12月定例会代表質問(12月12日)

 県民クラブを代表して知事並びに執行部に質問させていただきます。
 私は、昨年一年間を振り返ったとき、自然災害の力に対して我々人間の無力さを痛感させられる一年であったと感じましたが、この一年間を振り返るとしたら「官から民へ」の流れの中で追及されてきた利潤追求による効率優先の問題点が吹き出し、人災の原因となった一年ではなかったかと思います。
 107人もの死者を出したJR西日本福知山線の尼崎事故における生命の安全よりも利益優先の競争と効率性を重視した超過密ダイヤと新型ATS増設のサボタージュ。そして、ここにきてさらに命よりも競争・効率性が優先された耐震強度偽装事件の発覚。前者は公共サービスの民営化の成功事例と言われた国鉄民営化。そして、後者は阪神淡路大震災後の規制緩和の中で飛躍的に伸びてきた「民間指定確認検査機関」という大震災の命の教訓を生かすどころか、むしろ踏みにじる代物であったと言うことです。
 そのいずれもが、人の命よりも利益の方が重いという方針が貫かれているということです。 
 今、小さな政府によって効率的なサービスが提供でき、国民もそのことを望んでいるかの如く「官から民へ」の流れが渦巻いています。しかし、本当にそうでしょうか。
 これまで自治体が行ってきた再分配的な公共サービスを縮小し、公共サービスの分野でも受益に見合う負担を個人に求めるような改革を進めれば進めるほど、その仕事は新たに民間でもできるようになります。つまり、市場原理を徹底すれば、負担できる個人だけを対象にした民間の仕事が成立するようになるのです。そして、行き着く先は「民間ができないことは自治体もやらず」ということで公共的な領域の中に空白地帯をつくり、そこから弱者を追放していくことになるのではないでしょうか。今、声高に「官から民へ」と叫んでいるのは、経済財政諮問会議や規制改革・民間開放推進会議の利権で生きてきた人たち、大きな資産を保持し続けてきた人たちばかりのように思います。
 知事は、先の予算委員会で私の質問に答えて「昔は地域の住民がそれぞれの公共サービスというものをみんなで力を合わせて担っていたが、だんだん行政という機関「役所」という所に逆にアウトソースしてきたのが近代史の歴史である。」とおっしゃいました。しかし、かつても住民は好んで公共サービスを自らで担っていたのではなく、押しつけられたりやむを得ず担っていたものであって、生産力の発展のために住民の労働生活が生活の場における住民の自発的協力に限界を生じさせ、その限界を克服するために誕生したものが「地方政府」であり自治体であったということではないでしょうか。それを今「住民のみなさん方に戻していくということだ」と言われますが、労働生活の密度は高まり、地域住民の自発的協力が取り戻せる状況にないまま、アウトソーシングしていったとき、受け皿となってくるのは住民の自発的協力組織ではなく、これまでも利益を追求し続けてきた企業の利益対象となり、受け皿は「民」ではなく「私」という私企業になっていくのだと思います。
 規制改革・民間開放推進会議議長の宮内義彦氏は「官業開放50兆円市場を語る」というネット記事の中で、「自分の明日の命も分からない中で、毎日、一刻一刻、リスクティクするのが人生。こんな当たり前のことを日本人は理解していない」とセーフティネットがズタズタにされようとしている社会の中で、「官から民」というさらなるリスク社会に日本人つまり国民を投げ出そうとしているとしか思えません。
 本県における行政改革やアウトソーシング議論も、そのような方向性を模索しているのではないかと懸念しています。県の行う公的責任を果たす本来の役割と責任の所在が明らかにならないままでは、いわゆる丸投げになってしまうわけで、そうならないための執行部の賢明な判断を求めていくという視点で順次質問させて頂きます。
 まず、アウトソーシングと新行政改革大綱・行革プランについておたずねします。
 今、進められているアウトソーシングの問題点については、先ほど述べさせていただきました。その上で、知事にお尋ねします。
 知事は9月予算委員会で述べられた「昔は地域の住民がそれぞれの公共サービスというものをみんなで力を合わせて担っていたが、だんだん行政という機関「役所」という所に逆にアウトソースしてきたのが近代史の歴史である。これをまた住民のみなさん方に戻していく」との考え方についてお聞きいたしますが、なぜ住民が行政にアウトソースしてきたと考えられているのか。そして、今住民に戻す環境が整ったのか。また、整っているとすれば戻すべき住民という場合の「民」とは何を指しているのか、改めてお聞きします。また、アウトソーシングさえすれば、地方自治そのものも住民の手に戻り、地方分権が確立されると考えているのかお尋ねします。
 また、2年前の知事選挙の際に唐突に浮上した30%〜50%のアウトソーシングについて、その根拠などがどうしても明確にならなかったことの理由が最近になってやっと分かりました。
 それは、これからご紹介するアウトソーシング検討委員会の比嘉委員長のホームページを見て理解ができたのです。
 まず、H15.3.7付けで「私の今年の目標の一つが、その第一歩を踏み出す自治体を見つけ出し、その改革の成功に向けての手伝いをすることです。」と手ぐすねを引いていたところに、「先日、X県のH知事から請われて、私の地域活性化モデルの実施方法について1時間強の会談を持ちました。私は、『私の知るところ、世界中で、私の提案している地域活性化モデルのような改革を実施したところはまだ無いので、実際にどうすれば成功するのかは、誰にも分かりません。しかし、私の考えるところで宜しければお話します』と言って、具体的な実施方法と問題点などについて話し合いました。後日、H知事の政策秘書の方からメールがあり、先日の会談で話した改革案を選挙公約に盛込むとのことです。大きな楽しみが出来ました。」と15.9.12付けで述べています。
 そして9.15分ではH知事との会談内容として知事に「まず、原則として全ての業務がアウトソース化可能とすべきです。過去の失敗事例では、いきなり何が出来るのか、から入っていましたが、全て出来ると言うのが前提です。それを共通認識とした上で、比較的やりやすいところから部門単位で行うべきです」と述べ、11.26分では「現行法でアウトソースが難しいものは、条例などの改正も必要ですが、それを待つことなく、アウトソース化がどんどん行えるようにすべきです。目標としては、3年で、全ての職場の全業務の30〜50%程度のアウトソース化で、それに成功したら、次の3年で70〜80%程度まで進めることです。」としています。
 これを見てみると、高知県のアウトソーシング議論における理念や手法は、東京工業大学の比嘉邦彦教授の請け売りであり、比嘉教授の提案している地域活性化モデルのような改革を実施したところは無く、実際にどうすれば成功するのか、誰にも分からないというモデルの実験台に高知県がされているのではないかと思えてなりません。そのような心配が高まる中で、将来にわたっての県として果たすべき役割の基本的な考え方が不透明であり、サービス内容の品質管理やリスクマネージメントの面についても、その検証方法についていまだ明確にされていませんが、いつの段階で明確にし、品質低下をきたしたときのフォローや責任の取り方はどうするのかお尋ねします。
 また、今までも、明確に根拠が示されませんでしたが30%のアウトソーシングというのは、あくまでも過渡期の達成目標であるということなのかどうかお聞きします。
 次に、知事が10月11日に示した「アウトソーシングの積極的な推進のための計画の策定」によれば、人員の活用策として「歳入確保に貢献できる職場」「産業振興に特に貢献できる職場」「業務の効率化を推進する職場」「その他」さらには「アウトソーシングの受け皿となる民間企業への派遣」などが例示されています。あたかも余剰人員対策としてどのような業務をするのかと活用策の後付をするのではなく、本来、今後のあるべき組織・県民サービス・事務事業の重点化を明確にするなど県として果たす役割を明確にし、公的責任の取り方についても明らかにしたうえで、アウトソーシングの検討がされるべきであると思います。来年度予算の中でアウトソーシング関係8.7億円の事業の中には取り返しがつかなくなるものはないのか。改めて「出せるものから出していく」ということで良いのかお聞きします。
 さらに、アウトソーシングする際の留意点については、これまでにも、県民サービスの向上面や品質確保、受け皿で働く労働者の労働条件の水準確保について質してきましたが、来年度想定されている事業でこれらの点がどのようになっているのかお聞きします。
 また、これまでも受け皿で働く方々の労働条件の一定水準の確保については、守るべき考え方が示されてきましたが、来年アウトソーシングされようとしている守衛部門の現在の委託勤務者の勤務体制に労働基準法違反の実態はないのかお聞しておきます。
 次に、新行政改革大綱「行政改革プラン」についてであります。
 このプランの実行によって、本当に視点の第一に掲げられている「県民の目線に立った行政経営の推進」ができるのだろうかと心配をする面も多々見受けられますが、ここでは基本的なことについてのみお聞きしておきます。
 まず、「自らの力で歩む」という場合の「自ら」とは何をさし、その際の財政規模はどの程度を想定されているのか、知事がよくいう交付税に頼らない財政規模なのかどうかおたずねします。
 次に、今後5年後に知事部局の職員を3400人体制としたとき、さらに10年後の3000人体制としたときの、それぞれの本県の県民サービス提供の範囲をどのように考え、そのことによる組織のメリット・デメリットをどのように想定しているのか知事にお聞きします。
 次に、知事公約の進捗状況についてでありますが、計182項目と大変多岐に亘っておりますので、数点の課題についてのみ現状と今後についておたずねしておきたいと思います。
 まず、産業振興と雇用拡大についてお尋ねします。
 この課題は、大変重要な課題でありながら、なかなか成果が見えにくい状況で、特に県民の目から見れば景気回復が実感できないだけによけい、不満が鬱積している面があるのではないかと思います。
