2014年09月定例会代表質問(10月1日) |
◎33番(坂本茂雄君) 冒頭、本県を始めとした台風・豪雨災害、広島での土砂崩壊災害、さらには先日の御嶽山の噴火によって、亡くなられた方々を始め、被害を受けられた方々に心よりお見舞いを申し上げます。
改めて、自然災害とどう向き合うのかが問われているこの国で、本県のアドバイザーでもある関西大学社会安全研究センター長河田恵昭先生が、都市巨大災害について述べられた中で、「私たちの都市生活を脅かしているのは、エネルギーや資源の浪費、過剰な車社会、大量生産・大量消費、地下空間の開発など、快適性、利便性、経済性、自らの幸福を追い求めてやまない私たちの欲望であり、現代都市の安全を脅かすのは、自然ではなく、人間と自然の複合体である」という指摘を踏まえた検証が求められていることを痛感させられている昨今です。
そして、自然災害との向き合い方だけでなく、今、この国と向き合ったときに、9月20日、肺炎で逝去された土井たか子元社民党党首が、この国の行く末をどれだけ心配しながら逝かれたのだろうと思わざるを得ません。
安倍首相が声高に叫ぶ、女性が輝く社会は、非正規で働かざるを得なかったり、子育てに課題を抱えていたりしているすべての女性が求めるような社会なのかと疑問を投げかけ、安倍政権による特定秘密保護法の制定、集団的自衛権行使容認の閣議決定など、立憲主義を否定し戦争できる国づくりの動きが進む中、国民とともに、山を動かした土井さんは、最後まで、憲法と日本の政治の行く末を心配され、心の中で、だめなものはだめと警鐘を鳴らし続けられていたことだと思います。
ここで改めて哀悼の意を捧げ、国民が主人公の平和を希求し続ける政治を願う者の一人として、県民クラブを代表して質問をさせていただきます。
具体の質問の前に、もう1点、述べさせていただきたいと思います。平成24年2月にも実施をいたしまして、議場で紹介をさせていただいた私が取り組んでおります、県政アンケートはがきの第6回目を8月、9月と実施いたしました。御返事をいただいた261人の県民の皆さんの御意見を集約させていただいているところです。
こちらが提示した県政課題のうち優先度の高いものから7項目選択し、順位づけをしていただき、優先順位1位を選択された数では、「南海トラフ地震対策の加速化」が90人、「県民の命と健康、福祉を守り、生きづらさを克服するための施策の拡充」が59人、「平和憲法を尊重した、県民本位の民主的県政と真の地方自治の確立」が39人、「産業振興計画の推進など経済の活性化と雇用拡大」が32人、「抜本的な人口減少対策」が16人となりました。
しかし、1位に7ポイント、それから順位が下がるごとにポイントを1点ずつ減点する形で得点化してみると、「県民の命と健康、福祉を守り、生きづらさを克服するための施策の拡充」が1,232ポイントで1位となり、改めて、今の社会の脆弱さも浮き彫りになっているように思います。続いて「南海トラフ地震対策の加速化」、「産業振興計画の推進など経済の活性化と雇用拡大」、「平和憲法を尊重した、県民本位の民主的県政と真の地方自治の確立」、「子供が大切にされる教育と安全な環境確保」の順になっています。
改めて、最終集計は、また知事にお渡しもさせていただきたいと思いますが、6月以降開催してきた6回の県政意見交換会で出された県民の皆さんの御意見も踏まえて、順次質問をさせていただきたいと思います。
まず、知事の政治姿勢について、お伺いします。
昨日来、取り上げられている安倍政権が、地方創生のシナリオを描くこととなった増田寛也元総務大臣が座長を務める日本創世会議が5月に発表した、いわゆる増田レポートが意図していることなどを踏まえてお尋ねします。
横山議員も述べられたように、増田レポートでは、全国で896の自治体が、消滅可能性の危機にあるとされ、県内でも、68%の23自治体が該当するとされました。
しかし、このレポートに対して本県の中山間地域活性化アドバイザー小田切徳美氏は、その推計のあり方も含めて、「乱暴な推計で、農村集落は撤退すべきだという、農村畳み論が強力に立ち上がっている」と指摘し、政府の急進的な地方制度改革への警戒を訴えたことが報じられていました。
さまざまな視点からの議論がある中で、市町村消滅が言われたことにより、乱暴な農村畳み論が強力に立ち上がり、他方では、あきらめ論が農村の一部に生じ、それに乗ずるようにこうかつな制度リセット論が紛れ込むという入り乱れた状況が進みつつあると言われています。
そのような中で、知事は、提案説明や昨日からの答弁でも、「県庁所在地などの中心都市のみならず、中山間地域にも若者が住み続けられなければ、真の創生はなし得ない。国には、地方の意見を十分に反映し、地方の目線に立った実効性のある施策を展開することを期待する」と述べられています。
今、話題は、地方創生に集中していますが、その真の狙いは、地方における選択と集中による小規模自治体の淘汰、そして、その集大成としての道州制導入ではないのかとの思いを抱かれている方も多いのではないかと思われます。
いわゆる増田レポートで言う地域拠点都市をつくり、そこに投資と政策を集中するというのは、逆に言えば、知事も懸念を示されていましたが、それ以外の投資や施策対象から外すという選択と集中であり、消滅可能性自治体を中心にした地方の中の地方切り捨てではないのでしょうか。総務省の打ち出した、地方中枢拠点都市の候補としては本県では、高知市ということになりますが、この制度が場合によっては、今までの高知市一極集中をさらに加速化させ、県内の消滅可能性自治体を消滅の危機に陥れることになるのではないかと懸念するものです。そのようなことにならないためにどうすべきと考えられているのか、お尋ねします。
また、地方中枢拠点都市制度が、道州制導入後の基礎自治体の人口規模として想定される20万人と符合していることや、地方中枢拠点都市には三大都市圏以外のすべての道県庁所在地が含まれており、地方中枢拠点都市が圏域経済の牽引役を担うとなれば、従来、道県庁が果たしてきた広域的な地域振興政策に関わる役割の多くが中枢拠点都市に移行することとなり、道県庁の役割の希薄化が進み、道州制導入の新たな根拠を生む可能性があり、道州制導入に向けた地ならし役を果たすことになるのではないかと考えられますが、御所見をお伺いします。
続いて、公共交通政策について、お伺いします。
本日午前中に新会社としてスタートした、とさでん交通でありますが、県民の皆さんの期待に応える公共交通事業者として成長発展されていくことを祈念しながら、質問させていただきます。
まず、とさでん交通の当面の課題についてであります。
新会社は、今後の改善・改革の柱として、データに基づく経営を打ち出しています。ICカードに蓄積されたデータを活用するとのことですが、活用され始めてから6年経っても、経験と勘による経営改善しか行われていなかったとは驚くばかりです。
さて、データに基づく経営面で、埼玉のイーグルバスは、ビッグデータによって赤字路線を再生させた先進事業者として有名で、注目されていると伺います。そのイーグルバスは、市中心部のバスターミナルだけでなく、駅や主要な住宅街から同程度の距離にある場所にバスセンターを設置するという"Hub & Spoke Model"のバスセンターを設置し、各路線からほぼ同じタイミングでバスが到着するように運行スケジュールを組むことによって、それぞれの直行路線を運行するのに比べて4分の1のコストで利便性を向上させたという成果も上げていますが、そのようなことも参考にされようとしているのか、この項は、中山間対策・運輸担当理事にお聞きします。
また、国土交通省は、2015年度予算概算要求に9,000万円ほどを計上し、蓄積された膨大な電子情報、ビッグデータを活用した地方の民間路線バスの経営支援に乗り出そうとしています。その際、モデル事業を行う地域の1カ所については、人口が20万〜30万人規模の都市で、ICカードなどのインフラが整ったバス事業者を選定するようであり、あたかも、とさでん交通を指しているかのようにも見受けられますが、この事業の採択を目指しているのか、あわせて中山間対策・運輸担当理事にお伺いします。
昨日、中根議員の質問でも少し触れられましたが、改めて、公共交通改善に対する協議機関について、副知事にお伺いします。この協議の場では、利用者だけではなく、電車・バスなどを利用するのに困難さを抱えている高齢者や障害者の皆さんなどの意見をどのように反映させるのか。また、この協議機関は公開で開催されるのか、あわせてお聞きします。
さて、とさでん交通が、より県民から期待される役割を果たされることは当然ですが、本県にとっては、将来の県下の公共交通のあり方のビジョンが描かれることが必要ではないかと考えます。
公共交通を巡る状況としては、昨年末成立した、交通政策基本法の基本理念にのっとり、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部が今年改正され、市町村が作成することができる地域公共交通総合連携計画について、持続可能な地域公共交通網の形成に資する地域公共交通の活性化及び再生を図るための、地域公共交通網形成計画に改正するとともに、当該計画の策定主体に都道府県が追加されました。
このことも踏まえて、県は主体的に、沿線市町村とともに、地域公共交通網形成計画なり、さらにもっと広い意味での県下全体を見据えた、高知県地域公共交通計画のようなものの策定に踏み込む必要があるのではないかと考えますが、その考えはあるのか、お尋ねいたします。
また、その際には、当然のごとく県民が参加した組織や手法を講じることによって、県民自らの手でつくり上げた県民のための計画とするべきではないかと考えますが、あわせて知事の御所見をお伺いします。
さらに、その際には、公共交通をどう位置づけるのかも問われてきます。6月定例会でも指摘させていただいた、過度にマイカーに依存する交通体系からの転換を明確に打ち出すべきで、公共交通は社会のインフラと位置づけ、少子高齢社会において移動の困難性を伴う県民の移動を担うライフラインとしての位置づけであり、移動が保証されることで、生活と経済活動が活性化するための社会基盤であること。そして、持続できる地域公共交通であるためにも、地域の交通ネットワークをビジョンをもって構築する必要がありますが、誰かが重大な負担を強いられる仕組みでは続かないことが想定されますので、行政・交通事業者・県民が協働し、それぞれの役割を果たし、応分の負担をすることとなります。そのためには、地域やニーズと効率性・経済性を配慮した適材適所のモード選択が行われなければなりません。
そのことが、根底に据えられたビジョンであり、計画でなければならないと考えますが、あわせてお伺いします。
次に、被災者生活再建支援制度の拡充について、お尋ねします。
今回の補正予算では、被災者生活再建緊急支援事業費補助金として150万円が計上されていますが、自然災害と向き合わざるを得ない本県として、被災者生活再建支援のあり方について、改めて考えていただければとの思いで質問させていただきます。
阪神淡路大震災を受け、被災者生活再建支援法が1998年5月に制定され、2004年の第一次改正期以降、自治体の独自施策が全国的に定着していく過程が見られました。そこで、全国の自治体独自の施策を見てみると、本県のような災害限りの暫定的な施策であることが多いわけですが、12県では制度として恒久化されている状況にあります。
