県政報告のページ
6月27日(定例会に向けて) |
いわゆる「口利き」の文書化・公開の課題について
このことは、「職務に関する働きかけについての取り扱い要領」案として示されています。
私は、このことについて、「不当な働きかけから行政の公平・公正さを確保する」「働きかけによる意志決定過程の透明性を確保する」ということから言えば、一定有効な取り扱いになると思っています。ただし、その運用にあたっては、想定される懸念(対応する県側の主観や裁量に委ねられる部分が相当ある)を払拭し慎重な対応をすることが必要だと思っています。なぜなら、このことによって、県が議員や県民、各種団体の提言や苦情などが自主的に規制、制約されることとなり、結果的に県民等の声が排除されて、独断的に県政が進められることにつながることを心配します
県民のみなさんにとって、県に対する要請・提言・苦情などを述べることが文書化されてインターネットなどで公開されることについてどのように感じられますか。ご意見を下さい。
また、直接働きかけられる側の職員のみなさん負担も大きくなるかと思われますが、どのように受け止められますか。県職員のみなさんの声もお待ちしています。
知事の退職手当について
今議会では知事ら三役の退職手当の支給率または支給方法を改める条例案が提出されています。これは支給率については四国の他県並みとし、任期ごとに支給するという方法に改めるものです。これによって支払われる知事の退職金はちなみに一期目4838万円・二期目4992万円・三期目4608万円・合計1億4438万円となります。
知事は自らの著書「破天荒、大二郎がゆく」の中で「人に奉仕するのが大好き、好きと言うより趣味だ」とまで言っています。そんな人が、こんな多額の退職金を期待していたのだろうかと疑問に思います。だいたい勤労者は働き始めて40年間ほどで定年を迎えますが、その時にもらう退職金は多くて2700万円位が相場です。知事の場合は12年間で1億4438万円なのです。こんなご時世、これをすんなり受け取るのでしょうか。
県民のみなさんはどう思われますか。常々県民のみなさんの目線にたってということを考えられている知事です。どうぞご意見をお聞かせ下さい。
6.18日〜20日(兵庫・三重県の地震対策に学ぶ) |
私は、「県民クラブ」の江渕征香・田村輝雄・浜田嘉彦議員と「市民の声」の森祥一議員とともに、会派の政務調査として兵庫県と三重県に防災対策について学ぶための視察を行ってきましたので、ここに報告します。
1 兵庫県・人と防災未来センターの見学と阪神大震災の教訓
「人と防災未来センター」は阪神・淡路大震災の経験とそこから学んだ防災の重要性、命の尊さと共に生きることの素晴らしさなどの教訓を後世に継承するとともに、その経験と教訓を生かし、防災に関する知識及び技術の普及を図ることにより、地震等の災害による被害の軽減に貢献するため創設されたものです。昨年「防災未来館」がオープンし、今年「ひと未来館」が開設して、年間256千人の入館者が学んでいるそうです。
(1) 最初に山田部長からセンターの概要について話を伺った。
災害対策専門家派遣、資料収集・保存、人材育成、調査研究、交流・ネットワークづくりの拠点として役割などについて説明を受けたが、特に人材育成の役割は大きなものと思われる。全国の自治体から防災対策専門研修への派遣は昨年181人にのぼっている。高知からの派遣も今後は求められるだろう。
(2) 西岡課長から説明を受けながら防災未来館とひと未来館を見学した。
「1.17」を忘れず風化させず未来を見つめるための防災未来館の方に絞って報告しておきたい。
@阪神・淡路大震災の発生直後を映像と音量で伝える1.17シアター
A震災直後の破壊された町並みをジオラマ模型で再現したもの
B震災から復旧・復興していくまちと人の姿を時の流れにそってドキュメンタリー映像で 伝 える大震災ホール
C震災からの復興を辿るコーナー
D防災ワークショップ