 私が県政アンケートハガキで頂いた638回答のうち新卒者の就労支援を望む声が22.8%で最も多く、即効性があるということで力点を置いてきたコールセンター等の企業誘致を望む声は9.8%と最も少ないという回答でした。その他、望む声の多い順に「第一次産業で雇用拡大」「医療福祉分野で雇用拡大」「公共事業で雇用拡大」「ニート対策」となっていました。
 そこで商工労働部長にお尋ねしますが、進捗状況では県政の重要課題の4本柱の中では、特に産業の振興と雇用の拡大を最優先の課題と位置づけて、17年度の予算編成方針に「厳しい雇用情勢への積極的な対応」を掲げ、重点化枠を設けるなどの対応を行い、4本柱の中でも最大の32億円余りを計上としていますが、このことによる雇用効果また経済波及効果はどのようになっているのかお聞きします。
 また、最も期待されている「新卒者の就労支援」を望む声に応えて頂く意味でお聞きしますが、高知県就職支援相談センター「ジョブカフェこうち」における無料職業紹介事業がスタートするなど就職支援の条件整備も行われ、県外企業への就職状況が良好なことで、現時点での高卒者就職状況が改善されつつあるようです。今後は、若者の県外流出を防ぐ意味でも、県内企業に対する就職支援の条件整備をより充実しなければならないと思いますが、これらの事業を今後どのように考えられているか。また、支援メニューの充実を図るとのことですが、具体的にどのような検討がされているのか。さらに、今年から行われている民間職業紹介事業者に委託した若年者就職支援事業による成果についても併せてお聞きします。
 次は、「県有地等の有効活用の取り組みについて」の項に「17年10月にシキボウ跡地の活用に関する三者会を開催した」とあることについて企画振興部長におたずねします。駅前の県有地を巡る三施設複合化についても、様々議論がある中で、土地開発公社の所有地であるとは言え、その利活用の方向性については関心が持たれているところであります。十分な利活用の議論がされないまま、中央病院跡地同様売却されてしまうのではないかと心配する声などもあり、今後の議論の方向性は県民の関心を引いているところです。そこで、まず、その三者会の議論状況についてお聞きします。
 そして、今後は議論の状況はオープンにするとともに、高知市や地元との連携も密にし、駅前複合施設化構想のような唐突な提案をするようなことはないように要請しておきたいと思いますが、どのような姿勢で臨まれようとしているのかお聞きします。
 この項の最後に、土木部長に入札・契約制度改善についてお尋ねします。
 全国的に、談合が相変わらず頻発し、談合を無くしていくための方策が、改めて真剣に議論されなければならない時期を迎えています。そして、本県においても今年1月に報告された「新たな入札・契約制度の実施に関する報告書」に基づいた入札・契約制度の改善が進められてきた、その一方で、とりまとめの直前からも続いた本山土木、安芸土木での入札無効や、さらには県独自の指名回避措置基準要領を施行して1ヶ月で適用せざるを得なかった東洋町の砂防工事における入札無効など、その効果がなかなか見えてきません。談合一般を取り締まる様々な方策について、まだまだ実効性が低く、決定的な対策とはなっていない中で、なぜ実効性を持たないかについては、様々な要因が考えられますが、最たるものはやはりペナルティが弱いことであろうといわれています。
 そこで、今回の本県における談合情報対応マニュアルの8条で定めた「指名停止等」の措置基準の重さは全国的に見て、どの程度なのか。また、どれだけの抑止効果が期待できるかお聞きします。
 さらに、談合防止対策としては、厳罰主義で臨むとともに、談合をやりにくくする仕組みをどう作るのかも談合防止に果たす役割が大きいと言われています。そのためには、様々な評価を点数化する「総合評価型入札」を導入することが効果的であるわけですが、本県において総合評価方式による入札方式の導入については、将来的な導入時期などの目途も含めてどのように検討されているのか現状をお聞きします。
 そのことも念頭において、今年1月に報告された「新たな入札・契約制度の実施に関する報告書」にある入札参加資格審査における企業評価方法の評価項目については、随時見直しが図られることとなっていますが、その際には追加して盛り込むべき社会的価値として男女雇用参画要件、公正労働基準などが検討されるべきだと考えますがどうでしょうか。また、「評価項目」の「災害協力」の項については、民間事業所への地震対策の誘発効果を期待する意味で、耐震補強・災害協定の締結状況などを追加し点数の拡大なども検討すべきではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 次に駅前複合施設化構想についてお尋ねします。9月定例会で議論が浮上して以降、県民世論を二分する状況になっていると思います。この課題も、県政アンケートハガキで意見を求めたところ、759回答のうち「三施設駅前統合整備に賛成する」との回答は4.7%で最も少ない回答となっており、一方、「駅周辺だけでなく、西部跡地等はりまや橋付近を始めとした中心市街地全体までの将来像が検討されるべき」との回答が27.4%にのぼり、県が先行して議論するという方向性は決して支持されていると思いません。この両回答の間に、「施設の組み合わせは別にして、駅前に賑わいと交流の場ができることに賛成」「事業費及び資金調達の方法が示されるべき」「財政状況が好転するまで、慎重に検討すること」「駅周辺のまちづくりの全体像を検討することを優先すべき」「三施設とも現在地での改修整備で対応すべき」との順位で意思表示して頂いています。ここでは、時間の関係でご紹介できませんが、3割以上の方が自由記載欄に様々なご意見を提言していただいているように、極めて関心の高い構想です。
 また、知事の言う「これらの施設の一体的な整備は、本県の文化や教育の充実」とする前提は聞こえはいいかもしれません。しかし、「文教の拠点としての大学のキャンパスが果たす役割」からすれば、そのキャンパス空間は極めて狭隘かつ喧騒で、教育と研究の実をあげ、人間性涵養のカリキュラムを実践するには不十分と言わざるをえず、大学とは机と椅子と書籍と効率的な空間だけで成立するものでもなければ、情報を収集するだけの場所でもないとの卒業生のみなさんの心配の声も上がっています。そんな県民の声があることを踏まえて、お答え頂きたいと思います。
 現状は県有地の活用のみが先行した議論となっており、県民はその方向性を心配しています。駅前広場のあり方や拠点街区のまちづくり、さらには中心街に向けた南北の町並みと中心街の活性化などなど全体の絵が描かれるべきであり、そのための県、市の連携が求められているのです。この連携をどのように取っていくのか具体的に土木部長にお答え願いたいと思います。
 また、県・市連携を円滑に進めるためにも庁内検討プロジェクトチームの議論のみを先行させることのないように要請しておきたいと思います。知事は森田議員の質問に「できるだけ早く案を県民に示し、青写真に基づく県民議論をしたい」と答弁されるに至っては、高知市との連携した議論は念頭にないのではないかと思ったりもしますが、知事の命を受けて、政策推進担当理事はどのような姿勢で臨んでいるのかお聞きします。あわせて、企画建設委員会で理事は「バックギアを持つ」と言われましたが、すでに、部局によっては先進地視察の予算要求がされていますし、さらに防災センターの教育機能を持ち込みたいとか、また、一部には移転統合前提で来年度以降の事業が進められようとするなどの動きが聞こえてきます。このようなことが駅前複合施設化構想が既定路線化してしまったかのように受け止められてしまいがちになるわけで、県として立ち止まる勇気を持った慎重な議論を進めていくつもりなのかどうか理事にお聞きします。
 さて、さまざまな難局を乗り越える上で、知事が本当に県民や職員の思いを受け止めたいなら、知事の県政運営にあたる姿勢については、せめて次の点について改めて頂きたいとの思いでお聞きします。
 一つは、森田議員がお尋ねした県内に腰を据えて、県政に取り組んで欲しいということの回答を聞くにつけ、知事の言う県民の目線がますます私たちの思いとは乖離していくことを感じます。
 森田議員の指摘事項をさらに期間を広げて見てみると、県外出張をされたり、休日を県外で過ごされたりしている日が昨年で105日(28.7%)今年はこの11ヶ月で昨年をすでに上回る126日(37.7%)となっています。昨年も議会休会中に県外出張をされたのが、9月定例会、12月定例会、今年は2月定例会、6月定例会などと休会中、または委員会開催中でも頻繁に県外に出向かれることがあります。いつでも連絡が取れる時代とはいえ、6月定例会の特別監査請求記者会見や東京出張に休日を挟むゆとり出張のあり方などを見るにつけ、疑問を感じている県民や職員が多くいることを自覚しなければならないと思います。県内の情報はあらゆる形で収集していると言われますが、県民が思っているのは、そんなに県外にばかり出向いていて、高知県のことをじっくり考えられる時間はあるのだろうか。東京に帰るために土日を挟んで用事を作っているのではないだろうかとうがった見方をされている場合もあるのです。
 改めて、お聞きしますが、せめて残された任期中だけでも県内に腰を落ち着けて、じっくりと構えて県政の舵取りをするというつもりはないでしょうか。
 また、実質的な県政運営の権限を持ちながら、自らを第三者的立場において、行司役のように県民と職員の間に座るのではなく、責任は取るから職員に思い切り働くようにという気概を見せない限り、今の県庁組織は変われないと考えますが、県政運営のトップとしての責任のありかたというのをどのように考えているのかお聞きします。
 この間、地震対策についてはさまざまな提言をさせていただきました。特に、初登壇以来毎回取り上げさせていただいた南海地震対策の条例化につきましては、現在担当課で来年からの具体的な条例化作業に向けた県民参加の手法などの検討がされているとお聞きしています。
 私は、条例化を提言する際の問題意識として、03年9月定例会では「高知県としての防災力を高める。そして、被災時のいのちと財産をどのように守るのか。被災後どのように社会機能を回復させるのか。そして、生活と社会をどう再建・復興するかまでを見通した柱を条例化することが求められている。」と述べ、また、今年2月定例会では「条例化する際には、例えば『揺れと津波への予防と避難と復興までを見通す』『行政の責任と地域の支え合いと県民・事業所の自覚と努力の連携』『防災産業の育成』『高齢県という状況の中で要支援者への支援』『日頃の台風災害予防との連携』など課題は多くある」と「災害復興」への視点を盛り込むことを指摘してきました。