また、発動要件が緩和されているものとしては、本県のように、一つ以上の市町村が支援法の適用を受けながらも、別の市町村は被害が少ないので、法適用のない市町村に対しても補完的に独自施策を講じる自治体などは14県となっています。そのほかにも、支給内容緩和型、純粋な補完的上乗せ・横出し型などなど多岐にわたって自治体が独自施策を講じています。
その際、最も被災者の立場に立った制度として考えられるものに、大分県の例があります。1件でも被害が生じれば適用されることとなる恒久化された制度で、支給対象被害度の幅も広いことなどが特徴的でありますが、本県でもそのような、より被災者の立場に立った被災者生活再建支援制度を検討することができないか、知事にお尋ねします。
次に、自転車を通じたまちづくりと交通安全政策について、お伺いします。
知事は、提案説明でも、サイクリング観光の振興について触れられ、ブルーライン設置の補正予算も計上されています。そして、四万十・足摺無限大チャレンジライドなど、国内外にサイクリングの地としてのPRをし、サイクリストの誘客を積極的に推進していくとされています。
この取り組みも評価するものではありますが、自転車の利活用は、経済・環境・健康・時間の項目別に、個人・企業・地域・自治体・国・地球という主体別に考えてもメリットは大きいものがあり、高知県のまちづくりの視点に自転車利用を取り入れることも重要であると考えます。
公共交通政策のあり方とも関連してきますが、車依存型のまちづくりの限界を迎え、環境に優しく、健康を取り戻し、ガソリン代や税金の負担もなく、近距離の移動に最適な自転車の活用の可能性が拡大する中、自転車を通じたまちづくりを真剣に考えるべきではないかと思います。
最近、多くの自治体で、自転車都市づくりとか、バイシクルタウン構想など、自転車計画が策定されつつありますが、本県でも、環境負荷の減少、利用者の健康増進、公共交通の利用促進などの面からも、自転車がまちを変えるくらいの気構えで、自転車活用計画の策定などに取り組めないか、知事にお伺いします。
また、自転車を通じたまちづくりによって、関連したビジネス開発も可能ではないかとも考えています。全国的には自転車タクシー事業、レンタサイクル事業、自転車イベント事業、自転車マップづくり事業、サイクルカフェ、自転車リサイクル業などさまざまな自転車コミュニティビジネスが、全国で展開されている事例も、『エコに楽しく地域を変える』ということで、滋賀県立大学近藤教授の著書によっても紹介されています。
高知でも、高知まるごとサイクル県とでも銘打って、自転車を通じた県づくりによって、自転車コミュニティビジネスを展開することも考えられないか、産業振興推進部長にお伺いします。
そして、それだけ自転車活用を促すまちづくりを進めるとしたら、当然、自転車走行区間の安全性の確保についても配慮がされなければなりません。これまでにも、自転車が関係した交通事故防止の取り組みについて、私も含め多くの議員によって議論がされてきました。私は、自転車はあくまでも車道を走ることという原則にのっとった自転車走行空間と、その安全性の確保がされなければならないと思っています。
そのためには、車道における自転車レーンの敷設こそが求められており、歩道上のペイントレーンのような、自転車専用レーンは今後敷設するべきではないし、既存のものは、撤去するか、歩道との完全分離を図るべきだと思いますが、土木部長のお考えをお聞きします。
また、それが実現するまでの当面の間は、歩道上の自転車専用レーンでは、歩行者の安全確保の観点から徐行など、自転車歩行者道を走行する際と同様の規制対象とすべきと考えますが、警察本部長にお伺いします。
その上で、自転車の走行区間での安全性の確保について、県としてどのような対策を講じていくのか、土木部長にお聞きします。
さらに、これも何度か、議場でも議論がされてきた視覚障害者など一人で自転車に乗車することが困難な方に、サイクリングや移動の支援で活用していただくタンデム自転車の走行の可能性の問題について、お伺いします。
今年2月定例会の警察本部長答弁にあった、「自動車や歩行者の方々と混在する公道上においてタンデム自転車の利用を認めることは、交通事故防止等の観点から適切ではなく、自転車専用道路に限り通行可能としている現行の規定を維持することが望ましい」というふうに答弁されております。全国で公道上の走行が許されている兵庫、愛媛、広島、宮崎、佐賀、長野、山形、新潟の8県でタンデム自転車がかかわった交通事故がどれだけあって、それらの県でタンデム自転車が公道上を走行することが、交通事故防止などの観点から適切ではないとの議論がされているのか、警察本部長にお聞きします。
また、昨年2月定例会、当時の企画建設委員会で、観光振興部は「タンデム自転車に関しては、まだ警察のほうも余り前向きな考え方ではない。今後、タンデム自転車だけでなくて、特に高知県の西部、愛媛県と高知県といった形のサイクリングロードについて協力していくことの話はしている」ということでしたが、観光誘客面でのタンデム自転車の走行可能性について追求していく考えはあるのか、観光振興部長にお尋ねします。
次に、交通安全政策について、お伺いします。
まず、今年2月定例会で、県警察としては、小学生や中高生を対象とした交通安全教育の実施、あるいは、自転車取り締まり強化日であるとか、県民交通安全の日を中心とした指導取り締まりの実施を通じて、自転車利用者のマナー向上を図っていると答弁されていましたが、自転車利用者だけでなく、自動車運転者のマナーアップも求められています。
昨日まで、秋の交通安全運動期間でありましたが、年間80回近く早朝・夜間に交通安全指導で街頭に立つ者として目にするのは、大人の自転車、自動車運転のマナーの悪さです。子供たちは、いろんな機会を通じて交通安全教育を受ける機会がありますが、子供たちの手本となるべき大人を見ていたら、そのマナーの悪さに、子供たちを指導できないと嘆かれる指導員の皆さんもいらっしゃいます。
子供とか高齢者とかを対象とした交通ルールのマナーアップの機会をふやすだけでなく、もっとも頻繁に利用されるいわゆる大人への教育のあり方についてどう考えるのか、警察本部長にお聞きします。
また、交通ルールを守ることを促すための道路への標示など、ハード面などでの環境整備はどのようにあるべきと考えるか、土木部長と警察本部長にあわせてお伺いします。
この項の最後に、自動車運転者の運転技術の向上と交通ルールを守るための訓練の場として、運転免許センターの活用について、お聞きします。
各県では、交通事故の防止と運転技能の向上を図るため、また、運転免許を新たに取得しようとされる方や、運転免許を取得していても運転練習をされたい方に運転免許センターの技能試験コースを開放しており、その数は33都道府県に上っています。本県も開放されてはいるのですが、その際にはコース使用料金に加えて貸し車両料金が必要で、利用者には大きな負担となります。運転免許センターの技能試験コースを開放しているところの多くは、コース利用料金さえ払えば、車を持ち込んで行うことができるとなっていますが、本県では車の持ち込みを禁じ、交通安全協会所有の車両を借りて練習することとなっています。その金額は、一時間でコース・車両料金の合計が7,080円にも上り、全国でも極めて高額であります。なぜ、このような仕組みになっているのか、疑問を抱かざるを得ません。
本県でも、他県並みのコース利用料金で、持ち込み車両でも可能とする対応によって、活用の促進を促し、交通事故の防止と運転技能の向上を図ることに寄与する運転免許センターであるべきではないかと考えられますが、どうか、警察本部長にお伺いします。
もし、できないとすれば、その理由について、あわせてお伺いします。
次に、タウンモビリティの運営支援のあり方などについて、地域福祉部長にお尋ねします。
タウンモビリティとは中心市街地をバリアフリー化して、電動スクーターや車椅子、カートなどを貸し出し、高齢者や障害者に利用しやすい町にしようという事業です。
高知でも、2010年12月、高知県と県社協主催のひとまちふれあいフェスタにて、中心商店街に障害者や高齢者の方に訪れてもらうためのイベントを開催してから、さまざまな取り組みを重ねられている皆さんがいらっしゃいます。
そして、13年1月から土佐セレクトショップ「てんこす」にて、毎月第2土曜に継続開催を開始してからは、確実な効果を確認しつつも、運営の困難さも明らかになっています。
これまで運営に当たってこられたNPO法人によれば、中心商店街の中にある、タウンモビリティステーションは、単に移動のサポートをする場ではなく、専門知識を持つスタッフ、理解者がいること、集う場があること、情報があることという重要な場所でもあり、そのことが障害者、高齢者、子育て世代がまちへ出かける魅力につながり、誰もが安心して利用できる中心商店街の実現にもつながっていくのだろうと考えられています。
私が訪ねたときの5月第二土曜日のてんこす前広場では、スタッフ9人、学生33人を含むボランティア39人の方々が打ち合わせをし終えたころに、利用者の方が順次参加してこられて、各組で商店街利用に出向かれたり、商店街のバリアフリーを調査されたりと賑わい、ステーションには笑顔がたくさんあふれていました。このような笑顔をさらにふやし、商店街の利用も増加し、商店街へのアクセスである公共交通機関利用のためのユニバーサルデザインが描かれるとすれば、それは県や市の財産となるはずです。
NPO法人が2012年11月、県に要請して以降、県では地域福祉部と商工労働部の対応がなされる中、タウンモビリティ推進事業費補助制度での支援も始まり、こうち商業振興支援事業費補助、さらには、高知市の行う、空き店舗活用創業支援事業などさまざま支援の検討をいただくなどの協力も得てまいりましたが、いずれも、タウンモビリティ運営の拠点確保や維持継続にとっては、ハードルの高いものであったと言わざるを得ませんでした。
タウンモビリティは収益の上がる活動ではなく、まちを育て、人を育てる活動であり、行政が担い切れていない部分で、高知の町のユニバーサルデザイン化を進め、高齢者や障害者にやさしい環境を整えるために取り組まれているのであって、営利目的の団体・企業と同じようにすることは困難であるでことは御承知いただけると思います。
観光客にも障害者や高齢者がおられ、中心商店街を訪れた際、移動に不便を感じている方へのサポートができる場としてタウンモビリティは有効だと考えられますし、民間、NPOと行政、中心商店街が、ともにユニバーサルデザインなまちづくりについて考え、取り組んでいける機会になればとの思いで取り組まれているということも踏まえた上で、今のニーズにあわせた利用者の増加に対応する継続的な取り組みを行うための支援ができないのか、お聞きします。
そして、先ほど述べたタウンモビリティステーションの現状は、てんこすの玄関前広場を月に一度借りているのですが、御承知のように屋外スペースのため、障害者、高齢者にとって暑さ、寒さや雨をしのげる場所がないことが、体調にも悪影響を及ぼす場合があります。また、ステーションには重い障害のある方が横になる休養スペース、電動車いす・人工呼吸器をつけた方が充電できる電源なども必要なのです。