などを見学したが、資料の著作権の問題で写真撮影ができなかったので残念であるが、@ABなどは極めて迫力のある画像や模型で震災を体験した人にとってはあまりにリアルで涙しながら見入ることが多いと聞く。また、Cはその資料点数に驚くが、時間があまりなくてゆっくり見学できなかった。Dでは模型による砂防ダムがある場合とない場合の土石流の実験や時間降雨量毎の雨の強さの実験、さらには液状化現象の実験など興味深く見せていただいた。
ひと未来館(癒しの空間で命の尊さと共に生きることの素晴らしさを体感する)と併せると見学時間は3〜4時間ほどかかるらしく、あまりに急いで見学したため充分なことを学びきれなかったかもしれない。
(3) 浜崎兵庫県議・加納神戸市議・井上神戸市議と復興策などについて意見交換を行った。
緊急復興3カ年計画によりインフラに対して5兆8700億円を投資し、住宅は169000戸の発注、蚕業においては純生産ベースで101.7まで回復し、計画はほぼ達成されている。今年、神戸市人口では震災前比99.3%まで回復しているが被害の大きかった長田区では80.5%と格差は大きい。その意味では震災以前と比較して街並みは別として人の生活や心はまだまだ復興していないと言うことは明かである。
昨年12月に阪神・淡路震災復興計画最終3カ年推進プログラムが策定され、高齢者の見守り体制や生きがいづくりなどの生活復興、事業の進捗に格差が出ている市街地整備の一層のスピードアップなど残された課題の解決に向けて全力で取り組むこととしているが、それで本当に終わるのかどうか疑問が残る。05年に復興を終え、06年に復興を終えた兵庫の姿を全国に知らしめようと言うことで国体を開催するということらしいが、県のその辺の感覚が理解できないというのが率直な感想である。それでなくても巨額の復興支援費用を投じてきた兵庫県は厳しい財政状況に陥っているわけで、さらに財政負担を強いることとなる国体開催にそのゴールを見いだすようなことでは、兵庫県・神戸市のこれからに「未来」はあるのかと疑いたくなった。復興施策については、極めて多岐に亘っているのでここでは省略するが、阪神・淡路大震災復興基金を活用して行われている。
いずれにしても、阪神・淡路大震災による死者6,041人、行方不明3人、負傷者数40,092人、全・半壊家屋248,412棟448,929世帯(02年12月26日現在)、被害総額は約9兆9、268億円と言われる中で、予防対策に力を入れることの重要さをつくづくと学ばされた。
2 東南海地震に備える三重県と県下自治体の防災対策に学ぶ
(1)三重県庁
@三重県地震対策アクションプログラムについて
三重県では東地消防防災分野総括マネージャー、中嶋地震対策グループリーダーから三重県地震対策アクションプログラムについての説明を受けた。
阪神・淡路大震災をはじめとする最近の地震災害の教訓を生かし、地震対策の課題、県民の防災意識を踏まえた上で、東海・東南海・南海地震等の大規模地震への対応について総点検を行い、三重県の今後の地震防災の具体的な施策を検討したアクションプログラムを策定することにより三重県地域防災計画の実効性を高め、地震災害に強い県土を目指すこととしている。そして、このプログラムの中で強調されているのは県民の防災意識アンケート調査に基づいて、緊急度に応じて短期・中長期の5カ年計画を策定しており、数値目標の設定等の明確化、プログラムの推進による「減災」の考え方に基づき5つの基本理念及び自助・共助・公助の役割分担によって進めていくことである。そして、進捗状況は毎年度公表されることとなっている。 詳細については、アクションプログラムを参照していただくこととして、特に印象に残ったのはプログラムの不十分な点についても充分に自覚し、そのことをどう克服していくのかということ、さらに達成できないときにはそのことも県民に明らかにしながら県民の意識喚起も図りながら進めていこうという姿勢である。また、「住まい安全安心21通信」や「地震防災読本」を発行し、常に県民への啓発を心がけていることである。そして、今年度は15名のスタッフを増員し、相当の危機感を持ってことを進めようとしていることである。
