県政報告のページ

12月5日(決算特別委員会)

橋本知事の後援会事務所、政治団体が
  県からの補助金施設に入居していることに疑義

10月21日から11月14日までの間12回開催してきた決算特別委員会において、12月5日にとりまとめをする段階にいたって、疑義を生じる問題がありましたので、指摘をしました。
 決算特別委員会の審査が一応終了して以降の11月18日づけの県公報に政治団体の異動一覧が掲載されており、その中で橋本大二郎知事の後援会事務所がことし10月10日付けで異動されていました。しかし、異動前の住所の建物には県のベンチャー企業支援を目的にした県の施設整備補助金や運営補助金が支出されていることが、決算資料として提出されている資料の中で明らかでした。また、選挙期間中に配布されていた法定ビラの発行者である確認団体も同様の建物の中にあり、私としては、その事実を知った以上、@補助金の本来の目的に沿っていないのではないかA政治資金規正法の第22条の3「寄附の質的制限」に抵触するのではないかという2点で疑義を持ちましたので、補助金の決算審査に関わることとして、商工労働部の説明を求めることとしました。
商工労働部などによると、「橋本大二郎後援会」の事務局長(会計責任者)が経営する会社は昨年10月1日、高知市内の別の場所から同施設の一室に移転しました。そのことに伴い同社内にあった後援会と政治団体の事務所も同月23日、同施設の会社内に所在地を移したとのことでした。後援会事務所は、先の知事選に伴い今年10月10日、選挙事務所を置いた帯屋町アーケード内に移転。一方、政治団体の所在地はそのままで、告示日の11月13日付で確認団体として県選管に届け出、橋本陣営の選挙活動を支援していたことになります。
 商工労働部は「後援会などが入居しているとは知らなかった」とし、「補助金交付先のNPOを通じて、入居企業への“間接補助”にもなる」との認識を示すともに、「補助金に疑念を持たれること自体は遺憾だ。委員会の審査も踏まえて調査し、何らかの対応を検討する」との考え方を述べました。他の委員からも「補助金によって後援会などへ便宜供与を図っていたことになるのではないか」「安価な家賃は実質的な寄付行為になるのでは」「この企業が入居する際の応募状況や審査がどのように行われているか。当時の資料提出を求める」なども指摘されました。
 決算特別委員会の予備日である9日に商工労働部長、企画振興部長の出席を求め、集中審査することとしました。
 いずれにしても、このような不明朗な形で、橋本知事の後援会や支援する政治団体が存在していること自体が、県民の信頼を損ねることとなるので、事実を解明することが必要だと思います。

12月12日(決算特別委員会2)

 12月5日以来、二度に亘って決算特別委員会を開催し、橋本大二郎知事の後援会と政治団体の事務所が県の補助先のベンチャー企業支援施設に入居していた問題で、審議をしてきました。その中で、さらに明らかになったことを報告しておきます。

県補助施設に4つの政治団体
あたふたと異動

 施設に入居していたベンチャー企業の社長は後援会会計責任者をはじめ、これらの団体の代表や会計責任者として政治活動に大きく関わっていたこと。また、施設を運営するNPO法人の理事であることも分かったが、10日の緊急理事会で辞任している。
 住所を入居企業に置いていた政治団体は合計4つで以下の通り。
      橋本大二郎後援会
      夢のある新世紀を考える会(確認団体)
      大きな橋をかける会
      こだまひろがるネットワーク(資金管理団体)代表は橋本大二郎
 全ての団体が、この企業が施設に入居したときに昨年10月23日付けで同所に異動している。その後、今年12月5日の決算特別委員会で問題が表面化した直後の8日、4団体の事務所を南国市内に移し、さらに社長自らの政治団体役員辞任に伴い10日に代表や会計責任者、さらに住所の異動をあたふたと行っている。

  県補助施設内で政治活動の実態あり
 橋本知事が代表の資金管理団体「こだまひろがるネットワーク」の14年分の収支報告書には、施設内に事務所を構えていた14年12月の日付で、借入金返済や橋本大二郎後援会から寄付を受けたとする政治活動の記載がある。また、この社長が代表の政治団体「夢のある新世紀を考える会」は確認団体として、知事選で橋本知事の政策などを記載した法定ビラを作製して配布するなど、選挙支援活動を行っている。また、後援会の収支報告にも政治活動の実績を裏付ける支出記載があり、商工労働部も当初は「政治活動の実態はない」としていたが、自らの聞き取りによっても「政治活動の実態はないとは言い難い」ことを認識し、県選挙管理委員会事務局は「施設内で、広義の意味で政治活動をしていたと解釈できる」と説明し、12日の質問の中で認めざるを得なくなった。

  居座る企業に県困惑
 これまでの間、商工労働部長は「補助金は適正な交付だった」の一点張りであったが、 12日には、施設を管理する補助金交付先のNPO(民間非営利団体)「ソーホーベンチャー協会」に「管理責任は一定ある」との踏み込んだ認識を示し、「商工労働部も重く受け止め、今後の戒めとする」という見解も明らかにしたが、補助金の返還を求めたり、政治活動を行っていた企業に対して退去勧告を行うとい考え方は示さなかった。同施設に入居する、政治団体の事務所を併設させていた企業社長は、「道義的責任」を取って、すべての団体の役職を10日付で辞任したことを明らかにし、「猛省している。寛大な審議を」とする上申書が、県議会に提出されたが検討に値する内容のものではなく、委員の多くは、この社長に対して一層不信感を募らせている。                 

  知事は「知らなかった」ではすまない
政治資金規正法違反の可能性については、県選管書記長の市町村振興課長は「県選管は届出書類の形式審査しかできない。違法性の判断は司法当局が行うこと」との前提に立ちながらも、広義の「政治活動の存在」や「届け出にあたって、代表者本人の意思が働いていると解される」と答えた。このことから、知事本人が、これらのことについて一切知らないということはありえないと思われる。

 以上、明らかになった事実からも知事の政治責任は一定明確にされるべきだと考えます。てなければ、相変わらず都合の悪いことは全て知らなかったで済ます「無責任体制」を容認してしまうことになるのではないかと思います。今後は「橋本知事の考えを確認する」ため、15日から始まる県議会12月定例会の質問戦や関連の常任委員会の審査後の19日に、14年度決算を採決することとしました。

12月16日(決算特別委員会)

 決算特別委員として十月二十一日から十二月十六日までの間、述べ十六日間、決算審査を行いました。公営企業会計、一般会計及び特別会計の予算執行はおおむね適正且つ効率的に執行されていたことが認められました。 しかし、橋本大二郎知事の後援会事務所をはじめとした4つの政治団体が、県のベンチャー企業支援を目的にした県の施設整備補助金や運営補助金が支出されている施設に入居している企業に間借りしていたことについては、@補助金の不適正交付A政治資金規正法違反などの疑義が生じたことから極めて遺憾であると言わざるを得ませんでした。その上で、決算特別委員会としては、決算の収支が適法であることを確認することであり、今回、法令違反の疑義は残されたが、決算については認定することとしました。そして、今後二度とこのような事態が起きないよう補助金の適正且つ厳格な運用を強く求めることとしました。