 そんな中で、関西学院大学の災害復興制度研究所から、「災害復興−阪神・淡路大震災から10年」なる中間報告書が出されたこともあって、本県においても検討作業に入る南海地震対策条例に「復興」のあり方がどのように謳われるべきか研究員の教授と意見を交わす機会も得てきました。
 この災害復興制度研究所は「復旧・復興を巡る概念を整理し、新たな政策・制度を提唱し、できうれば個人を、地域を対象にした(仮称)災害復興基本法を世に問いたい」との考えの基に研究が重ねられています。これまで、被災地から見えてきた被災者支援や復興に関わる現行法は、個別の災害に対応してつくられた対処療法的処方箋で、つぎはぎだらけで全体を貫く思想がないといわれています。
 多少の改善は図られているものの、被災者生活再建支援法の不十分さを自治体段階で補っているというのが現状であり、県内の状況を見ても、個別の災害毎の緊急支援事業として措置される内容も自治体によったり災害や被害の程度によったり、財政状況によっても違うという現状に対して不公平感を抱かざるをえない被災者の方がたくさんいるという現実を直視しておかなければなりません。
 そこで、危機管理担当理事にお尋ねします。
 まず、南海地震対策の条例化議論の進捗状況と現状考えられるスキームはどのようなものになっているのかお聞きします。
 次に災害復興のあり方についておたずねします。「南海地震に備える基本的な方向」の中で示されている「防ぐ」「逃げる」「助ける」「生きる」の中で復旧にあたる「生きる」にはほとんど手が着いていない状況であるということが、南海地震対策特別委員会の中でも言われていましたが、「生きる」に加えて、その先に「暮らす」とでも言うべき「復興の姿」が描かれるべきではないかと考えますがいかがでしょうか、おたずねします。
 また、条例化の中には、「生きる」つまり復旧への対応は描かれるかもしれませんが、もとの暮らしを再建するための「復興」も盛り込まれるように要請したいと思います。もし、条例がそこまでの細部に至らないとしたら、別途の制度として「復興のあり方」も検討していただきたいと思いますが、どのようにお考えなのかお聞きします。
 さらに、検討される際に、本来生活の復興が都市の復興より優先すべきであると考えているのですが、住宅・雇用・医療・福祉・くらし・こころの面から復興するシステムを検討すべきではないかと考えておりますが併せてお聞きします。
 次に、消防学校の在り方についておたずねします。
 これから、火災だけでなく、南海地震をはじめとしたあらゆる災害に対応する消防職員の育成さらには消防団員の確保も含めてその教育訓練機能の充実は急がれることはあっても、後退させてはならないこの時期に、「行政改革プラン」の中の「出先機関のスリム化」の項で「消防学校については四国4県での連携の検討」とありますが、これは何を意味しているのでしょうか。
 消防学校は消防組織法第26条の規定により、「消防職員及び消防団員の教育訓練を行うために都道府県が消防学校を設置すること」になっています。しかし、「財政上の事情その他特別の事情のある場合を除くほか、単独にまたは共同して」ということになっているから、この際、四国4県の連携を名目に統合廃止していこうなどと考えているのでしょうか、おたずねします。
 次に、県政のもう一つの柱「こども、高齢者、障害者が安心して暮らせる地域を創る」という施策の強化についてお尋ねします。
 知事が提案説明の中で、今後の少子化対策において「産業の振興と雇用の拡大を一番の柱に、次世代育成支援など、子どもを産み育てやすい環境づくりにも、引き続き粘り強く取り組んでいきます。」と述べられたことを受けて、何点か健康福祉部長にお尋ねします。
 子どもを産み育てやすい環境づくりというのはさまざまなステージに於いて考慮されなければならないことだと思います。そこで、私は、まず安心して産むということについて着目し、今回提出されています総合看護専門学校の廃止に関する設管条例の一部改正案についてお聞きします。私の結論は、様々な観点から考えたときに総合看護専門学校の廃止については、「子どもを産みやすいという環境づくり」に反するものであり、再考願いたいと考えるものです。
 提案説明では「看護師の養成は、女子大でも、入学定員の増加も含め学部の拡充を検討しており、あわせて、来年4月には、民間専門学校の開学も予定されているので、今後も本県の看護師の養成数は、ほぼ現在の数が確保される見通しである。また、助産師に関しても、女子大も、学部の拡充に合わせて、その養成に必要な課程を設置する予定にしていることから、これまで総合看護専門学校が担ってきた役割は、今後も別の形で維持できると判断した」とのことですが、本当にそうなるのだろうかと疑問に感じます。
 今朝の新聞報道にもありますように、厚生労働省の見通しでは、看護職員の2010年の全国的な供給率は98.8%に上昇するものの、95%以下となるのは本県を含め4県にとどまると見込まれています。その様な中で、まず、看護師については、県内の看護師養成機関の卒業生に対する看護師試験の合格率、県内定着状況も踏まえて、看護師の将来配置数の見込みと将来に亘って県内で十分な看護師等が確保できる状況にあるのかあわせてお聞きします。単なる定員の数字あわせでなく、現実の数字として示して頂きたいと思います。また、社会人入学を希望する人や看護師を目指しながら、学費が10倍もする民間専門学校へ行けない人たちの進路保障はできるとお考えですか。つまり、総合看護専門学校の廃止によって、看護師をめざす社会人や高校卒業生の道を閉ざすことになるのではないかと考えますが、このことについては教育長にもお答え願いたいと思います。
 次に、助産師養成の問題です。国内における分娩数の約半分はいわゆる診療所にて行われており、その診療所では、助産師を十分に確保できず、その大部分は、分娩の経過観察を医師の指示下に看護師が行っているのが現状だと言われています。本来、安全な分娩のためには、分娩経過の観察は不可欠であり、その重要な位置をしめる内診が可能な医療従事者は、現行法上、医師と助産師しかいないにも関わらず、保健師助産師看護師法に反する違法状態が横行していると言うことです。
 その背景の一つとして、大学における助産師の高等教育化で数は充足されると言われていますが、実体にそぐわない診療所や一般病院に対する助産師の供給に関する根本的な対策は行われていないことも影響しているのではないでしょうか。そのことにより、地域による分娩施設の格差は拡大し、産婦は多様な分娩環境を選択する自由を失い、周産期医療環境が悪化することとなり、ひいては、出産育児に対する不安感から、少子化を加速させる可能性があります。
 平成14年末で、本県における助産師の配置数が129名で全国46位、人口10万人対比でも15.9名で、全国39位、さらに16年末の配置数では103名で最下位となり、平成22年の想定充足率は88.1%という配置状況の本県で、総合看護専門学校が担ってきた役割は、今後も別の形で維持できるとお考えでしょうか。
 そこでおたずねしますが、少子化対策としての「子どもを産み育てやすい環境作り」の中で果たす助産師の役割は重要だと考えますが、その位置づけをどのようにお考えでしょうか。
 次に、一定助産師が配置されてきた県内公立病院は除いて産科病院・診療所における助産師の配置状況の推移と配置されていない機関があればその数についてお聞きします。
 そして、総合看護専門学校の廃止による将来の県内助産師の配置状況について、予測される女子大助産師学科の定着予測などを踏まえてお聞きします。その上で、総合看護専門学校が担ってきた助産師養成の役割は別の形で維持されるとお考えなのか、お聞きします。
 次に、育ちの過程でつまずいたり不安になったりする局面に対するサポートも大変大事だろうと思います。それは、子どもを育てる上で、家庭環境が大きく影響する面が多く、家族が機能しない家庭の中で児童虐待や家庭内暴力いわゆるドメスティック・バイオレンスが起きており、子ども、女性さらには高齢者、障害者がその対象として表面化していることに多くの国民・県民が胸を痛めているところです。人がその人権をさまざまな形で侵害されたときに、黙って抱え込むことのないようなシステム作りというのは子どもを育てていく上でも、少なからずの安心を提供することになると思います。
 そこで、今、様々な形の支援機能を付加しながら、充実強化されようとしている児童相談所や女性相談所についておたずねします。これらの機関はそれぞれの相談件数が増加し、内容もその対応に困難を極めるものばかりだと思います。だとすれば、一層の体制の充実強化のために、十分な職員配置を行う中で、当事者である子どもや女性と真剣に向き合える、そして、心を寄り添わせることのできる時間と専門性を保障することが必要ではないかと思いますが、体制の拡充を図るお考えはないかおたずねします。なお、女性相談所については文化環境部長にお聞きします。
 次に、暴力からの回避など、日常の生活の中で行政の支援を求めたい子ども、女性、高齢者、障害者の方々にとっては、相談に駆け込みたいという気持ちになるときは時間や場所を選ばない状況にさらされているという時だと思います。そういった様々な層の当事者及び保護者などが求める一元化され、情報提供機能も持った24時間受付の相談窓口の設置が必要ではないかと思いますがいかがでしょうかおたずねします。
 この項の最後に、多くの障害者の声を反映しないままに成立した障害者自立支援法や県の行革プランなどを見たときに、これからの本県における障害者に対する支援施策は大きく後退し、自立支援のサービスを受けたくても受けられない、そして、障害者の声が県政に届かなくなってしまうのではないかと心配していることについてお伺いします。