高知県の場合、地震像を今年度中に定めた上でその対策を講じていくということだが、三重県でも来るべき地震像を確定するのはこれからだという。しかし、出きることからしていくということは、高知県でもできないことではないはずである。そのことが県民の不安を少なからず取り除いていくことになるのではないだろうか。
A本庁舎の耐震化工事について
1964年に竣工している県庁本庁舎の耐震化工事として行われた免震装置も見学させていただいた。
この工事は既設の基礎下レベルに免震層を構築し、免震装置を設置した耐震補強工事であった。建物の総重量約45、000tであり、一つの免震装置で最大約1,000tの荷重を支える仕組みになっている。免震装置におけるアイソレーター(支承・復元材)は薄いゴムシートと鉄板を交互に重ね、上下方向には建物を充分に硬さがあり、水平方向には柔らかく変形して元に戻る。そして、ダンパー(減衰材)は液体の粘性を利用して振動のエネルギーを吸収することで速やかに揺れを低減させるもので、これらの効果によって、ガラスの破損、ロッカー等の転倒による二次災害も防止し、大地震後も建物としての機能を維持できる。
(2)紀勢町
この紀勢町は99年の防災まちづくり大賞(消防庁主催)を受賞している。44年12月7日の東南海地震で津波による大きな被害を受けた紀勢町(錦地区)では12月7日を紀勢町防災の日として制定しており、防災のまちづくりに力を入れてきたところである。
主には、津波災害に対応した緊急避難態勢の確立、避難場所及び避難階段の整備(どの地区からも5分以内に緊急的に高台へ避難できるように、また、避難路の終点に避難休憩施設を設ける)、緊急避難塔(錦タワー)の整備(河川に囲まれ高台に避難しがたい地区のための避難施設)などの具体化を図っている。
防災まちづくり事業として95〜03年までの間に約6億円の事業費を投入しているが、まちづくりにきめ細かく防災意識が働いており、高知県の海岸線の市町村でも参考になるまちづくりがなされていると感じた。
さらに、継続的に行われている年間4回の避難訓練の実施は小中学生による下校時避難訓練や、海上船舶避難訓練や夜間に行う場合などもあり、極めて実践的である。避難路は一つの避難場所に対して何本かの路を確保したり、個人の軒先を拝借したりと地区全体が防災を優先しているかのように思われる。
以上のことなど含めて、さすが防災まちづくり大賞を受賞したことだけはあるとの感想を持たざるを得なかった。しかし、ここでもその施設のあり方としては災害弱者への考慮はこれからの面もあると思われるが、一定確保されたコミュニティ機能がそれをカバーできるようになっているのかもしれない。
(3)尾鷲市
尾鷲市は年間降雨量が全国一多いまちとして有名であるが、市街地は海岸に向かっての勾配があり、逆に海岸から一定の距離離れれば、標高10m以上の高さになっているという特徴を有している。岩盤はかなり固いので津波対策に力を入れているということで、現在、津波や避難経路も含めたシュミレーションを描く作業が和歌山県田辺市と並んで進められているので、それを受けた新たな対策も講じられることとなっている。
人口24000人のうち約8割が市街地に生活しているので、88%の組織率である自主防災組織を通じてワークショップによる避難マップづくりがされているとのことで、これを早期に仕上げていきたいとのことであった。
また、市街地の各所に避難路表示がされていたり、電柱などには標高表示がされている。そして、災害弱者の避難用として折り畳み式リヤカー(ハンディーキャンパー)が25台配備されている。一台4万円で重量は16sであるとのことだが、住民からの要望で備えているとのことである。このまちでも災害弱者対策がネックになっていることは報告されていたが、やれることから具体化に移していくという姿勢は大事ではないだろうか。
6月13日(政府予算等に関する提案及び要望について) |
