県政報告のページ

10月1日(本会議・代表質問)

 あれも言いたいこれも言いたいと思いながら臨んだ私にとって初めての代表質問は、50分という時間制約の中で、思うようにはいきませんでした。前日の質問を受けて直したり、当日の朝刊を見て修正したりと間際までドタバタした感じでした。時間配分にも慣れていないため、再質問などに残せた時間が8分と僅かになってしまい、充分な答弁が引き出せす゛反省しています。次に生かしたいと思います。
 ひょっと傍聴していただいた方がいましたら、ご意見お寄せ下さい。
 議事録の詳細は「9月定例会代表質問」にアップしています。
質問事項
@南海地震対策について 
A三位一体改革に向けた政策協議とその対応
B高知医療センターの果たす役割とその将来について
C男女共同参画社会づくり条例に実効性を持たせるように
D残業解消で雇用拡大の対策を
E知事の政治姿勢

9月10日(総務委員会・知事等三役の退職手当及び高校再編について)

知事等三役の退職手当を減額修正
 6月定例会で継続審査となっていた「知事、副知事及び出納長の退職手当に関する条例議案」について、9月10日の総務委員会で審査を行いました。三役の退職手当は給料月額×在職月数×支給率によって計算されますが、今回議論の対象になっているのは、支給率の問題です。現行の80%を75%に引き下げるというものですが、そのことによって得られる退職金額が4608万円という高額であったために、継続審査となったものです。
 一部会派は「退職手当を引き上げるのではなく、減額する改正案であるし、金額も適当であるので認めたい」という考え方を示したが、多くの会派からは「特別職報酬等審議会で審議できるように条例改正を行い、第三者の意見なども踏まえてはどうか」「三期目の退職手当の支給率は引き下げているが、付則でそれ以前の分については従来通り80%で支給することを定めていることについても異議がある。一・二期目も引き下げた率で何故支給しないのか」「県内の経済状況や財政状況を見たときに、大変厳しいだけに財政力などでの類似県なみに引き下げる必要があるのではないか」などと改正支給率をさらに引き下げることが求められました。
 しかし、総務部長は「今後については、退職手当も審議できるようにしたいと思うが、今回の知事任期中に間に合うのかという問題がある。12月定例会で決めるとなった場合、任期後の条例措置が可能かどうかについて十分検討しなければならないが、執行部としてはあまり適当ではないと考えている。」として、現在提案している内容を変える考え方を示しませんでした。
 総務委員会としては、いずれにしても支給率をいずれかの段階で確定しなければならないことから、一旦休会をし、各会派議論の上、私も含めた8名の総務委員連名の修正案を提出しました。その内容は知事の退職手当を提案議案よりもさらに5%減じて4300万円とすることをはじめ副知事、出納長もそれぞれに減額するものでした。(下記参照)。最終的には共産党会派を除く全ての委員の賛成多数で可決し、9月定例会に報告・議決することとしました。
     現行支給金額 執行部提案金額 修正金額   減額金額   全国順位
知事    4915 万円   4608 万円     4300 万円  (614.4万円)   37位
副知事  2587.2万円   2399 万円     2532 万円  (235.2万円)   41位
出納長  1651.2万円   1527.3万円     1444.8万円 (206.4万円)   33位

 今回のこの条例議案は、6月定例会でも多くの批判的意見がある中、慎重審議を継続してきたものであります。確かに、知事の仕事は県民の感性だけでは推し量れない重要な職務であることは県民の誰もが認識していると思いますが、それにしても「高すぎる」というのが多くの県民感情であると思います。いくらであれば適当かという明確な基準はないかもしれませんが、全国的には引き下げ方向の議論が高まっていることや財政的に同規模県の状況、退職金も含めて一期4年間の総収入が約1億3千万円、三期12年間の退職金総額が約1億4千万円などということを考えれば70%という支給率が一つの目安ではないかと判断したところです。
 ただし、私に頂いた県政アンケートの中には「40年働いた勤労者の退職金を考えれば、その額はどうなのか。2000万円程度で良いのではないか」「高知市長の10%増し程度でよいのではないか」「他の補助金などはどんどん削っている中で、自分の退職金だけは何故もっと削れないのか。毎月の給料も多いはずです。」など大変厳しい意見もあったことを付け加えておきます。なお、アンケートにご協力いただいたみなさんありがとうございました。