 一つめは、療育福祉センターのあり方についてであります。事務改善に関する三課提案の療育福祉センターの項では「出せるものから出すのではなく、まず、全部出すという考えのもと検討する必要がある」と提案されたことに対して「発達障害者支援センター機能の設置にあわせ、肢体不自由児入所施設(病院)機能を中心に順次見直しを進める」となっています。一方で、「政策協議のまとめ」では「民間と行政との役割分担について検討していく」となっているわけですが、やはりこの議論の方向も、単なる民間移管という結論をもって議論をしていくような心配をしています。昨日も発達障害等親の会が主催する「気になる子どもの環境を整える」とのシンポジウムに参加してきましたが、報告者などの話を聞くにつけ、療育福祉センターの果たすべき役割は大きいものがあることを改めて実感して参りました。そこで、療育福祉センターの充実と民間との役割分担をどう果たされようとしていくのかお聞きします。
 二つめは、身体障害者リハビリテーションセンターの方向性についてであります。
 本来、県立身体障害者リハビリセンターは3障害、難病患者なども含めた障害者に対するリハビリテーション活動の県下の中核施設として、相談・判定から医療、職業訓練までの総合的なリハビリテーションを行う施設とし、あわせて、市町村や民間等の施設を支援する公的役割を果たすことをめざすためにも、県立施設として、機能充実が求められていると思っています。そして、たとえ一般就労に結びつかなくとも自らの残存能力を活かし、福祉的就労に就くという障害者個々人の選択は、自立のあり方・生活のあり方として尊重されるべきであると思います。さらには、社会的・経済的問題を抱えながらも福祉的就労が可能な障害者のため、リハビリテーションセンター授産部門は、福祉ホームや障害者住宅あるいは各市町村に通所授産所などがさらに整備されるまでの間は、入所型施設としての機能を継続させることが必要だと考えます。
 しかし、身体障害者リハビリテーションセンターについては、両論併記の報告書が出される中で、県の方針として施設の設置・運営を民間に移管することを案として決定されたとのことですが、設置・運営主体を民間と判断した理由を明確にするとともに、今後このことによって授産施設、更正施設としての機能を後退させることはないと言えるのかおたずねします。
 三つめに、「障害者保健福祉グランドデザイン・障害者自立支援法」などは、「応益負担の拡大」により、障害者やその家族に大きな負担を強い、自立支援の後退につながる懸念や、公費負担が削減されることにより、作業所、授産施設等の整備や今後の運営を後退させることにつながるものではないかと心配しています。
 障害者自立支援法による利用者の負担の増大に対して、「政策協議の方向」として県単独での補助は行わないとしていますが、県内の障害者はこれからの経済的負担に耐えられると考えているのかお聞きします。
 最後に、第1日で耐震強度偽装事件に関連する県内の状況については質問がされましたので、少し視点を変えて中高層建築物と周辺近隣住民との関係についておたずねします。
 私は、今回の事件で、にわかにクローズアップされた「指定確認検査機関」という民間機関について、事件の発覚前から気に掛かっていました。というのも、高知市ではすでに過剰気味ではないかと言われる県外業者によるマンション建設の場合、県外の指定確認検査機関によって建築確認を申請し、いざ地元説明会に入る際に、近隣住民との間でトラブルを引き起こしている事例が見受けられていたからです。
 なぜなら、最近の建設場所が周辺に極めて隣接した戸建て住宅などが多く、なおかつ規制の緩いとされている商業地域や準工業地域に建設するケースが増加しているからであります。
 とりわけ、大都市部では30年以上前から問題となってきた日照権または日影規制の問題が、この高知でのトラブルの原因になっているようです。76.10.28の参議院の「建築基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議」でも、次の事項について、所要の措置を講ずべきとして「日影規制実施のための条例の制定にあたっては、都道府県と市町村が十分協議し、その円滑な実施が図られるよう指導すること。」また、「地方公共団体が条例又は指導要綱等で定める建築計画の事前公開、事前協議等については、当該地方公共団体の自主性に十分配慮すること、日照紛争解決のため、相談、あっせん等に努めるよう地方公共団体を指導すること。風害、騒音、電波障害等についても有効な防止策の検討をすすめるとともに、日影規制と関係のある用途地域の検討を行う等、都市における良好な居住環境を碓保するため、諸般の施策を強力に推進すること。」と政府を促しています。
 最近は、随分と景観保護の面での規制は強くなっていますが、もっとも高知らしい課題であってもいいはずの日照権の問題は生存権の問題としても改めて検討されるべきではないかと思います。
 高知県は03年の日照時間は2066時間で全国2番目の長さを誇っています。日射時間が最も少ない冬至の時期でも一日の部屋に太陽があたる面積1uあたり4.35kwhと言われ石油ストーブの最大出力エネルギー量に匹敵すると言われています。地球温暖化防止のためにも化石燃料に頼る暖房時間が増えたり、環境に優しい低エネルギーライフの妨げにつながるような中高層建築物の規制も改めて検討する時期にきているのではないでしょうか。
 また、毎年、秋から冬にかけて気分が落ち込んで何もやる気がしないという経験を繰り返している人がいて、ひどい場合は日常生活にも支障を来されているそうで、そういうケースでは冬季うつ病の場合もあるとのことで、治療としては光療法が効果的だといわれています。人間も光をある程度浴びないと心身の健康に影響することが明らかな中で、隣接する中高層建築物によって、これらの自然の恵みが奪われることに異議を申し立てる近隣住民の皆さんの生活や思いを踏みにじることがあってはならないと思います。
 そこで、土木部長にお聞きしますが、最近の県外事業者の中高層建築物は県外の民間指定確認検査機関によって建築確認申請を行い、地元説明会に入る段階で近隣住民との間でトラブルを起こしている事例がありますが、建築確認申請の際に生じているトラブルとしてどのような事例があるかお聞きします。
 また、先住近隣住民の住環境を保障し、日照権を資源循環型社会のシステムに組み込む視点から、中高層建築物の建築規制を強化するなど、日照時間の確保に向けて、一定の考慮はできないのかおたずねして第1問とします。

【橋本知事答弁】
 坂本議員のご質問にお答えをします。まずアウトソーシングに関して、住民と行政との関係に対する認識とともに、アウトソーシングによって地方分権が確立するのか、とのお尋ねがありました。
 住民と行政との関係関係は、住民の方々のニーズと、それを取り巻く社会情勢や経済情勢によって常に変化をしていくものです。
 これを歴史的に見れば現在行政が担っているサービスの多くは、もともとは地域の住民同士の支えあいで行われていましたが、住民と行政とのかかわりが変化する中で、だんだんと行政に託されてきたという経過があります。ですから、住民が行政にアウトソーシングしてきたという表現を使いました。
 その一方で、社会が多様化し、住民のニーズも多岐にわたってきていますので、全ての公的サービスを行政だけで担っていくことは、人的にも財政的にも難しくなってきています。
 と同時に、地域の住民の方々やNPOなどの団体、さらには企業の中でも、民間でできるものは民間に、という意識が高まってきています。
 ですから「民」といいますのは、こうした意識のもとに活動していただける個人や団体、そして企業の全てをさす言葉になります。
 また、アウトソーシングに向けた取り組みは、公共サービスのあり方を変えていく手法の1つにすぎません。このため、それだけで、地方分権が確立されると考えているわけでもありませんし、そう申し上げたこともありません。
 ただ、この手法を取り入れますことは、これまで、行政の仕事と考えられてきました公共サービスのあり方を、住民のみなさんとの協働によって転換することにつながりますので、地方分権の考え方の根底にある、住民の皆さんによる自治の意識を高める効果はあると考えています。
 次に品質管理とリスクマネジメントについてお尋ねがありました。
 業務を外部に委託します際には、適正な業務の履行が確保されますように、民間との責任の分担を明らかにしたうえで、提供していただくサービスの品質をきちんと評価して、チェックしていく仕組みが必要です。このため現在、品質を管理するためのガイドラインを、アウトソーシング検討委員会のご意見もいただきながら作成をしています。
 今年度は、ガイドラインの素案をもとに本年度に発注しました31の委託業務で、その有効性の検証を行っています。
 来年度は、この検証の結果を反映させましたガイドラインを全部局で試行しましたうえ、平成19年度から全ての委託業務に適用していきたいと考えています。
 また、品質が低下したときのフォローや責任は、受託者との契約の中で、明確にすることにしていますし、日常的には、その契約を補完するガイドラインに基づいて管理します中で、必要に応じて、是正の措置を命ずることにしています。
 次に、30%のアウトソーシングというのは過渡期の達成目標であるのか、とのお尋ねがありました。
 短くお答えをすれば「その通りです」の一言ですが、アウトソーシングに取り組むことで、従来の県庁の仕事の仕方を大胆に転換していく、という意識を県庁全体で共有するため、これまでの所属単位での検討から、知事部局の全ての所属を対象に、部局単位でアウトソーシングの検討を行うことにしました。そのうえで実現をめざす数値目標として、改めて、平成20年の4月までに、スリム化も含めて業務の30%、人役にしまして27%をアウトソーシングすることにしました。
 各部局が作成しましたアウトソーシングの実施計画を見ますと、スリム化の比重が高いものにはなっていますが、まずはこれを出発点として、今後とも限られた人と予算を最大限に活用できますよう、可能な限り思いきったアウトソーシングを進めていきたいと考えています。
 次に、「出せるものから出していく」のか、とのお尋ねがありました。
 これも短くお答えをすれば「その通りです」ということになりますし、今の時点ではそれでよいと考えています。
 確かにアウトソーシングの取り組みを進めるうえで、最後まで県が直接になわなければならない仕事は何かを、考えていくことは大切なことです。ただそれは時代を超えて固定的なものとは思いませんし、従来の常識から見ればより小さなものになると考えていますので、まずは企業やNPOなどにお任せできる仕事は積極的にアウトソーシングしていきたいと考えています。