今後の取り組みを継続していく上で、利用者がいつでも安心して利用できる常設の拠点の存在がどうしても必要です。空き店舗などを活用した屋内スペースを中心商店街の中に確保することについての支援ができないのか、お尋ねいたします。
次に、南海トラフ地震対策を見据えた防災・減災対策について、危機管理部長にお尋ねします。
まず、地区防災計画についてであります。
昨年6月の災害対策基本法の改正に伴い、市町村の一定の地区内の居住者等による自発的な防災活動に関する、地区防災計画制度が創設され、本年4月から施行されています。さらに、この9月からは、地区防災計画のモデル地区募集がされており、今後は、モデル事例が全国に紹介され、計画策定の推進が図られることになると思います。
地区防災計画は、地区居住者等により自発的に行われる防災活動に関する計画であり、地区居住者等自身が活動主体として率先して、防災活動に取り組むことが想定されています。また、地区居住者等が、自ら計画の素案を作成し、市町村防災会議に提案するという計画提案制度も採用されており、地区防災計画のこれらの特徴は、地区の特性をよく知っている居住者等が、計画の作成に参加することによって、地区の実情に即した地域密着型の計画を作成することが可能となり、地域防災力の底上げを効果的に図ることにつながります。
私たちが、被災地から学んだ教訓の一つは、地域コミュニティの強いところは復興も早いということでした。地域住民が、地区防災計画を策定することによって地域コミュニティのつながりを強くし、地域防災力も向上させ、対策の足し算による被害の引き算という減災につながることも期待されます。
そのためにも、地区防災計画策定の取り組みが、県内自治体のあちこちの地区で取り組まれることが望まれます。計画策定に当たっては、地区防災計画ガイドラインを効果的に活用し、できるだけ早い段階から、行政関係者、学識経験者などの専門家の解説・アドバイスを求めることが有効とされていますが、そのための策定主体の地域への支援はどのような形で行われるのか、お聞きします。
また、地区防災計画は市町村防災計画に規定することができる制度となっておりますが、地区防災計画に定めたことについての具体化を図るために必要な財政措置はどのようになるのか、あわせてお伺いします。
知事が提案説明で触れられた61項目の対策を新たに位置づけた、南海トラフ地震対策行動計画について、お尋ねします。
南海トラフ地震対策行動計画に、今回新たに位置づけられた課題は、極めて具体的なものも多くあります。しかし、例えば、飲料確保の検討の項などは、公的に備蓄するのではなく、避難所自らに備蓄を促すものであって、受けとめ方によっては課題もありそうに思えます。今後、行動計画を具体化していく上で、念頭に置いておくこととして、新たに加えられている項目として、津波避難場所などとか、避難場所には、津波避難ビルも含まれていると考えてよいのか。また、新たに行動計画に位置づけられた避難場所に関する課題をどのように認識しているか、あわせてお伺いいたします。
次に、公文書管理のあり方について、総務部長にお尋ねします。
これまでにも、議会では何度か取り上げられてきた課題であり、とりわけ新図書館の建築が具体化する中で、公文書館の設置についても現実味を帯びてきたように思います。
知事は、平成21年9月議会では、「公文書館は、本県の歴史や文化を知る上で貴重な資料である公文書を適切に保存管理し、その利用を図るために必要な施設であると認識するものの、厳しい財政状況を踏まえると公文書館を単独で整備することは困難」と答弁されていましたが、今では、県立図書館の跡施設を利活用する方向で進めていくことを前提に、図書館移転後の施設の利活用に向けて検討が始められています。
1987年の公文書館法成立から四半世紀を経て、県レベルの施設は35カ所ほどとなっていますが、地方自治体全体でとらえると公文書館数は60と、地方自治体数の3%に過ぎないという状況にとどまっています。
そのように、公文書館を持たない多くの地方自治体では、歴史的に重要な公文書等の保存的利用システムは整備されておらず、多くの貴重な公文書が文書庫の中で放置され、市民の知らない間に廃棄され続けているという現状にあります。本県もそうあってはならないとの思いは、繰り返される自然災害の多発や、特定秘密保護法が制定されたりする中で強まるばかりです。
平成22年2月には、高知県歴史的公文書の保存等に関する検討委員会から、歴史的公文書の定義、選別する文書の具体例を示した選別基準の作成、選別の時期や方法などの選別基準、温度、湿度に配慮した書庫環境の整備などの保存方法、管理スペースの確保、劣化対策、専門性を持った職員の養成などの管理体制、歴史的公文書の公開など活用方法に関することなど、本県の抱える課題と、今後県がとるべき具体的な対策について提言された報告も出されています。
先日、こうちミュージアムネットワークなどの主催で開催された、「シンポジウム 私たちの歴史を守るため―地域資料・公文書・個人記録の保存と継承―」で、私たちの歴史を支えるさまざまな資料を保存して、継承していくためには、どのような仕組みが必要なのか。個人の記録、地域資料から公文書まで、高知県の資料保存の課題を共有させていただきました。
そこでお尋ねしますが、シンポジウムで基調講演をされた吉見俊哉東京大学副学長は、「今の日本は公共的に記録を残すことが苦手で、このままだと、社会全体が記憶喪失になってしまう」と指摘されていましたが、そうならないためにも、本県の公文書管理のあり方を指し示すことが必要だと思います。
知事も、吉見副学長とは、当日、意見交換をされたようですが、改めて本県における公文書の存在意義と公文書の保存のあり方はどうあるべきか、この項は知事にお伺いします。
次に、県立図書館の跡施設を利活用する方向で検討が進められている公文書館でありますが、ここでは公文書に限定せず、地域資料、特に近現代史まで扱う資料館とすることが考えられますが、保管対象をどのように考えられているのか、お聞きします。
また、県立図書館の跡施設を利活用するにしても、耐震改修はもちろん書庫面積の確保に努められなければなりませんが、いわゆるハード面の整備をどのように考えられているのか、あわせてお伺いします。
そして、情報や資・史料をどう収集し、蓄積し、保存し、継承し、活用するのか。そのための仕組みづくりと具体的に担っていくアーキビストなどの専門的な人材の養成・確保は欠かせません。日本アーカイブズ学会がつくった資格認定制度では、アーキビストは全国でも50人程度で、四国には一人もいらっしゃらないということですが、アーキビストを始めとした専門職員の養成・確保について、お伺いします。
以上のことを、トータルで迅速に対応するため、現在の図書館移転後の施設の利活用について検討する内部ワーキングチームだけではなく、公文書の保存や利活用について研究されている方などからのメンバーも加えた検討委員会を立ち上げて、検討の加速化を図るべきだと考えますが、御所見をお伺いします。
次に、今年8月、人事院が勧告した、国家公務員の給与制度の総合的見直しについて、人事委員長にお尋ねします。
人事院によって勧告された、給与制度の総合的見直しは、厚生労働省の賃金センサスで民間賃金水準の低い12県を抽出し、3年間の平均値と国家公務員の給与と比較すると2.18ポイントとなり、そのことを踏まえ、地域間の給与配分を適正化するため、国家公務員の俸給表の水準を平均2%引き下げるというものです。
しかし、その根拠は、人事院の資料によれば、青森、岩手、秋田、山形など12県の国家公務員在職者のうち官民比較の対象となる行政職俸給表(1)の適用者数も公表されず、これと比較される民間従業員数はさらに不透明というもので、とても精確な官民較差が算出できるとは到底考えられません。また、散在する民間賃金が低い地域を選び出して、その官民較差が全国の較差と比べて多少大きいからといって、直ちにそれを埋めるべき較差として取り扱うのは極めて問題があると言えます。
私は、このようなやり方は、官民較差を意図的につくり出して、地方の給与水準を引き下げるための恣意的なやり方だと断定せざるを得ませんが、こうした、これまでと違う不精確な比較調査手法について、人事委員会としてどのように認識されているのか、問題はないと考えているのか、お尋ねします。
また、人事委員会の職員の給与について基本的な考え方は、制度は国に準拠することを基本とした上で、その水準については、地域の民間給与との均衡を図るというものだと認識しています。
その上で、給与制度の総合的見直しについては、本県人事委員会の判断は導入勧告をするのか、しないのかの二者択一だと考えますが、この給与制度の総合的見直しは、制度だから本県も導入するということなのでしょうか。仮に、そうであれば、県内民間事業者の従業員の給与実態調査を行い、本県職員給与との比較で勧告を行うという基本が大きく崩れることになると思いますが、どのように考えらえているのか、あわせてお伺いします。
この給与制度の総合的見直しの中で、世代間配分の課題として、特に50歳台後半層において、国家公務員の給与水準が高いということで、最高4%の切り下げが勧告されておるところです。ところが、本県は2年前の人事委員会が行った、公民の年代別給与比較では、全国と違って50歳代で民間のほうが高いという結果になっております。まだ2年前ですから、この傾向は大きくは変わらないと思っておりますが、改めて今年同様の調査をやっておれば、どのような傾向となっているのか、お尋ねします。
そして、仮に状況的に変わらないとしたとき、国の見直しをそのまま導入するとすれば、本県における50歳代層は、現給保障措置の廃止と相まって、逆較差がさらに拡大するということになると考えますが、そういう認識でいいのか、お尋ねします。
加えて、2005年の給与構造改革以来、50歳代の職員は現給保障あるいは最高号給頭打ち状態で、例えば、行政職5級在級者のうち58%の職員が頭打ちで昇給しない状態が続いています。また、この4月からは、現給保障廃止が経過措置段階に入り、実際に賃下げとなっているこの層の職員が多いわけです。人事委員会は、職員のモチベーションの維持についてどのように考えられているのか、お尋ねします。
最後に、高校再編振興計画(案)について、教育長にお尋ねします。
今後10年間の県立高等学校のあり方と方向性を示す県立高等学校再編振興計画の策定に関しては、2月定例会での議論を踏まえ、統合の対象となる各学校の関係者や県内の教育関係者の方々と丁寧な議論を重ねるとされて、4月以降延べ14回の教育委員協議会が開催されてきました。
知事の提案説明にもあったように、会の中では、なぜ学校の統合が必要なのか、なぜこの学校なのかという疑問や、統合の進め方、統合後の学校のあり方などについて、多くの意見が出されました。私も、可能な限り傍聴はさせていただきましたが、決して腹の張る議論と言うより、結論ありきの議論が重ねられていたように思えてなりませんでした。
また、私が冒頭で述べました、県政アンケートはがきによると、優先すべき県政課題の中で、高校再編・統合の選択肢を選択された方は2%にしか過ぎませんでしたし、県政意見交換会でも多くの疑問が出されました。