決算審査指摘ポイント(要約抜粋)
電気事業について

 電気事業の規制緩和などを目的とした電気事業法の改正により、本事業を取り巻く経営環境は厳しさが増し、今後とも安定した電気事業の経営を行うためには、長期的な視点に立つこと。また、新エネルギーの研究・開発に当たっては、関係機関との連携や採算性の確保の観点も含めた取り組みを望む。
病院事業について
 県立病院が県民に対して高度医療を提供し続けていくためにも、累積欠損金の削減に向けた取り組みは不可欠であり、経営改善は一定進んでいるが、なお、企業債の償還や診療報酬の請求漏れなど検討すべき点もあり、引き続き取り組んでいくよう望む。
 病院局では、、今後の経営健全化計画策定においては、公共性と経済性の両立という県立病院の使命が果たされることを強く望む。

一般会計決算審査報告
行財政運営について

 今後の財政運営では、国の制度改正に当たって、決して地方への財政負担の転嫁がなされることのないよう国に対して意見や要望を行っていくことが必要である。
 歳入の確保を図ることは、公正、公平な負担により行政に参加する意識を高めるうえでも重要である。今後とも未収金徴収の徹底はもとより、何よりも未収金を発生させない工夫と努力を望む。
地域の振興等について
 地域振興推進のためには、社会経済情勢の変化に伴って複雑・多様化する地域の行財政需要やそれぞれの地域の課題を明確にとらえ、地域のニーズに合った振興策に取り組む必要がある。市町村等の自主的、主体的な取り組みの支援とともに、活力ある中山間地域の構築に努めるなどの地域づくりを望む。
 なお、県政策総合研究所については、研究所のあり方も含めた取り組みを求める。
 公共交通機関については、交通体系の整備促進が図られているが、バス路線についても、その維持、確保に努めるよう望む。
福祉・医療対策について
 特に中山間地域における福祉サービスを担う組織が脆弱である。ついては、各市町村社協の実態を把握するとともに、その実情に配慮し、各種福祉事業が効率的に実施されるよう求める。
商工業・観光の振興について
 商工業振興のためには、小さくても全国に誇れる特色ある企業を育てることや、県内企業の商品を率先して公共事業に採用することを初め、県を挙げた真剣な取り組みが求められている。
 商品計画機構については、今後の方向付けを明確にするよう望む。
 観光については、県と観光コンベンション協会の役割分担を明確にし、各種施策が効果的に実行される体制整備を望む。
農林水産業の振興ついて
 本県園芸農業を立て直すため、県、農業団体、農業者が一体となって課題の解決に取り組むことが重要である。県と農業団体は、互いの役割分担と連携の下に営農指導の強化に取り組み、各地域の具体的課題に対して実践的な対応ができる体制の構築を求める。
 林業振興のため、総合的施策展開を進め、各種事業の実施と木材利用の研究開発と促進を図ることが重要。林業振興は中山間の振興にもつながるため、適切な管理を行い、山が評価されるような取り組みを望む。
社会基盤の整備等について
 社会基盤の整備は、道路を中心に立ち後れ、経済活動の根幹となる高規格幹線道路網や港湾の整備、災害に強い幹線道路網の早期整備や防災対策への充実に取り組むことが必要。特に、南海地震への防災対策については、県民の生命財産を守るため、がけくずれや海岸整備等のハード対策とあわせて、ソフト対策への取り組みも望む。
教育について
 土佐の教育改革では、開かれた学校づくりや授業評価システムなど、それぞれの取り組みの内容を充実し、質的な向上を図るようにしている。しかし、いまだに校内暴力、不登校や中途退学などさまざまな教育課題が山積している。これらの解決のため、子どもたちに身近な学校、家庭、地域などの主体的な取り組みへの支援を行うなど、地域と一体となって、具体的な手立てを講じながら、子どもたちの基礎学力の定着と学力の向上対策に取り組むことを求める。

橋本知事の政治団体が県の補助施設に入居

経過として、「橋本大二郎後援会」「夢のある新世紀を考える会(確認団体)」「大きな橋をかける会」「こだまひろがるネットワーク(資金管理団体)」以上の政治団体のそれぞれの代表者や会計責任者を務める者が社長となっている企業が、ベンチャー企業支援施設に入居したときに〇二年十月二十三日付けで同所に政治団体を置いています。その後、後援会事務所は、先の知事選に伴い今年十月十日、選挙事務所を置いた帯屋町アーケード内に移転。一方、政治団体の所在地はそのままで、告示日の十一月十三日付で確認団体として県選管に届け出、橋本知事の選挙活動を支援していたことになります。その後、今年十二月五日の決算特別委員会で問題が表面化した直後の八日、四団体の事務所を南国市内に移し、さらに社長自らの政治団体役員辞任に伴い十日に代表や会計責任者、さらに住所の異動を行っていました。
政治活動の実態はあると判断
 この間、政治活動の実態があったことは、県公報による収支報告などからも明らかになっています。そのことは、商工労働部も当初は「政治活動の実態はない」としていましたが、自らの聞き取りによっても「政治活動の実態はないとは言い難い」ことを認識し、県選挙管理委員会事務局は「施設内で、広義の意味で政治活動をしていたと解釈できる」と説明しています。にもかかわらず橋本大二郎知事は定例会質問に答える形で、「県の補助を受けた建物の性格からも不適切だったと反省しており、県民に疑念を招いたことは誠に申し訳なく思っている」と陳謝はしたものの、「日常の活動はほとんどないので、住所変更も含めて連絡をもらう形にはなっていなかった」と言い逃れをする一方、NPOへの補助金の執行については「適正だったと考えている」と強調し、「今後はこうした問題を繰り返さないよう、細心の注意を払っていく」と述べるにとどまりました。
知事は「知らない」に終始
 しかし、政治資金規正法違反の可能性については、県選管書記長の市町村振興課長は「県選管は届出書類の形式審査しかできないので、違法性の判断は司法当局が行うこと」との前提に立ちながらも、広義の「政治活動の存在」や「届け出にあたって、代表者本人の意思が働いていると解される」と答えていることからも、知事本人が、これらのことについて一切知らないということはありえないと思われます。また、後援会や資金管理団体は間借りしていた会社に賃貸料を納めていなかったため、会社・団体から政治団体への寄付行為を禁じる政治資金規正法に照らした違法性の認識の有無も糺されましたが、これについては答弁すらしないという姿勢に終始しました。まさに、「知らぬ存ぜぬ」の無責任な姿勢であり、何らの説明責任を果たしているとは思えません。このようなことが、橋本知事の日頃言うこととすることが違うといわれるゆえんだと思います。
 この件については、市民オンブズマンによって刑事告発されていますので、司法の判断に委ねるられることとなります。

12月24日(定例会報告)