本県が抱える諸問題のうち、特に重要なものと考えている諸事項について、提案と要望をし政府の施策等に反映して頂くため、13日には総務委員会のメンバーが関係省庁に要請を行ってきました。総務委員会として要望した項目は次の4項目で、私たちの班が担当した@Aの事項について、内閣府の竹中平蔵経済財政政策担当大臣や財務省の塩川正十郎財務大臣文部科学省研究開発局長などを訪ねましたが、国会開会中ということもあり不在。そのほとんどが、受付に要望書を手渡し、伝言を頼むというこの要請行動がいかがなものか。初めての私にとっては首を傾げざるをえないものでした。
本県選出の国会議員にも要請するということで、私は民主党・五島正規衆議院議員に要請に伺い、委員会の再開までの間に時間をとっていただき、一時間近く要望の趣旨を話してきました。五島衆議院議員も真剣に受け止めていただき今後も力になって下さることのご返事を頂きました。
@「地方分権を支える三位一体改革の推進」
●地方公共団体の行財政運営に支障を生じさせない計画的な改革の推進
●国から地方への税源移譲の推進
●地方の自主・自立につながる国庫補助負担金の廃止・縮減
●地方交付税の財源保障機能と財政調整機能の確保
A南海地震対策の国家的プロジェクトとしての位置づけと推進
●南海地震対策の国家的プロジェクトとし、地方と連携して積極的に推進すること
・地震の兆しを直ちに検知し、情報発信のできる地震観測システムの早期整備
・地震防災対策への財政措置の充実
・著しい地震災害が生じるおそれのある地域内の高速道路を優先整備する評価手法の策定
・津波防災対策における継続事業の促進及び助成制度の創設、拡充
B地上デジタル放送への移行に伴う難視聴地域対策の推進
●国の政策として行われる地上テレビ放送のアナログからデジタルへの移行に伴う難視聴の問題については、アナログ周波数変更対策と同様に国の責任において解決するよう取り組むこと。
C中山間地域における高度情報通信ネットワークインフラの整備の促進
●e-Japan戦略の目標を地域間格差なく達成するため、地理的要因などによる条件不利地域において、次の措置を講じること。
・民間事業者に対する条件不利地域への参入を促進する支援
・地方自治体による高度情報通信ネットワークの整備に対する支援
6月12日(静岡県の地震防災対策に学ぶ) |
その1静岡県地震防災センターにて
東海地震が発表された1976年8月以来、東海地震対策につぎ込まれた事業費は1兆5千億円という静岡県の地震防災センターを見学しながら、学んだことを報告します。
静岡県では、今年地震防災センターをリニューアルして防災意識の啓発を図っているが、年間約4万人の来館者にとどまっているそうです。最近では危機管理意識の高揚ということで会社などの事業所単位で見学されることが多いそうです。私たちが訪れたときも他に2つほどの団体見学が入っていました。このセンターの運営経費としては年間5500万円ほどかかっているようですが、それ以上に維持・修繕などに多額の費用がかかるようです。それ以上に先に述べたように21年間で1兆5千億円の事業費をつぎ込んでいるだけに、その効果が上がっていないと困るという内情もあるようです。これだけの巨額の事業費をつぎ込んでも万全ということはないのですから、財政的にはるかに厳しくなっている現状の中で高知県としてどのような対策を講じていくのかということが問われます。県民に対する理解と納得を求める手法を丁寧に展開していかなければなりません。
現在、県内には5000の自主防災組織があり、これからはこの自主防災組織をと消防団や災害ボランティア防災士の方とのコラボレーション(協働)をどのように図っていくかが問われているようです。ただし、この自主防災組織も単に町内会が横滑りしたような組織のものもあり、魂を入れていくことも今後の課題のようです。
