどがあってはならないというふうに、私は考えております。そういうことについて、副知事、どのようにお考えになりますか。
◎副知事(岩城孝章君) 非常勤職員の皆さん方には、多様な行政需要に対して、常勤職員とともに非常に頑張ってやっていただいているというふうに思っております。特に、長年務めてこられた方、また、現在も勤めていただいている方に対しては、心から感謝申し上げたいというふうに思っております。
 そうした中、今回の会計年度任用職員制度の採用ということで、一定条件を満たせば、職員と同様に期末手当が支給されるということで一定の処遇改善ということは期待できるというふうには思っておりますが。他方で、今般の地方公務員法の改正によりまして、任用、勤務条件等が明確化をされまして、平等取り扱いの原則、地公法のそういうことから、年齢や性別等に関わりなく均等な機会を与える必要があること、また、給料や報酬、手当て等は、職務給の原則、均衡の原則等に基づいて支給することということから、より厳格な運用が必要になるということも事実でございます。
 これらのことを踏まえまして、先ほど総務部長も答弁しましたように、しっかりと職員団体の皆さん方と丁寧な話し合いをさせていただきたいというふうに思っております。
◎32番(坂本茂雄君) 今回のこの制度導入が、あまりにも国の示したガイドラインなどに沿って、それでやり切ろうとしたときに無理が生じる部分というのは絶対出てくると思うんですね。やっぱりそこのところは、本当に職員の方々が雇用不安を感じたりとか、あるいは、処遇が後退させられたりして、やる気を損なうようなことのないように十分配慮をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
 引き続いて、障害者雇用の問題について、御質問させていただきます。
 時間が大分押しておりますので、少し省きながら御質問をさせていただきますけれども、この会計年度任用職員の関係とリンクしますが、会計年度任用職員の職の設置に伴い、障害者の採用も行われることとは思います。そういう中で、現行の障害者枠、非常勤職でのチャレンジ枠的な年限を設けた職となるのか、あるいは、健常者と同様の扱いとなるか、総務部長にお伺いします。
◎総務部長(君塚明宏君) 知事部局におきましては、会計年度任用職員制度におきましても、引き続き障害のある方を対象した職を設ける予定としております。その中で、会計年度任用職員制度そのものなんですけれども、原則は、会計年度ごとに公募を行うということとなっておりますけれども、継続雇用の必要性がある場合には、その従前の勤務実績等に基づく能力の実証によって、例外的に最長3年までの再度の任用を可能とする予定としております。
 ですので、今後、障害のある方を対象とした職の任用期間につきましても、これから検討していくことになりますけれども、今の申し上げたことを踏まえますと、実態とすると現行と同様の運用となるのではないかと考えております。
◎32番(坂本茂雄君) ただ、現行と同様と言いましても、現行の場合は、3年でもう切ってしまうという考えじゃないですか、チャレンジ枠的な対応というのは。
 ところが、この会計年度任用職員の場合は、3年たっても再度公募に対して応募することはできるんですよね。そのことも否定してしまうということになるのではないかという懸念をしておるわけです。そういうことは、そしたらないということでいいですか。
◎総務部長(君塚明宏君) 継続雇用が認められる場合は、再度任用ができるということを申し上げただけですので、これが終わった後も再度応募をするというのは否定されるものではございません。
◎32番(坂本茂雄君) 続きまして、ちょっと、次の質問は、実は、昨年12月定例会で指摘をしました、障害者雇用の非常勤職員の報酬単価の決定が、妥当なものではないのではないかというふうに、私が指摘して、その後検討されて昨年度中に是正をされております。これについては、合理的配慮を欠くものであったとの判断から是正したのかということを聞くつもりでしたが、多分、口が裂けてもそうは言わないだろうというふうに、私思いましたので、もう次の質問に移ります。
 障害者雇用の身体障害に加えた、精神・知的障害の対象拡大について、塚地議員の答弁にありました、サポート体制の整備とか能力開発などの検討課題について、先行実施県ではどのように課題解決されているのか、知事にお伺いします。
◎知事(尾ア正直君) 障害者雇用の対象拡大について、知的障害または精神障害のある方を対象とした正職員の採用試験について、平成27年度から29年度までの過去3年間に採用実績がある都道府県を調べてみました。知的障害では2団体、精神障害では3団体という状況です。また、30年度から新たに試験を実施している団体は、知的障害で1団体、精神障害で3団体という状況です。まだ、多くの都道府県でこれから導入をしていこうとされているところであります。本県も早期に、これ、採用できるように取り組んでいきたいと思っています。