 次に、来年度アウトソーシングする業務での、県民サービスの向上や、受け皿の労働条件の確保に向けた対応などについて、お尋ねがありました。
 先ほどもお答えをしましたように、現在作成しています「品質管理のためのガイドライン」を全ての部局で試行しましたうえで、提供していただくサービスの品質をきちんと評価し、チェックしていく仕組みを構築していきたいと考えています。
 また、受け皿となる労働条件は、基本的にはそれぞれの労使の間で決定されることですが、発注者側としましても、発注の際に、複数年で契約を締結することや、労働基準法などの関係法令を遵守することなどを契約の条項に盛り込むといった対応をしていきます。 あわせて守衛部門の委託先での勤務体制についてお尋ねがありましたが、本庁舎及び北庁舎と西庁舎に分けて、2つの業者に委託をしています。
 守衛という業務の性質から、例えば1日8時間を超える勤務態勢となる場合もありますが、労働基準監督署への必要な手続きを行いますなど、適正に勤務が行われていると聞いています。
 次に、行政改革プランに関しまして、「自らの力で歩む」ということの趣旨とともにそのことと財政規模とのかかわりについてお尋ねがありました。
 複雑で多様化する行政ニーズに、行政のみで対応していくことは困難になってきていますので、行政と民間団体や地域住民とが協働して、質の高い公共サービスを提供していくという発想が欠かせません。
 そのためにも、県、市町村、住民団体、NPO、それに民間企業などの役割分担を思い切って見直したうえ、それぞれの立場で「知恵と力」を出し合って、地域全体の活力を向上させていくという新しい仕組みをつくりあげていくことが重要になります。こうしたことから行政改革プランでは、このような団体や県民のみなさまの主体的な活動を支援しますとともに、地域での「協働」を進めますことで、それぞれが「自ら」の力で歩む高知づくりをめざすこととします。
 また、この行政改革のプランを着実に進めますことで、ほぼ財政収支の均衡が図られるものと見込んでいますが、その過程での財政規模の縮小は避けられないと考えています。 ただ、その規模は、今後の地方交付税の動向などに左右されますので、今、明確にお示しすることはできません。
 あわせて、私が交付税に頼らないと申し上げていますのは、交付税的な機能が不要だというのではなく、その増減に一喜一憂することのない、足腰の強い財政運営をめざしていこうという意味ですので、財政の規模を想定したものではありません。
 次に、行政改革プランを推進することのメリットについてお尋ねがありました。
 行政改革プランを着実に実行していきますことで、知事部局では、平成22年4月に3400人体制になりますし、今後10年以内には3000人体制にするように努めますので、これまでよりも少ない人員で県政を運営していくことになります。
 県民のみな様が求める公共的なサービスを実施していきますために、先ほどもご説明しました、県業務のアウトソーシングなど、民間団体やNPOなどとの協働を進めていきますが、こうしたことを通じて民間の優れた知恵と技術力を提供していただくことでサービスの質の向上が図れると思います。と同時に県の業務の進め方を新しい発想で見直しますことで、県民のみな様方にこれまで以上のサービスを提供できる社会になると考えています。
 次に、残された任期は県内に腰を落ち着けて、県政の舵取りをするべきではないか、とのお尋ねがありました。
 知事としましては、県内での仕事が基本になることは当然ですが、その一方で、県外で、高知県を売り込むことも、県民のみな様が私に期待されている大切な仕事だと思います。
 そのため、観光の宣伝や県内産品の売り込み、さらには企業誘致など、私が先頭に立つことで高知県のためになるのであれば、できる限りそうした要請にも応えるようにしていきます。
 ですから、今後とも、県内と県外の仕事のバランスを図りながら、県民のみな様のために、精一杯、働きたいと考えています。
 次に、県政運営のトップとしての心構えについてお尋ねがありました。
 私は、知事に就任しまして以来、県民のみな様の目線に立って考え、行動するように努めてきましたし、職員にもそのことを求めてきました。
 こうした私の思いやスタンスは、職員も理解してくれていると思っています。
 一方で、職員が、やりがいを持って、その能力を思う存分発揮できるような体制づくりも大切なことですので、そうした組織づくりにも努めますとともに、職員の先頭に立ってリーダーシップを発揮しますことで、県民のみな様のために仕事をする県庁にしていくことが、私に与えられた責務だと考えています。
 私からは以上です。

【商工労働部長答弁】
 知事公約の進捗状況の中のご質問の中で、産業振興と雇用拡大に関し平成17年度予算の雇用効果及び経済波及効果についてのお尋ねがありました。
 県内の雇用情勢は、この1年間の有効求人倍率が0.5倍前後を推移しています。依然として厳しい状況にあります。 
 このような情勢に積極的に対応するため、今年度は、お話にもありましたように産業の振興と雇用の拡大による経済の基盤づくりを重要課題として、総務部から教育委員会まで9つの部局で、43件、32億円の予算を計上しております。
 これらの事業の中には、将来に向けた人材育成や研究開発、また調査事業など、直ちに雇用効果や経済波及効果を把握することが難しい事業もございます。
 が、例えば、「頑張る企業総合支援事業」では、5年後には売上高は39億7千万円、272名の雇用の増加、また「コールセンター等立地促進事業」では、4社で最終的には400名近い雇用創出を見込んでいます。
 今後とも、最大限の事業効果をあげるべく、引き続き地道に粘り強く取り組んでまいります。
 次に、県内企業への就職支援の条件整備と、「ジョブカフェこうち」の支援メニューの充実、若年者就職支援事業の成果についてのお尋ねがありました。
 県内企業に対する就職支援としましては、高知労働局や高知県経営者協会などと連携し、企業合同説明会や就職面接会、職場見学会などを実施しており、今後も引き続き取り組んでまいります。
 次に、「ジョブカフェこうち」の支援メニューの充実につきましては、職場体験事業や就職支援セミナーの実施、1週間地域へ出向いての移動相談、高等学校や大学への出張相談の回数を増やすなど支援メニューを充実させまして、若年者の就職支援を一元的に行っていきたいと考えています。
 また、本年度実施しました若年者就職支援事業は、高知市、安芸市、四万十市で5クラス92名が受講し、78名が修了しました。
 11月末の状況としましては、23名の就職が決まっています。
 まだ、就職の決まっていない受講生についても、就職決定に向けて支援を継続してまいります。
 以上です。

【企画振興部長答弁】
 10月に開催されましたシキボウ跡地に関する三者会の議論の状況はどうか、また、唐突な提案とならないよう議論状況をオープンにするべきではないかとのお尋ねがありました。
 関連いたしますので、併せてお答えいたします。
 地元、高知市、県による三者会は、今回、地元からの要請により、平成14年8月以来3年4ヶ月ぶりに開催されました。
 その中で、高知市からは市北部をカバーする消防署を検討したいという発言が、地元からは主にスポーツ施設を兼ねた多目的な広場として活用してほしいという要望がありました。
 県の姿勢としては、現在のところ、厳しい財政状況のもとでは、県が主体となって行う一団の土地利用が望める状況にはなく、一方で短期の貸し付けにより、管理費等を超える収入があることから、早急に売却する必要はないと考えているといった9月の議会で副知事がお答えした内容をお伝えしました。
 今後、県として土地の処分や利活用を検討する際には、先ずは、庁内議論が必要と考えますし、検討の進捗に応じてその内容を明らかにするなど適切に対応していきたいと考えています。
 以上でございます。

【土木部長答弁】 
 知事公約の進捗状況に関しますご質問のうち、入札・契約制度の改善についてお尋ねがありました。
 まず、「指名停止等」の措置基準や談合に対します抑止効果についてお答えいたします。
 指名停止措置につきましては、全国的には中央公共工事契約制度運用連絡協議会(「公契連)が制定した指名停止モデルに準拠して運用されています。
 高知県での談合による指名停止措置は、例えば県発注工事において独占禁止法違反に問われた場合の上限は当モデルでは12ヶ月のところを14ヶ月としているなど、他県と比べて2ヶ月ほど重い措置になっています。
 また、本年9月から施行した、指名回避措置基準要領では、各部局の長を委員長としました談合情報調査委員会において、談合があった可能性が高く、当該入札を無効とする決定があったときには、入札参加業者に対して、1ヶ月〜3ヶ月の指名回避を行うこととしていますが、これは、全国的にあまり例を見ない措置でございまして、これらは談合を未然に防ぐ措置として相当有効なものと考えています。
 次に、県における総合評価方式による入札方式の導入についてお尋ねがありました。
 総合評価方式は、これまでの価格のみから価格と技術力を総合的に評価し、落札者を決定する入札方式で、本年4月に施行された「公共工事の品質確保の促進に関する法律」においても、価格と品質が総合的に優れた内容の契約がなされる、この入札方式の導入が求められています。
 本県においては、平成16年度に1件の実績がありますが、「高知県入札・契約制度に関する検討委員会」からも積極的に取り入れるよう、提言をいただいていることや「公共工事の品質確保の促進に関する法律」が施行となったことから、四国地方整備局や四国四県及び主要市が連携して設置しました、「公共工事品質確保促進連絡会議」で意見交換を行いながら、導入に向けた検討を進めています。
 これらの検討結果を踏まえながら、工事規模や内容に応じて、評価項目及び評価基準の策定を行い、できるところから取り組んでまいります。
 次に、入札参加資格審査における企業評価方法の「評価項目」についてお尋ねがありました。関連しますので併せてお答えします。
 入札工事の入札参加資格審査におけます評価項目においては、高知県入札・契約制度に関する検討委員会の提言に基づきまして、昨年度大幅に改正したもので、今年度から実施しています。