これからの防災対策としては「自主防災組織」と「耐震補強」が二つの柱だそうですが、耐震補強についても昨年からスタートした木造住宅耐震補強助成制度(30万円の補助)による申請件数は一年間でたったの2件だったそうです。2000件の申請に応えられるように予算化をしていたそうです。補助対象となる昭和56年以前に建築された耐震補強の必要な木造住宅の所有者が高齢化しているということで、改修にまで踏み切れないということもあるようです。このことは新たに制度化している高知市などでどのような傾向を見せるか注視しなければなりません。
右は防災ベッド
センター内ではTSUNAMIドームシアター、地震体験コーナー、消火体験コーナー、家庭内地震対策コーナー、耐震コーナー、自主防災組織コーナーなどでそれぞれ説明を受けました。
その2津波避難地の事例について
静岡県では、海岸部に位置する地域では津波発生時には避難が不可欠であり、防災上も高所への避難を啓発している一方で、津波浸水想定区域において急傾斜地崩壊防止工事を実施した個所においては避難路もなく、津波発生時の避難確保が困難であった。そこで、急傾斜地の整備にあたり、崖崩れ対策と併せ津波などの避難地整備を行っていますが、沼津市の現地を土木事務所の案内などで見学しました。
まず、最初の避難地は急傾斜地を整備する際に、切土面に風化防止のためのコンクリート吹きつけを施行し、12bの高さ、600uの面積を擁するもので約300人の避難を確保できるものです。自主防災倉庫には可搬送式ポンプや救助資機材などが保管されています。
もう一つは津波発生時の高所へ避難する経路のない急傾斜地崩壊防止区域において崩落防止施設に階段・斜路等の避難路を追加設置し、防災機能の拡充を図ることとしたものも見学しました。
ただ、その避難路において高齢者や障害者の方の避難が保障されていないという災害弱者の課題は残っています。高知県においては、これからの避難地確保ですのでそのことを充分念頭において対応していくことが臨まれます。
6月6日(県・市病院組合議会) |
私も含めた県議8名、市議8名の16名で構成する県・高知市病院組合議会の臨時(組織)議会が6日に開催されました。
議長、副議長、監査委員の選任など以外の議題として@平成14年度予算繰越使用報告AH16.4県・市両病院運営方式B平成15年度職員採用試験C協力企業の選定状況についてなどが議論されました。
「高知医療センター」の05年3月開院に向け、04年4月に県立中央、高知市立市民の両病院を一旦廃止し、組合へ移管し、組合立病院として一体的に運営する方針が報告されました。具体的には、04年4月から開院までの期間は両病院の施設や設備はそのままにして組合立で診療を継続することとし、両病院の職員は05年2月末でそれぞれ退職とし、同3月に病院組合で採用することとなります。その間は円滑な移行を進める措置として、県市が組合側に派遣する形を取ることとしています。
また同組合は、6局体制(医療局・看護局・薬剤局・栄養局・医療技術局・事務局)となる同センターの業務組織のうち「薬剤」「栄養」「看護」の3局については責任者を全国公募し、設置準備段階から従事させることとし、すでに全国公募がされています。
最も議論が集中したのは、医療コア(県・市病院組合の直営部分)の内容としての医療機能についての取り組みでした。「高知医療センター」の開院が2005年3月と迫りながら、何故今まで医療機能の全容が明らかにならないのか。同センターの柱となる高度救命救急センター機能や、地域医療支援病院に向けての取り組みは現状のままでいいのか。「高知医療センター」の整備、運営を担当する特定目的会社(SPC)「高知医療ピーエフアイ」は同センター病院本館の協力企業はこれまでに12社(うち県内企業8社)を選定しており、受託企業は県内企業(県内に営業所を置く企業を含む)34社、県外企業34社を採用し、地元の作業員の採用率は88%ということを報告しているが、透明性を保つために企業名も明らかにすることなどが求められました。