 十二月定例会は〇三年度一般会計補正予算十五億八千六百万円減額、男女共同参画社会づくり条例(執行部案を修正)など追加提出を含む四四議案と意見書四件を、全会一致または賛成多数で可決、同意、認定して閉会しました。
 今定例会は橋本知事四期目の最初の定例会ということで、知事の四期目にかける思いの表れる定例会となるのかと思っていましたが、それほどには感じられるものではなかったように思えます。知事の所信表明は「掲げた政策をスピード感を持って実行し、地域の支え合いの仕組みをつくり上げていくことが大切だ。これからの4年間は県民や県庁の職員と力を合わせて全力で取り組んでいく」という抽象的なもので、これからの県政運営にかける思いや高知県をどのような方向に導いていくのかということなどが見えてきませんでした。
 質問戦を通じた知事選挙の総括にも「三期十二年の取り組みとともに、毅然(きぜん)とした隠し事のない県政を進める政治姿勢や、仕事と雇用を増やすなど約束した政策を、県民に評価していただいた結果だと受け止めている」言うのみで、四十五%の批判票に対する真摯な姿勢をかいま見ることはできませんでした。
 今定例会では、男女共同参画社会づくり条例案の審査が紛糾し、執行部提案の原案から「審議会委員の男女比の数値目標」と」苦情調整委員の勧告権」を削除する修正案が賛成多数で可決されました。私は、九月定例会の代表質問でも「より実効性のある条例の早期制定」を求めて発言したので、当然原案賛成・修正案反対で採決に臨んだだけに、残念な結果となりました。
 自民党提出の修正案は「(数値目標を掲げると)割合の達成のみを求めることになり理念に合致しなくなる懸念がある。勧告は的確性の担保に疑義があり思想、表現の自由などを侵害する恐れがある」と言うものでした。しかし、根底には「男らしさ女らしさが否定されかねない」という社会的・文化的に作られた性差を固定的に捉えようとしていることや性別役割分業の固定観念が横たわっているのではないかと思わざるを得ませんでした。
修正案の賛同者も「これから男女共同参画社会を進めなければならないという気持ちに変わりはない」と言うけれど、日本の男性中心社会の長い歴史の中で植え付けられてきた、また、植え付けられている固定観念を払拭しようという思いがあるかないかによってその進め方は大きく違って来るのだと思います。
未だに、家庭、教育、地域、職場、社会には厳然として男女差ゆえのハードルが存在しているのです。今回、修正案に賛成した方々は、そのハードルを取り払う作業に全力を挙げることによって、言ってることを証明してもらいたいものです。
 今後、議会の場でそのことをきっちりとチェックさせていただくとともに、条例の運用をより実効性を持たせていきたいものです。

 所属会派の県民クラブでは「義務教育費国庫負担制度の根幹堅持に関する意見書」「労災保険の民営化に反対する意見書」「自衛隊のイラク派遣に反対する意見書」を賛同する他会派の議員とともに、地方自治法第九十九条の規定により十二月定例会に提出しました。
 「義務教育費国庫負担制度の根幹堅持に関する意見書」については賛成多数で可決、「労災保険の民営化に反対する意見書」は全会一致で可決されたものの、「自衛隊のイラク派遣に反対する意見書」については、同僚議員が賛成討論を行いましたが残念ながら少数否決となりました。

(意見書要約)

義務教育費国庫負担制度の
     根幹堅持に関する意見書
 政府において、義務教育費国庫負担制度の一般財源化・交付金化、さらに事務職員を同制度から適用除外する等の検討が行われている。義務教育は、憲法の要請にもとづくものであり、教育の全国水準や機会均等を確保した基盤づくりは、国の責務である。
 義務教育費国庫負担制度を廃止し全額税源移譲したとしても、税源には地方によって偏在性があることなどから、本県では財源が確保できず教育予算全体に影響を与え、ひいては保護者負担の増額につながる可能性もあり、県民の不安が増大している。
 この課題は、教育の根幹に関わる教育論として論じられるべき課題であることを踏まえて下記のことを強く要望する。

一 義務教育費国庫負担制度の根幹を堅持し、一般財源化・交付金化をしないこと。
二 事務職員を義務教育費国庫負担制度から適用除外しないこと。

労災保険の民営化に
反対する意見書
 内閣の総合規制改革会議で、労災保険を民営化(民間開放)することが検討されている。しかし、これは労働者の権利を著しく侵害し、同時に事業主の利益をも損なうものである。
 労災保険は、労働基準法で義務づけられている「労働者の業務上負傷、疾病に対する事業主の無過失賠償責任」を担保し、実行あらしめるために創設されたものである。それゆえに、労災保険に加入することで、労働基準法による無過失賠償責任が免除されている。
労災保険を民営化した場合、災害認定が表面的にならざるを得ない。特に過労死を初めとする職業性の疾病などは、迅速かつ公正な認定が不可能になる恐れが十分にある。
 よって、国におかれては、労災保険の民営化を行わないよう強く要望する。

自衛隊のイラク派遣に
反対する意見書 
 小泉内閣は強行制定した「イラク復興支援特別措置法」にもとづき、国民の多くの反対の声に耳を貸さず、米国の要請に応えるためだけに、実質的な戦地に自衛隊を派遣するという暴挙に出るため、自衛隊派遣基本計画を定めた。米英軍占領下での自衛隊の活動は、明らかに占領行政への参画であり、憲法違反であることはもちろん「自衛隊の占領行政への参画は違憲」とするこれまでの政府見解に反することも明らかである。
 イラクの復興にあたって、日本の果たす役割は、医療や食糧援助、生活インフラの再建等に限るべきであり、いかなる名目であれ自衛隊を派遣するべきではないと考える。よって、自衛隊のイラク派遣計画を即刻中止することを強く要望する。

1月15日(100条委員会)

 15日に開催された百条委員会「坂本ダム等に関する調査特別委員会」では、裏金調達を証言した橋本事務所の元事務局長、笠誠一氏と、笠氏が宿泊していた高知市内の旅館経営者、秋山武子氏の証人尋問を行いました。

笠誠一氏
 笠氏は、選挙事務所の元経理担当者の手帳の記載(3年9月―4年6月間)を基に、記憶に頼っていたこれまでの説明を随所で訂正したため、時期的に前後することが生じ、時系列で多少混乱した面があります。特に、大きな点としては、1億円返済のため、坂本ダムを談合で落札したとされる県内外の建設業者から裏金を調達した時期を「4年1―3月の間に3回に分けて受け取った」とし、その都度、銀行振り込みで返済したと述べました。
これまで、返済時期を「6年ごろ」としていたのは、ダム工事の入札が6年1月だったため、「請負契約ができなければ(裏金を)もらえないという考えが頭の中にあったため」と説明しました。
 また、笠氏は「収支報告書の裏帳簿を焼却した」としていた説明も、「資金の使い道を書いたメモとリポート用紙を、(投票日の)3年12月1日に(選挙事務所の敷地内で)焼却。4年2月9日にも定宿でメモなどを橋本知事に見せ、了解の上で、元経理担当者が翌10日に焼却を(事務担当者に)依頼した」と訂正しました。
 さらに、私の質問に答えて選挙管理委員会に提出した後援会の収支報告にも虚偽の記載があったことも認めました。