高校再編計画は県民との合意で
 高校再編を計画している教育委員会は10日の総務委員会で正式に、第一次実施計画(16―19年度)の概要を示しました。内容は、@久礼分校の募集停止(20年3月末で廃校)A丸の内高校を男女共学で全日制・単位制高校とする。B中芸高校を、昼夜開講型の多部制単位制高校とする。C大方商業高校は通信制を併置した昼夜開講の多部制単位制高校とする。D高知園芸高校を農業系列中心の総合学科に改編する。E高知北高校を昼夜間部及び通信制過程の体制見直しとするなどとしてそれぞれの対象校に示し、各校での検討を経て、10月下旬に公表することとしています。
 しかし、この議論も8月下旬頃から丸の内高校の音楽科の廃止を巡ってなど様々な議論がされ、対象校ではPTAなどを中心に批判的な意見が多く出されていることが報道されています。しかし、将来にわたる生徒数の大幅な減少、ここ数年の継続的な定員割れや中途退学者などの課題もあり、「21世紀を展望した高知県立高等学校の在り方について」(平成12年報告)は学校・学科の適正規模や適正配置の項で見直し規模が指摘されており、具体的な見直しの対象となっています。
 しかし、県教委が計画する再編計画については、「検討の時間が少ない」ということについては否めないと私自身も感じており、学校現場・生徒・保護者らの一定の理解と納得を得るための説明責任を果たす必要があります。そして、傾聴すべき意見には真摯に答えながら、大崎教育長の「10月の発表に、現在想定しているものすべてを詰め込まなければいけないとは考えていない。いろいろな意見を聞いて煮詰め、確信を持ったものを打ち出していきたい」との考えをもとに将来に向けて禍根を残さないための計画を県民との納得づくで策定したいものです。

9月1〜4日(教育現場と地震対策について)

9月1日〜4日にかけて総務委員会で奥尻島の津波対策などを中心に視察・研修を行ってきたので、報告します。

9月1日北海道美瑛町
 美瑛町は風景写真家の故前田真三さんの美しい景観写真や数十年前にTVコマーシャル「ケンとメリー」の景色で有名になった旭川近くの丘の町です。ここでは、平成元年に美瑛町景観条例を制定して、自然景観という財産の保全に努めてきました。しかし、景観条例の欠点も踏まえ、美瑛町全域の景観保全に向けた条例の改正を行うために美しい農村景観をいかしたまちづくりを進めるための条例づくりを行い、今年四月「美瑛の美しい景観を守り育てる条例」を定めました。
 美瑛町の美しい景観の保全と形成に関し必要な事項を定めることにより、町民等、町及び事業者が協働し、潤いと安らぎを実感できる快適で魅力あふれる美瑛町の想像に資することを目的とするもので、条例制定過程で何のために制定するのかということの共通認識を培うことに苦労をしたそうです。
 年間約120万人の観光客で賑わうこの町の景観保全条例はこれからのまちづくりの上で大きな役割を果たしていくことになると思います。本県にも多くの自然が残っている今の段階で、自然景観をどのように残し観光資源として活かしていくかを検討すべき時ではないでしょうか。

9月2日富良野市生涯学習センター・富良野市博物館
 市内三校の高校を二校に再編した際に、市立農業高校を統合したので、その校舎を再利用し、改修費三億円を要して昨年九月に生涯学習センターをオープンさせたそうです。
 このセンターの付属施設としての東大演習林は市内面積の三分の一を占める広大なもので、自然に優しいライフスタイルを考えるための自然学習・環境学習の場として活用されているようです。
 年間約四万人の利用者で、学生児童の利用が約半数(市内小中学校は十六校)で、小中学校の総合学習として活用されています。また、市外からの観光客の体験学習の場にもなっており、イベントとしてクリエーターズ・マーケットでは一回に四千人集客できるなど取り組みの工夫がされています。スタッフは七人で内学芸員がセンター長含めて二人で運営がされています。