組合管理者は03年度から県立中央、高知市民の両病院が機能の充実に努めていることを説明した上で、「夏ぐらい(8月)には医療の枠組みを固めないと予算づくりに間に合わない」とし、医療部門の骨格を早急に固める考えを示し、地域の医療機関との連携について「高度医療を行うには県市の医師会の協力が不可欠。話し合いの密度を高めていきたい」と回答しました。
また、院長予定者の瀬戸山元一理事は「外来から入院医療にシフトし、開院時には高度救命救急機能を備えた病院にしたい。ご安心ください。」と胸を張ったが、これまでの瀬戸山理事の言動からにわかに信じがたい面もあり、不安が残ります。
私も議論に参加する中で、医療機能の議論が何故ここまで難航してきたのか、労働組合との議論状況、また透明性を原則とするPFI事業関連について、いくつかの質問を投げかけました。その内容の要旨は以下の通りです。
(1)現在の議論が、なぜこの時期までかかったのか。…今年、両病院のカルテを統一した。両病院の機能を特化する形でレベルアップを図る取り組みも行っている。人事も絡ませながら順次構築しており、手をこまねいてきたわけではない。
(2)過渡期の04年度に両病院の運営において赤字が出た場合はどこが負担するのか。…赤字負担は、高知医療センター整備運営協議会の中に分科会を設置し検討していく。「開院までの赤字は構成団体が負担する」と、これまで説明してきており、H16年度の赤字については今後議論していく。
(3)職員の身分の問題について、労働組合との議論状況は。…身分問題は自治労県本部へ提示もし、議論を行っている。まだ合意には達していないが、職員の意欲も考慮し、6月中には大綱合意できるようにしたい。
(4)採用試験の受験資格欄に、それぞれの職種の「学会又は協会の役職経験を1年以上有すること」とあるが、その要件は必要なのか。… 採用試験の受験資格について、700人前後の職員数で6局体制の中心を担うリーダーを採用することから、かなり幅広い知識と経験が必要。センター構想の中で、そういう人材が必要なのではとの判断に至った。
(5)選定された協力企業の企業名を明らかに。…リストは後日配布する。
(6)高知医療PFI(株)のホームページには、協力企業の業務内容や選定時期だけでなく、選定企業名や業務遂行状況など、採用後の細部にわたる情報も掲載すべき。…できる限りHPに掲載するよう高知医療ピーエフアイ(株)に要請していく。
最後に、PFI事業の経費削減にまだまだ余地はあるとして、「ゲストハウス不要論」を病院組合に投げかけ、県民が真に求める高度医療の充実と予算執行について、引き続いて注視していく姿勢を強調してきました。
高知医療センター開院まで二年を切った中で、県民のみなさんが「本当にこの病院ができてよかった」と思えるような病院にしていくため、そして、そこに働く医療スタッフの充実を図るための労働条件の確保など真摯に議論していかなければなりません。
参考:高知医療ピーエフアイのホームページアドレス
http://www.kochi―mc.com/
6月4日(県総合防災訓練)
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今年度から、県総合防災訓練を総務委員会として視察することとしましたので、参加しての感想を報告します。
今年度の訓練は6月4日に中村市・土佐清水市を会場として、関係者を含め約3600人が参加して行われました。中村市では震度6強となる大地震の発生、高さ6.8bの津波に襲われ、約6000人が被災し、土佐清水市では一昨年の県西南部豪雨災害と同程度の集中豪雨に見舞われたという想定で市街地においてより実践的な訓練として計画されていました。
「津波が押し寄せる港から高台へ徒歩での避難」「耐震防火水槽や近くの河川から取水しての消火活動や倒壊家屋からの救助活動」「ケガをした小学生への応急手当と重傷者の病院への搬送」等々の訓練風景を視察しました。
下田地区では地震発生・津波警報の発令と同時に私たちも高台まで実際に避難してみました。しかし、避難路の状況は道幅が狭く、両脇に木造家屋が迫っているなど実際に避難路として確保されるのかどうかなどの問題点も明らかになっています。そして高台への上り坂も割と距離があり障害者や高齢者の方にとっては困難を伴う面もありました。