中には、このような新設統合中学・高校一貫校の設置が県民から求められていたのか、また、この新設統合中学・高校一貫校を卒業した学生たちは、将来高知で働く機会よりも県外で働く機会のほうが多い若者になるのではないでしょうか、との声もありました。
そのようなことを踏まえて、お尋ねします。
高校再編振興計画(案)について、丁寧な説明と意見交換を重ね、統合の必要性についておおむね御理解をいただいたとされていますが、傍聴してきた者からすれば、提案内容の修正を求めても、十分に反映されることなく、あきらめさせられたという感じであります。
そこで教育長にお尋ねします。
まず、おおむね理解ということで言えば、理解されていない点は何であって、それは理解されなくても計画を進めることには支障はないと考えられているのか、お聞きします。
また、この間の進め方を見ていると、現在行っていますパブリックコメントにどれだけ耳を貸すのかと疑いたくなります。形式だけの意見公募ではないという真摯な姿勢で、意見尊重していくのか、あわせてお伺いします。
さらに、計画案では、目指す姿として、本県におけるグローバル教育のトップ校かつ大学進学の拠点校を目指すとされていますが、国際バカロレアコースを始めとして、そのような高校の必要性が県民にどれだけ支持されて計画に盛り込まれているのか、お伺いします。
そして、現在、西高校や南中・高校に進学しようとしているすべての生徒たちの多様な選択肢となり得る新設統合中高一貫校となるのか。
さらに、進学を希望する高校の選択肢は、確実に減ることになると思いますが、このことによって多様な選択肢を確保することよりも、グローバル教育のトップ校かつ大学進学の拠点校を新設することのほうが優先されるということなのか、お尋ねいたしまして、第一問とさせていただきます。
◎知事(尾ア正直君) 坂本議員の御質問にお答えをいたします。
まず、地方中枢拠点としての制度が一極集中をさらに加速化させるのではないかとの懸念について、お尋ねがございました。
地方中枢拠点都市圏構想、これは、人口減少、少子高齢化社会にあっても、地域を活性化し、経済を持続可能なものとして住民が安心して快適な暮らしを営んでいけるようにするため、地方の人口減少に対する、いわば、地方が踏みとどまるための拠点を形成しようとするものであります。本県では、高知市を中心とした圏域が対象となり、議員のお話のとおり、この構想に基づき、中心としてある高知市に都市機能の集積が図られることなどによりまして、結果として高知市への一極集中化が一層進むことが懸念をされるところであります。
他方、中山間地域は、高知市などの都市部の住民が安心して生活するために必要な国土の保全や水源の涵養、安定的な食料の供給など、大変重要な役割も担っております。この点から見ましても、都市部にのみ若者が残れればいいという発想では不十分であり、都市部を支える中山間地域にも若者が残れるようにしていかなければならないと考えております。
このため、県では、中山間対策の核として、集落の維持、活性化や地域の支え合いの仕組みづくりなどの拠点として、さまざまな役割を果たす集落活動センターの取り組みなどを積極的に進めてまいりました。
今後におきましても、市町村と連携しながら、中山間地域に若い人たちが残っていくことができ、日本全体のモデルとなるような取り組みを高知県がつくり出していけるよう全力で取り組んでいきたいと考えております。
また、国に対しては、これまでも集落活動センターを中心とした、中山間地域での小さな拠点づくりの必要性などについて訴えてきたところであり、今後も、地方の意見を十分に反映し、地方の名声に至った実効性のある政策を展開するよう、全国知事会などとも連携しながら、引き続き政策提言を行っていきたいと考えているところでございます。
次に、地方中枢拠点都市の制度が、どう県庁の役割を希薄化させ、道州制導入の地ならしとなるのではとのお尋ねがございました。
地方中枢拠点都市圏構想の推進が道州制につながるとの議論は、国会においてもなされておりますが、政府は、道州制を意図したものではないとしております。また、この構想を本県に当てはめて考えた場合、仮に、高知市を中心とした圏域において構想に基づいた取り組みが進展したとしても、この県域から外れる地域の活性化については、これまで以上に、県として積極的に取り組んでいく必要があります。
この構想の実現いかんにかかわらず、本県においては、現在の産業振興計画や日本一の健康長寿県構想、南海トラフ地震対策などがそうでありますように、県全体を見渡した広域の視点で県政浮揚を図っていく役割は、市町村との連携、協調の上で、県も相当な役割を担っていかなければならないことには変わりはないものと考えております。
今後も、引き続き、市町村との連携、協調を基本とした取り組みを全力で進めていきたいと考えておるところであります。
次に、県民参加のもとに、県が主体的に地域公共交通計画の策定に踏み込む必要があるのではないかとのお尋ねがありました。
お話のありました、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の狙いでもありますように、地域の公共交通政策を総合的、一体的、効果的に進めていく上では、地方自治体が中心となりまして、交通事業者だけでなく、住民や学校、企業など、地域の関係者の参画のもとにまちづくり等の地域戦略との整合を図りながら、公共交通計画を策定することが重要だと考えております。
本県におきましても、平成20年度には、この法律に基づきまして、土佐くろしお鉄道の中村・宿毛線を中心に、幹線の路線バスの活性化を目指して、四万十市など西南地域の7市町村が共同で、地域公共交通総合連携計画を策定をいたしました。その際には、広域にわたりますことかとから、県としても積極的にかかわり、一体となって取り組んだところでございます。
今後、県内全体の計画をとのお話もございましたが、公共交通の課題は地域性が高いことから、具体的な取り組みを目指すためには、やはり、対象となる交通機関や課題を共有できる地域ごとに取り組むことが効果的だと考えております。例えば、現在、路線バスの維持方策等について、県内を六つのブロックに分けて、協議を行っていますように、広域での計画となりますと、そういった単位で検討するということが現実的ではないかと考えております。
そのため、今後、路線バスの協議を行う場などで、改正活性化再生法に基づく広域的な計画の策定について、市町村の意向確認した上で、必要となれば、県も積極的に参画して対応してまいりたいと考えております。
なお、計画を策定します場合には、当然、住民の方にも積極的にかかわっていただき、一体となって施策を推進していただくことになるものと考えております。
次に、持続できる地域公共交通であるためにも、地域性やニーズ、効率性、経済性を配慮した、適材適所のモード選択を根底に据えた計画であるべきではないかとのお尋ねがありました。
中山間地域をはじめ、県内の多くの市町村では、交通事業者に加え、地域住民なども参画することにより、それぞれの地域にあわせた交通計画などを策定し、路線バスだけでなく、デマンド型バスや、乗り合いタクシーなど、それぞれの地域ニーズに沿った交通モードの選択と組み合わせにより、住民の交通手段の維持、確保を図っているところであります。
お話にありましたとおり、持続可能な地域交通ネットワークを検討する際には、地域性や利用性、住民のニーズを踏まえるとともに、効率性や経済性等にも十分配慮した上で、多様な交通モードを適切に組み合わせることが重要になるものと考えています。
今後、県が加わって計画を策定していく際には、そういった考え方をベースとして、策定作業が進められていくものだと思います。
次に、より被災者の立場に立った被災者生活再建支援制度の検討について、お尋ねがございました。被災者生活再建支援法に基づく支援制度は、災害救助法が適用されますなど、一定規模以上の自然災害を受けた市町村で、全壊または大規模半壊となった方が、住宅の建てかえなどをする場合に、都道府県の拠出金と国の補助金により積み立てられた基金から支援金が支給される制度であります。
ただ、この支援制度では、支援金の対象となるかどうかは、市町村単位での災害の規模によってまず決まりますので、同一の災害で被災した皆様から見れば、居住する市町村の災害の規模が大きいか小さいかによって支援を受けられる方と受けられない方が出てくるという問題があります。こうしたことから、これまでも、その都度、県独自の制度を設けて、支援法の対象とならない市町村の被災者に対しても支援を行ってまいりました。今回の豪雨災害でも、これまでと同様に支援を行いたいと考えており、今議会に補正予算案を提出しております。
一方、局所的集中的な豪雨が頻発する近年の状況では、例えば、中山間地域の限られた範囲で住宅が全壊するような土砂災害が発生し得ると考えたときに、これまでの枠組みでは支援できないケースが出てくることも想定されるところであります。自然災害により家の建てかえを余儀なくされる全壊または大規模半壊といった生活基盤が著しく損なわれる被害を受けた被災者、個々人の御負担は、お住いの市町村単位全体の災害の規模が大きくとも小さくとも同じであります。また、全体としての災害の規模が大きくとも小さくとも同じであります。こうした被災者への支援については、検討すべき課題であると認識しておるところでございます。
次に、自転車がまちを変えるとの気構えで、自転車活用計画を策定するなど取り組めないかとのお尋ねがありました。
自転車は、利用者にとって比較的気軽に利用できる移動手段でありますとともに、ウオーキングと同様、世代を問わず手軽に利用できるものとして健康づくりの有効な手段であります。また、環境への負荷が小さく、交通渋滞の緩和につながりますなど、今後コンパクトシティーを進めていく上でも、自転車をどのように位置づけるかは重要な点だと考えております。
さらには、まちづくりの視点に自転車利用を取り入れることで、公共交通ネットワークが脆弱な本県において、観光地からの移動に自転車が活用され、観光客の移動手段が多様化し、周遊が促進されるというメリットも考えられますし、自転車と公共交通を組み合わせて移動できる環境を整えることで、公共交通の新たな利用者の掘り起こしにつながるとも考えております。
また、他方で、道路の状況は、特に自転車利用の多い高知市中心部では、自転車と歩行者が分離されていないことや、道路幅が狭いこと、また、中心市街地の駐輪場対策や交通マナーの向上の問題など、さまざまな課題があるのも事実であります。
いずれにしても、自転車にはさまざまな可能性がありますので、多様な検討を重ねてまいりたいと考えております。
次に、本県における公文書の存在意義と公文書保存のあり方はどうあるべきかとのお尋ねがございました。
県のさまざまな活動や歴史的事実の記録である公文書は、民主主義の根幹を支える県民共有の貴重な知的資源でありまして、これを適正に管理し、後世の県民に引き継いでいくことは、県の重要な役割であると認識しております。このため、現在、国立公文書館のアドバイスのもと、歴史的公文書制度の創設に向けて取り組んでおりますし、保存に関しましても、公文書の劣化を防ぐため、書庫の温湿度管理を徹底するとともに、酸化防止に有効な中性紙箱での保存に切りかえるなどの対策を講じてきたところであります。