 そういう中で、この採用に当たり、課題をどうクリアされたかということについて、先行して実施しておられる団体の皆様にお伺いしましたところ、大きく言いまして、3つの工夫があるかなと思っています。
 第1が、あらかじめ全庁的に照会するなどして、従事していただきたい業務の候補をまず洗い出すと、これが第1。
 2点目でありますが、それを踏まえて、雇用される御本人と個別にヒアリングを行い、所属や業務を個別に検討、整理をするという取り組みをされていると、これが2点目。
 さらに、業務に従事していただくに当たりまして、所属長などがフォローするということは当然でありますが、加えて、専門団体からのジョブコーチの派遣とか、などという形で、外部のサポートも活用しておられるということがわかってきたところであります。
 ただ、他方で、各団体ともキャリアプランをどう形成していくかとか、そういうことについて引き続き解決していくべき課題であるとして、検討を重ねられておる状況だということもわかったところであります。
 こういう形での先行団体の動きが、一定わかってきましたが、さらに今後、先行団体の皆様を訪問するなどして、より具体的な諸点について勉強させていただきたいと、そういうふうに考えております。
◎32番(坂本茂雄君) ぜひ、そういった先行県に学びながら、高知県独自に判断しながら取り組んでいくこともあると思うんですけれども、早い時期での対象拡大の実施に踏み切れるように、私のほうからもお願いしておきたいと思います。
 そういった中で、障害者雇用に関して、今後の対応として、障害のある職員が働きやすい職場づくりに努めることを目指されておりますが、具体的にどのようなことを考えられているのか、知事にお聞きします。
◎知事(尾ア正直君) 障害がある職員が働きやすい職場づくりという観点からは、ハード面、ソフト面、両面からの対策が必要だと考えております。
 1つは、例えば、ハード面では、職場の入り口をスライド式に改修するとか、点字ディスプレーを入れるとか、そういうハード面での対策を着実に積み重ねていくことが大事ですが、あわせて、ソフト面、こちらについて、担当から所属長まで、それぞれの各階層に対して研修を実施していきているところですが、これを引き続き行っていくということかと思います。
 ただ、今後なんでありますが、先ほど申し上げたような形で、やはり外部からのサポートということをもう一段充実させる余地はあるんではないかなというふうに考えております。ジョブコーチの活用、こういうことも今後考えていくことでもって、より専門的知見をもって、職場環境を改善していけるような、そういう取り組みを進められないか、検討をさせていただきたいと、そう考えております。
◎32番(坂本茂雄君) やはり、その中で一番、私は大事になってくると思うのは、研修などもされているわけですけども、職場の中がそういった方たちと共生できる職場、そういう職場にならないといけないんじゃないかなというふうに思います。そこは、まさに職員の意識改革の部分もあるでしょうし、仕事の仕方の見直しの部分もあるだろうというふうに思いますので、ぜひ、ソフト面を重視した働きやすい職場づくりというのをお願いしておきたいというふうに思います。
 続きまして、公営住宅における福祉目的住宅の確保について、お伺いします。
 高知県の中で、病気や障害があっても住み慣れた地域で、その人らしく安心して暮らせるようにするため、そういうふうなさまざまな社会環境が整備されなければならないというふうに思います。それは、まさに、日本一の長寿県構想が目指すところだというふうに思います。
 そういった中で、重度の障害があっても、地域で自分らしく生き生きと笑顔で暮らせる地域社会の実現こそが、高知県の目指すべき障害者が生き生きと暮らせる地域づくりである、そういうことだというふうに思います。
 そこで、施設から地域移行の促進が言われる中で、重度の障害があり、在宅で生活をされている方が、自立を目指されるため、居住することの可能な公営住宅などが住宅ストックとして確保されていることは、障害福祉を推進する立場からも望ましいことではないかと考えますが、地域福祉部長にお聞きします。
◎地域福祉部長(門田純一君) 第4期の高知県障害福祉計画の期間であります平成27年度から29年度の3年間で、入所施設等から地域生活に移行された方は74人で、移行後の住まいの場としては、グループホームが約4割、保護者や親戚との同居が約5割、アパート等での一人暮らしが約1割となっています。