また、その他の訓練場所でもそれぞれに学ぶべき点はあろうかとは思いましたが、あくまでも訓練であって、実際に被災したときどのように動けばいいのかなど咄嗟の判断が求められます。これからは自治体ごとに、また、町内会ごとにきめ細かくこのような訓練を繰り返し、行政的な改善点を浮き彫りにしながらの防災対策を講じるとともに、県民自らが身体に覚えさせていくことの必要性を感じた次第です。
5月14日〜16日(総務委員会) |
総務委員会について
以前にも報告しましたように、私は総務委員会に所属していますので、5月14日から16日にかけて、所管の総務部・教育委員会・警察本部・出納事務局・監査委員会・人事委員会の業務概要について聞き取り調査を行いました。それぞれの部局の各課の本年度事業や予算の説明を受けましたが、今年の4月から大きく組織改編をしたことが、審議をしづらくしている面があるのではないかと感じました。知事は「仕事のスピードアップとともに仕事の目標を明確にする。」とか「部局や省庁の縦割りを変えていく」ということで指示したものだが、県民にとってただ垣根が多くなっただけといような弊害は出ていないのかどうか。また、毎年の組織改編に伴う課室再配置などの事務費がどれだけ使われているのかなど検証が必要だと思います。
私も、各課の説明に対していくつかの意見を述べましたが、次の二点についてのみ報告をしておきたいと思います。
●財政状況の厳しさが強調される中で、行財政改革による支出削減のみだけでなく、県の掲げる中期的課題(南海地震対策・産業育成・安心して暮らせる地域づくり・資源循環型社会づくり)の具体化を雇用の拡大につなげながら、収入確保にも力を入れて欲しい。
●危機管理としての南海大地震対策について、現在行われている地震像をいつまでに見極め、いつの時点までに対策を明らかにしていくのかをできるだけ早く県民に見えるように作業を進めて欲しい。
病院組合議会について
17年3月開院予定で建設工事が進められている「高知医療センター」の運営について議論する高知県・高知市病院組合議会議員にも選出されました。病院組合議会では県・市統合病院である「高知医療センター」のあるべき姿について、現時点では、明らかになっていない面も多くあります。医師の確保など含めて、地域で完結される医療が本当に提供されることになるのかなど県民のみなさんの意見をふまえた審議をしていきたいと思います。また、そこに働く医療従事者のみなさんの働きやすい環境整備も、患者さんにとっては大事なことですので、力を尽くしたいと思います。
6月定例会までの間、各常任委員会では出先機関の業務調査を行っていきます。なお、6月定例会は6月27日開会の予定です。
5月7〜9日(5月臨時会) |
初めての議会に出席しましたので、その概要について報告します。私の席は最前列で知事のほぼ正面ということで心地よい緊張感を味わうことができました。
5月臨時会(組織議会)報告
5月7日から9日にかけて開催された臨時会(組織議会)では、初日には議長・副議長を選出したあと、提出議案を常任委員会に付託し二日目に審査しました。なお、私は総務委員会に所属いたしておりますので、総務委員会に付託された事件についてご報告しておきます。
高知県税条例の一部を改正する条例議案
この条例は、地方税等の一部改正に伴い、県たばこ税について必要な改正をしようとするもの。
平成14年度高知県一般会計補正予算の専決処分報告
県債、地方交付税等の額の確定等に伴い専決処分をしたもの。
高知県税条例の一部を改正する条例の専決処分報告
地方税等の一部を改正する法律が平成15年3月31日に公布されたとなどに伴い、不動産取得税、自動車取引税、軽油引取税等について必要な改正をするため、高知県税条例の一部を改正する条例を専決処分したものである。
付託事件については、審査の上すべて全会一致で可決・承認しました。