 この評価項目の見直しにつきましては、検討委員会での意見にもございましたが、一定期間実施して、その後に課題や問題点を整理するとともに、新たな項目を検討するかどうかも含めまして、技術と経営に優れ、そして社会と地域に貢献する企業が育っていけるよう、よりよい評価方法になるよう検討してまいります。
 次に、駅前複合化構想に関連し、県、市の連携を具体的にどのように取っていくのかとのお尋ねがありました。
 駅前広場のあり方につきましては、平成16年度より整備主体となる高知市が駅前広場基本設計検討委員会を設置して検討を進めてきました。高知県からはこの委員会に私がオブザーバーとして参加しております。
 さる11月27日には、「JR高知駅前広場シンポジウム」を開催し、広く県民、市民から意見を収集したところでございますが、今後、シンポジウムで出されました意見や検討委員会での議論も踏まえ、県、市が連携して駅前広場のあり方を検討していきます。
 拠点街区のまちづくりには、これまでにも、拠点街区の地権者である4者の会を設けて、情報交換や意見交換をしてきたところでございます。現時点では、高知市は、国等の公的機関誘致を念頭とするが、賑わいに寄与します施設を含めて検討する方針と聞いています。 また、JR四国はJRの乗降客数増加と高知駅周辺の賑わいに寄与するような整備を、また、JR貨物は隣接地の開発と相乗効果が期待できる整備をしたいとの意向があると伺っております。来年早々には、4者の会が連携して「高知駅周辺拠点街区まちづくりアイデア募集」を実施しまして、広く県民、市民から意見を募集する予定です。
 高知市全体の中心街の活性化と駅周辺整備との関係については、平成11年3月に高知市が中心市街地活性化法に基づき「中心市街地活性化基本計画」を策定しています。この中で、高知駅周辺地区は、はりまや橋や帯屋町を含む中心商業地や、県庁市役所を含む高知城周辺、さらにはかるぽーとや菜園場を含む九反田周辺とともに4つの都市拠点の1つと位置づけられ、これら4つの都市拠点がそれぞれ都市機能を補完・分担し合うことによりまして、賑わいのある一体的な中心市街地の形成をめざすこととされています。
 この10月には、高知市に「高知市中心市街地活性化推進懇話会」が設置され、県からは企画振興部長と商工労働部副部長が委員として参加しています。また、県庁内には「中心市街地活性化情報連絡会」を設置して、情報の共有と支援のあり方の検討を行う体制を整えました。
 今後とも、県市が連携して、賑わいのある中心市街地の形成に向けて取り組んでまいります。
 次に、中高層建築物のあり方に関しますお尋ねがありました。まずは、建築確認申請の際に生じるトラブルについて、お答えします。
 トラブルの主な原因としまして、日影の問題をはじめ、敷地のかさ上げ、そして排水、敷地の境界に関するものが多ございます。
 次に、中高層建築物の建築規則を強化できないのか、とのお尋ねがありました。
 県は高知を除く県内全域を所管しておりますが、管内の市町村には、中高層住宅や低層住宅の住環境を保全していかなければならない地域や、商業施設や工業施設とこれらの住宅とが混在し、お互いに調和をとりながら土地利用を進めていかなければならない地域など、それぞれに様々な土地利用の実態がございまして、これらをひとまとめにして一律に建築規制を行うことは困難でございます。
 このため、各市町村において、地域住民のコンセンサスを得たうえで、都市計画に基づく地区計画や地域住民が話し合いで策定する建築協定などにより、地域の実情に応じた建築規制を行うことが望ましいと考えております。
 以上でございます。

【政策推進担当理事答弁】
 駅前県有地における複合施設の構想を進めるにあたっての、県の姿勢や議論の進め方についてご質問をいただきました。
 複合施設の構想の進め方につきましては、知事を交えた庁内での議論の中で、「企画の段階からオープンにし、関係者や県民のみな様のご意見をいただきながら進めていく。また、後戻りもあり得るというスタンスを持つ。」ということを、確認しています。
 また、10月に設置した庁内のプロジェクトチームはもとより、関係各部局においても、節目節目で取り組みの進捗状況をオープンにし、関係者や県民の方々のご意見をいただきながら、進めていくことを基本姿勢としています。
 プロジェクトチームでの議論だけが先行することのないように、とのご意見をいただきましたが、チームの当面の任務としましては、文化ホール、大学、図書館の具体的な施設内容を検討している関係部局の作業に合わせながら、複合施設全体として、これら3つの施設の機能を高める連携のあり方や、財政負担をできるだけ抑えることのできる整備手法と運営方法の検討などを行い、関係者や県民の方々に議論していただける青写真を作成することとしています。
 こうした考えから、お話にありました先進地視察の予算化につきましても、よりよい具体的な青写真をつくるためのものですのでご理解をいただきたいと思います。
 以上でございます。

【危機管理担当理事】
 南海地震対策についてのご質問がありました。
 先ず、条例化議論の進捗状況と現状考えられるスキームについてのお尋ねがありました。 本年3月に、庁議メンバーを本部員とする南海地震対策推進本部のワーキンググループの1つとして、地震条例の策定方法などを検討するチームを設置しました。
 このチームでは、これまで県民のみな様とともにつくってきました「こども条例」や「男女共同参画社会づくり条例」などの経験や反省なども踏まえながら、どうしたら県民のみな様が条例づくりに主体的に参画していただけるかなどについて、これまでに11回の検討を重ね、報告書の案を取りまとめました。
 報告書の中では、
@なぜ、条例が必要なのか
A条例づくりに参画するメリットは何か
Bどのような条例をつくるのか
Cどのようなプロセスでつくるのか
という県民のみな様が抱くであろう4つの問いに対する答えを準備し、お示しすることとしました。
 そのうち、プロセスについては、よりイメージを深めていただくために、例えば、条例づくり宣言でスタートし、ワークショップやシンポジウムなどを経て、ゴールにつなげるというひとつの例を取りまとめました。
 さらに、県民とともに条例をつくる場合のいくつかの留意点について整理をしました。 この報告書の案を、来週に開催されます推進本部会議で議論し、年明けから条例づくりの準備にかかるよう予定しています。
 次に、「南海地震に備える基本的な方向」の中で、「復興の姿」が描かれるべきではないか、とのお尋ねがありました。
 本年2月に取りまとめました「南海地震に備える基本的な方向」では、「自助・共助を基軸とした取り組み」と「連携と役割分担による対策の推進」の2つの基本的な方向を示しました。
 さらに、「当面の取り組みと目標」として、「防ぐ」「逃げる」「助ける」「生きる」を指標とし、時間経過を追いながら、必要な施策を整理しましたが、復旧の後に来る復興については、充分な討論がなされなかったことから、その姿は、描ききれておりません。
 今後、推進本部や幹事会での討論を重ねながら、この復興の部分を充実させていきます。
 次に、条例化の中で、復興を盛り込むことや、生活を優先して復興するシステムを検討すべき、とのお尋ねがありましたので、併せてお答えします。
 地震条例を県民のみな様とともにつくる過程の中では、予防対策が中心になると思われますが、応急対策や復旧・復興対策についても、条例づくりの中で、検討していくことが望まれます。
 地震後の復旧では、復興の姿を描きながら対応していくことが重要であり、被災された住民のみなさんに、1日も早く、元の暮らしを取り戻していただくためには、地震が起こる前から、そのあり方について討論しておくことは重要と思われます。
 例えば、阪神・淡路大震災では、震災後にコミュニティが崩壊したことや、こころのケアが不充分であったことなどにより、震災後10年間で560名もの孤独死があったと報道されています。
 こうした教訓を生かして、新潟県中越地震では、被災者が地域ごとにまとまって避難所や仮設住宅に入れるように配慮するなど、コミュニティを維持するを重視して復旧・復興が図られています。
 条例づくりに際しましては、こうした教訓も情報提供しながら、県民のみな様とともに、どのような復興の姿を描いていくべきか討論していきたいと考えています。
 最後に、行政改革プランの中に盛り込まれた消防学校の「四国4県での連携の検討」について、お尋ねがありました。
 消防学校は、消防組織法で、都道府県にその設置が義務付けられています。同法では、単独設置の他、共同設置も可能とされており、また、各県とも、標準的なカリキュラムで教育が行われている、といったことから、四国4県での連携の取り組み対象として、「行政改革プラン」の中に位置づけたものです。
 ただ、平成16年度に徳島県が、平成17年度には香川県が、それぞれ新築移転しておりますことから、四国4県が足並みをそろえるには、一定の課題があると考えています。
 さらに、標準的な教育訓練の他に、震災対策訓練や消防団員に対する教育訓練など、地域性のあるカリキュラムをどう継続していくのか、といった課題もあります。
 今後、どういった枠組みでの連携が可能であるのかを、他の3県との情報交換も行いながら、検討していきますとともに、その手順などを探っていきたいと考えています。
 以上でございます。 

【健康福祉部長答弁】
 県内の看護師等養成期間の卒業生の合格率と、看護師等の今後の見通しについて、お尋ねがありました。
 平成16年度の卒業生の国家試験の合格率は、保健師が88.6%、助産師が100%、看護師が90.9%です。
 その後の卒業生の進路は、県内で就職した人が58.9%、県外に就職した人が29.3%、進学その他が11.8%となっております。
 将来の看護師の需給見通しについては、現在、第6次の看護職員需給見通しの調査結果を精査中ですが、産前産後の休暇や育児休業をとる看護師の代替職員の雇用などにより、需要が供給を5%から7%程度上回る見通しになるのではないかと考えています。
 今後、総合看護専門学校を廃止しても、県全体では卒業生が少しずつ増加してまいりますので、需給見通しを立てています5年の間には、徐々に供給が需要に近づいていくものと考えており、県民の医療に影響するような大幅な看護師不足にはならないと思っています。