 県としましても、障害のある方の地域生活を支援するために、グループホームの整備や住宅改造にかかる経費の一部補助、助成などを行ってまいりました。バリアフリー化された公営住宅も従前から比べればふえています。今後も、障害のある方の住まいの場の選択肢を広げるため、公営住宅に限らず、環境が整備された住宅が確保されることが重要だと考えております。
◎32番(坂本茂雄君) ただいまの、バリアフリー化された公営住宅もふえてきたということなんですけれども、それは新設する場合にだけそういった部屋が設けられていて、実際、既存の公営住宅の中でそういう部屋を確保するために改修したという実績はないわけですね。それ、後で質問しようと思ったんですけど、時間の関係で飛ばします。
 そういう実績がない中で、じゃあ、改修が困難であるとすれば、どういうふうな形でそういった方のニーズに応えるような住宅ストックを構えていくのか、土木部長にお尋ねしたいと思います。
◎土木部長(福田敬大君) 既設公営住宅のみでは対応することが困難でありますので、県内の民間団体及び県、市町村で構成する高知県居住支援協議会において、改修に対するニーズですとか、住宅事情を把握しまして、課題解決に向けた方策の検討を地域福祉部と連携して進めてまいりたいと考えております。
 また、把握しましたニーズにつきましては、市町村営住宅の新築、建てかえの際に活用できるよう、改めて、市町村に情報提供してまいりたいと考えております。
◎32番(坂本茂雄君) ぜひ、市町村と、また、地域福祉部と連携をとって、取り組んでいただけたらというふうに思います。
 それと、この間、県が、地震対策空き家活用促進事業として取り組みをされてきてます。ただ、その地震対策ということだけではなくて、その中には、そういった障害のある方に対しての住宅確保による居住支援だとか、そういったことも盛り込まれています。
 ただ、これらがほんとに障害者の住宅確保による居住支援として、この制度が使われているのかどうかというようなことなどの懸念も、私、いたしておりますので、そういったことについては、ぜひ今後とも取り組みを進めて、こういった制度があるよということをきちんと市町村などにも提供しながら、活用してもらう、そういうふうなことをお願いしておきたいというふうに思います。
 続きまして、高齢化の進む中国帰国者の居場所確保についてということで、お尋ねします。
 9月23日付高知新聞1面に、「高知県内の元中国残留孤児、高齢化深刻」という見出しの記事が大きく取り上げられました。このことについては、昨年8月に、日中友好中国帰国者の会から、県に対して「(仮称)中国帰国者交流館について」の提言をさせていただいております。その趣旨は、まさに記事にあるように、「高知県で暮らす元中国残留孤児や配偶者の平均年齢は76歳を超え、介護の支援が課題となっている」とのことで、元孤児たちは、既存の介護サービスでは、言葉や食習慣などが壁となり、引きこもりがちになったりしていることが、課題となっているということです。高齢化した中国帰国者は、日本語での会話が十分でなく、自宅で過ごす時間が多くなりがちで、そのことによる引きこもりの予防や認知症などの予防・早期発見につなげていく交流の場を保障することが、喫緊の課題だと考られます。
 皆さんが要望されてからこの間にも、数人の帰国者本人や配偶者の方が亡くなられており、残された時間は少ないと言わざるを得ません。
 そういったことで、お尋ねしますが、この間も要望してきた中国帰国者たちが集える居場所的な施設の必要性について、知事はどのように考えられているか、お伺いします。
◎知事(尾ア正直君) 在留邦人の方々の大変な御苦労思いますとき、また、現在、身体機能の低下、認知症を予防していく、そういうことの必要性が高まっているということを考えましたときに、やはり、帰国者の方々が集うことのできる場を早々に確保することは重要だと、そういうふうに考えております。
 現在、集いの場の選定について、高知市とも連携して検討を進めているところでありますが、この取り組みを加速をしていきたいと、そういうふうに考えております。
◎32番(坂本茂雄君) 後ほど、今の進捗状況について、また、部長にお伺いしますけれども、ぜひ、ほんとに、先ほど言いましたように、時間があまり残されてないというようなこともありますので、ぜひ、加速化していただきたいというふうに思います。
 そういった中で、高齢化が進むという状況の中で、必要に応じて介護サービスも受けられるような環境が必要となることについて、どのように考えられているか、地域福祉部長にお伺いします。
◎地域福祉部長(門田純一君) 介護が必要な状態となった帰国者の方々が、言葉の問題や生活習慣の違いなどから、介護サービスの利用に不安や戸惑いを感じられていることに対する支援は必要だと考えています。