また、震災の備えとして、歴史的価値が高いと思われる公文書の散逸を防ぐため、免震構造の本庁地下書庫と、津波による浸水がない元県立大栃高校の2カ所での集中管理とするなど、公文書の適正な管理と保存に努めてまいりました。
保存環境のさらなる充実を図るとともに、歴史的価値のある公文書を、県民の皆様にこれまで以上に利用していただくためには、公文書館の設置が必要であると考えておりまして、現在、県立図書館の跡施設のメイン機能として、公文書館を設置してはどうかとの方向で検討を進めているところであります。
また、御質問にもありましたが、東京大学の吉見副学長とお会いしました際には、東日本大震災により生じた民間や自治体、マスコミなどにおけるさまざまな情報を統合する仕組みがないことから、新たに電子化による情報の一元化に向けて取り組んでおられるとのお話をお伺いをいたしました。このような震災情報共有の仕組みづくりは、本県にとりましても大変重要なことであると考えておりまして、その議論の動向にも注意をしていきたいと、そのように考えておるところであります。
私からは、以上でございます。
◎理事(中山間対策・運輸担当)(金谷正文君) とさでん交通の当面の課題について、まず、バスターミナルの整備と路線再編に関して、埼玉県のイーグルバスの取り組みを参考にするのかとのお尋ねがありました。
中央地域のバス路線は、2社が競合することで重複路線の調整や利用者のニーズを踏まえた柔軟な見直しが進まなかったことにより、複雑でわかりにくい路線となっております。そういった路線を、利便性が高く、効率的な路線に再編するためにには、ターミナルや乗りかえポイントの整備が必要となってまいります。
お話にありました埼玉県のイーグルバスの取り組みは、ターミナル機能をうまく活用し、経営改善につなげた事例でございますので、本県中央地域の複雑な路線を再編整備する際の参考になるものと考えております。
とさでん交通は、データに基づいて利便性の高い路線再編を行うこととしております。今後、具体的検討に入る際には、会社内に設置する事業改善の協議の場において、他県の成功事例やノウハウなどを参考にしながら、中心部及び周辺部でのターミナルや乗りかえポイントを想定しての路線再編案が検討されるものと考えています。
次に、来年度予算の概算要求にある国土交通省のモデル事業の採択を、とさでん交通が目指しているのかとのお尋ねがありました。
お話にございました国土交通省が概算要求をしておりますモデル事業は、ICカード等で収集した乗降データをもとに、最適なバス路線を構築することで自立的な経営を確立していこうとするものとお聞きをしております。このような考え方は、とさでん交通が目指す取り組みとも方向を同じくするものであり、これから地方地域の公共交通の事業改善を進めていこうとするときに、国において自立的な経営の確立を支援するモデル事業が打ち出されましたことは、取り組みを進める上で大きな追い風になるものと期待をしております。
現時点では、事業のスキームやスケジュールなど詳細が明らかにされておりませんので、とさでん交通が、即この事業を活用できるかどうか、内容のものかどうかということについては不明でございますが、地方の公共交通事業者の事業運営の助けになる事業でございますので、今後の国の動きを注視し、情報収集に努めてまいりたいと考えております。
◎副知事(岩城孝章君) 公共交通改善に対する協議機関について、利用するのに困難さを抱えている高齢者や障害者の皆さんの意見をどのように反映させるのか、また、その協議会は公開で開催されるのかとのお尋ねがございました。
とさでん交通の目指す持続可能な公共交通の実現のためには、現在利用されている方や観光客へのさらなる利用促進策はもちろんのこと、公共交通の利用に不便さや不自由さを感じておられる方々や、現在利用されていない方々のニーズを酌み取り、それに応えることで新たな利用の喚起につなげていくことは重要となります。利用者目線に立った取り組みを進めていくためには、広く利用者の声や提案を募り、検討を行うことで、各種の具体的な取り組みを反映させていくという姿勢が事業者に求められているものと考えております。
今回、新たに設置する協議会につきましては、公開が原則になろうかと思いますが、会議の持ち方などについては、今後早急に関係者間で協議をしていくことになります。その際には、多様な立場の方々のニーズや御意見を酌み上げられるような仕組みを構築できるよう、県としても提案してまいります。
◎産業振興推進部長(中澤一眞君) 自転車を通じたまちづくりによる自転車コミュニティービジネスの展開について、お尋ねがありました。
地域の住民が主体となってビジネスの手法を活用しながら、地域の課題解決を進めるコミュニティービジネスにつきましては、地域の活力を高めるとともに、産業づくりにもつながるものと考えており、県では、このコミュニティービジネスを中山間総合対策本部の中で、小さなビジネスとして重点テーマに位置づけて、その振興に取り組んでおります。
この小さなビジネスには、これまでに地域資源を活用した加工品づくりなど、54件の取り組みを指定をし、地域づくり支援事業費補助金やアドバイザー制度などを活用して、地域アクションプランや集落活動センターの取り組みにもつながるようテーマや段階に応じたサポートを行なっております。
こうした中、自転車を活用したまちづくりや地域活性化の取り組みとしましては、四万十市で宿泊施設などに、サイクルスタンドや空気入れ等を設置する取り組みや、西土佐地域でのレンタサイクル事業などが行われておりますし、香美市におきましても、物部川の中流域を自転車でめぐりながら、景色やカフェを楽しむ自転車ツアーを実施するといった取り組みが生まれてきております。
今後、これらの事例を含めまして、幅広く小さなビジネスに位置づけていくことで、自転車を通じたコミュニティービジネスについても、その取り組みを支援してまいりたいと考えております。
◎土木部長(奥谷正君) 自転車走行区間の安全性の確保について、まず、歩道上のペイントレーンは今後設置すべきではないし、既存のものは撤去するか、歩道との完全分離を図るべきと考えるがどうかとのお尋ねがありました。
急増する自転車と歩行者の交通事故に対応するため、国は、平成19年度に、全国で自転車通行環境整備の模範となるモデル地区を指定しました。本県でも、自転車事故が集中している高知市において、桟橋通り地区、菜園場から知寄町地区までの2地区が指定され、周辺住民や、沿道関係者の合意のもとで、法的には、普通自転車通行指定部分であるペイントレーンを整備しており、平成27年度までに完了する予定となっております。
このような歩道上のペイントレーンを、今後新たな地区で整備する計画は現時点では持っていませんが、モデル地区の整備については、周辺住民などとの合意のもとで行っているものであり、計画している区間は完了させることとしております。
県としましては、これらのモデル地区における整備の完了後に、通行状況や沿線店舗などへの出入りの実態を調査し、周辺住民の皆様の御意見を伺った上で、整備効果や課題について検証することとしております。
その結果を踏まえ、既存のペイントレーンを撤去するか、または、歩道と完全分離するかなどについて、国や警察などと連携して検討していきたいと考えております。
次に、自転車走行空間の安全性確保のための対策について、お尋ねがありました。歩行者と自動車から自転車を分離し、自転車専用の通行空間を整備することは安全性の確保から望ましいことではありますが、既存道路の幅員に十分な余裕が必要なことや、道路利用者、沿道関係者等との合意形成に時間を要することなどから、容易に実施することはできないと考えております。当面は、自転車が、自転車歩行者道を通行する際の安全性の確保のため、徐行しなければならないことや車道寄りの部分を通行しなければならないことなどのルールを周知する看板の設置や路面への表示を、警察と連携して検討してまいります。
次に、交通ルールを守ることを促すハード面などでの環境整備のあり方について、お尋ねがありました。
道路管理者としてできるハード面の整備としては、住宅街等の限られたエリアの生活道路において、地域住民の合意のもと、警察と連携して行う自動車の走行速度を抑制するためのスロロームやクランク、路面の一部を盛り上げるハンプの設置などが考えられます。しかしながら、一般的には、一時停止や減速を促すための路面表示や看板の設置といった、注意喚起を行う手法による環境整備が望ましいと考えております。
◎警察本部長(国枝治男君) 歩道上の自転車専用レーンにおける自転車の規制に関し、お尋ねがありました。
議員御質問の歩道上の自転車専用レーンとは、道路交通法でいう歩道の普通自転車通行指定部分であると思慮します。自転車が、歩道の、この普通自転車通行指定部分を通行する場合ですが、そこはやはり歩道であり、道路交通法第63条の4第2項により、徐行義務と歩行者の通行の妨げとなるときの一時停止義務が課されております。ただし、こういった普通自転車通行指定部分がない場合と異なり、普通自転車通行指定部分を通行する歩行者や通行しようとする歩行者がいないときは、徐行せずに歩道の状況に応じた安全な速度と方法で通行できることとなっております。
自転車の通行方法等に関しては、自転車を利用する機会の多い児童、生徒を中心に、プロのスタントマンによるスケアード・ストレート方式の交通安全教室や交通安全教材トラフィック・セーフティー・ニュースの県教育委員会への提供などを通じて周知を図っているところではありますが、まだまだ周知されているとは言いがたい状況にあります。
今後、現場における交通指導や、各種交通安全教室など、あらゆる機会をとらえまして、自転車は車両であり、歩行者優先という基本ルールや安全な速度や徐行などの周知徹底を図っていきたいと考えております。
タンデム自転車について、2点お尋ねがありました。
1点目のタンデム自転車の公道上の走行が許されている八つの県におけるタンデム自転車関連の交通事故件数についてであります。
警察においては、タンデム自転車を対象とする交通事故統計はありませんが、なお、確認のため、タンデム自転車の走行が認められている8県の警察本部担当課に問い合わせてみましたが、いずれもタンデム自転車に限定した交通事故統計はとっておらず、タンデム自転車が関係する交通事故件数は把握できていないとの解答でありました。したがいまして、これら8県におけるタンデム自転車が関係する交通事故件数は不明であります。
次に、2点目のタンデム自転車の公道走行が許されている8県において、タンデム自転車が公道を走行することについて、交通事故防止の観点から議論されているかという御質問に関しても、各県の警察本部担当課に問い合わせてみましたが、いずれも具体的な議論はしていないとのことであります。
交通安全政策について、3点お尋ねがありました。関連しますので、あわせてお答えさせていただきます。
まず、1点目の大人への交通教育のあり方について、お答えいたします。
交通事故をなくすためには、道路交通の場にいるすべての方に交通ルールを等しく守っていただくことが重要となります。