 また、新規卒業で就職する人の倍以上の人が退職していますので、就業環境の改善や人材バンクの充実など、離職防止や再就業を促進する取り組みを進める必要があると考えています。
 次に、学費が高く民間の学校には行けない人たちの進路保障について、お尋ねがありました。
 看護師の養成は、医療・看護の高度化に伴い、全国的に大学での看護教育が増加する傾向にあるなか、高知女子大学の改革で看護学部の充実の方向が示されていること、また、県内では来年度、新たに民間の看護師養成所の開設が予定されていることから、総合看護専門学校を廃止しようとするものです。
 看護師をめざす方に限らず、経済的な理由により進学できない方を支援するものとしては、授業料の減免や、日本学生支援機構をはじめとする多くの奨学金制度があります。
 たしかに、総合看護専門学校の授業料は県内でも一番安いことから、負担が増えることにはなりますが、こうした支援制度のほかに、看護職をめざす方には県の「保健師、助産師、看護師養成奨学金制度」もありますので、活用していただきたいと思います。
 この県の奨学金制度につきましては、平成19年度に向けて、見直しすることを考えています。
 また、大学という制約はありますが、社会人の入学について、高知女子大学に対し、検討いただくようお願いしています。
 次に、少子化対策の中で果たす助産師の位置づけについて、お尋ねがありました。
 助産師は、妊娠から分娩、産後に至るまでの、様々な場面で、自然で安心して、楽に出産ができますよう、身近な存在として、妊婦やご家族に対して専門的な援助や助言を行いますとともに、出産後には適切な育児ができますよう援助することなど、重要な役割を担っていると認識しています。
 また、核家族化や少子化の進行とともに、家族や地域のつながりや支え合いが弱くなっている中で、子育てに関する不安の解消や、不妊に対する相談などに応じており、母子のみのとどまらず、家族を支える専門家として、さらには、思春期を取り巻く、人工妊娠中絶や性感染症など、性に関する様々な課題に対応しますためにも、今後ますます助産師の活躍が期待されていると考えています。
 次に、助産師の配置状況の推移と、配置されていない機関の数について、お尋ねがありました。
 県内の産科・産婦人科は、公立を除きますと、現在、病院が5、診療所が20あります。これらの医療機関に勤務する助産師の数は、病院が33人、診療所が21人で、3年前と比べますと、病院で1人、診療所で3人の増となっています。
 また、助産師を配置していない産科・産婦人科は、分娩を扱っていない医療機関も含みますが、病院が1、診療所が9となっています。
 次に、総合看護専門学校の廃止による県内の助産師確保への影響について、お尋ねがありました。
 総合看護専門学校の助産学科は県内唯一の助産師の養成施設で、卒業生の最近3年間の県内への就業率は32%で、そのうち83%の人が病院に勤務しています。
 高知女子大学の看護学科の県内への就業率は、およそ3割で、これは総合看護専門学校の助産学科とほぼ同程度でありますので、高知女子大学で助産師の養成を行いましても、これまでと同程度の県内への就業率が見込まれるものと思っています。
 また、定員は、15名から8名に減りますが、高知大学医学部看護学科で、平成19年度から助産師の養成ができるよう検討中と伺っておりますので、養成数も、大きく減少することはないのではないかと考えています。
 総合看護専門学校の廃止にあたっては、高知女子大学の看護学部に対しまして、助産師を含めた県内の看護職員を確保するために、卒業生の県内への定着に向けた取り組みを充実強化するようお願いしており、これまでの総合看護専門学校の果たしてきた役割は、高知女子大学に引き継いでいただけるものと考えております。
 次に、児童相談所の体制拡充についてのお尋ねがありました。
 児童相談所は、こどもたちが心身ともに健やかに成長できるよう、さまざまな相談に応じ、専門的な立場からの援助を行ったり、必要な保護を行うなどの役割を担っています。 本県では児童問題に関する相談が年々増えており、特に、児童虐待や非行などの困難な事例が増えています。
 こうした事例に対応していくため、児童虐待などの専門的な研修会への参加や、より多くのケースに関わり、仕事を通じて経験を積むよう在任期間を長くすることで職員の専門性を高める取り組みや、また、学校との連携を強めるため教員を配置するなど、体制の充実に取り組んできました。
 その中で、人員も、平成14年度以降、6名増員し強化しています。
 また、児童福祉法の改正により、今年度から、市町村も児童相談の窓口になりましたことや、困難な事例が増え、教育・福祉・保健といった、いろいろな分野の相談機関との連携も、より強めなければならないことなどから、これらの機関の職員に対する研修を充実するため、中央児童相談所に企画部門を設けるよう検討しています。
 さらに、児童問題に、より効果的に対応していくためには、市町村を中心としたそれぞれの地域で、関係機関や地域の方々が連携して、こどもを見守り、早い段階から適切に対応していくことが必要ですので、来年度は、こうした地域での仕組みづくりを支援する組織の設置も検討しているところです。
 次に、児童虐待やDV対策に関しまして、こどもや女性、高齢者などの相談窓口についてのお尋ねがありました。
 こどもや高齢者などに関する相談窓口は、住民に身近な行政サービスは市町村が担うという地方分権の流れの中で、基本的には市町村の役割となっています。
 そして、より専門性を求められる事例について、県の児童相談所や女性相談所などの専門機関が対応しています。
 これらの専門機関では、市町村とも連携を取りながら、24時間体制とまではなっていませんが、休日や夜間の相談体制を一定整え、対応しています。
 こうした対応に加え、暴力や虐待などの緊急を要する場合には、24時間対応できる体制を整えています。
 お話にありました一元的な相談窓口につきましては、相談内容が多様化、専門化するなかで、窓口を一元化しましても、こども、高齢者、障害者など幅広く対応できる職員を配置することは困難で、仮に一元化しても結果として、それぞれの専門機関へつなぐだけになるのではないかと考えています。
 県といたしましては、市町村とのより緊密なネットワークを築いてまいりますとともに、県民のみな様に「どこに、どのような相談窓口があるのか」を知っていただくことが重要になりますので、県や市町村の広報誌などを活用して周知に努めてまいります。
 次に、療育福祉センターの機能の充実と民間との役割分担について、お尋ねがありました。
 療育福祉センターは、その中に病院機能や肢体不自由児施設、難聴幼児通園施設、身体障害者更生相談所などの機能を持った総合的なセンターとして、開設して7年目となりました。
 この7年間に、肢体不自由児施設に入所するこどもさんが減少する一方で、自閉症や注意欠陥多動性障害などの発達障害のあるこどもさんの外来診療が大きく増加するなど、利用状況が変化してきています。
 また、今年4月に施行されました「発達障害者支援法」では、専門的な支援の拠点となります「発達障害者支援センター」を設置することが必要となっていますし、この10月に成立しました「障害者自立支援法」では、障害児施設の再編が予定されています。
 このため来年4月には、対応が急がれます「発達障害者支援センター」を設置しますとともに、南海学園の民間移管に伴い、自閉症の幼児を対象にした通園事業を、療育福祉センターに移し、充実したいと考えています。
 あわせて、入所するこどもさんが減少している肢体不自由児施設をはじめ、難聴幼児通園施設や相談所の機能など、療育福祉センター全体のあり方について、保護者のみな様や関係の方々の意見をお聞きしながら、あり方について検討することとしています。
 その際には、他の医療機関との役割分担や、民間の施設や事業所における専門的な取り組みの状況などを踏まえて、県立施設として担うべき役割を明確にしたうえで、見直しを行うことが必要と考えています。 
 次に、身体障害者リハビリテーションセンターの運営主体を民間と判断した理由と、今後の施設機能について、お尋ねがありました。
 身体障害者リハビリテーションセンターにつきましては、「今後のあり方を考える会」から、今後の運営主体については、県が直営ですべきという意見と、民間への移管が適当であるとの両論を併記した報告を7月にいただきました。
 その後、報告書の内容を踏まえて、県としての方針を検討しました結果、県立の場合は、利用者に安心感を与えるというメリットはあるものの、利用者への支援においては、民間の方が、
@ 利用のニーズや社会情勢の変化に応じて、サービスの内容や職員の体制の変更などに 柔軟に対応できること、
A また、利用者の受け入れやサービスの質の向上に積極的に取り組んでいること
などから、利用者にとってはより良いサービスが提供されると考えられます。
 また、障害者自立支援法による新たな施設体系への移行が必要であり、そうした対応は、県立よりも民間の方が、柔軟に対応できると考えられますので、報告書の「ありたい姿」に向けて見直しを行うためには、運営を民間に移管することが適当であると判断いたしました。
 移管先の法人の募集・選定にあたっては、地域生活への移行や一般就労に向けた支援などに加えて、利用者のニーズに応じた、幅広い支援が展開されますよう、取り組んでまいります。
 最後に、障害者自立支援法の施行による利用者負担の増加について、お尋ねがありました。
 今回の利用者負担の見直しは、支援費制度が移行して、ホームヘルプなどの在宅サービスの利用が急増する中で、必要なサービスを確保しつつ、制度を安定的に維持していくため、利用者も含めて、みんなで費用を負担し支え合う仕組みをつくろうとするものです。 自立支援法では、これまでの所得に応じた応能負担から、サービスの利用量に応じて、原則1割を負担する定率負担となります。併せて、施設での食費や光熱水費が実費負担となりますので、障害基礎年金を主な収入として、サービスを利用している方々などにとりましては、負担が大きくなります。
 このため、低所得者への軽減措置としまして、@在宅及び施設サービスを通じて、所得に応じた負担の限度額が設定されています。Aまた、施設サービスを利用される方々の、食費や光熱水費の実費負担については、これらの経費を負担した後の生活に支障がないような軽減措置が設けられています。