9月2日北海道立有朋高校
 本県でも、県立高校再編議論がなされていますが、中でも単位制高校のありかたはまだまだ県民のみなさんに理解されていないことなどもあり、そのメリット・デメリットについては今後充分議論されなければならないと思います。
 そんな中で、訪問した有朋高校は通信制課程と単位制課程の2つの学校が存在する形をとっています。
 通信制課程は実施校としての有朋高校と33校の協力校でなりたっており、1967年に通信制独立校として開校した県下で唯一の通信制ということもあって5600名を超える生徒が在籍しているが、3594名の受講者となっており、協力校間の受講者数の格差も大きなものがあるようです。(函館中部225名、帯広柏葉160名、旭川東141名、苫小牧東134名などからひとけた台の協力校まで)このことからも道教育委員会でも通信制が一校で良いのかということの検討もされはじめているとのことです。
 自学自習を基本に、報告課題学習や面接学習などで補足しているが55名の教員での添削や週2日程度の面接指導で担当先生の指導を受けることとなっています。
単位制課程は次のような特徴あるシステムを取り入れています。@多様な履修形態を可能にする「無学年生と二学期制」A学びたいときに学べる12時間開講B進路や習熟の度合いに合わせて自分の時間割を作る「完全選択制」C自分で時間を管理する「登下校完全フレックスタイム制」D多様な能力を評価する「学校外学修の単位認定」E豊かな人間性を目指す「自己申告・自己管理・自己責任」Fいつでも、どこでも、誰でも学ぶことができるよう配慮した「多様な入学選抜」による学校運営の中で、相当の教育効果をあげているとのことです。単位制だと「易きに走る」という批判もあるようですが、生徒が主体的に選択したカリキュラム編成の中で主体的な受講姿勢が見受けられているようですし、結果的に道内でも上位の進学率を達成しているようです。
 先生方の指導の大変さもあるようですが、生徒のやる気との有機的な結合に期待される免もあるのではないかと思います。短時間の中での学校側だけの説明ですので一面的かもしれませんが、本県の高校再編計画を議論する上での参考にはなるのではないかと思います。

9月3日北海道立教育研究所
 この研究所では、道内の教育課題の解決方策・教育実践に関わる研究相談や研修事業(ライフステージに応じた総合的・体系的な研修)、研究事業(各学校における課題解明の支援)、相談事業( こどもや保護者の悩みに対応するための教育相談1515件・教育実践に関わる研究相談 1916件)、情報化・国際化への対応の充実を図ることを目的としています。
 情報化への対応としては、高知県を参考にしている面があるとの報告がありましたが、生徒・教職員に安全で快適な情報環境を提供することを目的としているが、スクールネットの整備費用は10億7千万円で運用コストは4億円/年とのことでした。
積極的かつ実効性のある研究活動を行うため、関係諸機関との積極的な連係・協力を図っているが、研究成果は活用度の高いものでなければならないとの考えから、それぞれの学校の研究課題を把握し、分析することとしており、研究成果の活用仕方については、研究内容を授業で使えたかどうかのアンケートなどをとっているとのことです。
 低学力・基本的生活習慣の欠如についての方策としては、道内においても高校進学率は平均より高いが中途退学者は3000人に余り、学力格差もあるが、今の道教育委員会の施策としては各学校の特色化・個性化を図ることとしているとのことです。
 抱える課題は全国共通のようであることを感じました。

9月4日奥尻島
 北海道南西沖地震から10年。津波による大きな被害では近年記憶に著しいものがあると思います。南海大地震の津波対策の参考とするため調査を行いました。
 この地震の震源は、北海道南西沖で震源の深さは34Km、マグニチュード7.8というものでした。奥尻島はもとより、北海道や東北地方の各地で震度5の強震から震度4の中震を記録しました。奥尻島は地震計が設置されていないため震度6の烈震と推定されています。そして、この地震だけで、地殻変動による地割や陥没、建物の倒壊、液状化現象による田畑や道路など、各地区で大きな物的被害をもたらしました。その被害総額は665億円にものぼりました。

この地震に伴い、震源に近い奥尻島では、地震発生から2〜3分後に津波の第1波が来襲したものとみられており、特に北端部の稲穂地区、南端部の初松前と青苗地区、西海岸の藻内地区などの集落が壊滅的状態となるほどの大きな被害をもたらしました。
津波の高さを示す標示

津波の到達した高さは最高で藻内地区の29mにも達していますが、31mという説もあります。考えられない高さの津波の来襲で家や集落が一瞬のうちに壊滅しましたが人的被害のほとんどもこの津波によるものでした。私たちも、その高さを記録した場所を見学しましたが、実際に見ると余りの高さに驚くばかりでした。