したがいまして、子供や高齢者以外の年代の方々への交通安全教育や啓発にも取り組んでおり、運転免許保有者に対する更新時講習を始めとする各種講習はもとより、事業者に出向いての交通安全講習、親子で参加していただく交通安全教室といった交通安全講習のほか、事業者のドライバーの方に率先して模範運転を行っていただき、一般ドライバーの方々の交通マナーやモラルの向上を図る安全運転宣言車の走行、ドライバーの方一人一人がみずから交通ルールの遵守と交通マナーアップを長期間、継続的に図っていただく取り組みとしての無事故無違反ドライバーズコンテスト、セーフティーロード103(土佐)などの各種取り組みを行っているところであります。
次に、2点目の交通ルールを守ることを促すハード面などでの環境整備について、お答えいたします。
交通ルールが守られるためには、ハード面においてわかりやすい交通信号機、交通標識などの交通安全施設の整備が必要と考えております。そのため、ドライバーの方に見えやすい交通信号機の設置、わかりやすい交通標識の設置等の取り組みのほか、地域住民の方々の意見をいただきながら道路管理者や関係機関、団体等と連携して、重大交通事故が発生した現場において、同種事故の発生防止を目的に、各種対策を実施するための現場点検の実施を行っているほか、生活道や通学路の歩行者の安全な通行を確保することを目的とし、一定の区域に対する交通規制や安全施設を整備する、ゾーン30の促進などの交通環境の整備を推進しているところであります。
交通安全対策においては、交通指導取り締まり、交通安全教育、交通環境の整備の三つがバランスよく推進されることが必要であります。今後もこれら三つのバランスに配意しつつ、関係機関、団体等と連携しながら一層効果的な交通安全対策を推進してまいる所存であります。
次に、3点目の運転免許センターのあり方について、お答えいたします。
本県の運転免許センターの場内試験場は、各車種の運転免許技能試験、交通違反者に対する技能講習、運転適性相談者に対する運転技能適性検査などに使用しているほか、これらの試験等に支障のない範囲内で、高知県自動車運転免許試験場使用料徴収条例に定められたコース使用料を納めていただいた上で、一般に開放しております。
コースの一般開放に当たっては、利用される方などの安全を確保するため、運転練習に用いる車両は、高知県自動車運転免許試験場使用料徴収条例施行規則で、高知県公安委員会が指定した自動車と定められております。現在、公安委員会が指定している自動車は、運転免許技能試験に使用する試験車であることから、自動車の長さや幅等の規格が免許の種別ごとに法令で定めるものに合致していることのほか、補助ブレーキ装置を備えることが義務づけられているところであります。
しかしながら、議員の御質問にもありましたとおり、運転免許センターのコースへの一般車両の持ち込みが可能な県もございます。したがいまして、本県においても、一般車両の持ち込みが可能か否か、運転免許センターの人的体制、利用される方の安全確保等の面から現在検討しているところであります。
◎観光振興部長(久保博道君) 観光面でのタンデム自転車の走行について、お尋ねがありました。
サイクリングにつきましては、近年、健康やエコの観点から、また、さまざまなサイクリングイベントなどの開催を通じて、全国的に人気が高まっております。このため、本県では、スポーツツーリズムの一環として、コグウェイ四国や四万十・足摺無限大チャレンジライドなど、官民が連携して開催し、県外からの誘客に積極的に取り組んでいるところです。さらに、知事が会長を務めております四国地方産業競争力協議会において、本県の提案により、他の3県と連携しながら、四国を周遊するロードレースの開催についても検討を始めています。
お尋ねのありましたタンデム自転車の走行につきましては、利用者はもとより、歩行者などの安全確保が最優先であると考えておりますので、まずは、県警本部の検討状況を注視してまいりますとともに、全国的な観光面での活用状況にも目を配りたいと思っております。
◎地域福祉部長(井奥和男君) タウンモビリティの取り組みを継続していくための支援と、屋内スペースを中心商店街に常設するための支援策についてのお尋ねがありました。関連いたしますので、あわせてお答えをいたします。
障害のある方や、足の不自由な高齢者の方などが、まち中で安心して買い物や散策できるよう、車いすなどの無料貸出やボランティアによる付き添いサポートなどを行う、タウンモビリティの取り組みは、移動に支援が必要な方の社会参加の促進はもちろんのこと、生活の質の向上や中心商店街の活性化にもつながるなど、意義のある取り組みだと認識をいたしております。
高知市中心商店街におけるタウンモビリティの取り組みは、昨年1月からNPO法人の運営により、定期的に実施されるようになり、県と高知市では、同年4月から補助制度を創設し、運営経費の一部を支援しているところです。運営をしている団体からは、利用者やボランティアなどの名簿登録者もふえてきており、現在の取り組みを継続し、もう一段の利用促進を図るためには安定財源の確保に加え、利用者の休憩スペースや車いす置き場などが整った活動拠点の確保が必要であるとのお話をいただいております。
県といたしましては、利用者のニーズに応えられる安定した運営の確保につきまして、現在の支援制度の見直しを含めまして、高知市との協議を行ってまいります。また、空き店舗などを活用した常設の活動拠点の確保に向けましては、福祉の分野にとどまらず、商工観光などといったさまざまな観点からの検討を行う必要があるものと考えておりますので、運営団体や商店街の意向なども踏まえ、関係部局などとも連携を図りながら、関係者間で協議を行う場の設置に向けまして、高知市との調整を図ってまいりたいと考えております。
◎危機管理部長(野々村毅君) 防災減災対策について、まず、地区防災計画の策定について地域への支援は行われるのか、また、計画の具体化に関して、財政措置はどのように考えるのかとのお尋ねがございました。関連いたしますので、あわせてお答えいたします。
東日本大震災の教訓として、自助、共助、公助が有効に連携しなければ、大規模災害の対策はうまく機能しないことがわかりましたことから、お話にもありましたように、昨年の災害対策基本法の改正の中で、地域コミュニティーの自発的な防災活動という自助、共助の取り組みを促すため、地区防災計画の制度が新たに創設されました。
地域の連絡体制の整備、防災訓練の実施といった日ごろの活動や助け合いによる、救助、救出の手順、避難所での役割分担といった発災後の活動などについて、地域の皆様が話し合って、自発的に活動の計画を作成することで、地域の防災力やコミュニティーの活性化を図るものです。また、この計画を素案として、市町村に提案し、地域防災計画に位置づけられることで、地区防災計画となります。
県では、これまでも自主防災組織に活動計画を作成し、計画に基づいて活動を継続していただくようお願いしてきたところであります。今回、国において、同様の目的の取り組みが位置づけられましたので、今まで以上に、地域の自主的な計画づくりなどに取り組んでいただきたいと考えております。
計画を作成する際にお話にありましたように、できるだけ早い段階から専門家などの助言を受けることが有効だと考えられますので、こうした取り組みに対して地域防災対策総合補助金を活用し、市町村と連携し、支援を行ってまいります。さらに、地区防災計画の策定後も継続的な活動を行っていただくことが重要でありますので、防災訓練や防災学習会の開催など、地域の皆様が行う活動につきましても、同様の支援を行ってまいります。
次に、南海トラフ地震対策行動計画に関しまして、避難場所には、津波避難ビルも含まれるのか、また、新たに行動計画に位置づけられた避難場所に関する課題をどのように認識しているのかとのお尋ねがございました。
津波から一時的に避難する避難場所には、御質問にありました津波避難ビルは、当然含まれております。また、南海トラフ地震対策を進めるに当たっては、被災者の置かれた状況をリアルに想定し、考えられる課題を洗い出すといった不断の見直しを行いながら、必要な対策を講じているところです。
今回、こうした考えのもと、発災後、2週間程度の期間で避難場所にとどまる、避難場所から避難所に移る、避難所に移ってから生活を立ち上げるの三つのステージにおいて、特に、命をつなぐ視点で、課題の洗い出しを行い、新たに61項目の対策を行動計画に位置づけております。このうち、避難場所にとどまることに関しては、避難者が長時間過ごさなければならない状況を想定すると、環境面や機能面で新たに対応しなければならない課題が洗い出されております。
具体的には、環境面で言えば、命をつなぐために必要となる水や食料はあるのか、風雨や暑さ、寒さをしのげるのかといった課題、機能面でいえば、情報を得る手段や外部と通信する手段をどう確保するのかといった課題であります。
これまで、命を守る視点で避難場所の対策を進めてまいりましたが、今後は、こうした命をつなぐ視点で、新たに洗い出した対策についても市町村を支援し、取り組みを進めてまいりたいと考えております。
◎総務部長(小谷敦君) 公文書管理のあり方についての御質問にお答えをいたします。
まず、公文書館では、公文書に限定せず、地域資料を扱うことも考えられるが、保管対象をどのように考えているのか、また、耐震改修や書庫面積の確保など、ハード面の整備をどのように考えているのかとのお尋ねがございました。
公文書に限定せず、地域資料も保管の対象とすることにつきましては、現在の県立図書館を活用する方向で、公文書館の検討を進めておりますので、施設の規模に一定の制約があること、また今後、数十年にわたって保存していくこととなる公文書も相当な量が見込まれますことから、現在は、保存対象として県の公文書を念頭に検討を進めております。
他方、地域に埋もれている近現代史の重要かつ貴重な資料等を適切に収集保存し、県民共有の財産として活用していくことは意義のあることと受けとめておりますので、歴史民俗資料館や新たに整備される新資料館、そして、何よりも市町村など、関係する機関との連携のもと、その役割分担等も含め、検討していく必要がある課題であると考えております。
また、ハード面の整備につきましては、県立図書館が昭和48年に建築されておりますことから、施設全体の耐震工事はもちろんのこと、老朽化に伴う電気、機械設備の改修や利活用の形態に応じた工事などが必要になってくるものと考えておりますが、書庫につきましては、現時点においては、県立図書館の有する書庫を引き続き活用することを考えております。
次に、アーキビストを始めとした専門職員の養成、確保について、お尋ねがございました。
公文書管理における職員の役割といたしましては、保存していく公文書の選別を始め、公文書目録の作成や日々の適切な保存管理など、さまざまな専門的業務が想定されます。議員御指摘のとおり、こうした業務に取り組んでいくためには、専門的な知識や技術を有する人材の確保が不可欠でありますので、国立公文書館が主催する研修会への参加、また、先進県における実務研修への参加などにより、職員のスキルアップを図ってまいりたいと考えております。
最後に、外部のメンバーも加えた検討委員会を立ち上げて、検討の加速化を図るべきだと考えるが、どうかとのお尋ねがございました。