秋山武子氏
 笠氏が、橋本知事の選挙事務所に座って以来、選挙運動期間中、また、それ以後も定宿にしていた旅館経営者の秋山氏は、「選挙期間中に笠氏から、新聞紙で包んだ現金1億円を預かり、旅館内のロッカーに保管していた」ことを証言し、「後援会長への返済資金とは別に建設業者6社から調達した1億円を旅館経営者に預けた」とする笠氏の証言と一致しました。
また秋山氏は、「笠氏は後援会長への返済のことで困っていた」こと「(笠氏が裏金を調達したとする)熊谷組の社員が頻繁に来ていた」こと「『熊谷組がダム工事をとるらしい、これは許せんこと』と当時の日記に書いている」こと、橋本知事がたびたび訪れていたことなども証言しました。しかし、事務所として一室を貸した3ヶ月分(30万円×3ヶ月)については室料を支払ったが、それ以外は橋本知事の食事代なども含めて一切支払われなかったことも述べました。
 さらに、この日には元経理担当者の手帳が提出されるとともに、後日秋山氏の日記についても可能な範囲で提出されることとなりましたので、これまでの証言の具体的な月日までが明らかになることと思われます。

 これまでの証言で確実ではありませんが、以下のようなおおまかな流れは明らかになったと思われます。問題の核心は熊谷組が中心となって調達した資金が、坂本ダムの工事発注の談合を前提としていたものかどうかが立証されなければなりません。今後の委員会で明らかにしていきたいと思います。

91年夏     横矢氏 300万円借金(返済はしていない)
          パチンコ業者 3000万円借金(町田照代氏からの借金の一部で返済)
          町田照代氏   1億円借金(熊谷組・坂本ダムJVからの1億円寄附で返済)
          建設業者六社   1億円借金(返済はしていない)
92年1〜3月 熊谷組・坂本ダムJV  1億円寄附

1月29日(100条委員会)

 100条委員会「坂本ダム等に関する調査特別委員会」は29日、橋本大二郎後援会長の町田照代氏、談合が指摘されている県発注の坂本ダム(宿毛市)工事を共同企業体(JV)を組んで落札した佐藤工業の元四国支店長、斉藤武夫氏、笠証言で2000万円を資金提供したとされる戸田建設の元四国支店長、神毛英一氏ら3氏を証人尋問しました。
 町田氏は、当時の橋本事務所事務局長、笠誠一氏が「町田氏から3年に1億円を借り、4年1月から3月にかけ返済した」と証言していることに対し、「笠氏との金銭の貸借は全くない。(笠証言には)根拠がない」と証言。選挙資金の貸与を全面否定しました。
 また、町田氏は「お金に関しては(笠氏から)一切相談はなかったし、関与していない」さらには、「後援会長は金に関わらない方がよいとのアドバイスを受け、小銭をカンパ箱に入れる程度で、札での寄附はしていない」と述べ、1億円の貸与は否定しました。
 これまでの笠証言で「何かを建設する工事にかかわる金」からの借用したとの証言もありましたが、そのことについては、「資金を融通するようなことをしたら、医療法人なので税務署が黙っていない。法人の口座にも振り込まれていない」と強調し、笠氏の証言そのものを「根拠がない」「思い違い」と否定しました。また、精華園の工事を請け負った県外大手業者に笠氏が資金を振り込んだかどうかに関しても、「業者と園の間に笠氏は関係していない。もし振り込んだとしてもこちらは関知できないし、監督する義務はない」と関与を否定されましたので、後日任意の資料提出を求めることとしました。
 一方、坂本ダム関係については、元佐藤工業・斉藤氏は談合を「知らない」と全面否定し、元戸田建設・神毛氏も「何も聞いていない」と証言しました。しかし、神毛氏は、着任前の4年前半に県発注の横浜トンネル(高知市)工事を、坂本ダムでの落札JVの一員である新進建設とのJVで落札、既に着工していた状況に触れました。場合によっては、この工事が坂本ダム以外の資金調達業者の関わりの可能性も出てきたのではないかと思われます。いずれにしても、建設業者が自ら「談合をしました」と口を開くはずがありませんが、もし、談合があったのであれば、傍証的事実の積み上げは可能であるはずです。これらの本社は過去にいくつかの談合が指摘された事実があります。そして、坂本ダム工事では、落札率98.4%で、落札JV以外の応札JVは全て予定価格以上、さらには談合報道がされるなどの経過から、談合の傍証的事実の積み上げをさらに図っていく必要があります。
 次回の100条委員会は2月13日、新進建設社長ら坂本ダム工事を落札した建設会社の関係者3氏を証人尋問する予定です。この中には、たびたび笠氏をホテル佐渡に尋ねていた人物や建設業者調達の1億円を佐渡に運んだ方も含まれていますので、一つのヤマになるのではないかと思います。

2月10日(100条委員会)

 百条委員会「坂本ダム等に関する調査特別委員会」に対して調査依頼をしていた金融機関から、当時橋本事務所事務局長だった笠誠一氏から町田照代後援会長が関係する企業の口座へ、4年2月に2日連続で4000万円と1000万円の計5000万円が振り込まれていた事実が報告されました。このことによって、100条委員会に提出されていた橋本事務所元経理担当者の手帳の内容や証言と符合することが確認されます。
 さらに、この新事実の判明を受け、独自に調査した高知新聞によれば、笠誠一氏が選挙資金として、町田照代後援会長から1億円借り入れたことについても、町田氏は8日、自身が役員を務める有限会社「笛」が選挙戦前に笠氏へ1億円を貸与していた事実を、高知新聞社に明らかにしたとの報道がされました。これまで、県議会百条委員会に対しての証言でもそのような事実は「一切ない」とし、さらには、笠誠一氏の証言を「高齢者のおとぎ話的な妄想」とも述べ、100条委員会に対しても「きちんと調査をしてからものを言え」とばかりに胸を張ってきた町田氏であるが、「偽証」の疑いで告発することさえ検討しなければならない事態になってきました。
 「記録にあるが記憶になし」という町田氏、これらのことについて調べる意思は「ない。話だけでは事実にはたどり着けない。」と自らに不都合なことについては説明責任を果たそうとせず、笠氏証言についても「向こうの勘違いかもしれない。僕は勘違いはしません。」と言い切る橋本知事。この姿勢に、今、県民の批判は高まっています。
 今後の調査で、笠氏の証言通り、1億円が選挙資金として使われていたこと、更にその返済資金が、坂本ダムの談合による資金調達ということになれば、時効が成立しているとはいえ政治資金規正法違反や選挙資金調達のための公共工事談合事件による橋本知事の道義的責任は問われなければならないと思います。