 また、青苗地区では地震発生直後間もなく大津波が来襲し、密集した家々や人々を一瞬のうちにさらっていき、集落はまるで戦争の跡地のように何もかもなくなってしまい、さらに、津波の来襲直後、難を逃れた家々に今度は火災が発生し、見る見るうちに延焼が広まって大火災となり、市街地を焼き尽くしました。

この地震に伴い、青苗地区で船舶火災2件、建物火災1件、奥尻地区で車両火災1件が発生しました。出火原因は特定できていませんが、建物火災の第1出火点が、地震発生直後の7月12日午後10時35分ころと推定されることから、地震および津波が誘引となって出火したものと推測されています。


 今では、すっかり復興した地区のあちこちには、高台に向けての避難路が整備されていますし、港には人工地盤が建設され、一定の震度を関知すれば自動的に閉まる水門も設置されています。


 地震発生直後、大規模な崖地の崩壊により、ホテルとレストラン、灯油備蓄タンクが一瞬のうちに飲み込まれ、島外からの宿泊客を含む29名の尊い命が犠牲となった奥尻地区。右写真のように現在は復興している。

 とにかく、この地震の教訓は地震の後に津波が来ることを日本海中部地震の教訓で学んでいたことから直ちに避難し始めたこと。そして、車は使わず近くの高いところに逃げるということに尽きるとのことでした。それが命の分かれ目になるとのことです。

8月27日(県警の捜査費問題その3)

 県警の捜査費虚偽請求問題について、「橋本知事は25日の記者会見で、『われわれに捜査権はない。調査をするだけの具体的な根拠が示されない限り、踏み込んだ調査ができるだろうか』と述べ、捜査費の使途状況などの調査実施に消極的な考えを明らかにした」と報道されていました。さらに、その中で、「県警が捜査員の慰労会に公費を充てている実態についても、『(一般の)公務員とは(苦労の)レベルが違う』と理解を示し、県警の主張をほぼ全面的に擁護した」とのことでした。
 同じ「改革派」県知事でも、宮城県の浅野知事は県警の捜査費の執行状況に疑問を持ち、同県警に関する監査請求に自ら踏み切っているだけに、その姿勢の違いに驚くばかりです。
 また、「公費による慰労会の開催についても、『バランスの問題。警察職員が果たしている公益性の大きさや努力、時間外(手当)も十分に支払われていないという現状の中で、税金の使われ方として許される融通性もあると思う県民もいるのではないか』『県庁の職員とは苦労の度合いは肉体的にも精神的にも違う』」などと、驚くような理由で、捜査員らの立場に同情的な言葉を重ねたとのことです。
 この間も、私は県警本部長自らがサービス残業(ただ働き)という違法行為を認める発言をしたことを問題視してきましたが、今回は、知事もそのことを認めるという行為に及んでいます。知事のコメントを借りれば、多額の未払いの残業代に変わって一人あたり3000円の飲食代でお茶を濁すことは安上がりの支出となるので、県民も理解してくれるということになるのでしょうか。このことこそが、最前線で汗を流す捜査員を愚弄した待遇ではないかと思われます。そして、この記者会見における知事の基本姿勢は県出納事務局会計課の「県費なら支出しない」というスタンスと大きく食い違いを生じることになります。知事はこのことをどう説明するのでしょう。
いずれにしても、不適正な支出であると思われる身内だけの公費での慰労会費支出をバランス論や違法行為(サービス残業)の補填措置やほかの公務員と警察は別などという理屈で認める知事のスタンスには県警を擁護せざるを得ない何らかの理由でもあるのでしょうか。

8月21日(県警の捜査費問題その2)