 こうしたきめ細かい配慮がされた仕組みとなっており、今回の定率負担や実費負担の導入によりまして、施設を退所したり、これまでのサービスが利用できなくなるといった、大きな影響はないのではないかと考えています。
 しかしながら、負担が増加することに対して、利用者やその家族の方々からは、「必要なサービスが利用できなくなるのではないか」といった不安の声が寄せられていますので、今後は、利用者が必要なサービスを利用できますように、実施主体である市町村に対して、さらに、軽減措置などの制度の仕組みや考え方などについて、周知徹底していきたいと考えています。

【教育長答弁】
 看護師等の育成についてのご質問のうち、看護師をめざしながらも学費が高い民間学校には行けない人たちの進路保障についてのお尋ねがございました。
 総合看護専門学校看護学科の廃止は、高等学校の生徒にとって、看護師資格取得の道が狭められるという影響は否定できません。
 現在、私どもが考えています対策は、所要経費は一定高くなりますが、近年、医療現場では高度医療に対応するため、高等教育を受けた看護師を求める傾向にありますので、まずは、高等学校から看護師をめざす生徒の国公立大学への進学が可能となるように、必要な学力を身につける指導を充実したいと考えています。
 また、高知女子大学では学部再編が検討されていることから、県教育委員会としても看護学科の定員増も要望していきたいと考えています。
 経済的な面で心配のある生徒さんに対しましては、授業料免除や日本学生支援機構の奨学金制度のほか、県の看護師等の養成のための奨学金制度がありますので、そうした制度の周知と活用も促していきたいと考えています。
 また、高知東高校における看護師養成を引き続き実施してまいります。
 DV対策としての女性相談所の体制強化について、お尋ねがありました。
 女性相談所は、平成13年に制定されました、いわゆるDV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)によりまして、「配偶者暴力相談支援センター」と位置づけられまして、DVに関する専門機関としての役割も担っています。
 このため、暴力による被害者の相談に専門的に対応できる心理療法の非常勤職員を増員しますとともに、休日や夜間の相談に対応する電話相談員を順次配置しまして、支援センターとしての機能を充実させてきました。
 こうした対応に加えまして、警察や福祉保健所など関係機関とのネットワーク化によります情報の共有や、女性相談所の機能を幅広く県民に周知することなどによりまして、最近では、暴力に関する相談や暴力から逃れてくる女性の緊急保護の件数が増加しています。 また、中には、こどもさんと一緒に保護が必要なケースもあります。
 このため、こうした方々に対して、心のケアを含めた適切な対応ができますよう、職員の専門性をより高めるための研修などにも取り組んでいます。
 暴力や虐待に遭っている女性やこどもを救済をし、安心して生活できる環境づくりは何より重要と考えています。
 今後は、このような視点に立ちまして、関係する行政機関やNPOのみなさんとも連携をしまして、相談機能の充実はもちろん、相談から保護、そして自立へとトータルした支援が行えますよう、体制の整備などに努めていきたいと考えています。
 以上です。

【坂本県議再質問】
 それぞれにご答弁をいただきましてありがとうございました。いくつか再質問をさせていただきたいと思います。
 まず、アウトソーシングの関係で知事にお尋ねいたしますけれども、今後品質管理のためのガイドラインで検証していくというふうな作業がされていくようでありますけれども、その中で関連して言われておりました責任の取り方の部分で、契約者との間で定めていくということですけれども、最終的にしかし、アウトソースしている最終的な責任というのは県に問われてくるだろうというふうに思うんですね。
 今回のいわゆる指定確認検査機関の問題にしましても、大きな影響を及ぼすのではないかというふうに言われております判決が6月か7月に出されているわけで、そこの確認検査機関を通ったとしても最終的な責任は自治体にありますよというような判決が出されている状況もある中で、結果的な最終的な責任は県がいくらアウトソースしている業務であっても、県としては責任を取りますよというようなところはきちんと方針として持っておられるのかどうか、そのことについてまずお聞きしておきたいと思います。
 それと出せるものからでよいのかということについて、結論だけ言えばそのとおりというふうなことで、今の時点ではそれでいいんではないかというふうな答弁もありました。私は今の時点だからこそ、きちんと、まあ言えばどういう業務についてアウトソースしていくのかという考え方が示されるべきではないのか、今の時点だから出せるものから出していくということをしたときに、今度そこで取り返しのつかないことが起きたときにどう責任を取っていくのかというような問題が出てくるんではないかなというふうに思っています。
 知事が昨年の2月の定例会で、元木議員の質問に答えてですね、「アウトソーシング委員会で委員の方がコアコンピタンスという言葉で表現されましたように、どうしても県が担わなければいけない仕事は何かを考えて、そのことに集中をしていくとか、地域へ直接出向くことも含めて新しい分野で県が担うべき仕事に取り組んでいくといった形に変わっていかなければならないと考えています」という答弁をされているわけですね、アウトソーシングの問題に答えて。そういうことからすれば最近の知事の考え方というのは、まあ言えばいわゆるコアコンピタンス的な考え方というのは、個人的に答えればということですが、ないのではないかというふうなスタンスに変わられてきているのではないかというふうに思うんです。
 そのことが今回答弁される中で、今の時点だから今の時点では出せるものから出していくということでいいのではないかということにつながっていくのかなと思いますが、私はその部分が非常に心配をしているわけでして、そこの中できちんと行政として担うものが何なのかということは、県が責任取るべき課題として明確にしておかなければならないんではないかというふうに思ってます。そこのところのお考えをもう一度聞かせていただきたい。
 と言いますのは、当初アウトソーシング議論がされたときと考え方については変わっていないということなのか、あるいは変わってきたというふうなことなのかそこのところをお聞かせいただきたいと思います。
 それと守衛部門の委託先の勤務態勢について、「適正に行われていると聞いている」ということなんですが、聞いているというのは業者の方から聞かれているのかどうかわかりませんけれども、業者の方はたぶんそんなことはありませんというふうに答えざるを得ないと思うんですね。所要の労基局への手続き等は踏まれているというふうに言われたわけですけれども、いわゆる守衛業務というのは断続的勤務、監視労働の労働時間適応除外の許可を取っておられるということではないのかなというふうに思います。
 しかしこれは許可を取っていたとしても、睡眠時間を入れれば16時間まで拘束できると、さっき8時間という話しましたけれども、当然8時間延びることはあるわけで、16時間までの拘束は認められるわけでありまして、それ以上の長時間勤務というのは許可を取っていても違反ではないかというふうに私は思うんですね。実際の勤務実績を点検されたうえでそういうふうに言われているのかどうか、私どもが入手した資料で勤務実績を点検していきますと、24時間あるいは32時間拘束というのが実績としてあるというふうに考えていますが、このことについてどういうふうにお考えかお聞きしておきたいと思います。
 それと行政改革の部分ですけれども、今後の体制の中で執行部の中でどんな議論がされているかわかりませんが、アウトソーシング検討委員会評価分科会の方で、今年の10月頃に作成した高知県における危機シナリオと成功シナリオというふうな中で、官は政策集団へ質的に転換して、より一層の行政サービス拡充と品質向上、新たな行政サービス提供への取り組みに努めなければなりませんというふうに書いてありますが、政策集団に特化していこうとしているのか、あるいは、より一層の行政サービス向上と品質向上、そういった部分も県の責任として担おうという意味でこのことは言われているのか、そこのあたりがよくわからないんですが、もし政策集団に特化するのであれば3000人も必要ないというふうなことになってくるわけで、そこのあたりがどんな議論をされているのか、知事も全ての行革の検討会には出席されているようですのでお聞かせ願いたいと思います。

【橋本知事再答弁】
 坂本議員の再質問にお答えをいたします。
 まず、アウトソーシングに関して、委託をした場合の最終的な責任は県にあるという考え方かというご質問がございました。
 これは委託した者の一般的な責任というものはあろうと思いますが、それぞれの業務に関して契約の内容によって責任の所在、また、責任の重さというものは変わってくるだろうというふうに思います。
 それから最近はアウトソーシングの中の、県が担わなければいけない仕事ということの考え方が変わってきたのかというご質問がございましたけれども、変わってはおりません。続いて守衛部門の委託先での勤務実態についてのご質問がございましたが、実際の勤務実績について私がつかんでいるわけではございませんので、この場でお答えすることはできません。
 それから政策集団に県を特化していくのかというご質問がございました。行政改革検討委員会の中で、こうした議論がなされたということをよく私は記憶をしておりませんけれども、今後、政策集団に特化するというふうなことを私自身は申し上げたことはございませんし、県としてもそのようなことを考えているつもりはございません。
 私からは以上でございます。

【坂本議員再々質問】
 時間がありませんので、今後アウトソーシング議論、あるいは、行政改革議論の中で本当に単なるスピードを追うだけではなくて、もっともっと県民あるいは職員のことも含めて議論が慎重にされるべきだというふうに考えておりますことを申し添えておきたいと思います。
 そして、健康福祉部長がいろいろお答えをいただきましたけれども、納得できない部分もありますが、時間がありませんので委員会での審議に委ねていきたいというふうなことで考えております。
 以上で全て終わります。