(参考)
小島盛治氏メモ「2月27日 徳島BKより振込」について
  ・メモ通りの平成4年2月27日に4000万円の振り込みを確認。
  ・翌28日にも1000万円の振り込みがあったことを把握。
  ・いずれも笠氏名義で振り込まれ、振込先口座は「有限会社笛」。
  ・同社は眼鏡類や清涼飲料水などの販売を目的に昭和45年設立され、入金当時の代表取締役は町田氏本人となっている。

町田氏の会社1億円貸与の事実について
  ・平成3年10月21日、同氏が当時代表取締役の有限会社「笛」が、口座のある徳島銀行高知支店から1億円(金利分除外で振り込み)を借り入れ、「仮払」名目で笠氏に即日貸与。
  ・その後笠氏から「笛」に、知事選後の同12月27日に5000万円
  ・翌4年2月27日に4000万円
  ・同28日に1000万円の計1億円が「仮払精算」として分割返済。
  ・同3月31日には、笠氏から1億円の利払い分とみられる約200万円が振り込まれる。

橋本知事のコメント
  ・1億円の資金提供の事実について「全く初めての話で、驚いているとしか言いようがない」 と述べ、自らの関知・関与も全面的に否定。
  ・1億円の金が動いて、当事者、候補者が全く知らないということがあるのかということについて「普通、知らないでしょう。もしそういうことがあっても。僕に関しては言いようがない。」
  ・不透明な金の流れがあったことは事実かということについて「コメントする立場にない。自分の知っていることしか話せない。」

2月13日(100条委員会)

   町田照代・知事後援会長を偽証告発の方向へ 
県議会の百条委員会「坂本ダム等に関する調査特別委員会」は13日、証人尋問で「金銭貸借は全くない」と全面否定しながら、その後、1億円の貸与の事実を明らかにした町田照代後援会長を地方自治法100条の規定に基づき、虚偽の陳述で告発する方針を決めました。
町田氏は1月29日の証人尋問で、同氏から選挙資金1億円を借り、返済したとする笠氏の証言を、「高齢者のおとぎ話的な妄想や思い違いで、根拠がない」と全面的に否定しました。さらに、百条委の調査自体を非難する発言もし、極めて自身と確信に満ちた1億円の貸与・返済の事実を否定しました。ところが、その後の百条委の調査で、町田氏が役員を務める有限会社「笛」の銀行口座に笠氏から計5000万円が振り込まれていた事実が明らかになってきたため、高知新聞社の取材で町田氏は「『笛』の口座の元帳を調べた結果」として、「笛」が3年10月に笠氏に1億円を貸与し、全額が返済されていたことを明らかにしました。
 1月29日の証人尋問以来、「あれほど全面否定するのは、10年以上前だから物証が出てこないと甘く見ている」と言われていましたが、物証が出てきたために慌てて訂正したものと思われます。
この日の百条委で、町田氏から12日に「全くの失念と考え違いから大変な迷惑をかけた」などとする弁明書が提出されたことに対して「銀行の証明が得られないとの思いを前提にしており、悪意を持った偽証だ」「5000万円入金の事実を指摘されたから出してきたのであり、弁明は(刑の免除などを規定した)自白には当たらない」「闇融資問題の百条委では、偽証告発によりその後の証人尋問がスムーズに進み始めた」などの指摘がされたため、町田氏を虚偽の陳述で告発する方向で法的検討に入ることを、出席委員全員で申し合わせました。
    
建設業者は「記憶にない」の連発
 同日の証人尋問では、談合が指摘されている県発注の坂本ダム(宿毛市)工事を落札した共同企業体(JV)のうち、新進建設の社長、小川武一氏と熊谷組の元四国支店長、土屋貢氏同じく元高知営業所長、上野晃氏に対して談合問題や笠氏との関係、さらに資金の受け渡し場所とされた「ホテル佐渡」などについて質しましたが、いずれも、橋本陣営元事務局長笠誠一氏への裏金提供について「記憶にない」とし、談合疑惑を「分からない」などとそろって否定しました。
 小川氏は、裏金提供について「記憶にない」とし、同ダム関連以外でも2000万円を提供したとされることなどに「断言できないが、記憶にない」と繰り返しました。笠氏の証言で鍵を握る人物の一人とされていることには「なぜこんな目に遭うのか分からない。誰かが自分をおとしめようとしているのではないかと疑心暗鬼になっている」と述べました。
 また、土屋氏は、裏金提供については「分からない」「最後の4000万円は新しい支店長が持ってきてくれた」とする笠氏の証言に対し、「全然かかわってない」とし、前任支店長からの談合に関しての引き継ぎや関与も一切否定しました。
 上野氏は、裏金提供は「聞いたことがない」とし、ダム関連以外の2000万円提供も「まったく覚えがない」と証言し、笠氏との関係については、「新年のあいさつや顔つなぎなどで4回ぐらい会った記憶がある。」と説明し、笠氏と橋本県政の関係に建設業者の多くが関心があったことを述べました。
 結果的に、三人ともが「談合」と「選挙資金提供」について全てを否定していますが、熊谷組の談合体質は過去多くの不祥事例からも明白であり、坂本ダムにおける談合情報や落札状況などからも坂本ダム工事の入札においても大きな疑いは拭い切れません。また、上野証言の中で本人は自覚していないかもしれませんが、笠氏との密接な関係を裏付ける証言もしています。また、新進建設もあまりに関係のなさを強調するあまり不自然な面もあります。今後さまざまな観点から調査を進めていきますので、県民の皆さんも情報があればお寄せ下さい。
次回の百条委は3月23日を予定しています。

2月23日(県・市病院組合議会)

 県・高知市病院組合議会は23日、定例会を開会し、県立中央病院と高知市立市民病院を県・市病院組合立として設置・運営するための条例や予算関係4議案を、全会一致で可決しました。
予算関係では、16年度予算を17年2月までの11カ月間とし、328億5900万円を計上。入院・外来などの医業収益と医業外収益などで125億3300万円の収入を見込み、支出は医業費用、医業外費用など125億1000万円で、2300万円の利益を想定しています。

 
 初診時特定療養費1580円と三倍に
 16年度から一体的に運営する県立中央、高知市立市民病院に紹介状を持たずに来院する初診外来患者の特定療養費を、現行の400円程度から1580円に引き上げる考えで、今年1月の両病院の紹介率と、県内や中四国の主要病院の紹介率・特定療養費を比較の上で「来年度は両病院の紹介率は30%以上が見込まれる。高知医療センターが紹介型病院を目指していることや患者負担の不公平性を是正するためにも1580円が妥当」とし、早期導入する考えを示しました。私は、これに対し、小児外来などで紹介状を持たない初診患者が多い現状なども踏まえ、「現状のままで負担が3倍強となることに患者は納得してくれるのか」などと慎重な対応を求めました。他にも、「中央病院は1月の紹介率が30%を下回っており、結論は保留すべきだ」また「下駄履き病院としての機能を残していく確認もしてきたはず。議会での議論を十分踏まえてほしい。」「診療の差異化はあっても、両病院は基本的には変わらない。たとえ年度内に紹介率30%をクリアしたとしても検討はできるはず。1,500円はやっぱり高いと感じる。保留とするのが筋では。」などとする意見が続出し、4月からの両病院の一体運営までに、再度議論することとしました。