現段階では、県立図書館施設の利活用の方向性について、庁内で検討を進めているところです。今後、公文書館そのものの検討も本格化してまいりますので、その際には、庁内にとどまらず、国立公文書館を始めとする外部の有識者の方々の御意見もお聞きしながら、検討を進めていく必要があると考えております。
◎人事委員長(秋元厚志君) 給与制度の総合的見直しについて、まず、人事院が行った官民給与の比較方法について、お尋ねがありました。
人事院は、地域における国家公務員の給与の是正などを目的といたしまして、平成18年以降、給与構造改革を実施し、一定の成果を上げてきたと評価をしつつ、一方で、依然として民間給与の低い地域を中心に公務員給与が高いのではないかとの指摘があることを受け、今回、給与制度の総合的見直しを勧告したところです。
給与構造改革における地域間比較の際には、民間賃金の高い政令市等が含まれていましたことから、今回の見直しに当たっては、政令市等を含まない地域における官民給与の実情を把握するため、賃金構造基本統計調査により、給与水準の低いほうから4分の1となる12県を一つのグループとして抽出をし、その上で、この12県の民間給与と国家公務員の給与とを毎年人事院が実施しています方式、すなわち、職種別民間給与実態調査と国家公務員給与等実態調査で比較したものであると認識をしています。
こうした比較方法の変更につきましては、全国共通の俸給表を使用するという前提に立った上で、民間賃金の低い地域における官民給与の実情をより適切に反映させる必要性から、人事院として判断したものと受けとめています。
次に、総合的見直しを制度として導入した場合、人事委員会勧告における基本的な考え方が崩れるのではないか、また、50歳代後半層については、公民格差は2年前と大きく変わらないのではないか、逆較差がさらに拡大するのではないかとのお尋ねがありました。互いに関連いたしますので、あわせてお答えをいたします。
給与制度の総合的見直しにつきましては、地方公務員の給与にも大きな影響を与える重要な課題であると認識をしております。人事委員会といたしましては、給与構造改革以降、制度は国に準拠することを基本とした上で、その水準は、地域の民間企業との均衡を図ることを念頭に措置をしてきたところでありまして、その結果、独自に水準調整をしました給料表の作成や特別給についても国と異なる措置を講じてまいりました。
一方で、地方公務員法に定める均衡の原則から、職員の給与については、民間企業だけではなく、国家公務員の給与との均衡も求められております。この点につきましては、仮に、民間給与が著しく高い地域があったとしても、公務としての近似性及び財源負担の面から、それぞれの地域における国家公務員の給与水準との均衡に十分留意することとされているところでございます。
こうしたことを踏まえまして、本県職員の給与の現状を分析をいたしました上で、国と同様に地域間あるいは世代間の給与配分の見直しが必要な状況にあるのか、慎重に検討を行っているところでございます。
次に、職員のモチベーションの維持について、お尋ねがございました。
直面するさまざまな、県政課題に適切に対応してまいりますためには、職員が高いモチベーションを維持し、自己の持つ適性や能力を十分に発揮できる職場環境づくりが重要であると考えております。
そのため、これまでも給与に関する報告、勧告の中で、給与及び公務運営の両面から意見を述べてきたところでございます。給料が職員のモチベーションを維持する上で、一つの大きな要素であることは認識をしていますが、一方で、給与につきましては、先ほども申しあげましたとおり、均衡の原則や職務と職責に基づき、給与は決定されるべきものであるという職務給の原則など、給与制度の趣旨に沿った適切な運営が図られる必要があると考えております。
また、職場環境づくりにあたりましては、時間外勤務の縮減や年次有給休暇の活用、職業生活と家庭生活の両立の支援、さらには、ハラスメントやメンタルヘルス対策など、公務運営の全般につきまして対策を講じる必要があると考えております。
今後とも、職員のモチベーションを確保しつつ、効率的な業務執行と行政サービスの向上につなげていくことができますよう、第三者機関としての機能を果たしてまりたいと考えています。
◎教育長(田村荘児君) 高知南中・高等学校と高知西高等学校の統合に関して、まず、両校関係者におおむね理解をいただいたと言うが、理解されていない点はない、理解されてなくても計画を進めることには支障ないのか、また、パブリックコメントの意見を尊重していくのかとのお尋ねがございました。関連いたしますので、あわせてお答えいたします。
まず、両校の統合については、本年4月以降、教育委員協議会に、保護者を始め、学校関係者をお招きして、丁寧な協議を重ねてきたところであり、統合の必要性について、おおむね御理解をいただけたものと考えております。
お尋ねのおおむね理解ということの意味するところでございますが、一つには、御理解の仕方にも関係者の属する団体、個人によって積極的に評価いただいたものから、やむを得ないといった消極的なものまで幅があること。二つには、統合対象となっている学校関係者の各団体の総意としては、御理解を示していただいたものの、高知南中・高等学校の関係者の中には、学校に対する強い思いから、例えば、理屈としてはわかるが、感情では納得できないといった思いを述べられる方など、個人レベルでは十分な御理解とまで至っていない方もいらっしゃること。そういった意味を込めて、おおむね理解という表現をさせていただきました。
今後とも、こうしたさまざまな思いがあることは重く受けとめていかなければならないと思います。
次に、パブリックコメントの意見を尊重していくのかとのお尋ねがございました。
現在実施しておりますパブリックコメントでいただきました御意見を踏まえました上で、最終的な再編振興計画を取りまとめてまいりたいと考えておりますが、計画を策定した後も、教育の充実策や統合後の具体的な学校の姿などについて、両校の関係者の皆様と節目節目で御意見をいただく場を持ちながら、引き続き丁寧な対応をしてまいります。
次に、統合後の新たな中高一貫教育校の目指す姿について、本県におけるグローバル教育のトップ校かつ大学進学の拠点校を目指すとしているが、県民のどれだけの声に支持されて計画されたのかとのお尋ねがございました。
社会や経済の急速なグローバル化に伴って、幅広い教養や課題解決能力などを備え、国際社会で広く活躍できる人材の育成が、これからの産業振興や地域振興を実現していく上でも大きな課題となっております。そのため、国におきましては、小学校での英語の教科化や知識重視から思考力や表現力等を問う大学入試制度の見直しの検討、あるいは、スーパーグローバルハイスクールの育成など、グローバル人材の育成に向け取り組みを強化しているところでございます。
本県におきましても、こうした大きな教育課題に対応していくため、新たな中高一貫教育校におきましては、時代を担うグローバル人材の育成を目指し、国際バカロレア認定に向けた教育にも取り組むなど、高度な英語運用能力とともに、論理的思考力、表現力、コミュニケーション能力の育成にも重点的に取り組みたいと考えております。そのことにより、本県のグローバル教育の県内のトップ校、大学進学の拠点校として県民の皆様の御期待に応えられる学校としてまいります。
こうした考え方につきまして、これまで教育委員協議会に御出席いただいた両校の関係者や教育関係者の皆様からも多くの御支持をいただいております。例えば、高知県市町村教育委員会連合会の代表の方からは、グローバル教育は、高知南中・高等学校と高知西高等学校の取り組みを生かしながら、すべての高校の教育環境の充実を図ることができる取り組みであるという御意見を、また、両校の学校関係者の皆様からも、統合後の新しい中高一貫教育校でのグローバル教育や国際バカロレアに期待をしている、グローバル教育は次世代のリーダーを育成し、社会に出て広く活躍できる人材を育成するものであり、ぜひ進めてほしいといった御意見をいただいているところです。
一方、広く一般県民の御理解という面につきましては、新たな中高一貫教育校でのグローバル教育は、本県にこれまでなかった新しい取り組みであり、これまで、我々の説明が必ずしも十分ではなかったということもございまして、ややもするとグローバルエリートばかりを養成するのではないかといった誤解も受けてしまうきらいがございます。わかっていただくと、先ほど申しましたような高い評価もいただいておりますので、今後、再編振興計画を策定した後には、広く県民の皆様に御説明する場も設け、御理解を深めていただくよう努めてまいります。
最後に、新しい中高一貫教育校が、現在、高知南中・高等学校と高知西高等学校に進学しようとしている多様なすべての生徒の選択肢となるのか、また、多様な選択肢を減少させることよりも、グローバル教育のトップ校かつ大学進学の拠点校を新設することを優先させるのかとのお尋ねがございました。関連いたしますので、あわせてお答えいたします。
社会や経済が大きく変貌していく中で、県立高等学校には、本県で学び、育つ生徒たちが将来社会人、職業人として自立し、自らの人生を切り開いていくことができるよう、適正に応じた進路実現をしっかりと支援していく教育活動が求められております。新たな中高一貫教育校におきましては、これまでも申しましたように、今、求められているグローバル人材の育成に向けて、国際バカロレアの認定も視野に、グローバル教育を柱に位置づけるとともに、大学進学の拠点ともなり得る教育活動を行っていくことにしております。
こうしたこれまでの本県にはなかった中高一貫教育校では、前例のないことにも果断に挑戦し、多様な文化的背景を持つ人々とも信頼関係を築き、円滑にコミュニケーションができるような人材の育成を目指しておりますので、時代の先端でグローバル教育を学び、将来広い世界で活躍したいと願う生徒とともに、多様なニーズを持つ生徒の可能性を広げることにも寄与できるものと考えております。
一方、この中高一貫教育校のみで、これまで両校を志願している生徒すべてのニーズを満たすことにはならないと思いますが、県中央部全体では、さまざまな生徒のニーズに幅広く対応できるよう県立高等学校を配置しておりますので、今後策定する県立高等学校再編振興計画に沿って各学校の定員管理をしっかりと行うことで、それぞれの生徒が個々の適正に応じた進学が可能となるよう努めてまいります。
◎33番(坂本茂雄君) 第2問をさせていただきたいと思います。それぞれの御答弁、どうもありがとうございました。
まず、公共交通の関係でありますが、先ほどお話のありました、副知事から答弁がありましたが、一応、公開を原則にこの協議機関の位置づけ等について考えていきたいというふうなことで。やはり、私たち考えるのは、まさに、ずっとこの間言われゆうように、県民の出資した会社であると、県民が株主だというふうなことも、これまでずっと言われてきたわけですけれども。そういう意味からいくと、いかに県民に広く開きながらこの会社運営をしていくかということになってくると思います。ですから、いろんな意味で、特に、公が出資しているわけですから、そういった意味では、経営面においても、できるだけ公開で議論していく、そういうふうなことも求められてくると思いますので、ぜひ、その点については、今後の会社自体の運営を公開を原則にやっていくんだというふうな決意、その点については、知事のほうにお伺いをしておきたいというふうに思います。そういった中で、多様な県民の声を受け入れながら反映させていくということを望んでおきたいと思いますので、その点、後ほどをお聞きしたいと思います。