しかし、付託事件以外に総務部と教育委員会から6件の職員の不祥事が報告され、「何故未だにこのようなことが発生し続けるのか」「横領事件については決裁状況がどうなっているのか」「県に事務局を置く各種任意団体で再発防止のための調査をしているのはどれだけあるのか」などの質問がされました。「約300の任意団体等の会計事務を取り扱っているが、これらについて、事務手続きがきちんとなされているのか。更には、県に事務局を設置する必要性があるのか。チェック体制も含め、各所属で見直しをするよう、点検の指示を行い、改めてその結果を報告したい」との答弁がありました。また、教育長からは、「教育改革に取り組んでいるさなかの不祥事であり、責任を痛感している。これまで以上に学校現場を訪問して、職員とも直接話をするなど、きめ細やかな教職員との対話などに全力を挙げて取り組みたい」との答弁がありました。
また、企画建設委員会に付託された事件として高知県が当事者である民事調停の合意に関する議案がありました。これは、県が県営住宅建設の目的で購入した高知市八反町二丁目の土地から環境基準を超えるダイオキシン類が検出されたため、県が行った当該土地及びその周辺地域の土壌・水質調査、汚染土壌の処理等に関して、当該土地の売り主に対してこれら一連の調査、処理等に要した経費を支払うよう損害賠償請求調停を申し立てていた事件について、高知簡易裁判所から調停案の提示があり、検討した結果、早期に事件を解決することが望ましいと認められるので、これに合意しようとするものでした。
この調停案は県が売り主側に約9000万円の損害賠償を求めたのに対し、ダイオキシンの検出を「県が予見できた可能性は否定できない」などと指摘。県の損害額を土壌処理費など6166万円余と算定し、売り主側が紛争解決金として3000万円を支払うという内容でした。審査の過程では「結果的には県民負担が生じたという責任を県は明らかにしなければならないのではないか」という指摘もあったが、県として「当時はできる限りの事前調査をしており、担当職員の責任は問えない。また、土地所得の必要経費と考えている」ことなどの答弁がされ、審査の結果全会一致で可決しました。
9日の本会議では、企画建設委員会及び総務委員会の委員長とりまとめが報告され、提出議案がすべて全会一致で可決・承認されました。
また、高知県競馬組合議会議員選挙の投票の結果、定数6名のうち県民クラブからは江渕征香議員が選出されました。
私は高知県・高知市病院組合議会議員に選出されましたが、県・市統合病院である「高知医療センター」のあるべき姿について、県民のみなさんの意見を反映するとともに、そこに働く医療従事者のみなさんの働きやすい環境整備に向けて全力を尽くしたいと思います。ご意見をお寄せ下さい。
4月30日(会派構成) |
任期が始まった本日、所属する会派を「県民クラブ」と決め、江渕征香県議を代表として「会派届」を提出しました。なお、県民クラブの構成員は4名で下記のとおりです。
代表 江渕征香県議
田村輝雄県議
浜田嘉彦県議
坂本茂雄 以上です。
先輩方は、それぞれに専門分野を持たれた県民のみなさんのご期待に応えられる県議さんばかりで、ご指導いただきながら、私も頑張ってまいります。
なお、臨時会議は予定通り5月7日〜9日まで開催されることとなりました。その場では、議長・副議長選任や常任委員の選任、マスコミなどでも報道されている県が当事者である民事調停の合意に関する議案(県営住宅建設の目的で購入した土地からダイオキシン類が検出されたことに対して、県が行った土壌調査や汚染土壌の処理に関して当該土地の売り主に対して、要した経費を支払うよう損害賠償請求の申し立てに対する調停に合意しようとするもの)などが審議されます。
4月26日(当選証書受理) |
4月16日付で当選証書を受理いたしましたが、県会議員としての任期は4月30日からとなっています。5月7日〜9日開催予定の臨時議会で委員会の所属とかが決められて、本格的な活動に入ります。
今後は、随時活動報告などをさせていただきます。