 
 患者サービスそのままでの負担増は問題
 私は、そのほかにも今年の四月からスタートする差異化にともなう問題点を@両病院の病棟体制など現状で問題はないのか。A診療情報提供料の徴収など、病院側の都合で患者負担を増やしていくのは疑問。B救急診療について、小児救急の具体的な対応は。C他部署との業務連携について、これからの協議で間に合うのか。ベッドサイドリハの問題などDいずれにしても、差異化によって患者サービスを後退させ、患者負担を増やすようなやり方は問題。ということを指摘したが、時間の関係で、改めて議論されることとなりました。
 今後、4月以降、両病院の診療機能を分担することに伴う措置として、現在の県立中央病院の「整形外科」「リハビリテーション科」、高知市立市民病院の「小児科」「産婦人科」「乳腺甲状腺外科」の外来診療を、それぞれ3月26日までとする方針で、それまでに患者の希望を尊重して他の医療機関への紹介を進め、組合立病院(中央か高知市民)で続けて診療を希望する場合は統合先での再診予約などに配慮することとしています。
 医療センターの工事進捗状況は、本体が46.2%・本体以外(職員宿舎等)が9.2%で、ほぼ計画どおりに進んでいるということだか、患者サービスの向上をはじめとしたソフト面ではまだまだ課題は山積していると言わざるを得ません。
 今後も、議会としてのチェック機能を十分に働かせなければならないと思っています。

3月19日(2月定例会報告)

当初予算案は減額修正へ
 県議会2月定例会は2月24日から3月18日までの間開催し、執行部提出の04年度一般会計当初予算案を減額修正して閉会しました。当初予算案の修正は1955年以来であり、特別職人事についても選任を見送る(臨時会で選任)など異例の2月定例会となりました。
 一般会計当初予算案は、旅費事務を県外大手旅行業者に一括委託する旅費システム構築の関連予算(3255万5000円)を削除する減額修正案を賛成多数で可決し、予算総額は4820億3900万円から4820億700万円に減額修正されました。
 さらに、執行部提出議案で議論が集中された課題としては、近海カツオ漁船リース事業費の執行停止を決め、県こども条例案は賛成多数で継続審査となり、全国で初めて罰則規定を盛り込んだ議員提案の「県うみがめ保護条例」案は全会一致で可決しました。
 意見書議案は、県民クラブなどが提案した「劣化ウラン兵器の使用禁止を求める意見書」など8件を全会一致または賛成多数で可決しました。
 また、市町村合併が進む中で、選挙区や定数の見直しを検討するための、議員定数問題等調査特別委員会は「次の一般選挙(県議選)は合併後の新たな選挙区で行う」などとする審査結果を報告し、全会一致で承認しました。そして、百条委員会「坂本ダム等に関する調査特別委員会」の証人尋問での虚偽の陳述で橋本知事の後援会長、町田照代氏の告発を賛成多数で可決し、3月22日に県警に告発することとしています。

知事は説明責任を果たすべき
 今定例会では、相変わらず知事の選挙資金疑惑に関する「不関知・不関与」の答弁姿勢に対して、説明責任を果たそうとする姿勢の欠如に対して、厳しい批判の声が挙がりました。また、国の三位一体改革による地方交付税や臨時財政対策債の大幅な減額に伴う一般財源不足の県予算の厳しさを何とか県民サービスの後退につなげないための手だてをどうするのかといった議論も多くなされました。厳しい財政状況は今後も引き続く中で、県民の視点に立った政策の優先性が問われることになると思います。

議員定数調査特別委の報告書(要旨)
 本県では17年3月末までの合併を目指して、11の法定協議会が設置され、合併後のまちづくりについて積極的に協議されている。こうした状況を踏まえ、合併後の選挙区の在り方を検討した結果、合併後の新たな郡市の区域で選挙を行うことは、市町村合併による新しいまちづくりや地域づくりの推進と、そのために自分たちの代表を選ぶという住民意識が合致することから、次の一般選挙(県議選、任意満了の場合は19年4月)には合併特例法を適用しない(合併後の新たな選挙区で行う)。ただし、補欠選挙が次の一般選挙までの間に行われる場合は、この選挙で選出される議員の任期は前任者の残任期間であり、県民にも理解されやすいことから、合併特例法を適用し、従前の選挙区により行う。

県警察は信頼を取り戻すために、全力を
捜査費虚偽請求問題で新たな展開
 昨年7月の新聞報道以来、県警の国費捜査費虚偽請求問題は、約196万円の国費捜査費を警察庁に虚偽請求していたことに端を発し、議会においても真相究明を行ってきました。
 しかし、県警は県議会では「捜査費は適正に執行した」の一点張りで、橋本大二郎知事も「県警の説明を信じることは決して不合理ではない」として、虚偽請求解明に消極的な姿勢を示してきました。一方、県監査委員は昨年9月、捜査費から支出される職員間の飲食代金「激励慰労費」の支出を取りやめ、支出分の返還を求める意見を出し、県警本部長は県費捜査費からの支出を中止しました。
 今年に入ってからは、北海道警や福岡県警はOBの証言で調査委員会などの設置を余儀なくされ、静岡県警はカラ出張の不正を認め、事態を静観していた警察庁も「隠ぺい体質との批判に耐えられない」と方針転換し、「予算執行検討委員会」を設置し、都道府県監査委員の聞き取り調査に協力するよう全国の警察に通達するとともに、3月11日には、架空名義領収書の会計処理の廃止も通達するなどの姿勢を打ち出すにいたりました。
 そして、本県においても、複数の捜査員が「捜査費はうそ」と新聞紙上に証言するなど疑惑が深まる中で、2月定例会中の県議会総務委員会で、県警本部長は本部捜査一課の国費捜査費虚偽請求問題に関し、審議したが捜査一課幹部による口封じの事実はないことをはじめ、「(高知)地検の捜査が行われている中で、県警として調査すると捜査妨害になりかねない」とのことで、新事実が出ない限り、現段階では県警として調査をしない考えを明らかにしました。
 また、本部長は捜査費問題の報告の中で、県警の対応として、県監査委員から捜査員に対する聞き取り調査の要求があれば応じる▽捜査協力者の偽名での領収証を認めない▽会計を取り扱う本部の総括補佐、警察署の副署長、次長について16年度から試験で選抜する―ことなどを挙げましたが、自ら真相究明を果たすことなく、このことだけで、これまでに失った信頼を取り戻すことは容易ではないと思われます。
自浄能力発揮こそ信頼回復への道
 最後に本部長が「真実は地検が解明するが、大変遺憾な事態だと思う。警察が誤りのない絶対的な存在とは思っていない。しかし現段階では地検の捜査に誠意を持って対応することが、事実解明の最善の策」と述べているが、自らの自浄能力の発揮と知事の特別監査の発動など、できることは積極的に行う姿勢が求められています。
さらに、昨年5月、高知市で県警交通機動隊員に道交法違反で取り押さえられた少年が無抵抗であったにもかかわらず、制圧行為の名のもとに「膵臓断裂」などの重傷を負わせた巡査長が特別公務員暴行凌虐致傷罪で送検された事案についても、不信感を抱かせるような対応がこれまでにも指摘されています。特に、県警交通部の対応などは自らに有利な情報提供しかなされていないかのような疑義もあり、信頼回復のために早急に改善しなければならない姿勢など山積していると言わざるをえません。
県民の安心と安全を確保するための県警の役割は大変大きなものがあるなか、限られた定員の中で交番や駐在の見直しなども進めなければならず、県民の理解を得るためにも、一日も早く疑惑をもたれることのない体制を築くことが求められています。