で、2点目に、自転車の利活用の問題ですが、知事の答弁、とらえ方としては、私もそのとおりだと思うんです。そういう意味では、いろんな課題がありますので、課題が大きくてなかなか一気に計画を策定すると言っても、いろいろ難しい面もあるのかもしれませんけれども、多様な検討を重ねるという、その言葉の中には、多様な検討を重ねて、そういった方向性を持ちたいんだということなのか、その辺の決意を、実はお伺いしたいというふうに思います。本当に、いろんな面でのメリットが自転車の利活用にはあるというふうに考えております。そういうことで、ぜひよろしくお願いしたいと思います。その決意をお聞かせください。
これ、実は、昨日、私、手に入れた新刊本なんですけど、『自転車に冷たい国、ニッポン』という、これは、毎日新聞の馬場記者という方で、この方が、銀輪の死角という連載記事をずっと毎日新聞に掲載されてました。結局、今、なぜこれだけ自転車と歩行者の交通事故の問題、自転車を軸にした交通事故の問題がふえているのかというふうなことをずっと取材されてきた方で、私も、お話も聞かせていただきましたけれども。そういった意味では、知事のほうで考えられていることと、それと、先ほど土木部や、あるいは、県警本部のほうで言われた交通安全の部分、自転車の走行空間の安全性、そういった問題をセットでやっぱり議論をしていくということを、ぜひお願いしたいと思います。そういう意味では、多様な検討ということに、まさになるだろうというふうに思いますけれども、その多様な検討を、ぜひ、具体化に向けていくような、先ほど、私、例に出しましたが、バイシクルタウン構想というのは、鳥取県です。鳥取県の知事と尾ア知事は、よくいろんなところで画面に出たりされますけれども、ぜひ、この自転車の利活用についても、一緒に足並みをそろえて頑張られていただきたいなというふうに思いますので、後ほど、決意を聞かせていただきたいと思います。
それと、タウンモビリティの関係、部長のほうからお話がありまして、今後、運営に当たられているNPOや高知市とも十分連携をとって、よりよい姿を目指していくと。なおかつ、先ほど、私が質問したことについて、具体化していくようなことで、ぜひ、十分な意見交換をして取り組んでいただきたいというふうに思いますので、これは、要請をしておきたいと思います。
それと、運転免許センターのあり方ですけれども、これは、先ほど警察本部長言われましたが、例えば、条例施行規則、使用料徴収の条例施行規則などを持ち出されましたが、そういうあるのわかってます。あるのわかっていて、お尋ねしているのは、どういう基本的な考え方をするかによって、条例は変わったり、施行規則が変わったりするわけで、そういう意味で考えていただきたいというふうに思います。
例えば、今後の、先ほどの回答で行けば、他県のように、持ち込み車両が可能なのかどうかいうことで検討されるということですけれども、実は、全国でそういうところがどれだけあるかというふうに、前に、警察本部にお伺いしたら、17県というふうに言われていました。しかし、私が調べてみると、22県ありました。そういう意味でも、いわゆるコースを開放している33県中22県が持ち込み車両が可能な都道府県です。時代は、そういうふうになっていると思うんですね。ですから、ぜひ、そういった方向で検討していただきたい。コースの使用料も、決して高知県、安いほうではありません。これも負担にはなると思いますけれども。ぜひ、そういった方向で御検討いただきたいということで、もう一度、その方向で検討されるかどうかということの、最終的な確認をさせていただきたいと思います。
それと、給与制度の構造的見直しのところで、先ほど、少し、私、聞き漏らしたのか、回答が十分にされてないような気もしました。
一つは、給与制度の総合的見直しは、本県として導入するのか、しないのかという、答えは、一つは二者択一の問題があるということでお伺いしましたけれども、それに対する答えは、慎重に検討を行っているということなんでしょうか。そういうことであれば、まだ勧告が出される14日までの間に、私が指摘したようなことも含めて、十分慎重に検討してくださるということなのか、どうかいうのをを聞かせいただきたいのと。
もう一つは、高知県においては、2年前に行った調査で全国と違って、民間のほうが給与水準が50代後半高いというふうな指摘をしましたけれども、それは、今回では、どうなっているのかいうところについて、私、聞き漏らしたのかどうか、わかりませんが、それについてもお聞かせいただきたいと思います。
いずれにしても、この国の制度は、国の場合は、いえば、そうやって引き下げた部分を調整給という形で、ほかに当ててるわけですね。都市部のほうに、調整手当という形で当てている。ところが、高知県の場合は、そういうふうにならないわけですね。ですから、高知県の場合は、削ったら削りっ放しということで。じゃあ、その分は、どこかで職員の給与水準の部分で還元されるかというとそうはならない、いうことなど含めて、やっぱり課題は大きいと思うんですね。その点について、財源を、国とは県の場合は違ってくるということも含めて、どのようにお考えなのか、その点についてお聞かせいただいて、第2問とします。
◎知事(尾ア正直君) まず、とさでん交通の経営についてでありますが、もうできる限り透明性高い経営を行っていただくということが大事だというふうに思います。
ただ、あくまで民間会社でありますから、例えば、民間会社で取締役会を全部公表してやっているところなんてないわけでありまして、一定限界があることは確か。やはり、民間の経営として、他の会社並みにやっていただくという点も出てこようかと思いますんで、そこら辺りはよく協議をしないといけないところだと思います。
副知事の答弁で申し上げましたのは、新たに設置する協議会につきましては、公開が原則であろうかと考えているということでありまして、そして、ただ、この会議の持ち方についても、今後、関係者間で早急に協議をするということを申し上げたということであります。
この新たに設置する協議会において、経営、具体的にどうしていくかなどということについても協議をします。ここには、県の関係者も入って協議をすることになります。ここは、できる限り公開でやっていくということが重要だろうと、そういうことを申し上げたということです。
いずれにしても、できる限り透明性を確保するべく取り組みを進めていくべきだということには違いはないと思います。
それから、2番目の自転車の利活用についてであります。多様な検討を重ねるということを申し上げました。できる限り、自転車が活用される方向が望ましいだろうと思います。
で、バイシクルタウン構想というところまで、一足飛びに行けるかどうかということについて言えば、まだ、私も現段階ではわかりません。ただ、観光でありますとか、それから、公共交通とのよき連結とか、いろいろ可能性があることは確かだなということをお話し伺ってって、そのとおりだなと思ったところでございました。やはり、そういう可能性のあるところを、また、現実的に活用できそうなところ、そういうところから、まず、よくよく勉強を重ねさせていただきたいとそのように思います。
要請というお話でありますが、タウンモビリティ、こちら、大変重要な取り組みだと思います。部長答弁いたしましたように、よく協議の場持てるようにしていきたいとそのように思います。
◎警察本部長(国枝治男君) 先ほどの御質問で、私の答弁のほうで、条例その他に基づきましてということで、お答えさせていただきましたのは、私、実務家でございますので、その点は御容赦いただければと思います。
ただ、議員御指摘のとおり、根本的にものを考えてほしいということについては、十分重く受けとめまして、引き続き検討してまいりたいと思います。
ただ、本日、答弁に臨むに当たりましては、交通部のほうと十分に検討いたしまして、今回の場合、一つ大事なこととして、補助ブレーキが必要になると。つまり、場内における安全性というのは、非常に重要なんだということで、幾つか検討してまいったところでございます。その中で、答弁でも申し上げましたとおり、利用者等の安全と申し上げました。これは、まさに、練習される方の安全であり、また、それを補助する方の安全であり、そして、また、場内の試験場における、周りの周囲の方の安全であり、そしてまた、さらに言うならば、施設の維持ということがあります。仮に、もし、交通事故を起こされますと、次の日の試験ができなくなるといった、そういったこともあるんだということを、いろいろ検討した上で臨ませていただいた次第でございます。
いずれにせよ、議員御指摘のとおり、総合的な観点から、引き続き検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
◎人事委員長(秋元厚志君) お答えいたします。
まず、二者選択ではないかというお話がございましたが、先ほど、答弁いたしましたように、現在、検討中ということでございますので、今ここで、その内容について申し上げることは、差し控えさせていただきたいと思いますが。
この検討にあたりましては、私ども、やはり、人事委員会の行う勧告というものにつきまして、職員の労働基本権が制約されている、その代償措置と位置づけられているといったようなことも十分認識をした上で、職員団体の御意見等もお伺いし、また、各任命権者の御意見などもお聞きした上で、私どもとして、責任ある判断をしてまいりたいというふうに考えております。
それから、50歳後半代の傾向、2年前とどうかということでございますけれども、基本的に、傾向といたしましては、2年前と大きく変わっているという状況にはないというふうに私どもは認識をいたしております。
それから、国と違って財源の問題という部分がございましたけれども、そういった部分についても、本県は、そういった違いがあるということを認識をした上で、現在検討をさせていただいておるというところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
◎33番(坂本茂雄君) ありがとうございました。
人事委員長、先ほど、人事委員長みずからもお話ありましたけれども、労働基本権制約の代償機関として、検討されていくということですけれども、ぜひ、お互いの意見を職員団体とも意見を開陳し合って、十分な意見反映を踏まえた判断をしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。
それと、高校再編のことについては、もう時間ありませんけれども、やはり、まだ、先ほど言われたように、やっぱり、おおむねの理解だと思うんです。やっぱり、そこのところを、今後、いかに大事にして議論をしていくかということが求められていると思います。ぜひ、そのことを踏まえて、さらには、今取り組んでおりますパブコメを踏まえて、十分な御議論をしていただきたいということをお願いして、一切の質問を終わります。