 20日に開催された総務委員会は、県警の捜査費虚偽請求問題に関して質疑を行いました。8月4日の委員会以来の動きとして、市民オンブズマン高知が「内部告発」として委員会などに提示した資料の存在や本部捜査二課が国費分の捜査費で慰労会を開いたことについての当日高知新聞朝刊で報じられたことなどがある中で、質疑調査を行いました。
 市民オンブズマン高知が「内部告発」として委員会などに提示した資料については、県警本部長は「出所が不明で作成意図が明らかでない」し「記載内容も事実ではない」と答え、これ以上調査する考えがないことを報告しました。また、本部捜査二課が国費分の捜査費で慰労会を開いたことについては「一生懸命やっている捜査員の士気を鼓舞するのは当然だ」とし、今後も慰労のための捜査費支出を続けることを明言しました。
さらに、県警側は「会計経理の中で作成する資料ではないし、個人的に作成することもあり得ない」として、県警内での資料の存在そのものを否定し、「これ以上の調査は必要ない」とした。ただ、資料に記載されている9人の捜査員の氏名については「実在する」と答えた。
 また、本部捜査2課が昨年7月、国費分の捜査費を使って汚職事件摘発の慰労会を開いたことについて「県警は県費分の捜査費もこれに準じた扱いをしているというが、県会計課は『県費では認めない』としている」が、このことについて、本部長は「昨年3月に県会計課との間で『県費も国費に準じて執行させていただく』との包括的な協議をしている。県の監査でも指摘を受けていない」と説明し、県警会計課長は「県会計課との協議で行き違いがあった」と説明はしたが、私の繰り返しの追及に対しても具体的には答えようとはしませんでした。
 さらに、本部長は「超勤手当は予算の範囲内でしか与えられない。夜も寝ずに休日も返上している捜査員たちの士気を鼓舞するのは当然必要だと考える」と、語気を強めて反論しました。これについて、総務委員長も「県庁にも忙しい部署はある。今の時代、飲み食いさせることが鼓舞になるのか。慰労になるのか。社会風潮として別の方法もあると思う」と指摘したが、警務部長は「国費については(警察庁の)指針がある。高知だけ運用しないわけにはいかない」と述べたが、あまりにも常識とかけ離れた答弁であると言わざるをえません。
しかし、私はこの中に、極めて重要な発言があると思っています。それは、県警の最高責任者自らが法違反を認めた内容があります。というのは、「超勤手当は予算の範囲内でしか与えられない。夜も寝ずに休日も返上している捜査員たち」には、県警内でサービス残業を強いている実態があることを正式の場で認めたことになるのです。このことは、きっちりとただしておかなければと思います。
 いずれにしても、この捜査費問題への県民の関心は高く、私のもとにもいろんな意見が寄せられています。監査委員会の監査状況も注視しながら、県民の疑惑を招かない県警の信頼関係の回復を図るための措置を講じなければならないと考えます。

8月8日(県警の捜査費問題その1)

 この間、新聞報道されてきた県警本部捜査一課の国費分の捜査費虚偽請求問題で、4日県議会総務委員会を開催し、県警に報告を求めました。これまで、県警から各委員に説明されてきたことと同様、県警の太田昭雄本部長は「捜査費は適正に執行されている」と新聞報道をあらためて否定しました。
 太田本部長は「内部での調査の結果、捜査費をはじめとする予算は適正に執行されている。捜査費の執行内容は捜査活動の説明となり、捜査活動に重大な支障を来すことになるので、具体的に説明できないことについてご理解をお願いしたい」ということを前提に、捜査費の概要について説明がされました。
 質疑の冒頭で、私の方から「報道を受けて知事に報告した際、どういう指示を受けたのか」とただしたのに対し、太田本部長は「知事からは『治安状況も大変なので、しっかり捜査を尽くしてほしい』と言われた」とのことであったので、「これほどの報道をされていることについて、ブラジルからの帰国後、知事が再度説明を求めることはなかったのか」との問いにも、「特にない」とのことであった。執行権者としての知事が報道されているような状況を見るにつけ、何の疑問も湧かないのか、また、疑惑を払拭するための内部調査を指示しないのか不思議でなりません。宮城県では、浅野知事自らが監査請求を行っているのです。
 さらに、私からは「国費で疑惑を招くようなことがあれば県費部分にも疑惑が生じざるを得ないので、県費についても尋ねておきたい。領収書について存在しなかったり、偽名のものがあったりするというのでは、虚偽の請求と言わざるを得ないのではないか」「県費分について、県警で保管している証拠書類を監査事務局には提出するが、会計課の提出の求めには応じないと言うのはおかしいのではないか」などを質したが、「支払い相手に確かに渡っている限り、虚偽ではない」とか「今までも求めに応じて提出していないし、提出するつもりもない」と強弁していました。
 また、他の委員からは次のような質疑がなされました。
問い)県警内部で不正がある、ということになると捜査への協力が得られないのではないか
答え)捜査費を執行している捜査員が消極的になり、治安維持に悪影響がでなければいいがと危惧している
問い)過去には裏金づくりがあった、と言う警察OBもいる
答え)承知していない
 最後に、森田総務委員長、朝比奈副委員長が「(新聞報道への)反論はないのか」「名誉の回復を考えていないのか」とただしたが、警務部長は「報道が事実ではないということを、最も公的な場である県議会で表明している。それ以上のことは考えていない」と述べるにとどまりました。
 委員の質問に対して捜査上の秘密を理由に「明らかにできない」との答弁に終始したので、委員会としては「今後の推移を見守りながら、監査委員会の住民監査請求への対応などを待つ」こととしました。私としては、疑惑の有無の事実解明を早急に行う中で、県警本部としての信頼確立が急がれるべきだと思います。