こども条例は継続審査へ
 県こども条例案は、「日本国憲法や児童の権利に関する条約などの理念を踏まえて、こどもの人権が守られることは当然であるが、一人一人のこどもが、幸せで、豊かに育ち、自分の人生の主人公でいられることを大人が支援し、こどもが高知県で育って良かったと感じられるような社会を築くために制定するもの」です。しかし、総務委員会での二回の勉強会や本会議、さらには委員会審議の中で「権利の濫用」や「必要性があるのか」などの反対意見もあり、こどもたちの条例がみんなの合意でスタートできるという状況にはなりきっていませんでした。私自身は、この条例を通じて児童虐待や養育放棄されたり、健やかに育つ権利が侵されている子どもや、学校で学ぶ姿勢に欠けるこども、さらには生活の乱れの中で学校や家庭生活に行き詰まっているこどもたちとそのような社会的背景を作り出してきたおとながきちんと向き合うことが求められている中で、そのきっかけとなり、条例の趣旨が歪められることなくこの社会の中に活かされていくことが求められているという立場で審議に臨みました。
 しかし、審議過程では、採決をしても成否が極めて不透明な中、「引き続き精査、検討する必要がある」と継続審査を求める声を否定しがたく、よりよい形のスタートを願う意味で継続審査としました。

100条委員会(4月9日)

 8日開催の百条委員会「坂本ダム等に関する調査特別委員会」の調査で、橋本事務所元事務局長の笠誠一氏が「建設業界から提供を受けた金を預けた」としていた口座の存在を確認し、取引履歴では計6800万円の入金があり、町田照代後援会長から借りた1億円の返済に資金を出し入れしていた事実が明らかになりつつあります。
 確認された口座は、名義が「橋本大二郎後援会 笠誠一」であり、笠氏の言う「建設業者6社から集めた1億300万円の一部を四銀に預金」したものが知事選終了後の3年12月19日に2800万円の入金で開設されており、当時の四銀関係者の証言ともほぼ一致しています。取引履歴では、3年12月26日にも同支店長代理が現金3000万円を預かって入金をしたほか、その口座が4年4月3日に解約されるまでの入金合計は6800万円となっています。
このように、裏で動いた選挙資金の実態が徐々に明らかになっている中で、談合の事実と知事の関与を立証することに調査のウェイトを置くことも大事になってきていると思います。
 また、最近の調査では、坂本ダム工事を落札した共同企業体の代表企業の熊谷組(橋本陣営の笠誠一・元事務局長に裏金を提供して工事を受注した談合疑惑が指摘されている)に5年4月から、元県土木事務所長が再就職していたことが明らかになっていましたので、証人として招致していた入札当時に県の土木部長榎並谷氏に事実を指摘するとともに、見解を求めました。しかし、榎並谷氏は、「その情報は知っていた」とした上で、「私が道筋を付けたわけではない。県の方から紹介するようなことはなかったと思う」と関与を否定し、橋本知事の指示や関与については「そういう流れがあった記憶はない」と述べました。しかし、再就職した職員に関しては「何度か県庁に営業に来た」「(その際には坂本ダムの話は)していると思う」とも証言しました。
 私は、裁判所は、談合の直接的な証拠がなくとも、間接的な事実を総合することによって談合の事実を証明する方法を認めている事例をあげながら、坂本ダムについては「事前に談合情報が流れた。」「談合情報通りのJVが落札した。」「落札率は98.4%で残り7企業体は全て知らされていないはずの予定価格を上回り、なおかつ3番札から8番札までほぼ2億円の差額で均等に並んでいる。」「入札JVの企業からは資金提供を受けていると言われている。」「平成5年からそれ以前に土木技術退職者が再就職したことのない熊谷組に再就職が斡旋されている事実は極めて不自然である。」という事実をもとに、どう考えるかという質問をしたが「おかしなことがあるという思いがあったから、行政としての所定の手続きを踏んだわけで、談合はなかったと判断している」という考え方を繰り返すに止まりました。
 このほか3年当時、橋本陣営のスタッフで橋本知事の学友の証人高橋次郎氏は、笠氏の証言などで3年知事選後の4年2月、裏金に関する書類などを焼却したとされていることに「関与していない。事実無根」と全面否定。領収書の整理を含め「金に関することにはかかわっていない」と述べましたが、私の「きれいな選挙をしたかったという氏の思いに反して莫大な金額の資金が動いたという事実についてどう思うか」という質問に対して「手弁当で頑張ってくれた草の根の方々に申し訳ないし、自分自身もがっかりした。」と声を詰まらせました。そして、「だったら事実の解明は必要ではないのか」ということには「そうしなければならない」と答えるという場面がありましたが、このやりとりを橋本知事はどう受け止めているのでしょう。
 次回委員会は5月7日に開催を予定しています。

100条委員会(5月7日)