 国におきましては、中国語で対応が可能な介護事業所一覧の公開や、介護事業所等を訪問し、中国語による語りかけを行います、語りかけボランティアによる支援などにより、帰国者の方々が安心して介護サービスを受けられる環境の整備に取り組み始めたところでございます。
 また、公益法人中国残留孤児援護基金におきましては、帰国者2世から4世の方の介護関連資格の取得に助成を行い、帰国後、帰国者が利用する施設のマッチングを行う取り組みも行われております。
 こうした取り組みを帰国者、その御家族の方々や支援の関係者などに周知をいたしまして、県内にお住まいの帰国者の方が安心して介護を受けられるための支援策を検討してまいりたいと考えております。
◎32番(坂本茂雄君) よろしくお願いします。
 先ほど、知事がその必要について認識されて、取り組みを加速化しなければならないと言われた施設の場所確保と、利用者となる中国帰国者の施設へのアクセスなどをどのように保障するのかについて、地域福祉部長にお伺いします。
◎地域福祉部長(門田純一君) 帰国者の方々の集える場の確保につきましては、帰国者の御意見を伺いながら、帰国者が利用しやすい地域にあることなどを条件で、利用可能な施設を候補として、高知市とも連携して検討をしているところです。
 引き続き、候補地の選定に当たっては、移動手段も含めて、アクセスに十分配慮をしながら検討を進めてまいりたいと考えております。
◎32番(坂本茂雄君) 先ほどから何度も言っておりますが、ぜひ早く具体化するような形で取り組みをお願いしておきたいと思います。
 続きまして、(仮称)こうち動物愛護センターについて、お尋ねします。
 時間の関係で多少省きますが、とにかく、愛護センターに求められる役割と機能というのは、大変多様な部分があるだろうというふうに思います。
 そんな中でも、特に欠かせない、力を入れて充実すべき機能は何なのかということで、実は、5月29日に高知市内で講演されたアメリカの獣医師、ジェフ・ヤングさんの講演を聞く中で、私は質問させてきました。ジェフさんのお答えは「それは、極めてシンプルです」と切り出された後に「積極的な不妊・去勢プログラムと人間に対する教育プログラムです」というふうにお答えになりました。
 そこで、お尋ねしますが、県が行ってきた川上、川中、川下対策のいずれも重要ではありますが、中でも、川上対策としての「動物愛護及び犬や猫の適正飼養の普及啓発」と「みだりな繁殖を防ぐための不妊去勢手術の推進」こそ、最重要に位置づけるべきと考えますが、知事にお伺いします。
◎知事(尾ア正直君) これは、やはり、おっしゃられますように動物愛護の観点から、適正飼養の普及啓発、さらには、不妊去勢手術の推進といった川上対策、これは、極めて重要だと、そういうふうに思ってます。ですので、これ、積極的に進めてきているところであります。また、さらに加速をしていかなければならないと思っています。
 こういう中において、小動物管理センターへの収容頭数は年々減少して、現在、10年前の約8分の1まで減少してきているというところにあるわけであります。この点を考えましたとき、やはり、川上対策、さらに強化をしていかなければならない、そういうふうに思いますが、しかしながら、それでもやはり収容する動物の数がゼロになるわけでは、なかなかそうなるには時間がかかる。そういうことを考えますと、あわせて、川中、川下対策、これもあわせてしっかり講じていくということが大事だろうと思ってます。
 この問題については、川上対策しっかり、さらに加速していきますが、あわせて、川中、川下対策もしっかり進めていくということが大事だと、そういうことかと、そのように考えてます。
◎32番(坂本茂雄君) 次に、積極的な不妊・去勢プログラムを実施するための手術室などの配置と不妊去勢手術体制を維持するための獣医師配置などについて、健康政策部長にお伺いします。
◎健康政策部長(鎌倉昭浩君) 動物愛護センター、高知市との共同設置を前提に検討を進めておりますし、現時点で体制としてこうするとか、そうした話ができる段階にありません。
 ただ、他県のセンターを見ても、複数の獣医師が配置をされ、手術などをしておりますので、本県でも必要と考え、センターの構想には、整備が想定される設備として手術室を掲げております。
◎32番(坂本茂雄君) すいません、時間がありませんので、再質問したいところですが、最後に、県立大学の図書焼却処分について、予め十分な調査や検討がなされていれば、処分方法の選択肢は、ほかにもあったのではないかというふうに、私は残念でなりませんが、知事はどのようにお考えでしょうか。
◎知事(尾ア正直君) やはり、その点は残念だと思います。やはり、もう一段検討すべき余地はあっただろうと、そのように私も考えております。
◎32番(坂本茂雄君) 以上で、時間が来ましたので、終わります。どうもありがとうございました。