捜査費とは?
 県警の説明では、捜査上の情報提供者や捜査協力者に対する謝礼や聞き込み・張り込み・尾行などの際に緊急に必要となった場合に認められている。例えば、県外でレンタカーを借りたり、被害者をホテルに保護した場合の使用料、捜査のための交通費や施設の入場料、情報提供者との飲食料や謝礼などに支払われているとのことです。
 しかし、会計処理上領収書が添付されていなかったり、偽名の領収書であったりするためにその一部がプールされ幹部職員の飲食代や手土産代として使われているのではないかとの疑惑を招いているのです。

7月19日(6月定例会について)

 6月27日から7月10日にかけて開催された県議会6月定例会は、執行部提出14議案のうち、知事ら三役の退職手当の任期ごとに支給する方法と支給率を引き下げる内容の条例議案を継続審査とし、その他の13議案を全会一致で可決、承認しました。
 また、「真の地方分権型社会の構築に向けた三位一体の改革を求める意見書」など4件を全会一致で可決しました。請願では、「『高知龍馬空港』という愛称の活用支援について」の請願書が全会一致で採択されました。
 特に、今定例会では、@執行部が議決事項ではないが提出説明をした「職務に関する働きかけについての取扱要領」A「知事、副知事及び出納長の退職手当に関する条例議案」が大きな争点となりましたのでこの二つに絞って報告します。
 今後とも真摯な提言で民主的な県政を
 今議会で議論となった「職務に関する働きかけについての取扱要領」の審議について報告します。
 いわゆる「ヤミ融資事件」に端を発した県庁組織の見直し論議の中で、県職員が、その職務のことで外部から受ける働きかけに対して、記録を取り、組織として適切な対応の徹底図るとともに、それらの内容を県民に公表することにより、公正で開かれた県政の推進を図るためのシステムとすることを目的としていました。しかし、私たちは、行政に対する真摯な提言や要請は当然必要なことだし、本来このような「取扱要領」を定めなくても「不当な働きかけから行政の公平・公正さを確保する」「働きかけによる意志決定過程の透明性を確保する」ことは、保障されなければならないと考えています。
 そのため、このことによって、県が議員や県民、各種団体の真摯な提言や要望などを規制、制約、排除して、独善的に県政を進めることのないよう配慮されなければならないという立場で審議に臨みました。そして、働きかける側、働きかけられる側のそれぞれの立場が充分に考慮され、懸念される問題点や疑問点が解消され、無用な混乱が招かれることのないような運用方法が確立されなければならないと言うことを主張しました。
 しかし、自民党提出の「県職員の職務倫理確立と県政執行体制の刷新を求める決議案」は職員の資質と責任ばかりが問われ、働きかける側の問題点の指摘がなかったので、文言の修正を求めました。一部会派の反対で、文言修正が不可能となったため、県民クラブとしては、働きかける側の問題が、提案説明の中で補強されたことや県民クラブとしての見解を代表した浜田嘉彦議員の「このような事態に至った知事の組織の長としての反省を求めた県庁組織のあり方を指摘した」討論を踏まえて賛成しました。
知事の退職手当は妥当なのか
 もう一つの焦点、知事ら三役の退職手当条例案については、支給率を下げたとは言え、県民感情から言って妥当なのかどうかということが争点となりました。
 私は、任期毎に支給する方法には異存はないが、支給率を引き下げたとはいえ、改めて明らかになった支給額の大きさに異論を唱えました。
 支給率を引き下げたものの、その支給総額は知事自ら「県民の目線から言えば『そんなに多くの退職金をもらうのか』と思われる県民が数多くいらっしゃることは、十分理解をしている」と言わざるをえない金額でした。
 にも関わらず、知事は「県知事は一般の県民の方とは仕事の量も質も責任も大きく異なっている。だから、県民の視線、それを感じ取る感性は必要だが、県民の視線、感性だけでは県知事の仕事を推し測って欲しくない。将来の人材ということからも、私は知事の仕事というのはもっと高く評価をされて然るべきではないか。」と答弁しました。
 高額の退職手当が優秀な知事の人材確保の一要件であるかのように知事は言われますが、知事になろうとする方々は最初から退職手当の支給額を認識した上で、知事選出馬の決意をなさっているのでしょうか。橋本知事にしても、なってみてから、初めて県民感情からしても高すぎると思うような退職手当に気づかれたのではないでしょうか。
 確かに、知事の仕事は県民の感性だけでは推し量れない重要な職務であることは認識しています。だからと言って、4年間で5千万円近い退職金は当然とは思えないのが県民の率直な気持ちではないかと思います。
 このようなことから、総務委員会、本会議ともに賛成多数で継続審査となりました。今回、改めて県民に明らかになったこの退職手当について、県民のみなさんとともに議論を重ね、継続して審査をしていきたいと思います。
 今後、「三位一体の地方行財政改革」によって県をはじめとした自治体の財政運営は大変厳しくなることは周知の事実となっています。来年度予算については、単純に二〇%カットありきではなく、県民サービス確保も充分に踏まえた議論を深めていきたいと思います。県民の皆さんのご提言をお願いします。