  第16回100条委員会を5月7日に開催しました。
  当日は、県発注の坂本ダム工事を落札した共同企業体の代表企業・熊谷組に、入札前の5年4月に再就職した山本・元県土木事務所長、当時の井添県土木部副部長ら4人を証人尋問しました。
  まず、橋本陣営の笠誠一・元事務局長に、それぞれ2000万円の資金を提供したとされる大旺建設と戸田建設の関係者への尋問を行いましたが、中谷明・大旺建設副会長は自らが同社の政治献金を一手に扱う立場にあったとしながらも、資金提供には「記憶がない」とし、戸田建設の小田尾博・元高知営業所長も「知らない」と述べるにとどまりました。それでも、中谷氏の「記憶がない」の連発には呆れるほどであり、さらに、小田尾氏が平成3年の知事選当時、現金300万円をある人物に渡し、笠氏に届けるよう依頼したとの情報があるということの新情報での追及も今後の事実解明につなげられるかが課題となります。
 また、山本氏は熊谷組への再就職について、同社の当時の上野高知営業所長(証人で尋問済・ただし再尋問の可能性有り)の誘いで四国支店の営業部長(高知駐在)として9年間勤務したとのことだが、6年1月の同ダムの入札に関しては「再就職するまで発注があることを知らなかった。再就職と工事の受注は関係ないと思う」と証言しました。しかし、山本氏が再就職した時期がダム工事の入札から完成までの期間と一致していることや、山本氏以外に県OBが同社に再就職した事例がないこと。さらには、上野氏と旧知の間柄とは言え、10年以上も音沙汰のない人から、退職の意思は上司にしか伝えられていない中で、声がかかるのか。「たいした営業実績をあげなかった」(証言)山本氏に40〜50万円もの月給が支払われていたという極めて不自然・疑問だらけの証言となっています。
 また、井添氏は、事前の談合情報通りに同社など3社で構成する企業体が落札したことに「現在でも談合があったとは考えていない」とした上で、「山本氏を熊谷組に紹介したことはない」と再就職への関与を否定しました。しかし、熊谷組の上野氏には山本証言でも明らかなように、県庁内部から山本氏に関する情報が流れているわけであり、当時の土木部幹部の関与は全く否定しきれるものではないと思わざるを得ません。
 いずれにしても、関与していた証人であっても、事実を述べることは極めて少ないと思われる中で、事実解明をしていくことは困難を生じますが、与えられた権限の中で調査を進めながら県民のみなさんに明らかにしていきたいと思います。
 次回の証人尋問は6月7日の予定です。

県政報告会(5月8日、4月29日)

 4月29日と5月8日の二回にわたって開催した「県政報告会」には計100名を超す県民・市民の方々にご参加頂き、私の拙い報告に耳を傾けていただきました。
 長時間に及ぶ報告会にも関わらず、さまざまなご質問やご提言を頂き感謝しています。
 参加者の皆さんとのやりとりの要旨につきましては、参考のため下記のとおり報告させていただきます。
 今後とも、県政に対するさまざまなご意見・ご提言をよろしくお願いします。

(質問)倒壊木造家屋の被災者を救出するために、バールなどが必要とされているが、自主防災組織に一式などというのではなく、できるだけ数多く支給した方が良いのではないか。多額の金をかけて公園のトイレ改修などするより急がなければならないこと。
(回答)津波が押し寄せてくる地域では、救出するよりもまず自分が避難することが大事ではないか。
市としての予算の使い道として、何を優先するかが問われてくると思う。

(質問)防潮堤の耐震性の強度調査などは行われているのか。
(回答)高知・徳島・和歌山・三重の連携で国に要望することとしている。

(質問)耐震補修の補助の問題はどのような議論がされているのか。
(回答)静岡県などの先進県で制度化されているところでも、自己負担も多額であり、活用が進んでいない。工法・コストの課題など現在、県庁内のチームで検討中であり、秋までに方向性を出していきたいと思っている。

(質問)河川を遡上したりすることなども含めて自らの地域が津波でどのようになるのか。もっと我々のイメージをふくらませて頂きたい。
(回答)水門などが機能する場合とか、しない場合とかでどのように違うのかなどホームページにも掲載しているし、市にはお渡しできるものもあるのでそれらをご覧頂きたい。

(提言)災害・地震のことについては、過去のことも充分調べることも大切。土建型防災対策ではだめな面もある。知事が時々野菜CMに出ているようだが、そんなことをするより県民が一人地酒一本でも県外の知人におみやげで渡した方がずっとPRや県経済にも効果がある。
(回答)何事も歴史に学ぶことは重要であると思う。そのことを将来にどのようにして生かすかである。地元消費などは県経済への波及も大きいので、大事なことだと思う。

(提言)地震啓発パンフレットは、漫画とかを活用し、こどもにも分かるものにしてほしい。
(回答)意見を参考にします。

(質問)中央病院の跡地利用について、避難施設として活用できるような利用方法を念頭に置いてほしい。
(回答)市議会では防災緑地として活用できるようにという意見書も決議されているが、私は防災緑地では津波・浸水の際の避難場所とならないので、避難場所となりうるエリアとして考えなければと思っている。しかし、県は跡地売却による病院赤字の解消財源を視野に置いているので、充分な議論で両者の方向性が一致できるようなことを検討しなければならないと思う。

(質問)地震発生に際して、県庁そのものは耐えうるのか。
(回答)8年前の耐震診断では、耐震性がないとの診断が出ているので、本年度予算で免震工法による、耐震補強が可能なのか検討することにしている。

(質問)家具転倒防止の方法として「つっぱり棒」の効果はあるのか。また、避難袋の食料など3日程度で本当に良いのか。
(回答)3日に特段の根拠があるわけではないが、長期に及ぶ場合の食糧確保は避難場所への備蓄などは行政責任で行うべきだと思う。

(質問)鏡川の遡上はどの程度か。また、市内の津波による浸水域はどれぐらいか。
(回答)鏡川を遡上した津波が堤防を越えることは想定されていないと思うが、いずれの河川も周辺は気をつけるべきである。1mの地盤沈下の後、浸水し始めるが西は本町、東は大津あたりまでということになる。

(質問)倒壊しない木造家屋で3階ぐらいであれば、大丈夫なのか。
(回答)木造家屋の場合は、津波で倒壊する可能性があるので、避難する必要がある。

(提言)第三セクターとかグリーンピア、観光コンベンション、FAZ、政策総研とかに県から金がどれだけ出ているか、その効果はどれだけ上がっているのか情報提供をして欲しい。
(回答)確かに、政策総研には毎年1億円程度の補助金が出ているが、そこで研究された政策がどのように県施策に反映されているか見えないなどと言う意見がある。それらも踏まえて提供していけるようにしたい。

(質問)三位一体の構造改革で地方が大変になっていることは良く分かるが、県の借金はどの程度でどのような解消方法があるのか。
(回答)いわゆる県債残高は7800億円程度で、年間の予算規模を大きく上回っている。大幅な歳出の抑制と歳入の増額を図っていくしかないが、大変な額の県債残高があるということを念頭においた議論と持続可能な財政運営を進めなければならない。

(質問)三位一体の構造改革で県をはじめ市町村財政が大変になるが、県議会として政府に対して、もの申しているのか。
(回答)二月定例会で、全会一致による「地方交付税の大幅削減を中止し、真の地方分権型社会の構築に向けた三位一体の改革を求める意見書」を決議し、政府に提出している。

(質問)直接的には、市に対する要望になるかもしれないが、70年のような集中豪雨が襲ってくれば、下地地区は広範囲に浸水してしまう。抜本的な浸水対策としての排水ポンプの設置なども念頭に置いた防災対策をしてほしい。
(回答)過去の教訓を生かした浸水対策がどれだけ行われてきているのか、調べてみたい。

(質問)こどもが学校に行きたくても行けない状況になっている現実が校区内にあることを知ってほしい。
(回答)学校基本調査の不登校データーも市町村単位であり、校区ごとに把握可能なのか検討もしてみたいし、そのことは念頭に置いて行きたい。