7月10日(知事等三役の退職手当について)

六月定例会には「知事、副知事及び出納長の退職手当に関する条例議案」が提案されましたが、今回の提案の趣旨として、任期ごとに支給するとともに、その支給率を改めるというものでした。
 私は、任期毎に支給するという方法には異存はないが、支給率を引き下げたとは言え、改めて明らかになったその支給額の大きさに異論を唱え、総務委員会の中で反対の立場で討論に参加しました。
 支給率を引き下げたもののその支給総額は知事自らも「県民の目線から言えば『そんなに多くの退職金をもらうのか』と思われる県民が数多くいらっしゃることは、十分理解をしている」と言わざるをえない金額でした。私は、この議案が提案されて以降一週間ほどの間に、県民のみなさんに対するアンケートをとらせて頂きましたが「高い」とする回答が117人中104人89%にものぼりました。
 にも関わらず、知事は「県知事は一般の県民の方とは仕事の量も質も責任も大きく異なっている。だから、県民の視線、それを感じ取る感性は必要だけれども、県民の視線、感性だけでは県知事の仕事を推し量ってしまうことは、将来に禍根を残すことになる。」と述べ、「将来の人材ということからも、私は知事の仕事というのはもっと高く評価をされて然るべきではないか。」と答弁しました。 
 全国的には、東京都板橋区では区長の退職手当2270万円を全額カットする退職手当の条例改正が行われたり、福岡県の久留米市でも全額返上の審議がされているようです。高額の退職手当が優秀な知事の人材確保の一要件であるかのように知事は言われますが、知事になろうとする方々は最初から退職手当の支給額を認識した上で、知事選出馬の決意をなさっているのでしょうか。橋本知事にしても、なってみてから、初めて県民感情からしても高すぎると思うような退職手当にお気づきになったのではないでしょうか。だからこそ、今回、支給率を引き下げる提案をなさったのではないかと思っています。
 確かに、知事の仕事は県民の感性だけでは推し量れない重要な職務であることは県民の誰もが認識していると思います。だから、4年間で5千万円近い退職金をもらって当然とは思いがたいというのが率直な気持ちではないかと思います。
 このようなことからも、提案議案を継続審査とすることを求め、総務委員会、本会議ともに賛成多数で継続審査となりました。継続審査中ですので、今後とも引き続きご意見をお寄せ下さい。

緊急のアンケートにお答えいただいたみなさんご協力ありがとうございました。